173 / 288
第三部 カツランダルク戦記 『第二章・浸食し始める闇』
50 陰謀の犬
しおりを挟む
その心配はいらない。前に手紙に書いた通り、サキュバス達の層が薄くなっているとタルッホは答えた。我らを脅かす中級の魔族は、この辺にはいない。
「ここに来るまで索敵魔法が引っかからなかった。カミラやシャロンならごまかせるだろうが、まずここにはいない。優れたサキュバスはあらかた、ナントブルグとナーガハーマにいっちゃっているわ」
「下級の淫魔どもだけ、ということか。この街には何人?」
「2人か3人。もう1人、育児休暇で1年間の休みをもらっている下級のサキュバスがいるわ」
2年前まで『だんなさま』を監視していたが、その当人の子を孕んでしまった。産まれた時から半魔ではなくまっとうなサキュバスのようだ。
「今日もその子の『乳』をもらいに、理解ある男達の間を回っているはず」
「わかった。場所を変えよう」
2人は城壁の門に向かった。出入口と櫓に衛兵たちがいたが、老人が何かをつぶやくと途端に目をつぶり眠ってしまった。老人は魔道士だった。
「市内や門に監視装置をつけたか、女王は?」
「イーガほど魔道士がいないわ。今のところ工房絡みの犯罪が起こっていないから、手を抜いているの」
「なら、マイヤ姫様がお考えになられるだろう」
「そんなことを思いつく人じゃない。安心して。油断しては命取りだけど」
城壁から離れ、森に入ると老人は手紙をタルッホに手渡した。1枚目の内容はマレーネが魔道騎士を連れてマイヤに会いに行った事と、彼女への『命令』だった。
「マイヤ姫様を一番慕っていたマレーネ殿下が動き出した。もちろん、国王陛下の意向と援助もある」
「イーガに連れ戻すつもりなの?」
「それをやれれば、の話だ。騎士イズヴァルトはサイゴークに向かったそうだ。いずれイーガの使者が彼を説得して呼び戻すだろう。姫とイズヴァルト殿の婚姻の準備も行われている」
目的は2人をイーガに永住させ、ホーデンエーネンへの牽制とする事だ。国王は愛妾としているカミラとその周辺からトーリの事を聞き危険視している。
「できればトーリを亡き者にしたい。手紙には書かれていないけどそういうことね?」
「まず無理だろう。だからホーデンエーネン内に封じ込める手しか無い。ただ、おまけがある。手紙には書いていない」
その『おまけ』について老人は語った。
「亡きアドルフ様の奥様の提案だ。北部諸侯らに2人を担ぎ上げさせる。王国を作らせるのだ」
南部と違い、北部ではマイヤの人気は衰えていなかった。イズヴァルトはいわずもがな。若き『アイドル』達を神輿として、北部ホーデンエーネンを独立させる。それだけでトーリの力は半減するだろう。アカサカチハヤを隔てたにらみ合いとなるが、トーリが天下をとった後のホーデンエーネンが外征に向かう事は無くなるに違いない。
「天下三分の計ね。アドルフ様もマイヤ姫様ではなく、トーリのほうを葬ればよかったのに」
「殿下の頃は情報が無かったのだ。今こうなっていることがわかれば、殿下もそうなさったに違いない……」
「そうね。私への命令は……連中と引き続き連絡を取れ、か」
カイル=グリーヴァスのモナファン海賊団に、船の情報を横流しする。海賊団は北西のタンゴバルド大海賊団や、クルシマーヴァラのオーホフリーヤ水軍衆らに情報を流す。その代わりに情報料を貰う。
「そちらの方は順調か?」
「ええ。カイル様はよくやっしゃっている。今のところモナファン海賊団に捜査の手は回っていないわ」
「相当売り上げを奪われたそうだな?」
「それでもホーデンエーネンは鉄砲の増産で補おうとするわ。だから、市場に鉄と硫黄が出回らなくなった」
鉄砲の輸出には弾薬もつけてあった。火山が多い国では硫黄は間に合っているが、主な取引先であるクボーニコフやウマヤーノでは重宝がられた。近頃は硫黄の採掘が活発になり、周辺の環境を汚す問題も起きていた。
「鉄砲の製法は伝えてあるのにな、ホーデンエーネンは。まったく、理解できないよ」
「ふふ。私が考えたあの案はあくまで保険よ。私に疑いの目を向けさせないように仕組んだ」
「であるから、モナファン海賊団に情報を流しているのが、タルッホであると気づきはしないよ……」
モナファン海賊団を通じて、鉄砲を積んだ交易船の情報を裏から流していた人物こそがタルッホ=ユッキカルであった。シマナミスタン人の彼女は、イーガ王国が放った工作員でもある。彼女の曾祖母こそがイーガ人の魔道士だった。
そしてこの女と老人とは、イーガのある人物に忠誠を誓ってもいた。今は亡きアドルフ王子。彼から外国でイーガの利益を損なう人物や勢力への謀略や駆逐を命じられてもいた。
そして今、彼女らはアドルフが死ぬ直前に寄越した誓約の元で動いている。これがその至上命令だ。
「イーガの利益の為に働け。王国に仇名す諸外国を赦すな。特に、ホーデンエーネンを栄えさせるな……」
そして、我が父と我が子たち、それと、我が愛する妻であるエレクトラの為に手を尽くしてくれ。タルッホらはその国王と遠い外国にいるエレクトラの思惑を受けて動いていた。
国王とエレクトラはトーリを特別に危険視していた。彼女がパラッツォ教のコーザ=ストーンマウントに競り勝ったという話も聞いている。国王に至っては、知り合いの魔族を通じてトーリが魔竜を感服させた、と知らされていた。いずれキンキ大陸に魔竜に次ぐ『畏怖すべき存在』として花開くだろう。悩ましい限りだ。
「今のところは順調だな。ところでタルッホ。お前の親友の目はごまかせているか?」
「エウレカなら大丈夫よ。そこまで賢くは無い。むしろ最近は浮ついている。トーリとマイヤ姫様の活躍に心酔して、女の時代が来たとうわごとばかり言っているわ」
「女、ではない。優れた者が男女問わず実力を発揮できる時代になっただけだ。歴史書を紐解けば、そんな時期は過去にいくらでもあっただろう。特に亜人だ。彼等は男でも女でも実力は等しく、確固とした自分を持っている……」
人はそれぞれ、才や実力に応じてあるべき地位に就くだけだと老人は笑った。
「いやに謙遜なさっておりますね、トールバル様。元は主席宮廷魔導師と呼ばれたお方が?」
「自分よりも優れた魔道士が若い者にたくさんいれば、それぐらい気づくものさ」
この老人、魔道士トールバルは魔道士らを束ねる導師の地位にあった人物だ。しかもイーガ王家直属のである。
□ □ □ □ □
「あ、ああうっ♥ いいよ、いいよぉ♥ メレディちゃん♥」
森の奥にある小屋の中でその男は悶えていた。太って脂ぎった身体を汗でもっと臭くさせながら。男は全裸だった。寝台の上で胡坐をかき、自分の膝元にるそれの髪をなでた。ふわふわとしていて触り心地がたまらなかった。
「メレディちゃんは愛くるしいねえ♥ さらさらのおけけ♥ 触れるだけで幸せになっちゃうよ♥」
赤黒く怒張した短いペニスが、小さな手と口で撫でられている。それをしていたのはまだ1歳になるかならないかの栗色髪の女児だ。彼女も何一つまとっていなかった。淫らなことをしてはいけない、何もかもがあどけない身体つき。頬はすべすべとしていて柔らかかった。その子は舌で鈴口を撫でながら男に応えた。
「おちんちんおいちいです。なめればなめるほどくっちゃいかすがでてきて、たまらないです」
「そう? そう?」
「そろそろおいちいのみものをください……ちゅぱっ」
赤ん坊の柔らかい口が亀頭の先端をついばみ、音を立てて吸い始めた。男から見て愛らしい絵面だった。鈴口からカウパーが湧き出るのが止まらなかった。赤ん坊の唇は唾液たっぷりだった。弱いところをついばまれてより一層膨張したペニスに垂れ、興奮は極まっていた。
「あっ♥ あっ♥ いいよ♥ すごーくいい♥ メレディちゃん、もう出しちゃう♥ 飲んで♥ 僕のちんちんから出るお乳をたっぷりと吸い込んで♥」
赤ん坊はこくりとうなづき、膨らんだ裏側を小さな手でごしごしとしごきながら口で閉じ込めた。ねばっこい精液が彼女の口の中に流入した。咳き込まずに残らず受け止め、手でしごりきると、ごくんと飲み干した。
「ぷはあ。おいしかったです」
「ふふふ♥ いつもより良い飲みっぷりだったよ♥ もう1回飲んでみる?」
それは駄目よ。別の部屋から入って来た女が言った。メレディと同じ栗色の髪をしていた。衣服の上からも乳房と尻が大きいのがはっきりとわかる。この乳児の母親だった。
「もう1発はワタシのもの。さあ、メレディブリアッカ、おじさんのおちんちん、おかあさんに渡してね?」
「やだ。もういっかいのみたい!」
「だめよ。おかあさんもおちんちんがほしいの。このおじさんの最初の1発をアナタに飲ませてあげたんだから、わがままは言わないで?」
乳児は愛らしい頬を膨らませながら男の太ももから遠ざかった。女は長いスカートをたくし上げ、むっちりとした太ももと柔らかそうな無毛の恥丘を晒し、まだ元気な男のペニスにまたがった。
濃厚な男女のまぐわいが始まった。メレディの母は男にしがみつきながら声をあげた。力強い性交で悦を受け、汗を垂らす。一人住まいの男の部屋を女の香りで満たし始めた。
その匂いにやられた男は膣の中で射精をしても、尚も女を貪った。小一時間。行為が終わると女は乳児に服を着せて抱き上げ、寝台の上でぐったりとしていた男に告げた。
「また2日後、こっちに来るからね」
何回も射精して放心していた男は目くばせだけした。女は服のポケットから銀貨を数枚出して、テーブルの上に置いた。この男への『お駄賃』だ。
小屋を出ると女は娘に呼び掛けた。
「ダルトンおじさんのおいしかった?」
「うん。今日のはちょっとあぶらっこかったけどおいしかったよ! おかあさん、きょうはあとなんけんのおうちにまわるの?」
「夕方にトールおじさんのところに行きましょう。トールおじさんは3日ぶりだからたくさん貯めているでしょう。おちんちんからでるお乳も沢山飲めるわ」
「わかった! たのしみ!」
この母子はサキュバスだ。母親の方はトーリの部下で下級の淫魔。育児休暇を取っていた1人、ナーブローネバーレッタという名だ。
この辺りで活動をする時にはニンゲンに姿を変えていたが、愛人の男達にはサキュバスであることを教えていた。小屋の男は娘のメレディブリアッカの成長に必要な『精飲』を理解してくれる貴重な男の1人である。銀貨を与えたのはあの男が貧乏人の木こりだからというわけではない。子育てに協力してくれた事への謝礼だ。
「でもおかあさん。あのおかね、ちょっとあげすぎだとおもうよ?」
「ダルトンおじさんにあげたのは1か月分よ。おじさん、人から後ろ指を刺される様なことをしているから、せめてあれぐらいのお金をあげないとね」
「めいわくりょう、というものなんだね。ニンゲンさんはたいへんだなあ」
赤ん坊がはにかんだ。その顔に父親の面影をナーブローネは感じ取った。この赤ん坊の父親は『主君』の本当の夫君であるルッソだ。夜這いをかけてついでに子供も作ってしまった同僚の話に聞いていた通り、ルッソの精液には常飲したくなる何かが、たっぷりと含まれていた。
(魔力だけでない。魔族の身体にすんなりと受け入れられるいろいろなものが入っていたわ。ルッソ様の精液には……)
あの人物の、人並みサイズちんぽから吹き出るそれを何十回も何百回も膣で受け止めてしまった。それぐらいに良いものだった。
(となれば、トーリ様を夢中にさせたイズヴァルトさんのおちんちんと精液は……)
どんなものになるのだろうか、と夢想しながら森の中の道を歩く。出口に差し掛かった時、よく見る人物が見慣れない老人と何か話すのを見て「おや?」と思った。
(あれは……タルッホさん?)
「ここに来るまで索敵魔法が引っかからなかった。カミラやシャロンならごまかせるだろうが、まずここにはいない。優れたサキュバスはあらかた、ナントブルグとナーガハーマにいっちゃっているわ」
「下級の淫魔どもだけ、ということか。この街には何人?」
「2人か3人。もう1人、育児休暇で1年間の休みをもらっている下級のサキュバスがいるわ」
2年前まで『だんなさま』を監視していたが、その当人の子を孕んでしまった。産まれた時から半魔ではなくまっとうなサキュバスのようだ。
「今日もその子の『乳』をもらいに、理解ある男達の間を回っているはず」
「わかった。場所を変えよう」
2人は城壁の門に向かった。出入口と櫓に衛兵たちがいたが、老人が何かをつぶやくと途端に目をつぶり眠ってしまった。老人は魔道士だった。
「市内や門に監視装置をつけたか、女王は?」
「イーガほど魔道士がいないわ。今のところ工房絡みの犯罪が起こっていないから、手を抜いているの」
「なら、マイヤ姫様がお考えになられるだろう」
「そんなことを思いつく人じゃない。安心して。油断しては命取りだけど」
城壁から離れ、森に入ると老人は手紙をタルッホに手渡した。1枚目の内容はマレーネが魔道騎士を連れてマイヤに会いに行った事と、彼女への『命令』だった。
「マイヤ姫様を一番慕っていたマレーネ殿下が動き出した。もちろん、国王陛下の意向と援助もある」
「イーガに連れ戻すつもりなの?」
「それをやれれば、の話だ。騎士イズヴァルトはサイゴークに向かったそうだ。いずれイーガの使者が彼を説得して呼び戻すだろう。姫とイズヴァルト殿の婚姻の準備も行われている」
目的は2人をイーガに永住させ、ホーデンエーネンへの牽制とする事だ。国王は愛妾としているカミラとその周辺からトーリの事を聞き危険視している。
「できればトーリを亡き者にしたい。手紙には書かれていないけどそういうことね?」
「まず無理だろう。だからホーデンエーネン内に封じ込める手しか無い。ただ、おまけがある。手紙には書いていない」
その『おまけ』について老人は語った。
「亡きアドルフ様の奥様の提案だ。北部諸侯らに2人を担ぎ上げさせる。王国を作らせるのだ」
南部と違い、北部ではマイヤの人気は衰えていなかった。イズヴァルトはいわずもがな。若き『アイドル』達を神輿として、北部ホーデンエーネンを独立させる。それだけでトーリの力は半減するだろう。アカサカチハヤを隔てたにらみ合いとなるが、トーリが天下をとった後のホーデンエーネンが外征に向かう事は無くなるに違いない。
「天下三分の計ね。アドルフ様もマイヤ姫様ではなく、トーリのほうを葬ればよかったのに」
「殿下の頃は情報が無かったのだ。今こうなっていることがわかれば、殿下もそうなさったに違いない……」
「そうね。私への命令は……連中と引き続き連絡を取れ、か」
カイル=グリーヴァスのモナファン海賊団に、船の情報を横流しする。海賊団は北西のタンゴバルド大海賊団や、クルシマーヴァラのオーホフリーヤ水軍衆らに情報を流す。その代わりに情報料を貰う。
「そちらの方は順調か?」
「ええ。カイル様はよくやっしゃっている。今のところモナファン海賊団に捜査の手は回っていないわ」
「相当売り上げを奪われたそうだな?」
「それでもホーデンエーネンは鉄砲の増産で補おうとするわ。だから、市場に鉄と硫黄が出回らなくなった」
鉄砲の輸出には弾薬もつけてあった。火山が多い国では硫黄は間に合っているが、主な取引先であるクボーニコフやウマヤーノでは重宝がられた。近頃は硫黄の採掘が活発になり、周辺の環境を汚す問題も起きていた。
「鉄砲の製法は伝えてあるのにな、ホーデンエーネンは。まったく、理解できないよ」
「ふふ。私が考えたあの案はあくまで保険よ。私に疑いの目を向けさせないように仕組んだ」
「であるから、モナファン海賊団に情報を流しているのが、タルッホであると気づきはしないよ……」
モナファン海賊団を通じて、鉄砲を積んだ交易船の情報を裏から流していた人物こそがタルッホ=ユッキカルであった。シマナミスタン人の彼女は、イーガ王国が放った工作員でもある。彼女の曾祖母こそがイーガ人の魔道士だった。
そしてこの女と老人とは、イーガのある人物に忠誠を誓ってもいた。今は亡きアドルフ王子。彼から外国でイーガの利益を損なう人物や勢力への謀略や駆逐を命じられてもいた。
そして今、彼女らはアドルフが死ぬ直前に寄越した誓約の元で動いている。これがその至上命令だ。
「イーガの利益の為に働け。王国に仇名す諸外国を赦すな。特に、ホーデンエーネンを栄えさせるな……」
そして、我が父と我が子たち、それと、我が愛する妻であるエレクトラの為に手を尽くしてくれ。タルッホらはその国王と遠い外国にいるエレクトラの思惑を受けて動いていた。
国王とエレクトラはトーリを特別に危険視していた。彼女がパラッツォ教のコーザ=ストーンマウントに競り勝ったという話も聞いている。国王に至っては、知り合いの魔族を通じてトーリが魔竜を感服させた、と知らされていた。いずれキンキ大陸に魔竜に次ぐ『畏怖すべき存在』として花開くだろう。悩ましい限りだ。
「今のところは順調だな。ところでタルッホ。お前の親友の目はごまかせているか?」
「エウレカなら大丈夫よ。そこまで賢くは無い。むしろ最近は浮ついている。トーリとマイヤ姫様の活躍に心酔して、女の時代が来たとうわごとばかり言っているわ」
「女、ではない。優れた者が男女問わず実力を発揮できる時代になっただけだ。歴史書を紐解けば、そんな時期は過去にいくらでもあっただろう。特に亜人だ。彼等は男でも女でも実力は等しく、確固とした自分を持っている……」
人はそれぞれ、才や実力に応じてあるべき地位に就くだけだと老人は笑った。
「いやに謙遜なさっておりますね、トールバル様。元は主席宮廷魔導師と呼ばれたお方が?」
「自分よりも優れた魔道士が若い者にたくさんいれば、それぐらい気づくものさ」
この老人、魔道士トールバルは魔道士らを束ねる導師の地位にあった人物だ。しかもイーガ王家直属のである。
□ □ □ □ □
「あ、ああうっ♥ いいよ、いいよぉ♥ メレディちゃん♥」
森の奥にある小屋の中でその男は悶えていた。太って脂ぎった身体を汗でもっと臭くさせながら。男は全裸だった。寝台の上で胡坐をかき、自分の膝元にるそれの髪をなでた。ふわふわとしていて触り心地がたまらなかった。
「メレディちゃんは愛くるしいねえ♥ さらさらのおけけ♥ 触れるだけで幸せになっちゃうよ♥」
赤黒く怒張した短いペニスが、小さな手と口で撫でられている。それをしていたのはまだ1歳になるかならないかの栗色髪の女児だ。彼女も何一つまとっていなかった。淫らなことをしてはいけない、何もかもがあどけない身体つき。頬はすべすべとしていて柔らかかった。その子は舌で鈴口を撫でながら男に応えた。
「おちんちんおいちいです。なめればなめるほどくっちゃいかすがでてきて、たまらないです」
「そう? そう?」
「そろそろおいちいのみものをください……ちゅぱっ」
赤ん坊の柔らかい口が亀頭の先端をついばみ、音を立てて吸い始めた。男から見て愛らしい絵面だった。鈴口からカウパーが湧き出るのが止まらなかった。赤ん坊の唇は唾液たっぷりだった。弱いところをついばまれてより一層膨張したペニスに垂れ、興奮は極まっていた。
「あっ♥ あっ♥ いいよ♥ すごーくいい♥ メレディちゃん、もう出しちゃう♥ 飲んで♥ 僕のちんちんから出るお乳をたっぷりと吸い込んで♥」
赤ん坊はこくりとうなづき、膨らんだ裏側を小さな手でごしごしとしごきながら口で閉じ込めた。ねばっこい精液が彼女の口の中に流入した。咳き込まずに残らず受け止め、手でしごりきると、ごくんと飲み干した。
「ぷはあ。おいしかったです」
「ふふふ♥ いつもより良い飲みっぷりだったよ♥ もう1回飲んでみる?」
それは駄目よ。別の部屋から入って来た女が言った。メレディと同じ栗色の髪をしていた。衣服の上からも乳房と尻が大きいのがはっきりとわかる。この乳児の母親だった。
「もう1発はワタシのもの。さあ、メレディブリアッカ、おじさんのおちんちん、おかあさんに渡してね?」
「やだ。もういっかいのみたい!」
「だめよ。おかあさんもおちんちんがほしいの。このおじさんの最初の1発をアナタに飲ませてあげたんだから、わがままは言わないで?」
乳児は愛らしい頬を膨らませながら男の太ももから遠ざかった。女は長いスカートをたくし上げ、むっちりとした太ももと柔らかそうな無毛の恥丘を晒し、まだ元気な男のペニスにまたがった。
濃厚な男女のまぐわいが始まった。メレディの母は男にしがみつきながら声をあげた。力強い性交で悦を受け、汗を垂らす。一人住まいの男の部屋を女の香りで満たし始めた。
その匂いにやられた男は膣の中で射精をしても、尚も女を貪った。小一時間。行為が終わると女は乳児に服を着せて抱き上げ、寝台の上でぐったりとしていた男に告げた。
「また2日後、こっちに来るからね」
何回も射精して放心していた男は目くばせだけした。女は服のポケットから銀貨を数枚出して、テーブルの上に置いた。この男への『お駄賃』だ。
小屋を出ると女は娘に呼び掛けた。
「ダルトンおじさんのおいしかった?」
「うん。今日のはちょっとあぶらっこかったけどおいしかったよ! おかあさん、きょうはあとなんけんのおうちにまわるの?」
「夕方にトールおじさんのところに行きましょう。トールおじさんは3日ぶりだからたくさん貯めているでしょう。おちんちんからでるお乳も沢山飲めるわ」
「わかった! たのしみ!」
この母子はサキュバスだ。母親の方はトーリの部下で下級の淫魔。育児休暇を取っていた1人、ナーブローネバーレッタという名だ。
この辺りで活動をする時にはニンゲンに姿を変えていたが、愛人の男達にはサキュバスであることを教えていた。小屋の男は娘のメレディブリアッカの成長に必要な『精飲』を理解してくれる貴重な男の1人である。銀貨を与えたのはあの男が貧乏人の木こりだからというわけではない。子育てに協力してくれた事への謝礼だ。
「でもおかあさん。あのおかね、ちょっとあげすぎだとおもうよ?」
「ダルトンおじさんにあげたのは1か月分よ。おじさん、人から後ろ指を刺される様なことをしているから、せめてあれぐらいのお金をあげないとね」
「めいわくりょう、というものなんだね。ニンゲンさんはたいへんだなあ」
赤ん坊がはにかんだ。その顔に父親の面影をナーブローネは感じ取った。この赤ん坊の父親は『主君』の本当の夫君であるルッソだ。夜這いをかけてついでに子供も作ってしまった同僚の話に聞いていた通り、ルッソの精液には常飲したくなる何かが、たっぷりと含まれていた。
(魔力だけでない。魔族の身体にすんなりと受け入れられるいろいろなものが入っていたわ。ルッソ様の精液には……)
あの人物の、人並みサイズちんぽから吹き出るそれを何十回も何百回も膣で受け止めてしまった。それぐらいに良いものだった。
(となれば、トーリ様を夢中にさせたイズヴァルトさんのおちんちんと精液は……)
どんなものになるのだろうか、と夢想しながら森の中の道を歩く。出口に差し掛かった時、よく見る人物が見慣れない老人と何か話すのを見て「おや?」と思った。
(あれは……タルッホさん?)
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる