16 / 172
Chapter-02
Log-015【異国の王-壱】
しおりを挟む
“それ”が視界に入った瞬間、全身が泡立つような感覚に陥った。氷の鎖で縛り上げられたかのように、全身を駆け巡る悪寒は身体の自由を奪う。
(……声を……発するな……)
隣でウルリカが口だけを動かして、意思疎通を図る。制止するまでもなく、アクセルはその場から一歩も動けなかった。
洞窟という閉鎖空間で、重く鈍く、金属が軋むような音が反響する。件の洞窟に入ってからというもの、“それ”に向かって歩みを進めるほど、その音は大きくなっていった。
音の正体は果たして、ただの息吹でしかなかった。洞窟全体を震わせるのは、眼前に佇む巨獣が吐く息でしかないと言う事実に、恐怖を通り越して生命の神秘性すら感じられた。
(こいつを……僕達が……?)
腰に帯びた剣に伸ばしていた腕が、力を失っていくのを感じた。
―――
「失礼かもしれないけど、確認させてほしい。ウルリカは本当に勇者としてローエングリンの意志を継ぐ、その覚悟があるんだね?」
エレインは真っ直ぐに、向かいに座るウルリカを見つめる。その言葉の後には、僅かに静寂が流れた。カーテンの靡く音だけが聞こえる。
「エレインのように、勇者を目指す確かな切掛けや理由があったわけじゃないし、動機も勇者を肩書とするには不純なものだわ。だけど、あたしはあたしの目的を裏切らない。ただの一度も裏切ったことなんて無いわ。難しいかもしれないけど、あたしを信頼して頂戴」
その斜に構えた語り口とは裏腹に、ウルリカの瞳と語気はエレインの心を突き動かすほど、迷いのない鋭い説得力を持っていた。
「呆れたよ、ウルリカ。君がまさか本気で勇者だなんてね。僕がまだローエングリン家に居た時は、いつだって非行に明け暮れていたのにね」
クスクスといたずらな笑みを零すエレイン。アクセルやルイーサまでも釣られて微笑む。そんな言い草があるかと、ウルリカは溜息を吐きながら頭を抱える。
「昔の話よ、程度の差はあれ、誰しも間違いは犯すものだわ。いちいち蒸し返すんじゃないわよ。で、結局どうすんのよ。答えを聞いてないわ」
「参ったな。本来なら僕の一存で決められるものじゃないけど……ローエングリン家末女にして、真に勇者を志す者の言葉なら仕方あるまい! 一先ず上司に相談してみるよ。無理……ということはないんだろうけど」
「まあ、できれば宿代くらいは浮かせたいけど……時間ならいくらでもあるわ。あたしたちはここで滞在してるから、早めに済ませて頂戴」
彼女の昔から変わらない無茶苦茶ぶりに、やれやれと諦めの溜息を吐きながらも、エレインは嬉しそうな笑みを湛えていた。
―――
二日目の明朝だった。前日はウルリカの買い物に付き合い、その後、夜が更けるまで鍛錬をこなしていたアクセル。疲弊しきった身体は、泥のような休息を欲していた。
「アクセル! 起きなさい!」
しかしウルリカは、前日の明け方から晩に掛けてグラティアの街中を隅々まで練り歩いたにも関わらず、まるで吹き荒れる砂嵐が如く叩き起こしてくるのだった。
「今から王宮に出向よ。エレインの意向が陛下の耳にまで届いて直々に謁見するそうだわ。あの娘こっちに来て高々二、三年程度の経歴しか無いってのに、陛下に顔が利くなんて随分な出世じゃない」
嵐のように無断でアクセルの寝室に現れては、舞台役者の如く饒舌で矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。
「はい、今起きます……」
「……! アンタそれ、寝癖どうなってんのよ! もしかしてそのまま出向くつもりだったの!? だらしないにも程度ってもんがあるわよ!」
目を擦りゆっくりとベッドから起き上がるアクセルを、首根っこを捕まえて洗面台へと引きずり、跳ね上がった髪の毛に串を通す。
「ほら、顔洗って! 歯も磨きなさいよ! アンタどうせ服もその一、二着しかないんでしょ? 昨日アンタ用に礼装を買っておいたから、これ着なさい」
アクセルはウルリカのなすがままに身支度を整えさせられる。いつの間にか礼装も用意されており、大きさもピッタリときた。恐らく自分よりも余程使用人に向いている、と口にできるわけもないことを考えるアクセルだった。
三人は一度、宿の食堂に集まり、朝食を摂ることとなった。時間にして十時頃の訪問が約束となっており、現在は八時前。ウルリカとルイーサの念には念を入れる性格が現れていた。
ウルリカ曰く、グラティア王への謁見はエレインの計らいだとか。勇者に対して支援したいと申し出て、執務の合間を縫って時間を作るほど、王は大層好意的だったらしい。
「その王様というのは、どのような方なのでしょう?」
「そうね、アウラとは古くから親交ある国の王、人となりがどうあれ、悪いようにはされないでしょうね。まあ、初端からアンタの所為で礼を失するところだったけど」
「その折は、助かりました……」
「まったく……まあそれはともかくとして」
問題は、本当にエレインを手放す気があるのかと、ウルリカは言う。支援が本当だとしても、それが彼女と引き換えでは意味が無い。どのような提案を飲んででも彼女を引きずり出さなければならない。それ以外は付随物でしかないと、ウルリカは断じた。
(……声を……発するな……)
隣でウルリカが口だけを動かして、意思疎通を図る。制止するまでもなく、アクセルはその場から一歩も動けなかった。
洞窟という閉鎖空間で、重く鈍く、金属が軋むような音が反響する。件の洞窟に入ってからというもの、“それ”に向かって歩みを進めるほど、その音は大きくなっていった。
音の正体は果たして、ただの息吹でしかなかった。洞窟全体を震わせるのは、眼前に佇む巨獣が吐く息でしかないと言う事実に、恐怖を通り越して生命の神秘性すら感じられた。
(こいつを……僕達が……?)
腰に帯びた剣に伸ばしていた腕が、力を失っていくのを感じた。
―――
「失礼かもしれないけど、確認させてほしい。ウルリカは本当に勇者としてローエングリンの意志を継ぐ、その覚悟があるんだね?」
エレインは真っ直ぐに、向かいに座るウルリカを見つめる。その言葉の後には、僅かに静寂が流れた。カーテンの靡く音だけが聞こえる。
「エレインのように、勇者を目指す確かな切掛けや理由があったわけじゃないし、動機も勇者を肩書とするには不純なものだわ。だけど、あたしはあたしの目的を裏切らない。ただの一度も裏切ったことなんて無いわ。難しいかもしれないけど、あたしを信頼して頂戴」
その斜に構えた語り口とは裏腹に、ウルリカの瞳と語気はエレインの心を突き動かすほど、迷いのない鋭い説得力を持っていた。
「呆れたよ、ウルリカ。君がまさか本気で勇者だなんてね。僕がまだローエングリン家に居た時は、いつだって非行に明け暮れていたのにね」
クスクスといたずらな笑みを零すエレイン。アクセルやルイーサまでも釣られて微笑む。そんな言い草があるかと、ウルリカは溜息を吐きながら頭を抱える。
「昔の話よ、程度の差はあれ、誰しも間違いは犯すものだわ。いちいち蒸し返すんじゃないわよ。で、結局どうすんのよ。答えを聞いてないわ」
「参ったな。本来なら僕の一存で決められるものじゃないけど……ローエングリン家末女にして、真に勇者を志す者の言葉なら仕方あるまい! 一先ず上司に相談してみるよ。無理……ということはないんだろうけど」
「まあ、できれば宿代くらいは浮かせたいけど……時間ならいくらでもあるわ。あたしたちはここで滞在してるから、早めに済ませて頂戴」
彼女の昔から変わらない無茶苦茶ぶりに、やれやれと諦めの溜息を吐きながらも、エレインは嬉しそうな笑みを湛えていた。
―――
二日目の明朝だった。前日はウルリカの買い物に付き合い、その後、夜が更けるまで鍛錬をこなしていたアクセル。疲弊しきった身体は、泥のような休息を欲していた。
「アクセル! 起きなさい!」
しかしウルリカは、前日の明け方から晩に掛けてグラティアの街中を隅々まで練り歩いたにも関わらず、まるで吹き荒れる砂嵐が如く叩き起こしてくるのだった。
「今から王宮に出向よ。エレインの意向が陛下の耳にまで届いて直々に謁見するそうだわ。あの娘こっちに来て高々二、三年程度の経歴しか無いってのに、陛下に顔が利くなんて随分な出世じゃない」
嵐のように無断でアクセルの寝室に現れては、舞台役者の如く饒舌で矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。
「はい、今起きます……」
「……! アンタそれ、寝癖どうなってんのよ! もしかしてそのまま出向くつもりだったの!? だらしないにも程度ってもんがあるわよ!」
目を擦りゆっくりとベッドから起き上がるアクセルを、首根っこを捕まえて洗面台へと引きずり、跳ね上がった髪の毛に串を通す。
「ほら、顔洗って! 歯も磨きなさいよ! アンタどうせ服もその一、二着しかないんでしょ? 昨日アンタ用に礼装を買っておいたから、これ着なさい」
アクセルはウルリカのなすがままに身支度を整えさせられる。いつの間にか礼装も用意されており、大きさもピッタリときた。恐らく自分よりも余程使用人に向いている、と口にできるわけもないことを考えるアクセルだった。
三人は一度、宿の食堂に集まり、朝食を摂ることとなった。時間にして十時頃の訪問が約束となっており、現在は八時前。ウルリカとルイーサの念には念を入れる性格が現れていた。
ウルリカ曰く、グラティア王への謁見はエレインの計らいだとか。勇者に対して支援したいと申し出て、執務の合間を縫って時間を作るほど、王は大層好意的だったらしい。
「その王様というのは、どのような方なのでしょう?」
「そうね、アウラとは古くから親交ある国の王、人となりがどうあれ、悪いようにはされないでしょうね。まあ、初端からアンタの所為で礼を失するところだったけど」
「その折は、助かりました……」
「まったく……まあそれはともかくとして」
問題は、本当にエレインを手放す気があるのかと、ウルリカは言う。支援が本当だとしても、それが彼女と引き換えでは意味が無い。どのような提案を飲んででも彼女を引きずり出さなければならない。それ以外は付随物でしかないと、ウルリカは断じた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜
みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。
…しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた!
「元気に育ってねぇクロウ」
(…クロウ…ってまさか!?)
そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム
「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ
そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが
「クロウ•チューリア」だ
ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う
運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる
"バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う
「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と!
その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ
剣ぺろと言う「バグ技」は
"剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ
この物語は
剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語
(自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!)
しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる