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秘密
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ゆっくりと今まで隠していた事をフィオリアはリリエールに打ち明けた。
フィオリアが10歳頃、自分よりも年長の女の子が定期的に辛そうにしていたり、リリエールも同じ様に体調を崩していて、流行り病では無いかと本気で心配していた。
ある日、孤児院のシスターに女子だけ集められて年頃になると初潮を迎えて女性らしい身体つきになり子供を作る準備が始まるのだと聞かされた。
その時はいつか、自分も来るのだろうと特に気にしていなかったが、なかなかくる様子は無く
高等部に入学した頃には何かおかしいと気づいた。
病院で調べてもらおうかと思ったが、怖くて
出来なかった。
婦人科系の検査は無かったが、学園の健康診断では問題が無く、病気では無いと安心したが学園を卒業しても初潮を迎える事は無かった。
「エフィリア族の事も沢山調べたんだけど……何も手がかりが無くて……みんなにある事が無いのがとても怖くて……誰にも言い出せなかった」
ポロポロと泣きながら話すフィオリアにリリエールは何と声をかけたらいいかわからず。
ただただ抱きしめ続けた。
「ごめんなさいフィリー……貴女がこんなにも悩んでいたなんて……陛下にはこの事は話したの?」
「……怖くて話してないわ。
男性にはそう言う事を話さないって聞いた事があるし」
もし、万が一エルネストと結ばれる事が出来たとしてもフィオリアは後継ぎを産む事は出来ない。
それを知られて捨てられてしまうのでは無いかと怖かった。
「そうね、一般的にはそう言う人が多いけど大切な事だから私はケイシーに全部話してる。今ではケイシーの方が詳しいくらいよ。
はぁ……あなた達はもっとちゃんと話した方がいいわ!一緒に居すぎてお互いわかってくれるだろうと問題を先送りにしてこんがらがってるわね」
「うん……でももういいの……陛下との関係も
きっともうすぐ終わるわ」
ーーお妃選びが始まれば私は用済みだから……。
離宮で見た事は誰にも話す事は出来ない。
アデラインはずっと有力なお妃候補で離宮に出入りしているのなら決まったも同然の状態だろう。
「陛下がそう言ったの?」
「……でも、そうなるわ」
リリエールは頭を抱え、大きく溜息を吐いた後何か吹っ切れたかのようにテキパキと指示を出す。
「はあぁぁ……もういい!フィオリア、私が言う通りに手紙を書きなさい」
「手紙、誰に?」
「陛下よ、もう頭にきたわ!
ケイシー、ちょっと来て」
リリエールがネックレスの通信器でケイシーを呼ぶとすぐにケイシーがやって来た。
「何かあったのかい、愛しい僕の奥さん」
「私も愛してるわケイシー。あの件はどうなってるかしら、何か変更はある?」
「少し変更はあるけど、概ね予定通りのはずだよ」
「そう、なら大丈夫ね」
「あの、リリエール手紙って何を書いたらいいの?」
「それはもちろん、辞表という名の絶縁状よ!」
フィオリアが10歳頃、自分よりも年長の女の子が定期的に辛そうにしていたり、リリエールも同じ様に体調を崩していて、流行り病では無いかと本気で心配していた。
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出来なかった。
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「……でも、そうなるわ」
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「はあぁぁ……もういい!フィオリア、私が言う通りに手紙を書きなさい」
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「少し変更はあるけど、概ね予定通りのはずだよ」
「そう、なら大丈夫ね」
「あの、リリエール手紙って何を書いたらいいの?」
「それはもちろん、辞表という名の絶縁状よ!」
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