保護猫subは愛されたい

あうる

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次の瞬間感じたのは強烈な痛みだった。

「い…………っ!!」

乳首を噛み千切られたかのような、激痛。
背中をのけ反らせ、大きく跳ね上がりそうになる体を大きな手が押さえつける。
痛みはそれだけでなくまだ続いた。

「片側だけでは気の毒だからね」

そんな笑いを含んだ声と共にもう一度。

「ぁ………!!!」

口枷をしていたのが幸いだった。
そうでなければ今頃大声で叫んでいただろう。
ぐっと口枷を噛み締め、今だジンジンと続く痛みに耐える晶。

何をされた?
ピアスをつけられたのだろうか?
嫌、違う。
押しつぶされるような痛み。
これはなんだ。
何かが乳首にぶら下げられた。
かすかな鈴の音。
………鈴?

「可愛いよ、晶」

goodboyと囁かれながら難度も頭を撫でられ、これが痛みなのか快感なのか、それすらもわからなくなる。

「興奮しているね?ここを可愛がってあげるのは初めてだったかな」

ピンッ……と、乳首につけられた何かが弾かれた。

「んん………!!!」
「痛いね、そう赤くなってとても痛そうだ」

他人事のように穏やかに笑いながら、欲望をさらけ出して暴虐を繰り返す。

「気を紛らわせてあげようか」

親切ごかしで告げられた言葉と共に後肛に付き入れられたのは細い棒状のディルドだろうか。
こちらは乱暴ではなく、焦れったいくらいゆっくりと中を探られ、無意識に腰が揺れた。

「汗をかいているね」

ベロリ、と肌に感じたザラザラとした舌の癇癪。

「あまり水分を失いすぎるのは良くないな…」

思案する口ぶりに、パチン…、と一度口枷が外された。

「……ハァ!!、あ、あ、あ、……」
「晶、ゆっくりだよ、ゆっくり息をして」

身体を苛む痛みは何一つ変わらない。
なのに優しく声をかけられただけで泣きたくなる程安堵する。
けれどこのままで終わるはずもなく。

「口を開けて?open開け
「ん…」

マスターの唇だ。
そう思った瞬間自分からしがみつくよう激しさでその唇に食らいついた。

ゴク……。

水が喉に流れ込んでくる。
微かに感じる甘みと塩気はスポーツドリンクの類かもしれない。

口移しで与えられる水分は生温く、決して快いものではないが、それでもいい。


「晶………そっちも随分痛そうになったね」
「は………ん………」

どこのことを言われているのか、そんなもの聞かなくてもわかる。
中心を戒めていたものが、ぎゅうぎゅうと立ちあがった陰茎を締め付けているからだ。
今、間違いなく自分が性的な興奮をしている証。

「……色っぽい体になってきたね。最初に見た時は硬い蕾だったものが、今やもう収穫を待つ果実のようだ」

今回のプレイの後にはその乳首も真っ赤に腫れ、ぷっくり膨れた愛らしい姿を見せてくれるだろう。
確実に、雄吾の望むままに変わりゆく体。
雄吾の為だけに孵化する淫らな蝶。


「雄吾さ…………」
「ん?なぁに?何が言いたい?」

ハクハクとした唇で何とか言葉を紡ぐのを口元で聞いてやる。

「撫でて……」
「いくらでも、欲しいだけ」

痛みは今だ続いているだろうに、なんて愛らしい望みだろうか。
戒めていない腕で、雄吾を突き飛ばし、痛みから逃げることだってできるというのに。
あぁ、やはりこれは蝶ではなく猫だ。
甘え、可愛らしく媚びる猫。

「さて………子猫にはミルクが必要かな」

我ながら質が悪い、そう思いつつ再び口枷を手に取る。

「このタイプの口枷はね、嵌めたまま咥えさせられるのが特徴なんだ」

その言葉が、すべての答え。

「何もする必要はない。ただ気を楽にして?すべて受け入れればいい」

晶は覚悟を決めた。
目隠しをされ、口は閉じることもできぬまま、自ら背中に手を回し、抵抗などしないことを示し、頭を上げる。
そこに、愉悦を浮かべた自らの主の姿がある事を思い浮かべて。

「大丈夫、こっちはもう随分慣れてきただろう?多々いつもよりもっと……深いところまで飲み込むだけだ」

そう、喉の奥。
普段ならばえづいてしまい、とても受け入れられないような場所にまで。

「goodboy」

細かく痙攣する体。
気道が圧迫され、息がうまくできないのだろう。
目隠しにもじんわりと涙が滲んでいるにもかかわらず、何一つ抵抗はない。
ひたすらに従順な体。
この体に、全てを刻みつけてやりたいと雄吾は願う。

自らの、証明を。
この淫らな体が、雄吾にしか反応しなくなるその時まで。

「私の声を聞くだけでイッてしまうような体になってしまったら、流石に困るかな?」

『ーー嬉しいです』
声なき声の代わりに、胸につけた飾りの鈴が、リン……とかすかに震えた。
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