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事の真相
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「……へ、陛下……ご無事ですか?」
「俺は大丈夫だ……フィオリア怪我は無いか?」
「フィリー!どうして飛び出して来たの
貴女に何かあったら私……わたし」
防御した衝撃で吹っ飛ばされがエルネストが受け止めたので幸いフィオリアに怪我は無かった。
念の為、治癒術師に診てもらおうとエルネストが乗って来た軍艦に三人は移動した。
「打撲くらいで特に大きな怪我も無いので大丈夫でしょう。安静にされて下さいね」
エルネスト専用の船室から治癒術師が部屋を出て行くと、リリエールはフィオリアに抱きついて泣き出した。
「リリエール、私は大丈夫よ泣かないで。
それよりも陛下を狙ったのは何者ですか?
クイーンローゼス号は大丈夫でしょうか……」
「クイーンローゼス号は無事出港した。
緊急訓練だと言う事にしてあるから大丈夫だ負傷者も出ていないし船もダメージは無い」
「良かった……」
「捕まえた陛下を狙った刺客は自害したわ……まぁ、ガルファ国が仕向けたのは間違いないでしょうね」
ガルファ国は国土の殆どが砂漠で国王が圧政を敷き、力を持つ貴族だけが贅沢をしていて平民達は奴隷の様に働かされていた。
ガルファ国は資源が乏しく、自然も資源にも恵まれたアルビレオ国に何度も攻め入ろうとして撃退され、エルネストを暗殺しようと刺客も度々送られていた。
「……最近大人しくしてるかと思ったら、まさか刺客を送ってくるなんて」
「それについてだが……フィー、話があるんだ」
「なんでしょうか?」
エルネストとリリエールは顔を合わせて事の転末を話し始めた。
ガルファ国が刺客を送って来るという情報を得たエルネストとリリエールは、鉄壁の守りの王宮に居ても手を出して来れないだろうと、わざと王宮から出て派手に立ち回り狙いやすくして襲って来た所を捕まえる予定だった。
「それが……まさか、フィーも一緒だなんて
計画と違うだろうリリエール!」
「はぁ?陛下がフィリーを泣かす様な事をするし
フィリーも狙われてたから一旦、国外に避難させようとしたのに!陛下が派手に動くから計画が台無しじゃない!」
「フィーを泣かす?フィー、どうして泣いてたんだ俺が何かしたのか……」
「な、何かしたですって……?
信じられない……アデライン様と抱き合って……ひっく、私なんかもうお払い箱のくせに……陛下のばかー!」
「アデライン?まさか……フィー、違うんだ!」
号泣するフィオリアを何度も謝りながら宥めたエルネストは何か行き違いがあると話し始めた。
アデラインは公爵家の長女で権力欲の強い父親にずっと王太子と結婚する様にと厳しく育てられてきた。
最初は王太子のオーレリアンの婚約者候補を狙っていたが、オーレリアンが危ないとの情報を得ると、エルネストにターゲットを変えた。
父の期待に応えなければどんな目に遭わされるか分からないアデラインは必死にエルネストに気に入られようとしていた。
だが、上手く交わされ全く相手にされず父からの重圧に苦しんでいた時、海の向こうにあるバルッカ国から留学していた第三王子のロメオと出会い恋に落ちた。
「兄が亡くなりロメオからその事を相談されていた俺はこの計画を思いついたんだ……って三年前に話した筈だが?」
「ひっく……そんな話し初めて聞きました……計画ってどんな計画ですか?」
なんとか泣き止もうと必死なフィオリアと冷めた視線を向け続けるリリエールという居た堪れない状況のままエルネストは話し続けた。
ロメオからアデラインを愛していて、父から解放してあげたいが第三王子で王位継承順位も低く地位もお金も無い自分ではどうする事も出来ないと相談されていた。
エルネストもまた、自分はフィオリアと結婚したいが超えなければならない壁が高すぎる為、準備が整うまでアデラインをお妃候補として側で見守り、ロメオは自国でアデラインと結婚できる程の地位を得るために商会を作り成功して迎えに行くという約束をした。
後ろ盾も無く、珍しい種族のフィオリアが恋人であると公言すれば、命を狙われる可能性があったので二人の関係は秘密にした。
そして、他の令嬢に目を向けさせる為にアデラインとイライザが派手に競い合う対立構造を作った。
「イライザは本当は、ブリンガム侯爵家を継ぎたかったが女性が爵位を継ぐ事は出来ない。
だから、強力してもらう代わりに三年の間に女性も爵位を継げるよう法律を変えて、今は後継者が居なくてブリンガム家が預かっているイライザの母方の伯爵家を継げる様にすると約束したんだ」
「そ、そんな話し聞いてません」
女性が爵位を継げず、婿養子を取らなければ
ならない問題は長い事議論されていたが三年間
エルネストが説得し続けて法律が変わる事になった。
「それなら……どうしてあの日アデライン様が離宮にいらしたのですか?……しかも抱き合って」
「……やっぱり見られてたか。
実はアデラインが妊娠したんだロメオの子を」
元々賢く商才があったロメオは必死で商会を大きくしてバルッカ国で有名な商会となった。
アルビレオにも進出して、久しぶりにアデラインと密会した時に燃え上がり避妊を忘れて妊娠していた。
「王宮で話しをする事も医師に診てもらう事も
出来ないから離宮で医師を呼んで調べてもらったんだ……大事な時期だから計画まではあと少しだから心配するなと送り出しただけでアデラインとは何も無い本当だ、俺が結婚したいのはフィー
君だけだ!」
「エルネスト様……本当に、私が側に居てもいいんですか?」
「離れないでずっと側に居てくれ、愛しているフィオリア」
やっと気持ちを伝え合った二人は固く抱きしめ合ったが、グイッとリリエールに離された。
「いい雰囲気の所ごめんなさいね!
こう言う事はハッキリしておかないと同じ事を繰り返すから。陛下、この計画はいつ話したの?」
笑顔だが目は全く笑っていないリリエールに
怯みながらエルネストは答えた。
「……兄上が亡くなって少ししてフィオリアの寮で、だが」
「話しは冷静に?どこでしたの陛下」
「え?あの……ベッドで」
「そんな大事な話しをベッドでなんて、何を考えてるんですか!!」
それからリリエールのお説教は長時間続きとにかく一旦、王都に帰ろうと船は動き出した。
「俺は大丈夫だ……フィオリア怪我は無いか?」
「フィリー!どうして飛び出して来たの
貴女に何かあったら私……わたし」
防御した衝撃で吹っ飛ばされがエルネストが受け止めたので幸いフィオリアに怪我は無かった。
念の為、治癒術師に診てもらおうとエルネストが乗って来た軍艦に三人は移動した。
「打撲くらいで特に大きな怪我も無いので大丈夫でしょう。安静にされて下さいね」
エルネスト専用の船室から治癒術師が部屋を出て行くと、リリエールはフィオリアに抱きついて泣き出した。
「リリエール、私は大丈夫よ泣かないで。
それよりも陛下を狙ったのは何者ですか?
クイーンローゼス号は大丈夫でしょうか……」
「クイーンローゼス号は無事出港した。
緊急訓練だと言う事にしてあるから大丈夫だ負傷者も出ていないし船もダメージは無い」
「良かった……」
「捕まえた陛下を狙った刺客は自害したわ……まぁ、ガルファ国が仕向けたのは間違いないでしょうね」
ガルファ国は国土の殆どが砂漠で国王が圧政を敷き、力を持つ貴族だけが贅沢をしていて平民達は奴隷の様に働かされていた。
ガルファ国は資源が乏しく、自然も資源にも恵まれたアルビレオ国に何度も攻め入ろうとして撃退され、エルネストを暗殺しようと刺客も度々送られていた。
「……最近大人しくしてるかと思ったら、まさか刺客を送ってくるなんて」
「それについてだが……フィー、話があるんだ」
「なんでしょうか?」
エルネストとリリエールは顔を合わせて事の転末を話し始めた。
ガルファ国が刺客を送って来るという情報を得たエルネストとリリエールは、鉄壁の守りの王宮に居ても手を出して来れないだろうと、わざと王宮から出て派手に立ち回り狙いやすくして襲って来た所を捕まえる予定だった。
「それが……まさか、フィーも一緒だなんて
計画と違うだろうリリエール!」
「はぁ?陛下がフィリーを泣かす様な事をするし
フィリーも狙われてたから一旦、国外に避難させようとしたのに!陛下が派手に動くから計画が台無しじゃない!」
「フィーを泣かす?フィー、どうして泣いてたんだ俺が何かしたのか……」
「な、何かしたですって……?
信じられない……アデライン様と抱き合って……ひっく、私なんかもうお払い箱のくせに……陛下のばかー!」
「アデライン?まさか……フィー、違うんだ!」
号泣するフィオリアを何度も謝りながら宥めたエルネストは何か行き違いがあると話し始めた。
アデラインは公爵家の長女で権力欲の強い父親にずっと王太子と結婚する様にと厳しく育てられてきた。
最初は王太子のオーレリアンの婚約者候補を狙っていたが、オーレリアンが危ないとの情報を得ると、エルネストにターゲットを変えた。
父の期待に応えなければどんな目に遭わされるか分からないアデラインは必死にエルネストに気に入られようとしていた。
だが、上手く交わされ全く相手にされず父からの重圧に苦しんでいた時、海の向こうにあるバルッカ国から留学していた第三王子のロメオと出会い恋に落ちた。
「兄が亡くなりロメオからその事を相談されていた俺はこの計画を思いついたんだ……って三年前に話した筈だが?」
「ひっく……そんな話し初めて聞きました……計画ってどんな計画ですか?」
なんとか泣き止もうと必死なフィオリアと冷めた視線を向け続けるリリエールという居た堪れない状況のままエルネストは話し続けた。
ロメオからアデラインを愛していて、父から解放してあげたいが第三王子で王位継承順位も低く地位もお金も無い自分ではどうする事も出来ないと相談されていた。
エルネストもまた、自分はフィオリアと結婚したいが超えなければならない壁が高すぎる為、準備が整うまでアデラインをお妃候補として側で見守り、ロメオは自国でアデラインと結婚できる程の地位を得るために商会を作り成功して迎えに行くという約束をした。
後ろ盾も無く、珍しい種族のフィオリアが恋人であると公言すれば、命を狙われる可能性があったので二人の関係は秘密にした。
そして、他の令嬢に目を向けさせる為にアデラインとイライザが派手に競い合う対立構造を作った。
「イライザは本当は、ブリンガム侯爵家を継ぎたかったが女性が爵位を継ぐ事は出来ない。
だから、強力してもらう代わりに三年の間に女性も爵位を継げるよう法律を変えて、今は後継者が居なくてブリンガム家が預かっているイライザの母方の伯爵家を継げる様にすると約束したんだ」
「そ、そんな話し聞いてません」
女性が爵位を継げず、婿養子を取らなければ
ならない問題は長い事議論されていたが三年間
エルネストが説得し続けて法律が変わる事になった。
「それなら……どうしてあの日アデライン様が離宮にいらしたのですか?……しかも抱き合って」
「……やっぱり見られてたか。
実はアデラインが妊娠したんだロメオの子を」
元々賢く商才があったロメオは必死で商会を大きくしてバルッカ国で有名な商会となった。
アルビレオにも進出して、久しぶりにアデラインと密会した時に燃え上がり避妊を忘れて妊娠していた。
「王宮で話しをする事も医師に診てもらう事も
出来ないから離宮で医師を呼んで調べてもらったんだ……大事な時期だから計画まではあと少しだから心配するなと送り出しただけでアデラインとは何も無い本当だ、俺が結婚したいのはフィー
君だけだ!」
「エルネスト様……本当に、私が側に居てもいいんですか?」
「離れないでずっと側に居てくれ、愛しているフィオリア」
やっと気持ちを伝え合った二人は固く抱きしめ合ったが、グイッとリリエールに離された。
「いい雰囲気の所ごめんなさいね!
こう言う事はハッキリしておかないと同じ事を繰り返すから。陛下、この計画はいつ話したの?」
笑顔だが目は全く笑っていないリリエールに
怯みながらエルネストは答えた。
「……兄上が亡くなって少ししてフィオリアの寮で、だが」
「話しは冷静に?どこでしたの陛下」
「え?あの……ベッドで」
「そんな大事な話しをベッドでなんて、何を考えてるんですか!!」
それからリリエールのお説教は長時間続きとにかく一旦、王都に帰ろうと船は動き出した。
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