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King Tiger
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ウォーベック子爵の執務室前まで二十人近くの部下と戦ってきたネルソン大佐は疲れを感じさせない歩調で執務室の扉の前につく。
部下に目で合図してスモークグレネードを投げ込ませる。
煙が噴き出す音と部屋の中から男数名の咳の音を確認したネルソン大佐は
「サーマル!」
と部下に指示を飛ばし自身もゴーグルを被る。
中を覗くと部屋の棚やら椅子やらに隠れているテロリスト達は視界を確保しようと手を振ったり窓を開けようとしているのが赤く光って丸わかりだ。
執務室で警備をしている奴らなら何か情報を持っているかもしれないとネルソン大佐は思い
部下に手で”格闘戦で捕らえるぞ”と伝えた。
「Go!」
“王の虎”はその声と同時に部屋に入り一秒でテロリストの懐に飛び込み、二秒でみぞおちと顎を殴り、たった三秒で一人を捕らえた。
部下達もテロリスト達のがら空きの腹や顔、首を的確に狙い気絶させていく。
「クリア!」
「クリア!」
「クリア!」
と報告を受け取ったネルソン大佐は自分の足元で伸びている男の胸元を握り、立たせながらと淡々と言った。
「ルームクリア…さて、おい貴様。ウォーベック子爵はどこだ?」
「知らん…」
意識を朦朧とさせながら答えた男を部下に拘束させながら他のテロリストにも聞いたが無視か、知らないとしか言わない。
ネルソン大佐が病院前に展開した臨時本部に連絡しようとしたその時、
「連隊長!絨毯の下に隠し階段があります!」
先程から執務室のあちこちを調べていた大隊長ウィルモット少佐がビームライフルの先で重そうな鉄の床扉を指している。
直ぐに開けようとする部下の一人を少佐が手で制し、持ってきたロープを上手い具合に床扉に結び隊員達を退がらせてから一気に引っ張った。
すると爆発が生じ、床扉が吹っ飛んだ。
「あの爆発力はプラスチック携行設置型爆弾、いわゆるE-九(イーナイン)だな。開けた時に作動するように設定していたか。それにしても、俺より早く気づいて行動するとは。ウィルモット、成長したな」
「いえ、まだまだです。Seven's officer」
つい先日に誕生日を迎えて二十一歳になるウィルモット少佐が落ち着いた表情で答える。
そうか、と生返事を返しネルソン大佐は勢いよく地下(八階にとって)に入っていった。
直ぐ着いてきた少佐とアイコンタクトを交わし、少しずつ進んでいくとエレベーターの扉が現れた。
通信兵から受話器を受け取り臨時本部に連絡する。
「こちら突入隊、陸戦隊第七連隊長ネルソン大佐だ。臨時本部、聞こえるか?」
「ああ、聞こえてますよ。ネルソン先生」
答えたのはエドワード皇子だった。受話器から漏れるエドワード皇子の声を聞いた部下達がキョトンとした顔を敬愛する連隊長に向けているので彼はその謎も返答も同時に答えた。
「皇子、俺が陸戦技を教えたのは三年前までですよ。そんな昔話掘り返さないで下さいよ」
「貴方には私含め兄と弟が世話になりましたからね」
苦笑しつつも地下通路とエレベーターの存在を伝え、追撃することも言い、電話を切った。
興味の視線を向けてくる部下達にややめんどくさそうな顔で応じたネルソン大佐は諦めたように言った。
「この大仕事が終わったら第二区のバーで奢ってやるし、そこで教えてやるから働け若者達」
歓喜の叫び声を背にエレベーターのスイッチを押してみるが開かない。それどころか電源がついていない様だった。
「任せてください」
そう言って巨漢の隊員がエレベーターの扉に手をかけ、一声出すと扉が大きな音をたてて扉が開いた。というか開け壊した。
力加減が、と驚く武装憲兵達に言い訳しているこの巨漢の名はスティーブン・ヘンダーソン大尉。所属は陸戦隊第七連隊員。
歳は三十五と割と若い世代が士官に多く在籍する今日の連合、帝国軍だが彼は兵士上がりな為時間をかけ、今の階級まで登りつめたのだ。
ちなみに彼は二十五歳の奥さんと五歳と三歳の娘達を溺愛している。家族と一緒に買い物している時を見た連隊員の一人は
「あれは本当にヘンダーソン大尉か?俺の見間違いか?仮に本当だとしたら普段戦場で敵兵士を投げ回す人と同一人物には思えない」
とその日の日記に書くほど戦場の彼とギャップを感じたそうだ。
ネルソン大佐はエレベーターを吊っているワイヤーの強度を確認し、部下達に先んじて降下して行った。
部下に目で合図してスモークグレネードを投げ込ませる。
煙が噴き出す音と部屋の中から男数名の咳の音を確認したネルソン大佐は
「サーマル!」
と部下に指示を飛ばし自身もゴーグルを被る。
中を覗くと部屋の棚やら椅子やらに隠れているテロリスト達は視界を確保しようと手を振ったり窓を開けようとしているのが赤く光って丸わかりだ。
執務室で警備をしている奴らなら何か情報を持っているかもしれないとネルソン大佐は思い
部下に手で”格闘戦で捕らえるぞ”と伝えた。
「Go!」
“王の虎”はその声と同時に部屋に入り一秒でテロリストの懐に飛び込み、二秒でみぞおちと顎を殴り、たった三秒で一人を捕らえた。
部下達もテロリスト達のがら空きの腹や顔、首を的確に狙い気絶させていく。
「クリア!」
「クリア!」
「クリア!」
と報告を受け取ったネルソン大佐は自分の足元で伸びている男の胸元を握り、立たせながらと淡々と言った。
「ルームクリア…さて、おい貴様。ウォーベック子爵はどこだ?」
「知らん…」
意識を朦朧とさせながら答えた男を部下に拘束させながら他のテロリストにも聞いたが無視か、知らないとしか言わない。
ネルソン大佐が病院前に展開した臨時本部に連絡しようとしたその時、
「連隊長!絨毯の下に隠し階段があります!」
先程から執務室のあちこちを調べていた大隊長ウィルモット少佐がビームライフルの先で重そうな鉄の床扉を指している。
直ぐに開けようとする部下の一人を少佐が手で制し、持ってきたロープを上手い具合に床扉に結び隊員達を退がらせてから一気に引っ張った。
すると爆発が生じ、床扉が吹っ飛んだ。
「あの爆発力はプラスチック携行設置型爆弾、いわゆるE-九(イーナイン)だな。開けた時に作動するように設定していたか。それにしても、俺より早く気づいて行動するとは。ウィルモット、成長したな」
「いえ、まだまだです。Seven's officer」
つい先日に誕生日を迎えて二十一歳になるウィルモット少佐が落ち着いた表情で答える。
そうか、と生返事を返しネルソン大佐は勢いよく地下(八階にとって)に入っていった。
直ぐ着いてきた少佐とアイコンタクトを交わし、少しずつ進んでいくとエレベーターの扉が現れた。
通信兵から受話器を受け取り臨時本部に連絡する。
「こちら突入隊、陸戦隊第七連隊長ネルソン大佐だ。臨時本部、聞こえるか?」
「ああ、聞こえてますよ。ネルソン先生」
答えたのはエドワード皇子だった。受話器から漏れるエドワード皇子の声を聞いた部下達がキョトンとした顔を敬愛する連隊長に向けているので彼はその謎も返答も同時に答えた。
「皇子、俺が陸戦技を教えたのは三年前までですよ。そんな昔話掘り返さないで下さいよ」
「貴方には私含め兄と弟が世話になりましたからね」
苦笑しつつも地下通路とエレベーターの存在を伝え、追撃することも言い、電話を切った。
興味の視線を向けてくる部下達にややめんどくさそうな顔で応じたネルソン大佐は諦めたように言った。
「この大仕事が終わったら第二区のバーで奢ってやるし、そこで教えてやるから働け若者達」
歓喜の叫び声を背にエレベーターのスイッチを押してみるが開かない。それどころか電源がついていない様だった。
「任せてください」
そう言って巨漢の隊員がエレベーターの扉に手をかけ、一声出すと扉が大きな音をたてて扉が開いた。というか開け壊した。
力加減が、と驚く武装憲兵達に言い訳しているこの巨漢の名はスティーブン・ヘンダーソン大尉。所属は陸戦隊第七連隊員。
歳は三十五と割と若い世代が士官に多く在籍する今日の連合、帝国軍だが彼は兵士上がりな為時間をかけ、今の階級まで登りつめたのだ。
ちなみに彼は二十五歳の奥さんと五歳と三歳の娘達を溺愛している。家族と一緒に買い物している時を見た連隊員の一人は
「あれは本当にヘンダーソン大尉か?俺の見間違いか?仮に本当だとしたら普段戦場で敵兵士を投げ回す人と同一人物には思えない」
とその日の日記に書くほど戦場の彼とギャップを感じたそうだ。
ネルソン大佐はエレベーターを吊っているワイヤーの強度を確認し、部下達に先んじて降下して行った。
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