上 下
77 / 147
第三部 青年編

第七回

しおりを挟む
 一人戻ってきたパオレッタが言ったのはこうだった。目論みはツックバー皇帝に看破されていた。あいつ、ただの馬鹿じゃなかったズラ。

 パオレッタとマリア達潜入隊は、オダキソフィアの途中にある街で数千もの手勢を引き連れた皇帝と出くわした。ちょうどいいとパオレッタ達は臨戦態勢を取ったが、皇帝は使者を出した。

 戦闘にはならなかった。向こうは歓迎会を催したいと言って来たのだ。兵士や騎士や下男の中でも、性依存症になってしまっている好色な男ばかりを寄越してだ。

「歓迎会でござるか?」
「ほうズラ。オラ達がツックバーとヒッターチの和平の仲立ちになってくれるよう、皇帝はほざいてきやがったズラ」
「な、なんと……どういう心変わりでござろう?」

 心変わりなんかではない。罠だとパオレッタは返した。他のエルフ達も腕を組んでうなずいた。

「なんかくせえと思って、オラは青姦相手の男ども数人と街の外に抜け出したズラ。一晩ほどお星さまを見ながらおまんこをして街に戻ってみたら、もぬけの殻だったズラ」
 
 パオレッタがしけ込んだのはエルフの女を見るとちんちんをこすりつけたくなって仕方が無いと嘆く男達だった。申し出通り、彼等は裸身になったパオレッタの美肌に生臭い亀頭をこすりつけて来た。

 その原っぱの近くにある川の土手で盛りあい、先走り汁まみれの精液まみれになったパオレッタだが早朝、男どもと共に戻ってみれば街にはもう皇帝はいなかった。マリア他、連れて来た女エルフの戦士たちも。

 どういう事だ。男達のうちの1人が知っていた。パオレッタの尻を撫でながら、ツノが生えた黒髪の優男達を見かけたと答えた。

「ツノが生えたほっそりとした男達、でござるか?」
「ムーツのオーガのことズラ! あいつらがどれだけエルフの天敵か、おまんは存じておらぬズラか?」

 パオレッタは苛立ちを覚え、右手の親指の爪を噛みながら語った。オーガの体は魔法抵抗が極めて強い。かろうじて効くのは治癒魔法のみ。しかし通常の100倍の魔力量を要する。

 つまりは攻撃魔法が殆ど効かないのだ。爆炎弓箭や紫電砲といった大技もあいつらにはちょっと熱かったりびりびりとする程度。そもそも、鬼族は精霊を使役するシャーマンであった。この世界の魔法は精霊の力を借りるもの。

「おまけに、あいつらはイズヴァルトさんやマルカスみたくちんぽがでっかくて精力絶倫! つまりは女エルフ殺しの最適解なんだズラよ!」
「そ、そーでござったか……なるほどでござる」

 女エルフ、特にツックイーやカイロネイアのは勇猛果敢で『カントニアのスケバン』とも恐れられるが、ちんぽには滅法弱い。

 魔法は効かないしデカマラの誘惑に弱い女エルフ達をとことん退治するのに、ムーツのオーガはうってつけの存在であった。

 パオレッタ自身、オーガには苦くて甘い思い出があった。生理が始まった頃に参加した初めての合戦でとあるオーガ男の捕虜となり、50年ほど彼等の村で囲われた。

 毎日ばかでかいペニスに弄ばれ、にょほほほとよがり続けたそうだ。ついには子を1人為してしまったという。

「このパオレッタなおもってオーガちんぽにドンばまりを遂ぐ。いわんやその他の女エルフどもをやズラ!」
「……意外と意志薄弱なのでござるな、エルフどのらも」
「その通りズラ! ニンゲンの娘っ子も、親父のちんぽをちんちーん、ちんちーん、などと喜んで触ることがあるだろうに、今更ズラ!」

 それは違うのではなかろうか、とイズヴァルトは思ったが、パオレッタの剣幕に呑まれてうなずかざるを得なかった。

 という訳で船にいた一団はオダキソフィアへ向かう事となった。皇帝がマリア達をそこへ連れ去った情報は無かったが、なんとなくそこになるだろうと思われたからである。


□ □ □ □ □


 ツックバー神聖帝国の帝都、オダキソフィア。古代ムサシノ帝国から存在する都であり、高さ5メートル程の白亜の壁にぐるりと囲まれた城塞都市である。

 この時代の人口は10万ほどいた。街の至る所に古代帝国時代に造られた公園や人工池がある。カントニアで一番優美な街、と昔から言われていた。

 この時代のこの街には貧民は住んでいなかった。家が持てない職無しは必ずい出され、城市の郊外にある集落に強制的に住まわされた。

 ただこの都は交通の要衝にあり、攻めやすくて守りにくいと昔から言われていた。事実、マリーヤと戦争を繰り返していた大昔、皇帝が街から逃げた事が何度かあった。

 マリア達オダキソフィア襲撃隊はパオレッタが思った通り、オダキソフィアにある皇帝宮にて囚われていた。彼女達は皆、身ぐるみを剝がされ、男達に組み敷かれて謁見の間で喘ぎ続けている。

「な、なんたるものを見せられているのか……」

 そう嘆くのは帝国の重鎮たるスガヤツク家当主である。彼は美しいエルフ達が肉棒で凌辱され、精液にまみれるのを楽しそうにしているのを、沈痛な面持ちで眺めていた。

「はははは! スガヤツク、おぬしは余の目をごまかして娘を遣いにやったのに、とんだ徒労に終わったな!」

 玉座に座った皇帝・オーダレイオスが大笑する。彼は衣の前をはだけさせていた。20センチにも及ぶ巨根をそそり立たせ、あろうことかスガヤツク大公の娘にしゃぶらせていたのだ。

 ちゅぴちゅぴちゅぴ……。

 幼く見えるメルビナの舌遣いは娼婦の様に慣れていた。とてもうまい、うまいぞと皇帝は笑う。彼はこの娘をひどく気に入っていた。もう20を過ぎているがまだ子供の様に見える。ハーフエルフだからだ。

「ふふ。なかなかに上手だな。褒めて遣わす」

 メルビナは答えない。彼女はとにかくフェラチオに専念したかった。いいや、このまま皇帝専属のおフェラ係として囲って欲しいとまで願っていた。彼女は人格でふにゃふにゃな所は微塵も無かったが、性愛が大好きな好き者だったのだ。

「メルビナ、すまぬ……」

 娘が丸裸になり、皇帝にフェラチオを奉仕するのを見てスガヤツク公は血の涙を流した。あのちんぽしゃぶりのテクニックは父親が育てたのだ。

 我が娘の小さくてかわいいお口は、父のペニスのみ頬張っていたのに。彼がそう思って泣いていると、皇帝はメルビナを抱き上げた。

「ほれ、余に逆らった罰じゃ」

 皇帝のそそり立ったペニスがメルビナの秘所に分け入った。彼女は悩ましそうに喘ぎ始める、皇帝は柔らかく小さな尻を抱いて揉みながら、メルビナのヴァギナを盛んに責め立てた。

「あうあっ! あうああっ!」
「どうじゃメルビナ。儂の妾にならんか? 父上はどうやら儂の孫にそなたを与えたかったそうじゃが、儂と暮らした方が楽しいぞ?」
「へ、へいか。それだけは! このメルビナは帝国の為に……!」
「ふほっ。いいこども膣じゃのう。吸い立てて来よるわい。ぐふふ。儂の夜伽を毎晩為し、子を作ろうぞ? 妾になれ」
 
 皇帝は8歳の幼子に見えるメルビナの頬を舐め、自分の唾液まみれにさせながら尻を揉んで彼女を突き続けた。

 しばらくして「お、お、お……」とうめいた。メルビナの中で達したのだ。彼女の膣は濡れやすく、それでいてとても柔らかくて弾力もあったから、我慢が出来なかったのだ。

 メルビナは目を潤ませていた。屈辱を感じていたからではない。性交が気持ち良かったのだ。彼女の膣はもっと欲しいと脳に呼びかけていた。皇帝は玉座に座りながら、メルビナの腰を動かしてまだ硬い陰茎を楽しませる。

「あう……」
「ほうれ。もっとくれてやるぞ。いく時の顔が随分と可愛らしいな、メルビナ?」
「は、はああ……」
「よしよし。もう1度ほうびを取らせてやるからな。お前からも腰を動かして励め」

 皇帝は前のめりになった。メルビナの薄い乳をしゃぶり、首筋に歯をあてながら貪った。それから玉座の前には美しいツックイーのエルフ達のあられもない乱交の光景。桃源郷にいるのではないかと錯覚してしまう。

 しかしである。なにゆえ愚鈍な皇帝がエルフ達の襲撃を予期していたのか。スガヤツク公やその他の廷臣、武将らは不思議で仕方が無かった。その中の1人がお追従を述べながら尋ねようとした時である。

「陛下、ハッタール殿下がウーラより戻られました! お伺いしたいとの由!」
「……うむ!」

 女エルフ達のさわやかな体臭が籠った玉座の間に、涼しい風が吹き込んできた。現れたのはオーダレイオスの長子・ハッタールだ。

 体重180キロほどの巨漢で柔和な顔。福々しいにもほどがあるのだが、眼光鋭く廷臣らは誰もが早く皇帝にと望んでいた賢人でもある。

「御父上!」

 ハッタールは女エルフ達にめもくれず、具足姿のままのそのそと歩き、皇帝のもとにひざまづいた。

 彼はメルビナと背格好が同じ、麗しい金髪の少年を連れていた。見慣れない顔だ。耳がやや尖っている。エルフの血が濃いのだと皆が思った。

「こたびの作戦、ご成功おめでとうございます!」

 毛深い腕を見せながらハッタールが祝福する。うむ、と皇帝はうなずいた。ハッタールはメルビナに鋭い視線を向け、頬をほころばせた。

「ヒッターチが騎馬の民を船に乗せ、サガミニアに向かったという知らせを聴いたところ、よもやツックイーのエルフどもらを説き伏せていたとは! まことに恐ろしいことでしたな!」
「だからこそ、そなたがそこにいる、ミ=ウーラの御曹司と共に策を具申したわけじゃ。オーガを集めるのはなかなかに骨が折れたわい。かっかっ!」

 皇帝はハッタールの後ろに控えていた少年に目を向けた。その間にもメルビナに腰を振らせていたから、皇帝は呻き精を放ってしまった。

 なかなかに離したくない小娘だが、ハッタールへの褒美の為に彼女を抱き上げ、投げて寄越した。ハッタールは立ち上がって彼女を受け取った。

「ひどいことをなされるな。メルビナ殿はスガヤツク公のご令嬢。まるでりんごを投げて寄越す様な事をなされまするな?
「ハッタール。褒美じゃ。これから1週間その娘を仕込んでやれ」
「それはもちろん。メルビナ姫は私も気にかけておりましたゆえ……」

 ハッタールは抱きかかえたメルビナの耳に口を近づけ、太い舌でなめ始めた。この男は皇帝の息子たちの中で一番出来が良かったが、童女好きという奇癖を持っていた。

「ウーラに戻ったら、かの要塞を教えながらなぶりものに致しましょう」
「それでよい。1週間過ぎたら余に返せ。くれてやるつもりはないわい」

 皇帝は後ろにいたミ=ウーラの御曹司に目を向けようとした。しかしそこにいるはずの彼の姿が見えなかった。

 視点をハッタールに向けると、彼は皇太子に抱えられたメルビナの尻の前にはいつくばって見上げていた。じろじろと尻の穴のあたりを眺めていた。

「……なんなのじゃ、こやつは?」
「はっ。このご子息はどうにも尻穴が大の好物だそうで。筆をとって女人のすぼまりを紙に描くということを為しているそうでございます」
「そうか。尻穴好きの小僧か。面白い……」

 少年は無言のまま、膣から放たれた精液を垂らして絶頂の余韻を得たメルビナの尻を見続けていた。

 この少年こそが後にエドニアにその人ありとうたわれる海軍大将、『負けいくさの守護神』と呼ばれた海の名将となり、後々の世にも大きく名を遺すエドニアの尻穴絵師となるのだが、さて、この少年はなんという名であったのか?

 その続きについてはまた、次回にて。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

処理中です...