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第三部 カツランダルク戦記 『第二章・浸食し始める闇』
45 会談
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「イーガ軍。意外と血なまぐさい連中ですね……」
紫色の髪をしたサキュバス、カルポルパナッパがうなだれて言う。置き去りにされた死体を見て眉をひそめるトーリに対してだ。盗賊に身をやつした南天騎士団員達の焼死体が数百体も。
彼等を仕掛けたのはカルポルパナッパと、他数名のサキュバス達だった。小遣い稼ぎの盗賊ごっこでヨーシデン近辺で暴れている彼等を支配し、イーガ軍襲撃にけしかけた。あわよくばマレーネを負傷させて捕らえられた7人を救出できるかと思った。
「ホーデンエーネンと比べて大人しいと聞いたけど、これはこれでなかなかに獰猛な……」
「しかしご安心くださいお屋形様。こやつらは我々がひっかけた騎士達の中では最弱の者達。このヨーシデン地方にはもっと強いのが2000ほどおりますゆえ、ふふふふ……」
彼女らは1年ほど前にシャロンによって登用された。魔界出身の『密航組』で、シャロンの古い知り合いらしい。下級のサキュバスだが悪知恵が働くのでスパイや女策士として世界をまわっていたとトーリは聞いた。
「……もうよい。小手調べはここまでにいたしましょう」
優し気な声で言ったが、カルポルパナッパらには怒っていた。あほか。こんな稚拙な策を『天地が動転する機略』などと吹聴したから許したものの、これではただ単に戦力を浪費しただけではないか。こいつらどこの王国で策士をやっていたのよ。おこちゃまたちの戦争ごっこでかしら!
「しかし、お屋形様」
「カルポルパナッパ。あなた達はこのヨーシデンで盗賊らの宣撫工作を続けて頂戴。マイヤの夢の都が完成する為に協力してね。イーガを奪取するとか考えなくていいから」
ここは息を強くして戒めた。さて、マレーネ王女と初対面といこうじゃないか。トーリはシャロンに尋ねた。南天騎士団と話はついているかしら?
「リリカが既にやってくれてます。軽騎兵ばかりですが、4千ぐらいになるでしょう。既に発しているそうです。明日にはヨーシデンに到着することでしょう」
「ホーデンエーネンの威光を知らしめるには足りないわ。でも、贅沢は言えない。急なことだったわけだし」
まさか、また部下たちがイーガ王国に捕まるとは思っても見なかった。あの国は油断ができない。もっと慎重に当たらねば。トーリは自分に言い聞かせた。
□ □ □ □ □
マレーネとトーリが顔を合わせたのは、それから2日後のことだった。ヨーシデン地方にあるマイヤの『夢の学術都市』の予定地手前。北東に3キロ離れた村でだった。
このあたりは穀倉地帯としてイーガでも名が知られていて、農村はどこも豊かだった。のどかで美しい田園風景に、「ここだけはイーガとタメを張れれるでしょうね」とマレーネは感心した。
中でもその村は、このあたりでは一番豊かな村だった。宿場もない田舎なのだが旅人や行商人を泊めることもある村長の屋敷はとても広い。2階建ての石造りだった。
会談は村長の館で行われることとなった。マレーネらは応接間に通された。立派な石の彫刻が飾られていた。マレーネは首を傾げた。
「おかしいですわね……」
同席するパルパティアと数名の魔道騎士に尋ねる。あんな像、ホーデンエーネンで普通に作られているものかしら。
「確かに。はじめてみる様な形をしておりますね」
あんな形のものをホーデンエーネンの石職人はめったに作らないはずだとパルパティアは思った。
その石像は皮かむりのちんぽの像だった。太くてでっかい陰嚢がついているそれに手が生えて、でかぱいみたいにふっくらとしたきんたまを叩いている。マレーネは茶を持って来た家のあるじに尋ねた。
「村長さん。あの石像はいったいなんでしょう?」
「あれはですね、ぽんぽこちんという名前の、子宝繁栄の神様みたいなものですよ。なんでも、アスカウ公様のお家で語り継がれていたという土地神さまみたいなもの、と聞き及んでおります」
その石像はトーリから貰ったものだった。アスカウ公は学術都市の周辺の村々に、そうした贈り物を届けていた。
「こういうのもございます」
村長はぬいぐるみを持ってきた。羽の生えたちんぽのぬいぐるみだ。石像と負けないぐらいにまるまると太ったでっかいきんたまがついている。こっちは頭がずるむけていた。カリ高の立派なちんぽだ。
「これはなにかしら?」
「トーリ様からいただきました。カツランダルク家に伝わる、幸運の空とぶちんぽ、でございます」
村長はマレーネの胸のあたりをしきりにちらちらと見ながら手渡した。まあ、ふわふわとしてかわいいおちんちん。ぬいぐるみペニスではなくペニスのぬいぐるみだ。
「ふわふわですわ。良い羊の毛を使っておりますのね」
「アスカウ村のだそうです。あそこの羊は毛も肉も良質ですからね」
あらそうなの。マレーネはちんぽのぬいぐるみをさすり続ける。癖になってしまう感触だ。どこかの店で見つけたら、姉妹たちの分も含めて買っておこう。
「かわいらしいとは言えますが、これは大人だけしか買わないのでは?」
「いえいえ、子供たちの間でも人気ですよ。サカーイの港町でも売っているようで。トーリ様はタカイチゲンシュタットにぬいぐるみの工房を建てて、そこそこ儲けていらっしゃるそうですよ」
「うふふ。そうなのですね。羽がなけりゃ、これを挟んでのまんずりもしたくなりますわね。ありがとう」
マレーネは村長にぬいぐるみを返した。彼はマレーネの服の胸元を間近に見て顔を紅潮させてしまった。
彼女が着ているドレスの胸のあたりは、レースになっていて乳房の肌が伺えてしまっていたのだ。
村長はうふふと笑い茶を飲むマレーネを見て、抱えていたぬいぐるみみたいに股間のものを反り上げてしまっていた。乳白色で柔らかそうな、上物と思しき膨らみ。さすってみたい。
マレーネは今年で15歳だ。そろそろ嫁に入って子を産んで良い歳頃だ。年が近い姉らは、既に嫁に入って子を産んでいた。
彼女はその姉達よりも乳房が際立って育っていた。赤子にたくさん含ませられる様な大きなたわわである。下を向いた乳輪が大きく、その輪郭が乳首とともに見えてしまっていた。
娼婦みたいな、下品とも言える格好だがマレーネは勝負服としてイーガから持って来た。戦う相手はあの女だ。そんじょそこらの貴種の女とはわけが違う。淫魔の女王の末裔と自称する油断ならざる肉便器だ。
「しかし随分と遅いですわね。どこの馬の骨のちんぽを漁っていらっしゃるのかしら?」
この付近に来た時にホーデンエーネンの騎士がやって来て、この村でトーリが会談に望みたいと告げたのが今朝方だ。この村に到着して2時間が経っていた。
もしかしてと思い、罠を仕掛けられているか部下に確かめさせたがその痕跡も無かった。向こうは一網打尽に仕留めるつもりではないようだ。いや、その気になれば容易に殺せるという自信があるのだろうか。
「村長さま?」
「え、ええとなんでしょう?」
「アスカウ公様より新しい連絡は来ておりますの?」
「い、いええ。それが、まだ……」
村長の声の響きはますます震えていた。彼はマレーネの胸だけでなく、彼女に侍るパルパティアの脚にも目がいってしまっていた。
何事もないかのごとく澄ました顔の美人が履くそれは、緑色のミニスカートだった。太ももが顕わになっていた。最初見た時には気づかなかった。魔道士のローブを羽織っていたからである。
しかもそのスカートはうっすらと透けていて、よく見れば薄い陰毛に覆われた股間が見えてしまっていた。なんて破廉恥な。いいや、彼女はただ意気込んでいただけである。なにせ淫魔の女王の子孫と顔を合わせるのだから。向こうはもっとえげつない格好でやってくるはずだ。
「……暇ですわね。パルパティア、わたくしの爪を塗り直してくださいませんこと?」
「へえ。承知いたしました」
パルパティアは手に持っていたカバンから化粧道具を取り出した。マレーネが右手を差し出す。彼女は黒色のマニキュアを塗っていた。
「何色にいたしますか?」
「マイヤおねえちゃまのおまんこの色みたく、桃色にいたしましょう。黒はちょっとばばあくさいですわ」
これから会う女のあそこと同じ色だと、なんだか相手を尊敬している様に思われて癪だ。黒ずんでていて形がぐちゃぐちゃな『がばまん』への意趣返しのつもりでその色のマニキュアを選んだが、相手の気を良くする可能性を捻り潰したい。
「……あるいは、使い過ぎなおまんこの色が充血している色、というのもありですわね」
「黒が混じった紫色だべえか?」
「できますの、パルパティア?」
「おちゃのこさいさいだべえよ」
パルパティアはマニキュアの色を混ぜ、その通りの色を作った。風の魔法で乾かされ、どどめ色の爪になったマレーネはふふん、と笑った。
「そうそう、こういう色ですわ。うふふふ。性病に何度か食われたやり過ぎなババアのおまんこの色合い。こういうのでよろしいですの」
左手の指もその様に塗られてマレーネは満足げにほくそ笑んだ。しかしトーリはまだ来ない。暇で暇で仕方がない。
「外に出て魔法の訓練でも始めようかしら?」
「そう致しましょうか……おっと」
とんでもなくすけべえな魔の気配を感じたパルパティアは、やっとお出ましになられたようだとマレーネに告げた。彼女はソファに座って足を組む。彼女の足は宝石が散りばめられたサンダルを履いていた。萎えた左足にもだ。彼女は自分の障害への恥を持ち合わせていなかった。
「転移魔法でくるようですね。眼の前の空間が揺らぐ気配を感じますべえ」
「わたくしもですわよ……仰々しい。サキュバスのなりそこないめ」
パルパティアは事情がわからず目をしばしばとさせていた村長の手を引っ張った。転移魔法に巻き込まれるぞ。自分の側にいろ。
マレーネ達の視線の先の床に、大きな術式陣が描かれていた。サキュバスの転移魔法はたいてい、それを隠して発動させる。わざと見せるのは明らかな示威行為だ。大仰な演出というわけだ。
果たして術式陣の中から複数人が現れた。3組の男女だ。光が収まると村長は唖然となった。女達は胴を覆う下着とサンダルのみの格好だった。マレーネ達に生白い尻を向けていた。たくましい男に持ち上げられて、陰茎を激しく出し入れされていた。
真ん中の女は蒼にも見える長い黒髪を見出しながら腰を動かしていた。顔立ちは女たちの中で一番美しく、そんなことしなさそうな雰囲気でもあったのに腰使いが一番悩ましい。尻も美尻だ。質感は視覚でわかる。ちゅっちゅしたくなるようだとマレーネは思った。
(これがアスカウ公……おねえちゃまと違った可愛さをお持ちですわね。)
他の2人はニンゲンに化けたサキュバスの侍女たちだ。尻の肉のつきかたが、いささか安っぽい色気に満ちていた。
「ごっ♡ ごっ♡ ごっ♡ ごきげんよう、イーガのマレーネひめさま♡」
「うふふ。こちらこそ。昼間っから間男と、お盛んな事でございますわね?」
「こ、こうしないとだめになっちゃう身体になってしまったの♡ も、もうわたし、マイヤのお下品をしかれなくなっちゃったわ♡」
「うふふ。姉妹揃っておちんぽときんたまの奴隷ということですわね?」
笑うマレーネは平然としていた。顔に戸惑いの色は見えなかった。この程度の下品など、マレーネは見慣れていた。パルパティアがお供をしてくれたイーガ国内の亜人のコミュニティで、散々見たし自分もやったからだ。ゴブリンの男とハメながらの食事や排泄だってやったことがある。
(……やるわね。こんな姿で会っても平然としている。無礼だとか下品だとか声を荒らげない。なかなかの女傑とみたわ。)
トーリは快感に溺れていたが、感心もしていていたしおののいていた。流石は生まれた時から姫と言われた人物だと思った。それと肝が太いようだ。
相手の男に頼んで身体をひっくり返してもらう。己と相手の結合部分が相手に丸見えになった。男の腰使いは荒く、ペニスが泡立って真っ白になっていた。
「き、きたないところを見せるご無礼をおゆるしください♡」
「うふふ。よいことですわ。心ゆくまでおちんぽに狂っているところを見せるのは、常に心を開いている証拠ですわ。アスカウ公様はおやさしいお方だとわかりますの」
マレーネは笑顔のままだ。パルパティアはリズミカルに動くちんぽときんたまに舌なめずりをしながら、村長の股間に手を触れ、こちょこちょといじり始めた。
「さて……」
マレーネがトーリに呼びかけた。
「アスカウ公様。がばまんでのぐっちょんぐっちょんをおやりになられながらお話をいたしましょう……村長さん?」
「はい?」
「協力していただきますわよ。おちんちんをお出しなさいな?」
そう呼びかけてマレーネはレースの乳覆いを外す。でぶん、とした乳輪が目立つ豊乳が現れた。本当の姿を現したそれは、可愛いというよりいやらしいに満ちた代物だった。
トーリの容貌を淫事をしなさそうな顔立ちとマレーネは評した。それは彼女自身にも言えた。世間知らずで無垢そうな、箱入りのお嬢様。それが彼女を見た者による第一印象だ。
「村長様、わたくしのおっぱいをお吸いになられて? ついでにパルパティアにちんちんコキコキをしてもらいなさいな」
村長は戸惑っていたが口は正直だった。マレーネの重厚にすぎる乳輪に向かっていく。彼のズボンはパルパティアによって降ろされ、柔らかく細い手が迫っていた。
「これで、おあいこですわね」
「はひっ♡ お気遣いなさらなくても♡ わたくしはおまんこばかになってしまった廃人なのに♡」
サキュバスだから当然のことだろうに。マレーネは自分の乳房を美味しそうにちゅうちゅうと吸い続ける村長の頭をいだきながら開口した。強い声色だ。
「おねえちゃまをイーガにお返しなさい。捕らえたサキュバスを返す条件はそれだけですの」
紫色の髪をしたサキュバス、カルポルパナッパがうなだれて言う。置き去りにされた死体を見て眉をひそめるトーリに対してだ。盗賊に身をやつした南天騎士団員達の焼死体が数百体も。
彼等を仕掛けたのはカルポルパナッパと、他数名のサキュバス達だった。小遣い稼ぎの盗賊ごっこでヨーシデン近辺で暴れている彼等を支配し、イーガ軍襲撃にけしかけた。あわよくばマレーネを負傷させて捕らえられた7人を救出できるかと思った。
「ホーデンエーネンと比べて大人しいと聞いたけど、これはこれでなかなかに獰猛な……」
「しかしご安心くださいお屋形様。こやつらは我々がひっかけた騎士達の中では最弱の者達。このヨーシデン地方にはもっと強いのが2000ほどおりますゆえ、ふふふふ……」
彼女らは1年ほど前にシャロンによって登用された。魔界出身の『密航組』で、シャロンの古い知り合いらしい。下級のサキュバスだが悪知恵が働くのでスパイや女策士として世界をまわっていたとトーリは聞いた。
「……もうよい。小手調べはここまでにいたしましょう」
優し気な声で言ったが、カルポルパナッパらには怒っていた。あほか。こんな稚拙な策を『天地が動転する機略』などと吹聴したから許したものの、これではただ単に戦力を浪費しただけではないか。こいつらどこの王国で策士をやっていたのよ。おこちゃまたちの戦争ごっこでかしら!
「しかし、お屋形様」
「カルポルパナッパ。あなた達はこのヨーシデンで盗賊らの宣撫工作を続けて頂戴。マイヤの夢の都が完成する為に協力してね。イーガを奪取するとか考えなくていいから」
ここは息を強くして戒めた。さて、マレーネ王女と初対面といこうじゃないか。トーリはシャロンに尋ねた。南天騎士団と話はついているかしら?
「リリカが既にやってくれてます。軽騎兵ばかりですが、4千ぐらいになるでしょう。既に発しているそうです。明日にはヨーシデンに到着することでしょう」
「ホーデンエーネンの威光を知らしめるには足りないわ。でも、贅沢は言えない。急なことだったわけだし」
まさか、また部下たちがイーガ王国に捕まるとは思っても見なかった。あの国は油断ができない。もっと慎重に当たらねば。トーリは自分に言い聞かせた。
□ □ □ □ □
マレーネとトーリが顔を合わせたのは、それから2日後のことだった。ヨーシデン地方にあるマイヤの『夢の学術都市』の予定地手前。北東に3キロ離れた村でだった。
このあたりは穀倉地帯としてイーガでも名が知られていて、農村はどこも豊かだった。のどかで美しい田園風景に、「ここだけはイーガとタメを張れれるでしょうね」とマレーネは感心した。
中でもその村は、このあたりでは一番豊かな村だった。宿場もない田舎なのだが旅人や行商人を泊めることもある村長の屋敷はとても広い。2階建ての石造りだった。
会談は村長の館で行われることとなった。マレーネらは応接間に通された。立派な石の彫刻が飾られていた。マレーネは首を傾げた。
「おかしいですわね……」
同席するパルパティアと数名の魔道騎士に尋ねる。あんな像、ホーデンエーネンで普通に作られているものかしら。
「確かに。はじめてみる様な形をしておりますね」
あんな形のものをホーデンエーネンの石職人はめったに作らないはずだとパルパティアは思った。
その石像は皮かむりのちんぽの像だった。太くてでっかい陰嚢がついているそれに手が生えて、でかぱいみたいにふっくらとしたきんたまを叩いている。マレーネは茶を持って来た家のあるじに尋ねた。
「村長さん。あの石像はいったいなんでしょう?」
「あれはですね、ぽんぽこちんという名前の、子宝繁栄の神様みたいなものですよ。なんでも、アスカウ公様のお家で語り継がれていたという土地神さまみたいなもの、と聞き及んでおります」
その石像はトーリから貰ったものだった。アスカウ公は学術都市の周辺の村々に、そうした贈り物を届けていた。
「こういうのもございます」
村長はぬいぐるみを持ってきた。羽の生えたちんぽのぬいぐるみだ。石像と負けないぐらいにまるまると太ったでっかいきんたまがついている。こっちは頭がずるむけていた。カリ高の立派なちんぽだ。
「これはなにかしら?」
「トーリ様からいただきました。カツランダルク家に伝わる、幸運の空とぶちんぽ、でございます」
村長はマレーネの胸のあたりをしきりにちらちらと見ながら手渡した。まあ、ふわふわとしてかわいいおちんちん。ぬいぐるみペニスではなくペニスのぬいぐるみだ。
「ふわふわですわ。良い羊の毛を使っておりますのね」
「アスカウ村のだそうです。あそこの羊は毛も肉も良質ですからね」
あらそうなの。マレーネはちんぽのぬいぐるみをさすり続ける。癖になってしまう感触だ。どこかの店で見つけたら、姉妹たちの分も含めて買っておこう。
「かわいらしいとは言えますが、これは大人だけしか買わないのでは?」
「いえいえ、子供たちの間でも人気ですよ。サカーイの港町でも売っているようで。トーリ様はタカイチゲンシュタットにぬいぐるみの工房を建てて、そこそこ儲けていらっしゃるそうですよ」
「うふふ。そうなのですね。羽がなけりゃ、これを挟んでのまんずりもしたくなりますわね。ありがとう」
マレーネは村長にぬいぐるみを返した。彼はマレーネの服の胸元を間近に見て顔を紅潮させてしまった。
彼女が着ているドレスの胸のあたりは、レースになっていて乳房の肌が伺えてしまっていたのだ。
村長はうふふと笑い茶を飲むマレーネを見て、抱えていたぬいぐるみみたいに股間のものを反り上げてしまっていた。乳白色で柔らかそうな、上物と思しき膨らみ。さすってみたい。
マレーネは今年で15歳だ。そろそろ嫁に入って子を産んで良い歳頃だ。年が近い姉らは、既に嫁に入って子を産んでいた。
彼女はその姉達よりも乳房が際立って育っていた。赤子にたくさん含ませられる様な大きなたわわである。下を向いた乳輪が大きく、その輪郭が乳首とともに見えてしまっていた。
娼婦みたいな、下品とも言える格好だがマレーネは勝負服としてイーガから持って来た。戦う相手はあの女だ。そんじょそこらの貴種の女とはわけが違う。淫魔の女王の末裔と自称する油断ならざる肉便器だ。
「しかし随分と遅いですわね。どこの馬の骨のちんぽを漁っていらっしゃるのかしら?」
この付近に来た時にホーデンエーネンの騎士がやって来て、この村でトーリが会談に望みたいと告げたのが今朝方だ。この村に到着して2時間が経っていた。
もしかしてと思い、罠を仕掛けられているか部下に確かめさせたがその痕跡も無かった。向こうは一網打尽に仕留めるつもりではないようだ。いや、その気になれば容易に殺せるという自信があるのだろうか。
「村長さま?」
「え、ええとなんでしょう?」
「アスカウ公様より新しい連絡は来ておりますの?」
「い、いええ。それが、まだ……」
村長の声の響きはますます震えていた。彼はマレーネの胸だけでなく、彼女に侍るパルパティアの脚にも目がいってしまっていた。
何事もないかのごとく澄ました顔の美人が履くそれは、緑色のミニスカートだった。太ももが顕わになっていた。最初見た時には気づかなかった。魔道士のローブを羽織っていたからである。
しかもそのスカートはうっすらと透けていて、よく見れば薄い陰毛に覆われた股間が見えてしまっていた。なんて破廉恥な。いいや、彼女はただ意気込んでいただけである。なにせ淫魔の女王の子孫と顔を合わせるのだから。向こうはもっとえげつない格好でやってくるはずだ。
「……暇ですわね。パルパティア、わたくしの爪を塗り直してくださいませんこと?」
「へえ。承知いたしました」
パルパティアは手に持っていたカバンから化粧道具を取り出した。マレーネが右手を差し出す。彼女は黒色のマニキュアを塗っていた。
「何色にいたしますか?」
「マイヤおねえちゃまのおまんこの色みたく、桃色にいたしましょう。黒はちょっとばばあくさいですわ」
これから会う女のあそこと同じ色だと、なんだか相手を尊敬している様に思われて癪だ。黒ずんでていて形がぐちゃぐちゃな『がばまん』への意趣返しのつもりでその色のマニキュアを選んだが、相手の気を良くする可能性を捻り潰したい。
「……あるいは、使い過ぎなおまんこの色が充血している色、というのもありですわね」
「黒が混じった紫色だべえか?」
「できますの、パルパティア?」
「おちゃのこさいさいだべえよ」
パルパティアはマニキュアの色を混ぜ、その通りの色を作った。風の魔法で乾かされ、どどめ色の爪になったマレーネはふふん、と笑った。
「そうそう、こういう色ですわ。うふふふ。性病に何度か食われたやり過ぎなババアのおまんこの色合い。こういうのでよろしいですの」
左手の指もその様に塗られてマレーネは満足げにほくそ笑んだ。しかしトーリはまだ来ない。暇で暇で仕方がない。
「外に出て魔法の訓練でも始めようかしら?」
「そう致しましょうか……おっと」
とんでもなくすけべえな魔の気配を感じたパルパティアは、やっとお出ましになられたようだとマレーネに告げた。彼女はソファに座って足を組む。彼女の足は宝石が散りばめられたサンダルを履いていた。萎えた左足にもだ。彼女は自分の障害への恥を持ち合わせていなかった。
「転移魔法でくるようですね。眼の前の空間が揺らぐ気配を感じますべえ」
「わたくしもですわよ……仰々しい。サキュバスのなりそこないめ」
パルパティアは事情がわからず目をしばしばとさせていた村長の手を引っ張った。転移魔法に巻き込まれるぞ。自分の側にいろ。
マレーネ達の視線の先の床に、大きな術式陣が描かれていた。サキュバスの転移魔法はたいてい、それを隠して発動させる。わざと見せるのは明らかな示威行為だ。大仰な演出というわけだ。
果たして術式陣の中から複数人が現れた。3組の男女だ。光が収まると村長は唖然となった。女達は胴を覆う下着とサンダルのみの格好だった。マレーネ達に生白い尻を向けていた。たくましい男に持ち上げられて、陰茎を激しく出し入れされていた。
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(これがアスカウ公……おねえちゃまと違った可愛さをお持ちですわね。)
他の2人はニンゲンに化けたサキュバスの侍女たちだ。尻の肉のつきかたが、いささか安っぽい色気に満ちていた。
「ごっ♡ ごっ♡ ごっ♡ ごきげんよう、イーガのマレーネひめさま♡」
「うふふ。こちらこそ。昼間っから間男と、お盛んな事でございますわね?」
「こ、こうしないとだめになっちゃう身体になってしまったの♡ も、もうわたし、マイヤのお下品をしかれなくなっちゃったわ♡」
「うふふ。姉妹揃っておちんぽときんたまの奴隷ということですわね?」
笑うマレーネは平然としていた。顔に戸惑いの色は見えなかった。この程度の下品など、マレーネは見慣れていた。パルパティアがお供をしてくれたイーガ国内の亜人のコミュニティで、散々見たし自分もやったからだ。ゴブリンの男とハメながらの食事や排泄だってやったことがある。
(……やるわね。こんな姿で会っても平然としている。無礼だとか下品だとか声を荒らげない。なかなかの女傑とみたわ。)
トーリは快感に溺れていたが、感心もしていていたしおののいていた。流石は生まれた時から姫と言われた人物だと思った。それと肝が太いようだ。
相手の男に頼んで身体をひっくり返してもらう。己と相手の結合部分が相手に丸見えになった。男の腰使いは荒く、ペニスが泡立って真っ白になっていた。
「き、きたないところを見せるご無礼をおゆるしください♡」
「うふふ。よいことですわ。心ゆくまでおちんぽに狂っているところを見せるのは、常に心を開いている証拠ですわ。アスカウ公様はおやさしいお方だとわかりますの」
マレーネは笑顔のままだ。パルパティアはリズミカルに動くちんぽときんたまに舌なめずりをしながら、村長の股間に手を触れ、こちょこちょといじり始めた。
「さて……」
マレーネがトーリに呼びかけた。
「アスカウ公様。がばまんでのぐっちょんぐっちょんをおやりになられながらお話をいたしましょう……村長さん?」
「はい?」
「協力していただきますわよ。おちんちんをお出しなさいな?」
そう呼びかけてマレーネはレースの乳覆いを外す。でぶん、とした乳輪が目立つ豊乳が現れた。本当の姿を現したそれは、可愛いというよりいやらしいに満ちた代物だった。
トーリの容貌を淫事をしなさそうな顔立ちとマレーネは評した。それは彼女自身にも言えた。世間知らずで無垢そうな、箱入りのお嬢様。それが彼女を見た者による第一印象だ。
「村長様、わたくしのおっぱいをお吸いになられて? ついでにパルパティアにちんちんコキコキをしてもらいなさいな」
村長は戸惑っていたが口は正直だった。マレーネの重厚にすぎる乳輪に向かっていく。彼のズボンはパルパティアによって降ろされ、柔らかく細い手が迫っていた。
「これで、おあいこですわね」
「はひっ♡ お気遣いなさらなくても♡ わたくしはおまんこばかになってしまった廃人なのに♡」
サキュバスだから当然のことだろうに。マレーネは自分の乳房を美味しそうにちゅうちゅうと吸い続ける村長の頭をいだきながら開口した。強い声色だ。
「おねえちゃまをイーガにお返しなさい。捕らえたサキュバスを返す条件はそれだけですの」
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