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逃避行
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スキンヘッドの男ことアイスナー大佐は宇宙港に向かってフルスピードで走る機動装甲車の中で事態の重さを説明した。
「バイエルン提督がビスマルク提督の見舞いに向かわれた直後、連合議会においてクーデターが起きたのです。エクムント国防大臣閣下とローデリヒ外務大臣閣下が大統領以下十三名を監禁し、このような声明を発表しました」
そう言いつつアイスナー大佐は壁に設置されている作戦用モニターを使ってその声明とやらを再生した。
後悔など一切無さそうな顔とやや不安そうな顔が二つ映し出された。
「我々はこの戦争を中止すべきなどとほざく元大統領やそれらの異分子を拘禁し、ここに新たに新政権が樹立したことを宣言する!」
その他ベラベラと喋り続ける新大統領の口から意外な言葉が出てきた。
「先の大会戦で散ったその命を慰める慰霊祭は我々が行う。その方が戦争を推奨せん輩に取り仕切られるよりは意味のあると私は思う」
その言葉を聞いたウィリバルトとアンハルト、それを聞いていた全ての者が顔いっぱいに怒気を満たした。
「エクムントの老犬め、次会った時は許しておかんぞ」
今まで背骨の痛みで黙りこくっていたハウクウィッツが殺意のこもった言葉を吐いたその時。
轟音が彼らの耳に飛び込んで来た。
何事かとアイスナー大佐が機動装甲車の上窓を開けて身を乗り出して見た物は新政権が派遣した都市戦闘用ジープだった。
六台いる。
そして先程の轟音はジープの後部座席に乗っていた兵士がロケットランチャーで最後尾を走っていた機動装甲車を破壊したのだ!
機動装甲車は車体の後部から火を吹きつつスピンしながら近くの倉庫に突進して爆発した。
「こんな街中で…ロケラン使う馬鹿がいるか!!」
アイスナーは固定式機関銃を後ろに向けロケットランチャーを発射した兵士諸共文字通り蜂の巣にした。
元々ジープはたいした装甲を持っていない。まず運転手の体に幾つかの穴が空いてジープからその死体が鮮血を撒きながら落ちていった。
続いてロケットランチャーを発射した男は顔面に三発程食らってそのままジープの爆発に巻き込まれた。
後ろの異常事態に気づいた先頭の二台も応射を始めた。
やがて高速道路に入った機動装甲車四台は後ろのジープたちに向かって遠慮なく攻撃を仕掛けた。高速道路なら周りに人はいない。
なぜなら新政権が発令した外出不許可令の為
車の一台も走っていないからだ。
一般道もいなかったが、すぐ側には建物が多くあった為被害の拡大をアンハルトたちは危惧したのだ。
だが高速道路はその心配は無い。
アイスナー大佐たちは今まで躊躇なくロケットランチャーの嵐にさらされた鬱憤を返した。
たちまち五台のジープは火を吹き上げてあるジープは高速道路から落ちていき、またあるジープは味方のジープとぶつかって炎上した。
歓声を上げる衛兵たちをしばらくして迎えたのはゾラ星の地上に三つあるうちの一つ
第二宇宙港だった。
「バイエルン提督がビスマルク提督の見舞いに向かわれた直後、連合議会においてクーデターが起きたのです。エクムント国防大臣閣下とローデリヒ外務大臣閣下が大統領以下十三名を監禁し、このような声明を発表しました」
そう言いつつアイスナー大佐は壁に設置されている作戦用モニターを使ってその声明とやらを再生した。
後悔など一切無さそうな顔とやや不安そうな顔が二つ映し出された。
「我々はこの戦争を中止すべきなどとほざく元大統領やそれらの異分子を拘禁し、ここに新たに新政権が樹立したことを宣言する!」
その他ベラベラと喋り続ける新大統領の口から意外な言葉が出てきた。
「先の大会戦で散ったその命を慰める慰霊祭は我々が行う。その方が戦争を推奨せん輩に取り仕切られるよりは意味のあると私は思う」
その言葉を聞いたウィリバルトとアンハルト、それを聞いていた全ての者が顔いっぱいに怒気を満たした。
「エクムントの老犬め、次会った時は許しておかんぞ」
今まで背骨の痛みで黙りこくっていたハウクウィッツが殺意のこもった言葉を吐いたその時。
轟音が彼らの耳に飛び込んで来た。
何事かとアイスナー大佐が機動装甲車の上窓を開けて身を乗り出して見た物は新政権が派遣した都市戦闘用ジープだった。
六台いる。
そして先程の轟音はジープの後部座席に乗っていた兵士がロケットランチャーで最後尾を走っていた機動装甲車を破壊したのだ!
機動装甲車は車体の後部から火を吹きつつスピンしながら近くの倉庫に突進して爆発した。
「こんな街中で…ロケラン使う馬鹿がいるか!!」
アイスナーは固定式機関銃を後ろに向けロケットランチャーを発射した兵士諸共文字通り蜂の巣にした。
元々ジープはたいした装甲を持っていない。まず運転手の体に幾つかの穴が空いてジープからその死体が鮮血を撒きながら落ちていった。
続いてロケットランチャーを発射した男は顔面に三発程食らってそのままジープの爆発に巻き込まれた。
後ろの異常事態に気づいた先頭の二台も応射を始めた。
やがて高速道路に入った機動装甲車四台は後ろのジープたちに向かって遠慮なく攻撃を仕掛けた。高速道路なら周りに人はいない。
なぜなら新政権が発令した外出不許可令の為
車の一台も走っていないからだ。
一般道もいなかったが、すぐ側には建物が多くあった為被害の拡大をアンハルトたちは危惧したのだ。
だが高速道路はその心配は無い。
アイスナー大佐たちは今まで躊躇なくロケットランチャーの嵐にさらされた鬱憤を返した。
たちまち五台のジープは火を吹き上げてあるジープは高速道路から落ちていき、またあるジープは味方のジープとぶつかって炎上した。
歓声を上げる衛兵たちをしばらくして迎えたのはゾラ星の地上に三つあるうちの一つ
第二宇宙港だった。
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