23 / 67
23※
しおりを挟む
「雄吾……さん?」
朧げな意識の中で、悪戯する誰かの指先を感じ、晶は無意識にそこへ手を伸ばした。
「晶」
ふわりと漂うマスターの香り。
頬にキスされ、優しく頭を撫でる手は、かすかにひんやりとして冷たい。
もしかして外でタバコを吸っていたのだろうか。
口づけには、僅かに煙の香りが混じっていた。
「すみません雄吾さん。また、途中で眠って……?」
「いや。我慢できなくて悪戯をしていただけだ。君は何も悪くない」
ふふっと笑ったマスターは、いまだ状況を理解しきれていない晶をベッドに抜つけ、緩んだままの秘所にツプリ…とその指を飲み込ませた。
「ん……」
「立ち上がったら、私のものが垂れてきてしまいそうだね。それもまた悪くない」
先ほどまでの行為の名残のおかげで、中がうねるように熱い。
中から引き抜いた指に残る、たっぷりとした白い白濁を目の前で見せつけられ、晶は顔を赤らめた。
「雄吾さん、もしかしてまだ……」
「今夜は、もう少し晶と遊びたくてね」
普段、行為の後にはたとえ晶が失神していたとしても必ず体の中まで洗い、清めていたマスター。
確信犯であることを自らさらけ出しながら、「構わないかな?」と、拒否権のない晶に無理をねだる。
「大丈夫。次で本当におしまいだよ。
終わったら、お腹の中まで全て私の指で掻き出して、清めてあげる。
あぁ、そんな不安そうな顔をしないで。このまま私のものをお腹の一杯になるまで飲み込ませて、朝まで蓋をしてしまいたくなる」
「雄吾さん……」
艶のある瞳で、つと視線を向けたのはベッド横に取り付けられた木製のチェスト。
あれは、晶がこの部屋に住むようになってから据え付けられたもので、中に入っているのはほとんどが晶の為の「教材」だ。
素人の使ういわゆる「大人のおもちゃ」などとは異なり、ほんどが、見た目では用途のわからない医療器具のように見えるそれら。
マスターは晶の視線がそこに向いたことに気づいたのか、チェストの引き出しに手をかけ、見覚えのある金属棒を再び晶の前に差し出した。
「プジーはもう、怖くはないだろう?だがこれはまだまだ初心者向けのサイズでね。
いずれははもっと太いサイズまで、この小さな穴を広げてあげる」
それとも、と。
次にマスターが取り出したのは、金属の小さなリングのようなもの。
「晶にはこちらの方がいいかな?」
「……それは?」
「射精管理用のリングだよ。晶の為に用意した」
チュッと鈍い銀色に輝くリングに口づけ、晶の陰茎を手に取るマスター。
「言っただろう?もう少し、快楽に強くなれるように練習をしないとね」
「っ……!」
冷たいリングが陰茎をするりと通り、根元にはめられる。
今の状態では窮屈さはさほどない物の、マスターがこのまま何もせず許してくれるはずもない。
期待と僅かな恐れにぶるっと震える体を、マスターがゆっくりとベッドに押し付ける。
「今日は少し、変わったことをしようか」
そう言って晶の元を離れたマスターが再び戻ってきたとき、その手にあったのは一本の縄。
「マスター……?」
声が震えた。
これまで、縛られたことなど一度もなかった。
もしや、自分は知らぬ間になにかマスターの機嫌を損ねるようなことをしてしまったのだろうか。
これはお仕置きなのですかと尋ねた晶に、マスターは「御免ね」と小さく囁く。
「晶は何も悪くないよ。これはお仕置きなんかじゃない」
勿論強制もしない、と縄を持った腕を広げるマスター。
マスターは晶を試しているわけではない。
これはただの、言葉遊び。
それならば、晶が言うべきことはひとつ。
晶はごくりと一つ唾をのみ、腕を揃えてマスターに差し出した。
「どうぞ私を、縛ってください」
「……goodboy」
朧げな意識の中で、悪戯する誰かの指先を感じ、晶は無意識にそこへ手を伸ばした。
「晶」
ふわりと漂うマスターの香り。
頬にキスされ、優しく頭を撫でる手は、かすかにひんやりとして冷たい。
もしかして外でタバコを吸っていたのだろうか。
口づけには、僅かに煙の香りが混じっていた。
「すみません雄吾さん。また、途中で眠って……?」
「いや。我慢できなくて悪戯をしていただけだ。君は何も悪くない」
ふふっと笑ったマスターは、いまだ状況を理解しきれていない晶をベッドに抜つけ、緩んだままの秘所にツプリ…とその指を飲み込ませた。
「ん……」
「立ち上がったら、私のものが垂れてきてしまいそうだね。それもまた悪くない」
先ほどまでの行為の名残のおかげで、中がうねるように熱い。
中から引き抜いた指に残る、たっぷりとした白い白濁を目の前で見せつけられ、晶は顔を赤らめた。
「雄吾さん、もしかしてまだ……」
「今夜は、もう少し晶と遊びたくてね」
普段、行為の後にはたとえ晶が失神していたとしても必ず体の中まで洗い、清めていたマスター。
確信犯であることを自らさらけ出しながら、「構わないかな?」と、拒否権のない晶に無理をねだる。
「大丈夫。次で本当におしまいだよ。
終わったら、お腹の中まで全て私の指で掻き出して、清めてあげる。
あぁ、そんな不安そうな顔をしないで。このまま私のものをお腹の一杯になるまで飲み込ませて、朝まで蓋をしてしまいたくなる」
「雄吾さん……」
艶のある瞳で、つと視線を向けたのはベッド横に取り付けられた木製のチェスト。
あれは、晶がこの部屋に住むようになってから据え付けられたもので、中に入っているのはほとんどが晶の為の「教材」だ。
素人の使ういわゆる「大人のおもちゃ」などとは異なり、ほんどが、見た目では用途のわからない医療器具のように見えるそれら。
マスターは晶の視線がそこに向いたことに気づいたのか、チェストの引き出しに手をかけ、見覚えのある金属棒を再び晶の前に差し出した。
「プジーはもう、怖くはないだろう?だがこれはまだまだ初心者向けのサイズでね。
いずれははもっと太いサイズまで、この小さな穴を広げてあげる」
それとも、と。
次にマスターが取り出したのは、金属の小さなリングのようなもの。
「晶にはこちらの方がいいかな?」
「……それは?」
「射精管理用のリングだよ。晶の為に用意した」
チュッと鈍い銀色に輝くリングに口づけ、晶の陰茎を手に取るマスター。
「言っただろう?もう少し、快楽に強くなれるように練習をしないとね」
「っ……!」
冷たいリングが陰茎をするりと通り、根元にはめられる。
今の状態では窮屈さはさほどない物の、マスターがこのまま何もせず許してくれるはずもない。
期待と僅かな恐れにぶるっと震える体を、マスターがゆっくりとベッドに押し付ける。
「今日は少し、変わったことをしようか」
そう言って晶の元を離れたマスターが再び戻ってきたとき、その手にあったのは一本の縄。
「マスター……?」
声が震えた。
これまで、縛られたことなど一度もなかった。
もしや、自分は知らぬ間になにかマスターの機嫌を損ねるようなことをしてしまったのだろうか。
これはお仕置きなのですかと尋ねた晶に、マスターは「御免ね」と小さく囁く。
「晶は何も悪くないよ。これはお仕置きなんかじゃない」
勿論強制もしない、と縄を持った腕を広げるマスター。
マスターは晶を試しているわけではない。
これはただの、言葉遊び。
それならば、晶が言うべきことはひとつ。
晶はごくりと一つ唾をのみ、腕を揃えてマスターに差し出した。
「どうぞ私を、縛ってください」
「……goodboy」
11
お気に入りに追加
596
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・不定期
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
兄さん、僕貴方にだけSubになるDomなんです!
かぎのえみずる
BL
双子の兄を持つ章吾は、大人顔負けのDomとして生まれてきたはずなのに、兄にだけはSubになってしまう性質で。
幼少期に分かって以来兄を避けていたが、二十歳を超える頃、再会し二人の歯車がまた巡る
Dom/Subユニバースボーイズラブです。
初めてDom/Subユニバース書いてみたので違和感あっても気にしないでください。
Dom/Subユニバースの用語説明なしです。
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる