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遠征
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今回の遠征には四個艦隊を持って帝国に侵攻することが決定された。
参加艦隊は
第七航宙艦隊
司令官 ウィリバルト・フォン・バイエルン中将
旗艦 航宙戦艦 「ユランガル」
第十一機動艦隊
司令官 アーネスト・フォン・ビスマルク中将
旗艦 突撃型重巡洋艦 「シュタルク」
第十五機動艦隊
司令官 ハルコルト・フォン・ブレーメン少将
旗艦 高機動型重巡洋艦 「ビューロー」
第十六機動艦隊
司令官 コンラート・フォン・ハウクウィッツ少将
旗艦 強襲型重巡洋艦 「カッツェ」
の四個艦隊である。
兵力はそれぞれ
百四十隻、百十七隻、百十隻、百十隻となっている。
連合艦隊だけの兵力で四百七十七隻もいるので今回の遠征では大会戦がいくつか起こるだろうと噂されていた。
そもそも会戦と大会戦の違いとは、前者は約一個艦隊同士の戦いを指し、後者の方は両陣営合わせて五百隻以上だった場合の時に用いられる。
つまり連合艦隊に対する帝国艦隊が二十三隻を超えた時点で交戦すれば歴史上に一つの大会戦が刻み込まれるというわけだ。
もっとも、帝国艦隊が二十三隻だけは常識を外れに外れているのでさすがに迎撃司令官に任命されたマンチェスター大将もしなかったが…
総司令官は年齢的にビスマルク中将が任命され、副司令官はバイエルン中将が引き受けることとなった。
ただ今回の遠征の役割配置について不満顔の若い士官がいた。
言うまでもなくアルベルトである。
自分の机に突っ伏して状態で昇進した若い中佐は隣のパイロットに愚痴をこぼす。
「伯父上は一級の戦闘指揮官なのだから総司令官は伯父上がされれば良かったのに…」
「まぁそう愚痴をこぼすな、ビスマルク中将だって百戦錬磨だ。誤った戦略をなさるはずがないさ」
同じく昇進したまだ二十歳の大佐がたしなめる。
「それにお前の愚痴はもっと違う方向にあるだろう?」
机に突っ伏している中佐の体が一瞬震えた。
「エリーとしばらく会えなくなるのが寂しいんだろう?ただそれを言うと恥ずかしいから適当な方であるビスマルク中将に愚痴をこぼしているのだろう。なんなら私から言っておいておこうか?ん?」
ニヤニヤ顔で見てくるアンハルトに勢いよく起きたアルベルトが赤面しながら反論する。
「ちがっ違う!断じて違う!!俺はただ、その、ええと、そう!久し振りに話す相手が出来たエリザベートがまた話す人がいなくなるのが少しだけ気がかりであって…」
「ふーん」
赤髪の士官を見つつなおも笑いを堪えきれなさそうなエースだった。
アルベルトに知らず知らず八つ当たりされているビスマルク中将はくしゃみを盛大にしていた。
「フロレンツ大尉、くしゃみは一回すると褒められた、だったかな?」
「さあ?」
中将に聞かれた副官は興味なさげに生返事を返し忙しそうに遠征の準備をしている。
「そんなことより閣下、帝国艦隊と交戦する際の陣形とか進軍ルートとか決めたんでしょうね?」
「えっ、ああ、うん。勿論だとも」
「ふーん」
かなり歳下の副官に痛い所を突かれて沈黙してしまった中将であった。
参加艦隊は
第七航宙艦隊
司令官 ウィリバルト・フォン・バイエルン中将
旗艦 航宙戦艦 「ユランガル」
第十一機動艦隊
司令官 アーネスト・フォン・ビスマルク中将
旗艦 突撃型重巡洋艦 「シュタルク」
第十五機動艦隊
司令官 ハルコルト・フォン・ブレーメン少将
旗艦 高機動型重巡洋艦 「ビューロー」
第十六機動艦隊
司令官 コンラート・フォン・ハウクウィッツ少将
旗艦 強襲型重巡洋艦 「カッツェ」
の四個艦隊である。
兵力はそれぞれ
百四十隻、百十七隻、百十隻、百十隻となっている。
連合艦隊だけの兵力で四百七十七隻もいるので今回の遠征では大会戦がいくつか起こるだろうと噂されていた。
そもそも会戦と大会戦の違いとは、前者は約一個艦隊同士の戦いを指し、後者の方は両陣営合わせて五百隻以上だった場合の時に用いられる。
つまり連合艦隊に対する帝国艦隊が二十三隻を超えた時点で交戦すれば歴史上に一つの大会戦が刻み込まれるというわけだ。
もっとも、帝国艦隊が二十三隻だけは常識を外れに外れているのでさすがに迎撃司令官に任命されたマンチェスター大将もしなかったが…
総司令官は年齢的にビスマルク中将が任命され、副司令官はバイエルン中将が引き受けることとなった。
ただ今回の遠征の役割配置について不満顔の若い士官がいた。
言うまでもなくアルベルトである。
自分の机に突っ伏して状態で昇進した若い中佐は隣のパイロットに愚痴をこぼす。
「伯父上は一級の戦闘指揮官なのだから総司令官は伯父上がされれば良かったのに…」
「まぁそう愚痴をこぼすな、ビスマルク中将だって百戦錬磨だ。誤った戦略をなさるはずがないさ」
同じく昇進したまだ二十歳の大佐がたしなめる。
「それにお前の愚痴はもっと違う方向にあるだろう?」
机に突っ伏している中佐の体が一瞬震えた。
「エリーとしばらく会えなくなるのが寂しいんだろう?ただそれを言うと恥ずかしいから適当な方であるビスマルク中将に愚痴をこぼしているのだろう。なんなら私から言っておいておこうか?ん?」
ニヤニヤ顔で見てくるアンハルトに勢いよく起きたアルベルトが赤面しながら反論する。
「ちがっ違う!断じて違う!!俺はただ、その、ええと、そう!久し振りに話す相手が出来たエリザベートがまた話す人がいなくなるのが少しだけ気がかりであって…」
「ふーん」
赤髪の士官を見つつなおも笑いを堪えきれなさそうなエースだった。
アルベルトに知らず知らず八つ当たりされているビスマルク中将はくしゃみを盛大にしていた。
「フロレンツ大尉、くしゃみは一回すると褒められた、だったかな?」
「さあ?」
中将に聞かれた副官は興味なさげに生返事を返し忙しそうに遠征の準備をしている。
「そんなことより閣下、帝国艦隊と交戦する際の陣形とか進軍ルートとか決めたんでしょうね?」
「えっ、ああ、うん。勿論だとも」
「ふーん」
かなり歳下の副官に痛い所を突かれて沈黙してしまった中将であった。
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