聖騎士イズヴァルトの伝説 外伝 『女王の末裔たち』

CHACOとJAGURA

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第三部 カツランダルク戦記 『第二章・浸食し始める闇』

59 トーリの激怒

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 マレーネらが西へ旅立った。その知らせが起きたばかりのトーリの耳に入った。
 
「なんですって! ナントブルグに顔を出さぬまま……」

 屈辱を受けた事実はさておき、舐められていると激怒した。ナントブルグで向かえ討ってやろうと考えていたのだが、あの性悪女め。
 
「私に仕返しの機会を与えずに出て行こうとするなんて! ちっくしょおぉ!」

 途端、腹が痛くなった。急ぎ執務室の隣にある便所に入った。ドアを閉めずに尻をめくり、便器にまたがっていたトーリは、大きなオナラを「ぶりゅっ!」と放った。
 
「ぐぬぬぬぬ! ぐぬうっ!」

 びゅりっ! 今度はただの屁ではなかった。大きく膨らんだ尻穴からどろっとした便が吹き出てしまった。臭いものが便器どころか壁をも汚した。尻を持ち上げ過ぎた。肛門を便穴に向け、びちゃびちゃびちゃと液状を流しだす。

「ふうううううん! ふうううううんっ!」

 びちゃびちゃびちゃ! ぶりゅりゅりゅりゅりゅ! 便は止まらない。怒りもあったが昨日、精液を飲みすぎたのだ。久しぶりの火酒を飲みながらのフェラチオだった。アルコールを口に含んでのそれは、男達に好評だった。とても刺激的です、アスカウ公様。
 
「お、お、おのれえええ! わたしと戦わぬか、マレーネ=トードヴェル=キョウゴクマイヤー!」

 大便があらかた便穴に吸い込まれていくと、今度はお小水をじょばばばと放ち出した。酒は飲んだが酔わない体質だからがばがばと飲んでみたが、アルコールの利尿効果は作用してしまったようだ。長い間じょろろろとやった後に腰を振り、侍女に湯を持たせて股と尻を洗う。尻の後ろの床と壁は、茶色いものがべっとりとくっついてしまっていた。
 
「……ふう。だいぶ汚れてしまったわ。やっぱりうんちをするならお外がいいわね。気兼ねなくぶりゅぶりゅと放てるし……はあ」

 侍女が濡れ雑巾を持って来ると、トーリはその雑巾は便をぬぐった後に適当な箱に入れて置くようにと命じた。
 
「どうしてです? こんなきたないものを……」
「ナーガハーマにいるルッソに贈るの。これのにおいを嗅いだらきっと、むらむらきちゃってクンカクンカと嗅ぎながら飛んでくるわ♡」
「……おじょうさまじゃございませんのに、だんなさまはうんちしたてのお尻の穴のにおいを嗅ぐ趣味をお持ちなのですか?」

 その侍女もとい、サキュバスのフラニーが落ち着けとたしなめる。マレーネらが出たことを伝えたのは彼女だ。トーリは便所を掃除する前に落ち着かせろと彼女の手を握り、ベッドにいざなった。
 
「舐めて癒して頂戴?」
「えー? ちんちんを咥えた方が落ち着くんじゃないんですか?」
「れろれろされたい気分なのよ。さあ、やって?」

 トーリが股を大開きにする。フラニーは仕方なくトーリの股座にかじりついた。サキュバスでも魅惑を覚える彼女の女陰のにおいだ。ヒクヒクと動いて「やってー?」とせがむラヴィアを舐め始めた。
 
「んふふふう♡ んふふふううう♡ そ、それしゅき♡」

 襞をちゅっぱちゅっぱとされ、その溝と鶏冠とを舌でちょこちょこつつかれた挙句にトーリは絶頂に達した。淫魔どころかタダのニンゲンでも舐め続けたい甘い愛液で口を痺れさせると、フラニーは落ち着きを取り戻したトーリに追加の情報を耳打ちした。
 
「サカーイにいるジュディとスザナの報告です」
「誰だったっけ?」
「ワタシの同僚ですよ。魔法を封じられてからすっかり忘れっぽくなっておしまわれですね。あの2人からこんな知らせを受けたんですよ」

 イーガ王国名義で何隻かの外洋船がチャーターされた、食料と水をたんまりとため込んでだ。イズヴァルトがいるシマーヅへと向かう事だろう。
 
(連れて行くつもりね。)

 大体の事は理解できた。トーリは考え事をしたいからお尻も舐めて、とフラニーに呼び掛ける。洗ったばかりの窄まりに舌があてられ、トーリは身をよじって喘ぎだした。
 
「はううんっ♡ はうううううんっ♡」

 フラニーの細やかな舌先さばきを受け、柔穴はひくひくと動く。同時にトーリの脳細胞も活発に動いていた。愉悦は無能な者には耽溺のみを。有能な者には愉悦と頭脳の活性化をもたらす。
 
「はううんっ♡ はうううううんっ♡」

 ぬちゃ。ぬちゃり。縮む糞穴の血流がトーリの頭に向かう。
 
「はううんっ♡ はうううううんっ♡」

 皺だらけのくぼみを撫でていた舌がその奥へと入った。肛門器官もまた快楽神経が集まっている。サキュバスだけでなくトーリやマイヤは、ただのニンゲンのそれよりも上等な敏感さを得ていた。クリトリスと同等だ。但し、サキュバスのそれ。しかも強くしても痛いではなく、気持ちいいと感じてしまう。強靭でもあった。
 
「はううんっ♡ はうううううんっ♡」

 性の喜びを知りながら、トーリは様々なことを思い出す。サカーイの港のから出る船の航路。サイゴークでの戦争。いまだチンゼーにいるというイズヴァルトの動向。パラッツォ教との不戦条約。鉄砲。武器輸出で深まった、他国との親睦。
 
「はううんっ♡ はうううううんっ♡」

 パラッツォ教を動かすのはどうだろうか。トーリはここ近年、パラッツォ教の重職がご機嫌伺いの為に、自分を訪れに来ることがあるのを思い出す。『枢機卿』と呼ばれる奴らだ。表立つて行動はしないが、教主の『目』として世界を飛び回っているという。
 
(そう。枢機卿。あの人たち……)
 
 誰もが素晴らしいぽこちんの持ち主だ。皆、25センチ以上あって太かった。割礼を受けているそれの先端は顔の肌の色とは違い真っ黒で、憎たらしい形をしていた。女の淫肉を行き来しない日が無いという程使い込まれているという。美術刀ではない実戦用の名刀に仕上がっていた。トーリは数えきれないほどごちそうを受けた。
 
(そのうちの1人が、アジールにいたはず……)

 タカミ=ジュン。2度程会って下半身での交流をしたことがあったが、優男のくせにどんなに精を搾り取ってもなかなかにヘタレなかった。常に硬く太いままで力強く突いてくれた。口汚いカヅノ=セイジとは大違いだった。
 
 教主からの手紙で知ったが、司祭騎士1000人が束になっても敵わないという。枢機卿で一番魔力が強い。それは体つきからも想像できた。目が切れ長で細く、やせた狐みたいにも見えるが、細い身体には余った肉が無くて筋肉がついていた。ペニスは亀頭とその下が一際大きく、そこで入口をこすられるとたまらなかった。
 
「んっ……♡ んんんっ……♡」

 タカミに夜明けまで力強く突き上げられ続けた甘美な時を思い出しながら受ける、丁寧なアニリングスの末に、絶頂が訪れた。トーリは襞穴を溢れんばかりの蜜で満たし、強い波にさらされて白目を剥き、それから静謐が訪れた。
 
「フラニー。アジールにいる子たちに連絡して。パラッツォ教のタカミ=ジュンという人物と話がしたいの」
「確か、司祭騎士らの中でも教主殿が特に目をかけている者を教育している方ですね?」

 司祭騎士でも特に統治の才があるという、ヘンリック=イプセンとジャン=シベリウスの師だというのを聞いている。二人とも有名人だ。サイゴークで支配地の政治を行っているそうだ。

「そうよ。タカミ=ジュン枢機卿は彼らの師。つまりは影響力がある。シャロンが関係を築こうと進めているの」

 今も続いている言い方なのは、アジールにいるシャロンの補佐らが、毎週報告を送ってくれているからだ。タカミ=ジュンは嫌がらずに必ず会って話をしてくれるという。

「タカミ=ジュン枢機卿ならきっと動いてくれるわ。いえ、きっと動いてくれるはずよ」
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