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第三部 カツランダルク戦記 『第三章・カツランダルクの姉妹』
82 薬の中の毒
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ホーデンエーネン王国暦の356年も、2月になった。ルッソ=シュミットはナーガハーマにいた。アヅチハーゲンに駐在する近衛騎士団に、身に覚えのない謀反の計画を問い詰められて「知らない」と返事したからだ。
手紙の中身も見せてもらったが、全く身に覚えが無かった。知らないよ。わからないよ。誰かが中身をすり替えたんじゃないのか? 近衛騎士団の連中は頑迷だった。
「だがしかし、この中にある映像水晶は、アヅチハーゲンの港町をくまなく映していたぞ?」
「アスカウ公様に訳も分からぬ謀反を持ち掛けるとは、貴殿は狂ったか?」
「この国は武断のセイン王陛下と、文治のアスカウ公様と妹君とでうまく回っているのだ。片方の車輪を外して国を迷わす気か?」
問い詰められた。それでも「違う」とルッソは言い張った。近衛騎士団はルッソの事を知っていたから過激なことはしなかった。もしかしたら本当のことを言っているかもしれない。手紙が出せないように、しばらく軟禁隔離しよう。
「一体、なんだってんだい……」
ナーガハーマにあてがわれた部屋で、ルッソは『げーむうぉっち』をやりながらふてくされていた。カントニアで売っているもので、全裸のサキュバスが強姦魔のオーガや触手の魔物をよけながら、ステージクリアを目指すアクションゲームだった。攻撃方法は皆無。捕まったら種付けをされてゲームオーバーである。
「ええい、この! なかなかに難しいぞ! またやられたっ! 『しにげー』かもしんないな、これ! もしかして、エルフが作った『げーむ』かな!」
『どっと絵』のサキュバスが、ちんぽを3本持っているデブのおっさんの敵キャラに、アヘ顔にされて意思を殺される姿を見ながら、このステージの攻略法を考える。
その他にも顎がカクカクしている男エルフが、借金を返す為に超難関のギャンブルに挑むゲームや、オーガの海賊王が各地の港を攻略して美少女達に種付けをしまくるゲームなどをして何日か過ごした。どれもゲームバランスが酷かった。難しいという意味でだ。
すっかり『げーむうおっち攻略家』となりつつあったルッソのところに、ある人物がやって来た。女だ。パラッツォ教の司祭騎士団の副団長である。
155センチぐらいとあまり背は高くない。金髪で細い身体の美女だった。歳は30ぐらいかと思いきや、40を過ぎている。甲冑ではなくゆったりめの服をまとっていた。
「初めまして、ルッソさん」
「あんたが……噂の?」
「その通りですよ」
女は椅子に腰をかけた。連れて来た侍女たちも負けず劣らず美しい。豊満だ。とはいえルッソは一目で見破った。この子らはサキュバスだ。
「転移魔法で来たのかい?」
「ええ。急ぎの用事があって来たんですよ。ぶっちゃけましょう」
自分はエチウだけでなく、イーガの使者でもある。副団長は要件を言った。今すぐエチウを経由してイーガに亡命したほうがいい。その為にやって来た。
「亡命? なんでだよ?」
「ご存じじゃないでしょうが、北ホーデンエーネンは今、独立の機運ができあがっているんです。ナントブルグから離れて自分達の国を作ろうって」
主にパラッツォ教に帰依した民衆や小豪族たちが手を組んで、計画を立てているそうだ。大領主達も考えを変え始めた。西のオバーマゲルク、北のツルーガニスク、そして東のアヅチハーゲン近辺で強まっている。
理由は重税と近衛騎士団連中の横暴だ。イーガの『えくすぷれす』の延長や南のヨーシデンの建設のせいで、国庫の負担が強まったらしい。
「待って。ヨーシデンはマイヤの会社のあがりで作っているんじゃ?」
「建築資材や人夫はヨーシデンだけじゃまかなえませんからね。ナガオカッツェや周辺の領主から集めているんですよ。去年の中頃からそいつらが値を吊り上げた」
ヨーシデンの学術都市は、市街地の工事がいよいよ本番という段階だ。計画が予想以上に大きくなった。それと南に港湾を作るのも始まった。マイヤのそもそもの想定では、学術都市と港はセットだった。
『えくすぷれす』は買収する土地の確保で難航するのが始まっていた。ヨーシデンまでなら何とかなる。しかしその先だ。サカーイまでの延長線路の用地の値段が3倍以上に膨れ上がった。投機で釣りあがったのだ。
資材も労働者も高くなった。商人たちが買い占めたからだ。マイヤは何とかしようとマイア=テクニカや自分の領地の税金で手を付けたが、売られては買い、買っては売りの投機ゲームが始まってしまった。
「なんだってそんなことに……」
「サカーイの商人や『えくすぷれす』沿線の大商人が仕掛けたんですよ。あいつらは手を組んだんです。大領主の土地は直轄地と違いますからね。国の法律が届かないこともあるんです」
まるで信じられない。大領主達ならトーリが心理操作で抑え込んでいたと思っていたのに。大商人もそうだ。彼女はしょっちゅう、ナントブルグから離れて南天騎士団の支配地域に飛んで行ったそうだ。
「でも、トーリがまた行けばなんとかなるだろうさ?」
「無理みたいですね。どうも、サキュバスの心理魔法を効かなくする結界道具が、その辺で広まっているらしいんですよ」
その結界道具は、パラッツォ教が布教していた地域で多く出回っているという。副団長は言った。
「教団は決して心を許してくれませんよ。勝てなければじわじわと力を削ぐ方法を考えてやっているんです。それ程トーリさんは恐れられているんですよ、みんなに」
「だったら、あんたを信じる事も出来ないな?」
「……あたしはこの大陸に均衡がもたらされるんなら、なんだっていいですよ。1つ言っておきますが、そんなことに手を貸すのは教団の一部です。教主様含めてその他大勢は……」
副団長は腹をさすった。その中に子供がいるのだ。
「このお腹の子のお父さんが、『ナントブルグの女王様』をやんちゃできなくする様な大きな国を作って欲しいと思っているんです。独立を起こそうとする方々もそうお思いのようですがね」
この女のお腹の中の子の父親。それが誰か、ルッソは尋ねた。
「ルッソさんがよくご存じのかたですよ……」
魔物と化しつつあるトーリに対抗できる存在。教主以外にはあの男しかいないだろう。聖騎士イズヴァルトだ。
□ □ □ □ □
「フン。お前は教主に賛同する素振りを見せて、裏ではこんなことをやっていたとはなあ……」
サカーイに置いた愛人宅で、カヅノ=セイジは机の上で、数々の魔道具を並べているタカミ=ジュンの顔を見た。彼の説法を聞いてくれた大商人や貴族らに贈呈するものだ。代わりにパラッツォ教に送り込みたい、身分の低い愛人の子を譲り受ける。連れ帰った子は教育を施して敬虔な信徒にするのだ。
(こいつ、教主におもねっていなかったか?)
枢機卿が首にかける十字架像の様な、『磔刑を受ける預言者』の銅像やその他の事をしている『預言者』の像や絵画ばかりだ。ただ、どの『預言者』も交合を為していた。カヅノは『きゅうせいしゅ』とおっぱいがそこそこ大きな美女が、対面座位で性交をしている像を掴んだ。
「『マグダラの娼婦』との交合像だな。『復活者の巡礼記』の第一章第一節で、旅を始める前に神に命じられて子供を作るんだったな。……蘇った預言の者よ、我が子よ。山の神たる我の戒めは存じておろう。妻と常に歓びをかわしあい、産めよ、殖やせよ。汝が生きて来た跡を遺せ……か」
「ええ。それからこの絵は……」
『預言者』とその弟子たちが、長いテーブルを囲んで食事をしているが、その下では彼等のイチモツをしゃぶる少女や少年の姿が描かれていた。
「俺達の前世の絵画か……旧文明時代の。この絵は筆達者なツシマ=シュウジが描いたな」
「『聖母さま』が、割礼を受けたばかりの『預言者』のおちんちんをしゃぶしゃぶしているところです。教祖殿から聞き及びましたが、あの時代は男の子が大きなおちんちんに育つよう、射精できるようになるまで毎晩、母親や祖母がしゃぶってくれていたそうで……」
下々は母や叔母達が口でするだけだが、上の階層の者はもっと教育が行き届いていたそうだ。その乳母がその勤めを為し、最初の膣内射精どころか嫁を取るまで乳房と膣とで『育てた』という。乳母を孕ませ、側室とした少年貴族もいたそうだ。
「掟や教典で書かれているよりも、世界はゆったりとしてやさしかった、とコージュは語ってくれたな?」
「ええ。この世界も遥か昔はそうだったとも。ならば魔が巣くう今なら、こうした護符も必要かと思いますね」
「フン。言いがかりだな。淫魔除けの神聖魔法は誰が込めた?」
「クニキダとクロサワ兄弟ですよ。『黙示録の騎士』や『神聖兵装』に込める術式の研究の為です」
「そういう事か。過剰とも思えるが……」
トーリの魔法の力が元に戻れば、至極厄介な敵になるに違いないとタカミもにらんでいた。ただ、殺すまでは考えていない。牽制の為にだ。よく治まっていて豊かになったホーデンエーネンとナントブルグの女王というコンビは、空恐ろしいとしか言いようが無い。
「それだけ仕込まないと安定には程遠い、という考えか」
「無論、トーリ様を討てば、そこまでの労力を使わなくて済むでしょう。でも作って置くだけなら血が流れない。アカサカチハヤの魔竜も動かぬ、ということですよ」
つまりは、大陸で最大の抑止力が動く前に包囲網を完成させるのだ。女王は檻に入れろ。カヅノにとってはまだるっこしいとしか思えなかった。
でも、今はその時ではない。こういう時は女だ。彼はタカミに荷物を仕舞えと促すと、側で編み物をしている幼い自分の娘に、「呼んで来い」と命じた。
「おとうさま。どなたをお呼びすればよろしいのですか?」
「3人ともだ。リタとアンヌとメリンダ。俺がいない間に間男に舐めさせている、まんことおっぱいを消毒してこの部屋に来いと伝えてくれ」
「はあい」
額にツノが生えた女の子は部屋を出て行った。タカミ、楽しませてやるよ、俺の愛人たちを。
「この家の女どもは、ケツアナを舐めるのがとっても好きな連中だぞ?」
「そ、その趣味はちょっと、私には……」
「『おしゃぶりくそひねりだるま女』のおケツ穴の魅力を覚えてから、尻穴舐めが病みつきになったそうだ。あいつらにコキられながら舐められるといつもより3倍出せるぞ。たんと味わえよ?」
手紙の中身も見せてもらったが、全く身に覚えが無かった。知らないよ。わからないよ。誰かが中身をすり替えたんじゃないのか? 近衛騎士団の連中は頑迷だった。
「だがしかし、この中にある映像水晶は、アヅチハーゲンの港町をくまなく映していたぞ?」
「アスカウ公様に訳も分からぬ謀反を持ち掛けるとは、貴殿は狂ったか?」
「この国は武断のセイン王陛下と、文治のアスカウ公様と妹君とでうまく回っているのだ。片方の車輪を外して国を迷わす気か?」
問い詰められた。それでも「違う」とルッソは言い張った。近衛騎士団はルッソの事を知っていたから過激なことはしなかった。もしかしたら本当のことを言っているかもしれない。手紙が出せないように、しばらく軟禁隔離しよう。
「一体、なんだってんだい……」
ナーガハーマにあてがわれた部屋で、ルッソは『げーむうぉっち』をやりながらふてくされていた。カントニアで売っているもので、全裸のサキュバスが強姦魔のオーガや触手の魔物をよけながら、ステージクリアを目指すアクションゲームだった。攻撃方法は皆無。捕まったら種付けをされてゲームオーバーである。
「ええい、この! なかなかに難しいぞ! またやられたっ! 『しにげー』かもしんないな、これ! もしかして、エルフが作った『げーむ』かな!」
『どっと絵』のサキュバスが、ちんぽを3本持っているデブのおっさんの敵キャラに、アヘ顔にされて意思を殺される姿を見ながら、このステージの攻略法を考える。
その他にも顎がカクカクしている男エルフが、借金を返す為に超難関のギャンブルに挑むゲームや、オーガの海賊王が各地の港を攻略して美少女達に種付けをしまくるゲームなどをして何日か過ごした。どれもゲームバランスが酷かった。難しいという意味でだ。
すっかり『げーむうおっち攻略家』となりつつあったルッソのところに、ある人物がやって来た。女だ。パラッツォ教の司祭騎士団の副団長である。
155センチぐらいとあまり背は高くない。金髪で細い身体の美女だった。歳は30ぐらいかと思いきや、40を過ぎている。甲冑ではなくゆったりめの服をまとっていた。
「初めまして、ルッソさん」
「あんたが……噂の?」
「その通りですよ」
女は椅子に腰をかけた。連れて来た侍女たちも負けず劣らず美しい。豊満だ。とはいえルッソは一目で見破った。この子らはサキュバスだ。
「転移魔法で来たのかい?」
「ええ。急ぎの用事があって来たんですよ。ぶっちゃけましょう」
自分はエチウだけでなく、イーガの使者でもある。副団長は要件を言った。今すぐエチウを経由してイーガに亡命したほうがいい。その為にやって来た。
「亡命? なんでだよ?」
「ご存じじゃないでしょうが、北ホーデンエーネンは今、独立の機運ができあがっているんです。ナントブルグから離れて自分達の国を作ろうって」
主にパラッツォ教に帰依した民衆や小豪族たちが手を組んで、計画を立てているそうだ。大領主達も考えを変え始めた。西のオバーマゲルク、北のツルーガニスク、そして東のアヅチハーゲン近辺で強まっている。
理由は重税と近衛騎士団連中の横暴だ。イーガの『えくすぷれす』の延長や南のヨーシデンの建設のせいで、国庫の負担が強まったらしい。
「待って。ヨーシデンはマイヤの会社のあがりで作っているんじゃ?」
「建築資材や人夫はヨーシデンだけじゃまかなえませんからね。ナガオカッツェや周辺の領主から集めているんですよ。去年の中頃からそいつらが値を吊り上げた」
ヨーシデンの学術都市は、市街地の工事がいよいよ本番という段階だ。計画が予想以上に大きくなった。それと南に港湾を作るのも始まった。マイヤのそもそもの想定では、学術都市と港はセットだった。
『えくすぷれす』は買収する土地の確保で難航するのが始まっていた。ヨーシデンまでなら何とかなる。しかしその先だ。サカーイまでの延長線路の用地の値段が3倍以上に膨れ上がった。投機で釣りあがったのだ。
資材も労働者も高くなった。商人たちが買い占めたからだ。マイヤは何とかしようとマイア=テクニカや自分の領地の税金で手を付けたが、売られては買い、買っては売りの投機ゲームが始まってしまった。
「なんだってそんなことに……」
「サカーイの商人や『えくすぷれす』沿線の大商人が仕掛けたんですよ。あいつらは手を組んだんです。大領主の土地は直轄地と違いますからね。国の法律が届かないこともあるんです」
まるで信じられない。大領主達ならトーリが心理操作で抑え込んでいたと思っていたのに。大商人もそうだ。彼女はしょっちゅう、ナントブルグから離れて南天騎士団の支配地域に飛んで行ったそうだ。
「でも、トーリがまた行けばなんとかなるだろうさ?」
「無理みたいですね。どうも、サキュバスの心理魔法を効かなくする結界道具が、その辺で広まっているらしいんですよ」
その結界道具は、パラッツォ教が布教していた地域で多く出回っているという。副団長は言った。
「教団は決して心を許してくれませんよ。勝てなければじわじわと力を削ぐ方法を考えてやっているんです。それ程トーリさんは恐れられているんですよ、みんなに」
「だったら、あんたを信じる事も出来ないな?」
「……あたしはこの大陸に均衡がもたらされるんなら、なんだっていいですよ。1つ言っておきますが、そんなことに手を貸すのは教団の一部です。教主様含めてその他大勢は……」
副団長は腹をさすった。その中に子供がいるのだ。
「このお腹の子のお父さんが、『ナントブルグの女王様』をやんちゃできなくする様な大きな国を作って欲しいと思っているんです。独立を起こそうとする方々もそうお思いのようですがね」
この女のお腹の中の子の父親。それが誰か、ルッソは尋ねた。
「ルッソさんがよくご存じのかたですよ……」
魔物と化しつつあるトーリに対抗できる存在。教主以外にはあの男しかいないだろう。聖騎士イズヴァルトだ。
□ □ □ □ □
「フン。お前は教主に賛同する素振りを見せて、裏ではこんなことをやっていたとはなあ……」
サカーイに置いた愛人宅で、カヅノ=セイジは机の上で、数々の魔道具を並べているタカミ=ジュンの顔を見た。彼の説法を聞いてくれた大商人や貴族らに贈呈するものだ。代わりにパラッツォ教に送り込みたい、身分の低い愛人の子を譲り受ける。連れ帰った子は教育を施して敬虔な信徒にするのだ。
(こいつ、教主におもねっていなかったか?)
枢機卿が首にかける十字架像の様な、『磔刑を受ける預言者』の銅像やその他の事をしている『預言者』の像や絵画ばかりだ。ただ、どの『預言者』も交合を為していた。カヅノは『きゅうせいしゅ』とおっぱいがそこそこ大きな美女が、対面座位で性交をしている像を掴んだ。
「『マグダラの娼婦』との交合像だな。『復活者の巡礼記』の第一章第一節で、旅を始める前に神に命じられて子供を作るんだったな。……蘇った預言の者よ、我が子よ。山の神たる我の戒めは存じておろう。妻と常に歓びをかわしあい、産めよ、殖やせよ。汝が生きて来た跡を遺せ……か」
「ええ。それからこの絵は……」
『預言者』とその弟子たちが、長いテーブルを囲んで食事をしているが、その下では彼等のイチモツをしゃぶる少女や少年の姿が描かれていた。
「俺達の前世の絵画か……旧文明時代の。この絵は筆達者なツシマ=シュウジが描いたな」
「『聖母さま』が、割礼を受けたばかりの『預言者』のおちんちんをしゃぶしゃぶしているところです。教祖殿から聞き及びましたが、あの時代は男の子が大きなおちんちんに育つよう、射精できるようになるまで毎晩、母親や祖母がしゃぶってくれていたそうで……」
下々は母や叔母達が口でするだけだが、上の階層の者はもっと教育が行き届いていたそうだ。その乳母がその勤めを為し、最初の膣内射精どころか嫁を取るまで乳房と膣とで『育てた』という。乳母を孕ませ、側室とした少年貴族もいたそうだ。
「掟や教典で書かれているよりも、世界はゆったりとしてやさしかった、とコージュは語ってくれたな?」
「ええ。この世界も遥か昔はそうだったとも。ならば魔が巣くう今なら、こうした護符も必要かと思いますね」
「フン。言いがかりだな。淫魔除けの神聖魔法は誰が込めた?」
「クニキダとクロサワ兄弟ですよ。『黙示録の騎士』や『神聖兵装』に込める術式の研究の為です」
「そういう事か。過剰とも思えるが……」
トーリの魔法の力が元に戻れば、至極厄介な敵になるに違いないとタカミもにらんでいた。ただ、殺すまでは考えていない。牽制の為にだ。よく治まっていて豊かになったホーデンエーネンとナントブルグの女王というコンビは、空恐ろしいとしか言いようが無い。
「それだけ仕込まないと安定には程遠い、という考えか」
「無論、トーリ様を討てば、そこまでの労力を使わなくて済むでしょう。でも作って置くだけなら血が流れない。アカサカチハヤの魔竜も動かぬ、ということですよ」
つまりは、大陸で最大の抑止力が動く前に包囲網を完成させるのだ。女王は檻に入れろ。カヅノにとってはまだるっこしいとしか思えなかった。
でも、今はその時ではない。こういう時は女だ。彼はタカミに荷物を仕舞えと促すと、側で編み物をしている幼い自分の娘に、「呼んで来い」と命じた。
「おとうさま。どなたをお呼びすればよろしいのですか?」
「3人ともだ。リタとアンヌとメリンダ。俺がいない間に間男に舐めさせている、まんことおっぱいを消毒してこの部屋に来いと伝えてくれ」
「はあい」
額にツノが生えた女の子は部屋を出て行った。タカミ、楽しませてやるよ、俺の愛人たちを。
「この家の女どもは、ケツアナを舐めるのがとっても好きな連中だぞ?」
「そ、その趣味はちょっと、私には……」
「『おしゃぶりくそひねりだるま女』のおケツ穴の魅力を覚えてから、尻穴舐めが病みつきになったそうだ。あいつらにコキられながら舐められるといつもより3倍出せるぞ。たんと味わえよ?」
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