保護猫subは愛されたい

あうる

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暖められた部屋に響くのは、くちゅくちゅという淫らな水音と、なまめかしい吐息。
猫のように反らされた背中に、びくびくと跳ねる腰。

「ん…雄吾さん……気持ちいい、です」 
「そう、正直に言えて偉いね『goodboy』」
「あ……」

鬼頭の先を指先でなぞられ、合間に受けるキスで口内を蹂躙される。
それはただ、強烈すぎる快楽に身をすくませることすら許されず、ただ従順に差し出すことを求められる行為の始まり。

「………ッ!!」
「中が震えている。初めての尿道はどうかな?」
「あ…、動かさな……ん…、!」
「膀胱に届いたかな?……大丈夫、晶に怪我をさせるようなことは絶対にしないよ」

だから楽しんで、と。
囁く声に耳だけではなく脳までも侵される。
この行為が終わるころには、自分は一体どれほど淫らに変わってしまうのか。

「雄吾……さん」

彼になら、全てを与えて皮まない。
そう覚悟を決めたからこそ、晶は今、この場所にいる。
無自覚に伸ばした手をそっとつかんでくれた雄吾に向け、満面の笑みを浮かべ、晶はうっとりと瞳を閉じた。


★★★


その日の二人の行為は、最初から常とは違ったものだった。
『晶の全てを知りたい』と、閨事の前にそう言って差し出されたのは一本の細い金属棒。
マドラーにも似ているが、先にほんのりとした曲線と、丸みを帯びたそれ。
まるでなにかの医療器具のようだと物珍しく観察できたのもつかの間。

「これはね、こうして使うんだ」

マスターが手にした粘着度の高いローションが、まるで水あめのようにとろとろと金属棒にかけらる。
じっとそれに見入ってしまった晶の前で、次にマスターが手にしたのは、晶自身の陰茎。
薄っすらと予期していたとはいえ、その小さな穴にめがけて、残りのローションが全てかけられるのはあまりに卑猥で衝撃的な光景で。

金属棒と、晶の陰茎。
共にてらてらと濡れたそれを前に、その用途が理解できないはずもなく。

「おいしそうに仕上がったな」

金属棒を手に持ったまま晶の足元に顔をうずめ、ローションのかかった陰茎をツーっと舐めあげるマスター。


「……っ!!」
「大丈夫だよ。前にも言ったけれど、これは舐めても大丈夫なローションだからね。ほら」

そう言って顔を上げ、口づけしたマスターの唇は、まるでキャンディーのように甘い。

「おいしい?」
「はいっ……んっ」

会話の合間にも、『早くそこに入れてくれ』と、強請るように小さな穴をくすぐる金属棒。
振れた金属は少し冷たくて、その冷たさと、未知の行為への恐怖に、晶の全身がゾクゾクと震える。

「さぁ晶、私も舐めて?」

言われるままに差し出されたマスターの陰茎は固く、晶のものとは比べ物にならない。
それを口いっぱいにほおばり、教えられたとおりに喉の奥を開いてその全てを自らの内に受け入れる。

「あぁ……いいよ。上手になったね。『good!』」
「んんっ……!」

すっかり貪欲になった体が、コマンドを受けたことで更に敏感になり、口の中にマスターの陰茎を受け入れたまま、晶の陰茎からびゅっと先走りが流れ落ちる。

「咥えたままイケるるようになった、か。本当に晶は、覚えが早いね」

「でも」と付け加えたマスターが、うっとりと瞳を潤ませる晶を上向かせ、逃げられない固定した、直後。

「んんんんんっつ!!」

イッたばかりでいまだ痙攣する身体、容赦なくその喉奥深くまで打ち込まれるマスターの熱い楔。

「鉄は熱いうちに打て、というだろう?反復練習は大切だよ、晶」
「ぅ~~~~!!!」

激しい運動に額に汗を浮かべながら、声はあくまでも冷静で。
嘔吐する寸前までこみ上げたものが、マスターの打ち込む楔によって無理やり押し戻される強烈な異物感に、身もだえる晶。
しかも、それだけではない。

「あまり暴れると怪我をするよ。……まぁ…無理をさせているのは私だが」

だらだらとした白濁を垂れ流す小さな穴に、再度あてがわれた冷たい棒の感覚。

まさか。

思わず目を見開いた次の瞬間。

「全身で私を感じなさい」
「~~~~~~!!!!」

あまりに激しい衝撃に、その時晶が感じたのは死を経験したかと思うほどの快楽。
そして、焼かれた鉄の針で、内臓を突きさされたような痛み。
その痛みに震える体を持て余す間にも、口の中に放出された青臭い白濁が、どろりとした粘度を伴って喉の奥へと流れていく。
痛みに震える晶の陰茎は、けれど突き刺さった棒ゆえに萎えることも許されぬまま。

「優秀な君も、この快楽になれるのには少し時間が必要かな?」

くちゅり、と陰茎に刺さったままの棒をゆっくりと半回転させたマスター。
上下の口をふさがれたままの状態で、答えなど言えるはずがなく。

果たしてこれが快楽なのか。
これが快楽になってしまった時、自分は一体どうなってしまうのか。
恐れと期待と。
どうしようもなく自分がSubだと感じる瞬間に、晶の瞳に涙が浮かんだ。

「心配ないよ、晶。覚えられるまで、たくさん練習すればいい」

引き抜かれた金属棒。
思わず口にくわえたままだったマスターの陰茎に歯を立てそうになり、必死の覚悟でそれを堪える。

「晶、君は最高だ。…でも、自らを傷つけるのはいけないね」

自らの膝に爪を食い込ませ、強烈な苦痛をなんとか耐えた晶。
忠誠を示すには十分な行為であっても、それはマスターの及第点には及ばなかったらしい。

「快楽への耐久度を上げる必要があるな」

そう呟いたマスターにいきなり口の中の陰茎を引き抜かれ、晶は激しくせき込んだ。
これまで塞がれていた気道に、一気に送り込まれる新鮮な空気。

晶は今、マスターの腕の中、陸の上で酸素に溺れていた。
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