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第三部 カツランダルク戦記 『第三章・カツランダルクの姉妹』
88 追跡者
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索敵魔法に引っかかった。『彼女ら』は未だこの森の中にいる。サイカノマゴイチから逃げられたという連絡を聞いたのが12時間前。試しにこのあたりを張ってみたらすぐにだ。
波動をかけたのに気づいている者は誰もいないようだ。魔力の量と揺らぎは一定。監視魔法でマーキングを行う。魔法が使えない4名の男のうち1人が良い。
……5分たった。まだ気づかない。確信した。連中は高度な見破りの術式を存じていないようだ。魔竜に聞いた話だと、中級のサキュバスだがけっこうやるやつが1人いるそうだが、期待しすぎだったのかもしれない。
「……」
背後で起こる荒い呼吸を耳にしながら考える。気づかないのは『フリ』かもしれない。念話を待機している3人に送る。特にタバコをスパスパやって「おえええ」と咳払いする奴にだ。準備しておけ。出番はもうすぐだ。
「ハーマイオニー達と連絡をとったのかい?」
後ろの奴が呼びかけてきた。動きが止まっている。振り向いて文句を言った。茶色い髪の青年で、ブライアン=スエッツァーといった。サキュバスの子孫が多く住んでいるというオーキ島の出だ。まだ幼さが残る顔立ち。20歳になっているが、淫魔族の血が濃いからかもしれない。
「……」
「わかんないよヴァネロペ。魔界の言葉みたいだけど声が小さくて聞き取れやしない。それに……」
「……!」
念話魔法を使ったらどうかい。頭の中に彼の声が聞こえてくる。そうするとも。問題は魔界の言語がほとんど通じない事だ。ブライアンは恋人ヅラするサキュバスのエルザから少しは学んでいるが、より難しい言葉は存じていない。
だから映像で送ることにしよう。尾ていから伸びている黒牛のそれみたいな尻尾の先を口にねじ込んでやった。こうするとより多くの情報を送り込むことができる。
「もご……もが……」
ブライアンはいきなり口にねじ込まれてもがいていたが、頭の中で再生されるヴァネロペから貰った映像に集中する。ここから2キロ離れた森の中で妹のアナとオセロに興じる恋人と、それを眺めながらこの日50本目のタバコを吸い、「うぇえっほん!」と汚らしく咳払いするハーマイオニー。
それから監視魔法からの映像。乳がどでかい美女たちが、表情に乏しい筋肉ダルマ達と森の中で乱交を致している。どの女も黒髪のエルフの男とセックスをしている1人を除いて、なんだか安っぽい感じがする。『恋人』や眼の前の女の子と比べてだ。
「つまり、向こうさんは魔力の供給中ってことか。こっちに気づいていないようだし。やるなら今だよね、ヴァネロペ?」
尻を掴んでいた女の子に呼びかける。彼はズボンを膝まで下ろし、ヴァネロペの『つるんつるん』の奥にある穴を塞いでいたところだ。
背は低くて小さい。135あるか無いか。膝に手をあてて上半身を曲げる格好のヴァネロペは、身体も顔も10歳ぐらいの少女そのものである。顔立ちは整っているが華やかな美人ではない。縁が太い黒メガネをかけていた。
身体のあちこちに波を象った入れ墨の様な文様が描かれている。魔法で描いたものだ。黒牛みたいな尻尾と、華奢な背中の上にはほんのりと、髪の色と同じ青紫色の輪っかが2つ浮かんでいた。頭にはちょこんと、生えかけの鹿のツノみたいなものが生えていた。
ヴァネロペは魔界のサキュバスだ。ただし、そんじょそこらのモノではない。淫魔族の中で最上位の、大貴族の令嬢である。
子供みたいなちっちゃい成りだが、彼女の一族はあまり育たないだけだ。成長度合いで言えばエルザと同じぐらい。「20歳なんですけど?」と返せるほどである。
ブライアンの頭の中に、スコップで穴を掘るガーゴイルのイメージが浮かび上がってきた。ヴァネロペが送ったものだ。要するにセックスを続けろという意味だ。
「……」
「そんな事言ったってさ、君、さっきから感じている素振りを見せないじゃないか?」
「……!」
ヴァネロペがふくれっ面をする。またまた映像を彼の頭の中へ送り込んだ。大波が何度も何度も波打ち際を洗っているところをだ。
「……なんだいこりゃ?」
「……! ……!」
「いや、ナニかを言いたいみたいだけどえらく抽象的だからわかんないんだよね。オイラは想像力を働かせること、どうも苦手なんだ」
ナニを言うか! 彼女は心の中で怒った。当然魔界の言語だから念話魔法で思考を共有しているブライアンには通じなかった。
感度は普通のサキュバスの数倍だ。先っちょを挿れられただけでもうエクスタシーに達してしまったし、出し入れがされるたびにそれが続く。すっかり出来上がりきっているのに何故わからない?
彼女は尻をブライアンに押し付け、肛門をパクパクとしゃべらせて見せた。子供のかたちをしているが、触れるとえらくむっちりしている。脂というよりかはもっと高純度で柔らかい何かだ。層が薄い割に官能に訴えてくるものがある。
ぐりぐり。ぐりぐり。
ブライアンのペニスはヴァネロペの中で元気になってしまった。そのヴァギナの中だが、彼が放った精液があちらこちらにでねばっていた。3回も放ったからだ。
「し、仕方ないな。ハーマイオニーの準備が整うまでだよ? あいつどうせ、タバコをもう1本吸い終えてからとか言ってくだろうし」
「……♡」
嬉しいことだ。ヴァネロペはブライアンにちょっとサービスすることにした。彼の頭の中にまた映像が入って来た。
亀頭と反り上がった幹とが写っていた。えらく太くカリが高いそいつが前後で動いている。ブライアンのちんぽである。そいつが周りの肉の襞に絡め取られ、余すこと無く舐められていた。引くと通路は狭まり、押すとペニスの形に沿って幅が広がった。
ヴァネロペの膣内の映像である。リアルタイムで彼に挿入されているところを見せてやっていた。魔法で光を当てられ、鮮明に映し出された自分のちんぽと相手の膣の構造を見てブライアンは発奮した。
「うわああ。すんごく気持ちいいと思ったら、君の中、すごい事になっているんだな!」
コクリ。にやり。ヴァネロペは静かに笑う。こうされているだけでも、もう気持ちよくて気持ちよくて仕方がないのだ。かまってくれて、突っ込んでくれて、ぐりぐりとしてくれてありがとう、と言ってやりたいぐらいに。
「うん。わかった……これはこれですんげえエッチな気分になるな。君が貧相でちんちくりんなのに、サキュバスの元締めみたいなことをやっているのがよくわかるよ……」
「……!!」
「そう怒るなって。ううう、もう出しそうだ。やばい。君のここ、凄い吸いたがりみたいだ。あ、もうだめ……」
「♡!!」
また射精がおきた。鈴口からどぴゅどぴゅとブライアンの種汁がこぼれ出て、膣の中に注ぎ込まれる。量はさっきと変わらない。濃厚なものが水たまりをつくる。
ブライアンはちんちんときんたまの改造施術を2回受けた。一度目は恋人と出会ってすぐだ。エルザの愛液をきんたまとちんちんの両方に注射された。彼はサキュバスの血筋にあったから、愛液と親和性が強かった。1日に最低3回は射精しないと眠れない身体になってしまった。
2回目はこのヴァネロペにだ。こちらはもっと効果てきめんだった。2時間セックスをしたぐらいでバテない身体となったのだ。それだけじゃない。魔力が高まった。
……なのだが、ヴァネロペは残念な発見もしてしまった。この若者は異能の中の異能と言える、予知予見の力しか魔力を用いる事ができない。それと若干の身体強化魔法と治癒魔法。傷を治す魔法は自分自身にしかかけられない。
魔界の大貴族たる彼女の体液をちんちんやおまんこに注射すれば、大抵のニンゲンは様々な魔法が使える万能魔道士(人によって差はある)になれるのだが、こいつはどうも、そうはいかないみたいだ。体内の術式回路がえらく偏っている。活性化されるのは治癒の魔法ぐらいだった。
「もう終わりにしていいかい?」
「……♡ ……♡」
「だめだめ。ハーマイオニーが呼んでいるよ。さっさと行こうぜって。で、どのあたり?」
しばらくはお預けか。ヴァネロペは残念そうにため息をつきながら股間からペニスを抜いた。どろっとしたものが糸を引くのを見て「……♡」となりながら、ブライアンにこのあたり地図のイメージを見せ、北西の方角に赤丸をつける。ざっと30キロ先だ。
「なるほどね。しかし君の索敵能力はすごいな。30キロっていったら魔竜さまと同じぐらいじゃないか。それに映像でみせてくれることだってできる」
起き上がったヴァネロペは腕に腰を当てて胸を反らした。どんなもんだい。文様のせいでそうとは見えなかったが、彼女は全裸だった。ちっとも膨らんでいない胸とすらりとしたお腹を見てブライアンは思った。こんなんでよく、サキュバスを名乗れるよな。おっぱいはエルザも無い方だけど。
「うるさいわね、ブライアン!」
眼の前にエルザがいた。転移魔法で飛んできたのだ。背はブライアンと同じぐらいだ。魔竜が信頼する部下の1人である。ヴァネロペとは違ってローブに鉄の胸当てと腰覆いをまとっていた。腰に短刀を2本差している。
「人の心の中を読むなよ、エルザ?」
「じゃあ、ついつい読んでしまうようなことを考えなさんな。アナとハーマイオニーも支度が出来ているわ。ヴァネロペ様、準備はいいですか?」
ヴァネロペはこくん、とうなずいた。無表情というかアンニュイというか。かわいい顔なのに台無しになっているな、とブライアンは思った。
「……!」
「ふくれっ面しなさんなよ。あ、オイラはいつでもいいぜ。なんだか強そうなのが5人。他はサキュバスさんたちだね。みんなおっぱいがでっかでかの!」
「おあいにくさま。そういう皮肉は効きませんよ。帰ったらオーラフにおっぱい吸わせてもらいなさいな?」
「ハーマイオニーのは?」
「断られると思うわよ。ブライアンをあんまりそういう目で見てないらしいし」
「ああそう。タバコさえ吸わなきゃ好みなんだけどな……」
エルザはブライアンの股間を思い切り蹴った。
「いてっ!」
「ほら、冗談言ってないでさっさと向かうわよ!」
「ちぇっ。エルザは怒りん坊だな?」
股間をさするブライアンにエルザは抱きついた。転移魔法の準備だ。ヴァネロペが目で合図する。3人の姿はすぐにかき消えた。そして、地上にいた2人も。
波動をかけたのに気づいている者は誰もいないようだ。魔力の量と揺らぎは一定。監視魔法でマーキングを行う。魔法が使えない4名の男のうち1人が良い。
……5分たった。まだ気づかない。確信した。連中は高度な見破りの術式を存じていないようだ。魔竜に聞いた話だと、中級のサキュバスだがけっこうやるやつが1人いるそうだが、期待しすぎだったのかもしれない。
「……」
背後で起こる荒い呼吸を耳にしながら考える。気づかないのは『フリ』かもしれない。念話を待機している3人に送る。特にタバコをスパスパやって「おえええ」と咳払いする奴にだ。準備しておけ。出番はもうすぐだ。
「ハーマイオニー達と連絡をとったのかい?」
後ろの奴が呼びかけてきた。動きが止まっている。振り向いて文句を言った。茶色い髪の青年で、ブライアン=スエッツァーといった。サキュバスの子孫が多く住んでいるというオーキ島の出だ。まだ幼さが残る顔立ち。20歳になっているが、淫魔族の血が濃いからかもしれない。
「……」
「わかんないよヴァネロペ。魔界の言葉みたいだけど声が小さくて聞き取れやしない。それに……」
「……!」
念話魔法を使ったらどうかい。頭の中に彼の声が聞こえてくる。そうするとも。問題は魔界の言語がほとんど通じない事だ。ブライアンは恋人ヅラするサキュバスのエルザから少しは学んでいるが、より難しい言葉は存じていない。
だから映像で送ることにしよう。尾ていから伸びている黒牛のそれみたいな尻尾の先を口にねじ込んでやった。こうするとより多くの情報を送り込むことができる。
「もご……もが……」
ブライアンはいきなり口にねじ込まれてもがいていたが、頭の中で再生されるヴァネロペから貰った映像に集中する。ここから2キロ離れた森の中で妹のアナとオセロに興じる恋人と、それを眺めながらこの日50本目のタバコを吸い、「うぇえっほん!」と汚らしく咳払いするハーマイオニー。
それから監視魔法からの映像。乳がどでかい美女たちが、表情に乏しい筋肉ダルマ達と森の中で乱交を致している。どの女も黒髪のエルフの男とセックスをしている1人を除いて、なんだか安っぽい感じがする。『恋人』や眼の前の女の子と比べてだ。
「つまり、向こうさんは魔力の供給中ってことか。こっちに気づいていないようだし。やるなら今だよね、ヴァネロペ?」
尻を掴んでいた女の子に呼びかける。彼はズボンを膝まで下ろし、ヴァネロペの『つるんつるん』の奥にある穴を塞いでいたところだ。
背は低くて小さい。135あるか無いか。膝に手をあてて上半身を曲げる格好のヴァネロペは、身体も顔も10歳ぐらいの少女そのものである。顔立ちは整っているが華やかな美人ではない。縁が太い黒メガネをかけていた。
身体のあちこちに波を象った入れ墨の様な文様が描かれている。魔法で描いたものだ。黒牛みたいな尻尾と、華奢な背中の上にはほんのりと、髪の色と同じ青紫色の輪っかが2つ浮かんでいた。頭にはちょこんと、生えかけの鹿のツノみたいなものが生えていた。
ヴァネロペは魔界のサキュバスだ。ただし、そんじょそこらのモノではない。淫魔族の中で最上位の、大貴族の令嬢である。
子供みたいなちっちゃい成りだが、彼女の一族はあまり育たないだけだ。成長度合いで言えばエルザと同じぐらい。「20歳なんですけど?」と返せるほどである。
ブライアンの頭の中に、スコップで穴を掘るガーゴイルのイメージが浮かび上がってきた。ヴァネロペが送ったものだ。要するにセックスを続けろという意味だ。
「……」
「そんな事言ったってさ、君、さっきから感じている素振りを見せないじゃないか?」
「……!」
ヴァネロペがふくれっ面をする。またまた映像を彼の頭の中へ送り込んだ。大波が何度も何度も波打ち際を洗っているところをだ。
「……なんだいこりゃ?」
「……! ……!」
「いや、ナニかを言いたいみたいだけどえらく抽象的だからわかんないんだよね。オイラは想像力を働かせること、どうも苦手なんだ」
ナニを言うか! 彼女は心の中で怒った。当然魔界の言語だから念話魔法で思考を共有しているブライアンには通じなかった。
感度は普通のサキュバスの数倍だ。先っちょを挿れられただけでもうエクスタシーに達してしまったし、出し入れがされるたびにそれが続く。すっかり出来上がりきっているのに何故わからない?
彼女は尻をブライアンに押し付け、肛門をパクパクとしゃべらせて見せた。子供のかたちをしているが、触れるとえらくむっちりしている。脂というよりかはもっと高純度で柔らかい何かだ。層が薄い割に官能に訴えてくるものがある。
ぐりぐり。ぐりぐり。
ブライアンのペニスはヴァネロペの中で元気になってしまった。そのヴァギナの中だが、彼が放った精液があちらこちらにでねばっていた。3回も放ったからだ。
「し、仕方ないな。ハーマイオニーの準備が整うまでだよ? あいつどうせ、タバコをもう1本吸い終えてからとか言ってくだろうし」
「……♡」
嬉しいことだ。ヴァネロペはブライアンにちょっとサービスすることにした。彼の頭の中にまた映像が入って来た。
亀頭と反り上がった幹とが写っていた。えらく太くカリが高いそいつが前後で動いている。ブライアンのちんぽである。そいつが周りの肉の襞に絡め取られ、余すこと無く舐められていた。引くと通路は狭まり、押すとペニスの形に沿って幅が広がった。
ヴァネロペの膣内の映像である。リアルタイムで彼に挿入されているところを見せてやっていた。魔法で光を当てられ、鮮明に映し出された自分のちんぽと相手の膣の構造を見てブライアンは発奮した。
「うわああ。すんごく気持ちいいと思ったら、君の中、すごい事になっているんだな!」
コクリ。にやり。ヴァネロペは静かに笑う。こうされているだけでも、もう気持ちよくて気持ちよくて仕方がないのだ。かまってくれて、突っ込んでくれて、ぐりぐりとしてくれてありがとう、と言ってやりたいぐらいに。
「うん。わかった……これはこれですんげえエッチな気分になるな。君が貧相でちんちくりんなのに、サキュバスの元締めみたいなことをやっているのがよくわかるよ……」
「……!!」
「そう怒るなって。ううう、もう出しそうだ。やばい。君のここ、凄い吸いたがりみたいだ。あ、もうだめ……」
「♡!!」
また射精がおきた。鈴口からどぴゅどぴゅとブライアンの種汁がこぼれ出て、膣の中に注ぎ込まれる。量はさっきと変わらない。濃厚なものが水たまりをつくる。
ブライアンはちんちんときんたまの改造施術を2回受けた。一度目は恋人と出会ってすぐだ。エルザの愛液をきんたまとちんちんの両方に注射された。彼はサキュバスの血筋にあったから、愛液と親和性が強かった。1日に最低3回は射精しないと眠れない身体になってしまった。
2回目はこのヴァネロペにだ。こちらはもっと効果てきめんだった。2時間セックスをしたぐらいでバテない身体となったのだ。それだけじゃない。魔力が高まった。
……なのだが、ヴァネロペは残念な発見もしてしまった。この若者は異能の中の異能と言える、予知予見の力しか魔力を用いる事ができない。それと若干の身体強化魔法と治癒魔法。傷を治す魔法は自分自身にしかかけられない。
魔界の大貴族たる彼女の体液をちんちんやおまんこに注射すれば、大抵のニンゲンは様々な魔法が使える万能魔道士(人によって差はある)になれるのだが、こいつはどうも、そうはいかないみたいだ。体内の術式回路がえらく偏っている。活性化されるのは治癒の魔法ぐらいだった。
「もう終わりにしていいかい?」
「……♡ ……♡」
「だめだめ。ハーマイオニーが呼んでいるよ。さっさと行こうぜって。で、どのあたり?」
しばらくはお預けか。ヴァネロペは残念そうにため息をつきながら股間からペニスを抜いた。どろっとしたものが糸を引くのを見て「……♡」となりながら、ブライアンにこのあたり地図のイメージを見せ、北西の方角に赤丸をつける。ざっと30キロ先だ。
「なるほどね。しかし君の索敵能力はすごいな。30キロっていったら魔竜さまと同じぐらいじゃないか。それに映像でみせてくれることだってできる」
起き上がったヴァネロペは腕に腰を当てて胸を反らした。どんなもんだい。文様のせいでそうとは見えなかったが、彼女は全裸だった。ちっとも膨らんでいない胸とすらりとしたお腹を見てブライアンは思った。こんなんでよく、サキュバスを名乗れるよな。おっぱいはエルザも無い方だけど。
「うるさいわね、ブライアン!」
眼の前にエルザがいた。転移魔法で飛んできたのだ。背はブライアンと同じぐらいだ。魔竜が信頼する部下の1人である。ヴァネロペとは違ってローブに鉄の胸当てと腰覆いをまとっていた。腰に短刀を2本差している。
「人の心の中を読むなよ、エルザ?」
「じゃあ、ついつい読んでしまうようなことを考えなさんな。アナとハーマイオニーも支度が出来ているわ。ヴァネロペ様、準備はいいですか?」
ヴァネロペはこくん、とうなずいた。無表情というかアンニュイというか。かわいい顔なのに台無しになっているな、とブライアンは思った。
「……!」
「ふくれっ面しなさんなよ。あ、オイラはいつでもいいぜ。なんだか強そうなのが5人。他はサキュバスさんたちだね。みんなおっぱいがでっかでかの!」
「おあいにくさま。そういう皮肉は効きませんよ。帰ったらオーラフにおっぱい吸わせてもらいなさいな?」
「ハーマイオニーのは?」
「断られると思うわよ。ブライアンをあんまりそういう目で見てないらしいし」
「ああそう。タバコさえ吸わなきゃ好みなんだけどな……」
エルザはブライアンの股間を思い切り蹴った。
「いてっ!」
「ほら、冗談言ってないでさっさと向かうわよ!」
「ちぇっ。エルザは怒りん坊だな?」
股間をさするブライアンにエルザは抱きついた。転移魔法の準備だ。ヴァネロペが目で合図する。3人の姿はすぐにかき消えた。そして、地上にいた2人も。
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