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5、初めてでこんなに気持ちよくてイイのデスカ?*
しおりを挟むフニッ……と触れた唇は、ほんの一瞬で離れてしまった。
なんだか物足りないような残念な気持ち。
ーーもっと触れていたかったのに……。
そんな風に思ってしまうなんて、相当酔いが回っているんだろう。
トロンとした目で見上げたら、またもや切なそうな表情。
ーーどうしてそんなに辛そうなの? さっきの笑顔を見せて下さいヨ。
頬にそっと手を添えて、今度は自分から唇を寄せた。
「笑ってくださいヨ」
チュッと短い音を立ててすぐに離すと、透はパチリと一つ瞬きをして、一瞬固まった。
「ヨーコさん、俺は自分では理性的な方だと思ってるけど……やっぱり我慢出来ないです!」
ガバッと膝裏に手を入れられて、所謂お姫様抱っこの状態で、すぐ隣のベッドルームに運び込まれる。
この状態で怖いとも逃げたいとも思わないのは、アルコールのせいなのか、彼のせいなのか……。
ドサリ……ではなくて、そろりと、ゆっくりと、まさしくお姫様のようにベッドに横たえられる。
熱を帯びた瞳が近付いて、目の前でゆっくり閉じられた。
釣られて目を閉じたら、さっきと同じ柔らかい感触。
ーーうん、やっぱり気持ちイイ……。
クチュ……と水っぽい音。
気付いたら薄く開いた唇から舌が差し入れられていた。口の中を余すことなく舐め回される。ゾクッとする。
舌と舌が触れた。その先端から微力な電気が流れるように、ジワジワと甘い痺れが全身へと伝っていく。
「はぁ…っ……ふ……」
長い長い口づけの後、彼の唇が耳に移り、耳の後ろを舐め、耳朶を甘噛みする。
「あっ……」と声が漏れた時には、既に首筋を舐められ、鎖骨に沿って舌を這わされていた。
「ヨーコさん……ヨーコ……ずっと好きだった……。こうしたかったんだ……」
まるでずっと前から恋焦がれていたみたいに言われて、心も身体もフワフワしてくる。
黒いカップ付きタンクトップの裾から手が伸びて、胸を鷲掴みされた。
「あっ……!」
「痛いですか?」
「ううん……気持ちイイ」
「……っ! もう駄目だ!」
ガバッと下から捲り上げられて、上半身が露わになった。
透もバッとポロシャツを脱ぎ捨てて、胸にむしゃぶりついて来る。
思っていたよりも筋肉があった。やはり男性なのだ。
ーーだけど、どうしてだろう。怖くない……。
舌で乳輪を丹念に舐め上げ、時々先端を吸い上げる。右手はもう片方の胸を捏ね回し、指を沈めてギュッと締め付ける。
その痛みさえもすぐに快感に変わる。
「あっ、あんっ……トオルさん……どうしよう、気持ちイイデス……」
「ヨーコさん……トオルって呼んで。俺も……気持ちいいです……」
くぐもった声が胸元から聞こえ、熱い息が吹きかかる。
「ヨーコ……こっちも…下も触りたい……いい?」
言いながら、返事を待たずに右手がショートパンツの内側に入って行く。
「やっ……怖い!」
思わず脚をキツく閉じたら、胸の先端をキツく吸い上げられて、それどころでは無くなった。
その隙に指がそろりと太腿の間に滑り込む。
「ああっ!……やんっ、あっ……」
「凄い……もう濡れてる」
クチュリ……と音がした。
透の指が割れ目を上下している。指の腹で撫で上げられる。
徐々に指が深く侵入して行く。花弁が開き、中に招き入れる。
ツプッ……と人差し指の先端が入った。
「やっ! 駄目っ……!」
「……キツいですね」
透の頭が下へと動き、膝をグイッと開けられる。
「やっ、あっ、嘘っ!……んんっ……ああっ!」
あられもない場所を舐められ弄られ吸い上げられて、生まれて初めての快感に目の前で何かが弾けて……。
ーー嘘っ、初めてがこんなに気持ちいいなんて……。
そこから先は白い世界に呑み込まれて、あっという間に意識を手放した。
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