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マシューとアンナ

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「アンナ!お姉ちゃんからの手紙だ」

「本当に?お姉ちゃんからの手紙初めてだ!マシュー早く開けて読もう」

 マシューとアンナは白魔法を扱う天才的な才能を発揮し、学園でも優秀な成績を収めていた。
 更にその力を買われて、最年少で魔獣の討伐にも参加し成果をあげ神殿内でも学園でも一目置かれる存在となっていた。

 聖司教のアルミノクも2人に目をかけ直々に指導するほどで、セリーナと住んでいた隙間風が吹き荒む小屋の様な家とは雲泥の差で神殿内でも1番いい部屋を与えられていた。 

 この日も2人は、上等な白い生地を使ったセーラーカラーに金糸の細かい刺繍が施された、ブラウスにアンナはふんわりとしたスカートのワンピースに編み上げの可愛らしいリボンが着いたパンプスを合わせた服を、マシューは同じデザインでショートパンツにハイソックスにショートブーツを合わせた服を来ていた。

「え、酒場で働きはじめたって?しかも日付は僕達が家を出たあと……どうして」

「マシュー、お姉ちゃんは支援金があるから働かなくていいんじゃないの?」

 マシューやアンナのような優秀な才能がある子供を神殿に預けた家族で、家が貧しい者の場合は支援金が受け取れる様になっている。
 贅沢は出来ないが、少なくとも働かなくてもセリーナ1人が暮らして行くには充分な額が貰えている筈だった。

 親代わりのセリーナと離れて暮らすのはとても寂しかったが、自分達と一緒に居れば生活が苦しいのは
賢い2人はわかっていたので、断腸の思いで神殿で暮らし早く優秀な聖騎士と巫女になってセリーナを楽させてやろうと2人は頑張っていたのだ。

「アンナ、アルミノク様の所に行こう!」

「うん!」

 マシューとアンナは神殿に来てからセリーナを
心配させないように何通も手紙を書いていた。
 でもセリーナは返事を返してくれなかった。
寂しかったが、引っ越しなどで忙しいのだろうと2人は追及せずに待っていた。
 
 実際は、その日食べるパンを買うのもやっとのセリーナは神殿に送る切手代も出せず返事を返す事が出来なかったのだ。

「「アルミノク様!」」

 いつもならきちんと面会の許可を得てからアルミノクの書斎にやってくる2人が、ノックもせずに慌てて入って来たその姿に、ただ事ではないとアルミノクは駆け寄る。

「どうしたのですか、2人共そんなに慌てて」

「アルミノク様!お姉ちゃんに支援金は送られてないのですか?」

「アンナ達が手紙を貰うのもどうしてこんなにかかったんですか?お姉ちゃんは……まだ1人であそこにうわあぁあ」

 2人はアルミノクの前ではまだ幼い子供なのに、思慮深く大人びた態度をとっていた。
 そんな2人が年相応に泣きじゃくり動揺している姿に驚いた。

「マシュー、アンナ……申し訳ないのですが、支援金を送るには審査があってまだそれが終わっていないので送れないのです」

 貧しい家の者が支援金目当てで才能がある子を神殿に売りに来たり、子供を脅してお金を巻き上げようとする親も居たりするので、手紙なども一度内容を検査したり、支援金を送るにも審査があった。

「そんなっ!じゃあ、この間の魔獣討伐の報奨金は送ってもらえたんですか?」

「アンナが送ったお菓子は?」

 2人は泣きながら必死に詰め寄る。
その姿を見て、アルミノクは重い口を開いた。

「……それも、まだ審査中です。これは、貴方達には
隠しておこうと思ったのですが、お姉様には貴方達
2人を虐待していた疑惑があったのでしっかりと
調査をしているんです」

「僕達を虐待……なにを言ってるんですか?」

「お姉ちゃんを侮辱するなぁ!!」

アンナはアルミノクに掴みかかろうとしたが、マシューに抱きかかえられて止められた。

「アンナ、落ち着け!どう言う事か説明して下さい」

 アルミノクは、まだ親の庇護を必要とする年齢の
2人があっさりと神殿に来て暮らす事を了承したり、報告によると、最初に家に行った時にセリーナがローブを被っていて素顔を見せず挙動不審だった事や2人が痩せ細り泥だらけの服を着ていた事などから虐待を疑われていたのだと説明した。

「……そんな事でお姉ちゃんを疑っているんですか?」

「ひどい!お姉ちゃんは自分は食べれなくてもアンナ達にはご飯を食べさせてくれて、綺麗でいつでも優しくてアンナが怪我をした時も治癒術で治してくれる
世界で1番大切な……大切なお姉ちゃんなのに」

「アンナ、泣かないで。僕が説明するから」

 マシューは泣きじゃくるアンナを優しく抱きしめて
話し出した。
 2人は両親が無くなって暫くして、白魔法が使える様になった。外に出てはいけないと言われていたが
 セリーナが働きに行っている間に2人は
森に入って独自に白魔法の力を磨いていた。
 そんなある日、こっそり街に出た2人は魔術が
使える者は神殿で学ぶことができ、家族に支援金が
貰える事を耳にした。

「僕達は魔獣騒ぎが無くても遅かれ早かれ、神殿に行くつもりでした。お姉ちゃんにこれ以上苦労をかけたくなかったから、それにお姉ちゃんがフードを被っていたのは男性に姿を見せてはいけないと両親にキツく言われていたからです」

「どうして、どうして私達に聞いてくれなかったんですか?そうしたらもっと早くお姉ちゃんを楽させて
あげられたのに」

 アルミノクは、事実関係も確認せずに思い込みではんだした自分が恥ずかしくなった。そして、マシューに語られた内容に驚愕した。

「すまない……私はとんでもない勘違いをしていた様だ、それに治癒術が使えて容姿はもしかして
君たちと同じ髪色と瞳なのですか?」

神殿には、魔獣騒ぎの時のマシューとアンナの事は
伝わっていたが、セリーナの容姿についての報告は
無かった。

「お姉ちゃんはわたし達よりずっと綺麗な髪と瞳で
治癒術は白と黄金色がきらめいて本当に優しい色を
しているんです!」

「あ……アンナ、白と黄金色の治癒術と言いましたか?」

「はい、ここで色々な人の治癒術を見たけど
あんなに綺麗な色の治癒術はお姉ちゃんだけです」

「なんて事だ……2人共準備して下さい。
明日、お姉様の所に行きましょう!」



 神殿が大騒ぎになっている頃、セリーナは扉が一つだけある暗い部屋に閉じ込められていた。


「……ここはどこかしら?」

 酒場から帰っている時に、背後から突然羽交い締めにされて何か薬のようなものを嗅がされて意識を失い目が覚めると蝋燭が一つだけついているベッドに
鎖が着いた手錠をつけて寝かされていた。

「と、とにかく逃げなきゃ」

ガチャガチャと鎖を引っ張るがびくともしない。
何か道具は無いかとベッドから降りようとすると
ガチャと音を立てて扉が開き、入って来たのはガストラだった。

「おー!起きたか、いい物を持って来てやったぜ」

「が、ガストラさん?どうしてこんな事を……お金なら働いて返します!だからお願いですここから出して下さい」

 セリーナは恐ろしくてガタガタと震えながら声を絞り出す。

「それはできねぇ相談だな、セリーナよぉ~
お前がオレの所に自分でくるように優しく待ってやってたのに。家に男を連れ込んでやがったな?
優しくしてたらつけ上がりやがってもう我慢ならねぇ!」

 ガシャンと鎖を引っ張りセリーナはベッドの上に倒れた。ガストラはディオンがセリーナの家から出てくるのを偶然見ていて逆上したガストラはセリーナを
攫ったのだった。

「きゃあっ……お願いします!やめて」

「清純そうな顔して男をたらし込みやがって!
貴族の愛人にでもなるつもりか、あぁ?
まぁ、いいこれが何かわかるか?へへっ男が欲しくて欲しくてたまらなくなる薬だよ」

 ガストラはセリーナの目の前に桃色の液体が入った小瓶をぶら下げ、無理やり薬を飲ませた。

「ゴホッ……ゴホッ、だれか……たすけて」

「助けなんてこねぇよ!さぁ楽しもうぜぇ
セリーナぁ~」

 セリーナは必死に抵抗するが、薬のせいで力が入らない。ガストラは乱暴に服を脱がしていく。

「いやっ、やめてっ!……ディオン様!」

 泣きじゃくりながらディオンの名を呼ぶと、厚い鉄の扉が大きな音を立てて吹き飛び、そこにはディオンが立っていた。

「呼んだか?セリーナ」

「な、なんだてめぇは!ひ、人の家に勝手に入ってくるんじゃねぇ!」

「人の家?笑わせる、この国は元々は我が家の土地で
入ってはいけない所などはない」

「何言ってんだてめぇ、出ていけクソ野郎が!うおぉー!」

 ガストラは怒りに任せてディオンに飛びかかるが
ディオンにボールでも蹴るかのように蹴り飛ばされ
壁に身体を打ちつけて呆気なく気を失った。


「はぁ、はぁ……ディ……おんさま」

「大丈夫だ、セリーナ……怖い目に合わせてすまない」

 ディオンはセリーナに着ていたコートを着せて
抱き上げると、閉じ込められていたガストラの地下室を出てグロンブナー公爵家に向かった。

「お帰りなさいませ、旦那様」

 屋敷に着くと、白髪に白い髭を貯えモノクルを付けたグロンブナー家の初老の執事がディオンを迎えた。

「何か薬を飲まされた、解熱剤を用意してすぐに風呂の準備を」

「かしこまりました」

 セリーナが飲まされた薬の小瓶を執事に渡して
ディオンは部屋に向かい、急いで準備をさせた
浴室に向かいボロボロになった服を脱がして2人が
入っても余裕なバスタブにセリーナを抱きながら一緒に入った。

「ディ……オンさま……身体があついの……」

「何か媚薬のような物を飲まされたんだ。
解毒剤は今用意させている、汗をかけば少しは
薬が抜けるはずだ」

 裸で密着している事にセリーナは羞恥心を覚えたが
媚薬のせいで体を触って欲しくて堪らなくなり
無意識にディオンに身体をすりつけた。

「セリーナ、どうして欲しい?」
「はぁ……はぁ、い、いつもみたいに触ってください」

 ディオンは背中から抱きしめて座り、セリーナの
形のいい柔らかな乳房を掬い上げるようにして
揉みしだき、胸の頂きをクニクニと摘んだ。

「あっ、んっ……!ディオンさまっんんぅ……」

薬のせいで敏感になっているセリーナは甘い声を上げてビクビクと身体を震わせて達した。

「胸だけでイッたのか、次はどうして欲しい?」

「はぁっ……はぁっ……もっと、おくまでさわって
ください」

「奥とはここか?」

下半身に手を伸ばし、トロトロと蜜を零す蜜口に
指を這わせたディオンはグチグチと指で中を掻き回した。

「だいぶ柔らかくなったな……でも中はこんなに締め付けている、いやらしい子だなセリーナ」

「ごめんなさい……でも、おくがせつなくて」

「早く治してやらないとな……」

 甘い声にディオンは舌なめずりをして、セリーナの耳をはみ、また蜜口を掻き回すと花芯をすり潰すように刺激した。その暴力的な刺激にセリーナは悲鳴のような嬌声を上げてくたりと意識を飛ばした。

 
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