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73、誕生日の夜に (2) *
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「ああっ!」
一番奥まで到達する感覚があって、楓花は思わず顔を歪めて大声を出した。
「キツいか?……」
もう止められないと言いつつ、天馬は腰を打ち付けるのをやめて、浅いところでゆるゆると腰を揺すって様子を窺っている。楓花を気遣ってくれているのだ。
「だい……じょぶ…だから……続けて…」
「でも、お前……」
「少しずつ……慣れてきた気が…するから……お願いだから、やめないで……」
少しずつ2人でステップアップをして、漸くこの日を迎えたのだ。天馬を散々待たせた挙句、今度は中断だなんて、そんなことはさせたくない。
それに楓花自身だって、貫かれた痛みよりもやっと一つになれた喜びの方が大きいのだ。
ずっとこのまま繋がっていたい、離れたくない。だから……。
「天にいとくっついてたいの。もっと天にいを感じたい。だから……動いて……」
途端に楓花の中で天馬自身がビクンと跳ねた。
隘路の中で質量が増し、隙間なくギッチリと埋め尽くされる。
「ああっ!」
「ほんっとに煽ってくれるよな……マジでセーブ出来なくなるぞ……」
「セーブいらない……」
「くそっ!もう知らん!」
入口の辺りで腰を回してグリグリ擦り付けてから、ギリギリまで引き抜いて……ズンッ!と最奥まで突き上げた。
「あーーーっ!」
シーツに爪を立てていたら天馬に手を取られた。指を絡め、力強く握られる。
そのまま天馬はゆっくりと腰をグラインドさせ、奥にズンと挿し込むを繰り返している。
「なんだこコレ……ヤバっ、気持ち良すぎる……」
下から見上げる天馬は、目を薄っすらと閉じて口を半開きにした恍惚の表情を浮かべている。
吐息に混じって時折聞こえて来る喘ぎ声が色っぽく、それだけで奥の方から濡れて来るのが分かる。グチュッ、グチュッ……と水っぽい音が聞こえだす。
「うっ……ごめん楓花……締め付けが凄くて持ってかれる……もう……」
言うが早いか急に腰の動きが速くなり、規則的なピストン運動が始まる。その度に中が擦れてゾワゾワする。
いつの間にか痛みは消えて、代わりに甘い疼きが芽生え始めていた。
「あっ……あっ……凄い…っ」
「楓花……気持ちいい……もう……っ!」
パンッ、パンッ、パンッ……
肌と肌がぶつかり合い、汗を弾く音が響き渡る。
打ち付けるリズムが徐々に速くなり、快感の波が押し寄せる。
「あっ……もうっ……もう駄目っ!」
「うっ……イくっ!」
達したのは同時だった。
中で天馬の漲りが大きくブルンと跳ね、そのあと少し間隔を置いて何度かビクン、ビクンと精を吐き出すのを感じた。
暫くすると手が離され身体が離れ、ズルッと肉棒が引き抜かれる。
自分の一部が取り出されてしまったように感じて、なんだか寂しくなった。
天馬はゴムを外して処理をしながら、苦々しい顔で小さく「くそっ」と呟いている。
「楓花、もしかして早漏野郎とか思ってる?……言っとくけど、いつもはこんなに早くないからな」
「えっ、早漏って……そんなの分からないよ。私は天にいしか知らないし、速いか遅いかなんて比較のしようが無いし……」
「……そうか……そうだよな…」
そこで漸く天馬はいつもの不敵な笑みを浮かべ、楓花を見下ろす。
「1回出したからもう大丈夫だ。今度こそじっくり可愛がってやれる。思う存分イきまくれよ」
ーーえっ?! イきまくるって……
「本当に気持ちよくなるのはこれからだ。……マジで啼かせるから」
「あ……きゃっ!」
天馬は慣れた手つきで避妊具を装着すると、楓花の膝をグイッと開き、再び腰を沈めてきた。
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