マギアルサーガ~うたかたの世に幕を引け~

――魔物は、災厄。

世界に蔓延る獰猛な獣を、人々はいつからかそう呼んでいた。

人の営みを悉く粉砕する災厄の如き魔物を前に、しかし人類は、剣を執る。

年若い戦士アクセルは、魔物の侵入を防ぐために敷設された関門に駐屯する兵士。

国家安寧の為、彼は決して終わることのない、戦いの日々を送っていた。

だがある日、彼の元に二人の女が現れた。

その一人は、かつて彼が使用人として仕えていた主、ウルリカだった。

尊大な態度でアクセルに迫る、すると彼女は、予想だにしない言葉を放つ。

「あたしが成し遂げる勇者の功業に、貴方も参列なさい」

その言葉が彼を、目を背けてはならない宿命へと誘うのだった。
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