聖騎士イズヴァルトの伝説 外伝 『女王の末裔たち』

CHACOとJAGURA

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第三部 カツランダルク戦記 『第一章・本当の支配者』

34 特質

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 淫魔族の特性ならカミラ達から聞いている。だからすらすらと言える。

 他の魔族と比して魔力の貯蔵量は多いが、得意な魔法が治癒術式と心理操作術式ぐらいなので、使いどころに癖がある。まずもって戦いに加わるのは無理がある。

 どの種族をも魅了する豊満な肉体を持つが、どんなちんぽに必ず負ける雑魚仕様。精液で魔力を供給できる。でも、とにもかくにも下半身が言う事を聞いてくれない。しかも非力だ。筋肉はおまんこを楽しむためにつく程度。

 それと、魔族の中ではニンゲンの精子と相性がよく、卵子に隙が多い類のサキュバスはよく孕む。産まれる子は99.9パーセントの確率で女になり、高い割合でサキュバスとして生れ出る。けれどもあいのこは純血種よりも魔力が少ない。数世代で子孫はニンゲン化することがふつう。そのニンゲンは大概がヤリマンかヤリチン。恋愛体質で不幸体質。

 男のサキュバス、つまりはインキュバスというのもいるのだが、子を為すのが奇蹟に近いので殆どいない。希少種である。しかも精液は女を楽しませるために出る物であって孕ませる為には効果が無い。精子は殆ど相手の女の卵子にではなく子宮壁に入り込み、取り入れた人の健康や成長に役立つだけだという。

「よく言えました! ううう……またうんちが出てしまいそうです……」
「大御所様、きにせずひねってください。大御所様のうんちとおしっこはよい畑の肥料となりますから、むしろ大歓迎です」
「そう致すとしましょう。しかしトーリ。それ以外にも淫魔族には特質があるのですよ」

 新しい桶にまたがり、またぶりぶりと捻りながら大御所は言った。性交を用いての能力や知識の共有。おまんこを通して己が知る事柄や術式を相手に受け渡すという。魔界でのサキュバスの家庭教師は生徒とセックスをしながら教えるそうだ。他の世界でも大評判らしい。サキュバスはほぼほぼ、暗記科目は得意。

「ふんぬぬぬう! あーっ、うんちがでちゃう」
「まあ便利! という事は私、おまんこをしながら民にいろいろと教えてあげていたのですね!」
「ふんぬぬう! けどそれは自分から教えるという意思を持たないとそうはならないのです。ふんぬぬう! まだ出そう……それと、相手が優れた術者であれば行為の最中に、ふんぬぬう!」
「大御所様はそんな小さなお身体で、大量のうんちをお腹に隠し持っているのですね?」

 私もそんな身体になりたいわ。丁度いい硬さの一本糞をひねると肛門からセックスと同じ快感が来てしまう身体なの、となぜか思い出しながら彼女は言った。あと、排便をしながらの性交やクリオナがたまらないの♡

「くちゃくてきちゃなくてはしたないのは、我が一族の宿命というものです。ふんぬぬう! また出そう……」

 大御所は開いた股からとろりとした蜜をこぼしながら肛門を膨らませ、また力んで便をひねった。その姿はあどけない少女の可愛らしさと、あやしい艶めかしさを帯びた年増の女の両方の気配を漂わせていた。それを間近に見ていた彼女は頭がくらくらしていた。

「替えのおまるを持ってきて……話は戻るけど、その特質の応用技があるのです」

 やっと尻が落ち着いた。さっきの倍以上のうんこが山盛りとなった桶の中におしっこを流すと、大御所は侍女に呼びかけたがそれを彼女が止めた。おしりとおまんこきれいきれいは私がいたします。濡れ布を手渡されて大御所の小さな身体を確かめた。ふっくらとした頬に赤みがさしていた。

「恥ずかしいです。手早くやりなさい」
「わかりました、大御所さま」

 尻を持ち上げたその人の窄まりを確かめた。きれいで柔らかそうな周りが茶色く汚れていた。しかし便のにおいというよりも甘い果実の様な香りだ。それに濡れ布をあてる。指が尻の肌に食い込んだ。赤ん坊の尻の柔らかさと一緒だった。

「ふにゅうううっ……」
「可愛らしい声で鳴かれるのですね?」
「は、はやくしなさい。前も……あうううう……」

 大御所の陰部はもっとみずみずしい柔らかさと弾力に富んでいた。男のナニを魅了するだろう。これが先祖か、と彼女は思った。

(いいや、祖ではないはず。私の名前は確か初代女王と同じ。その実の母親は魔界の……)

 そう思いながら布越しに大御所の尻穴のまわりと秘所とを揉む。ひいいいい♡ 大御所はたまらないほど可愛い声で喘いだ。聞いてて癖になる響きだ。この柔らかさも止まらない。ずっとこうしていじっていたい。

「や、やめなさい。もうきれいになったでしょう? いじわるするのをやめるのですよ、トーリ?」
「はい。わ、わかりました……それで大御所様、応用と呼ばれる技は?」

 名残惜しみながらトーリは汚れた布を侍女に手渡した。覆われないように大御所のスカートをつかんで、掌でもちもちとした柔尻と腿をさすりながらだ。

「その手もやめなさい……まあ、話が終わるまで触ってても良いですが」
「こっちはどうでしょう?」

 指で会陰と肛門の間を触ると、「ひょひっ!」と叫んで大御所はのけぞった。そっちはダメ! 叱られて指を尻穴のまわりに戻した。本当はそこはもっとダメって言いたいんだけどと大御所は嘆いた。

「でもそこをいじくられると続けて欲しいの♡ とねだってしまう……それが我が一族の宿命なのです」
「ええ、大御所様のこの中、指を入れっぱなしにしたいぐらいに吸いついてきますわ」
「ひゃっ! に、二本も挿れるなんてダメだから! トーリ、3本以上入れたら死刑! 廃嫡ですからね!」

 わかりましたとうなずいて彼女は中指で大御所の柔らかなアナルをこねる。こねこねこね。なんてすばらしい。この中に入って住み続けたくなるうんち腔ですわ。うふふふ。

「……やはり私の娘。けしからんほどはしたなくていやらしい。それでいてうんちの穴をいじくるのもいじくられるのも大好きと来た日には、もうどうしようもない……」

 けれどもそれを好む女こそ、カツランダルクの一族の王国の太守にふさわしい。彼女は自分を含めたあらゆる女の『ケツアナいじいじ』を、妹たちや娘達より耽溺していた。大御所の『ベビーな肛門』とは違い、彼女のはガバガバで窄まりというよりも半開きの穴になっていたが。

 彼女は出来るだけ深くまできれいな形をした中指を挿れ込み、吸いつきが良い腸壁と甘いあせのにおいを放つ大御所の体温を抱きしめて感じ取りながら、その奥義を教わった。

「つまり、精液をちゅーちゅーするように他のものも……うひっ♡」

 語る間、大御所は股を開いておまんこのいじいじも彼女の好きにさせていた。話が終わった頃には顔がとろけきっていた。「もっと♡ もっと♡ おかーさんをいじいじして♡」とねだる大御所の顔を見て彼女はつぶやいた。

(かわいい♡ でも、マイヤにそっくりだわ……!)

 ただ、この大御所様は妹みたくたぬきのような愛らしさというよりかは、小鳥のような愛くるしさを感じられた。確か、名前も鳥の啼き声みたいな響きだったはず。


□ □ □ □ □
 

 寒い。いつの間にか妹そっくりな可愛い小柄な『おしりずきおおごしょさま♡』がトーリの懐にいなかった。耐えがたいほどの寂寥感が怒りに変わった。

「あんな可愛らしい好き者ちゃんを私から奪ったのはどこのどいつよ!」
「ひえっ!」

 背後から男の悲鳴が。肩をねじってみると自分は後背位で性交していた。相手の男はカヅノ=サトシだ。顔立ちは薄いが美男の類だ。なんだか気が弱そうなのが心をくすぐる。しかし、敵だ。

「ちょっとあなた!」
「はいっ!」
「私の顔を見て驚かないで! 傷つくから!」
「す、すみません……」
「いいから動かして! おしり、止まっているわよ!」

 ペニスが膣の中間あたりに止まっているのを感じ、トーリはもう少し続けてと急かした。何かを思い出させそうだからだ。大きく硬いものが再び行き来しだして彼女は気持ちよくてたまらなくなった。

「あっ……うーっ!」

 大きな波が襲い掛かった。でも視界は真っ白にならない。遠くでコーザが自分を見下ろし、その背後には配下のサキュバス達が触手にやられて悶えている。苦しそうであったが楽し気にも思えた。

(……あれ、どうなのかしら♡)
(き、気づかれたのですね、トーリさま!)

 シャロンの声が脳内に響いた。こっちも存分に悦を貪っている様子が伺えた。

(シャロン、貴方はどうなっているの?)
(お尻を触手に、前をならずもののこの男に……このおちんぽ、すんごくいいいっ♡)
(私もよ、シャロン。でも、やられっぱなしはつまらないわ。)

 どうせならフェラチオやクンニリングスといった愛撫を存分にやるセックスがしたい。これでは動物の交尾と何ら変わらぬ。触手は試してみたいけど。そう思いながらトーリは尻穴に力を込め、ぶっ、とオナラを放った。

「わっ!」
「おならぐらいで驚かないで!」
「は、はい……」
「ルッソだったらおちょくっておちりのあなを指でいじってくるわ! あなた、強いくせにキンタマが無いのね!」

 そう言われてサトシは悩んだ。下品なのはどうも苦手なもので。頭の中に生じた迷いがトーリに好機を届けた。相手の心の揺れがある状態が、心理魔法の効果を高めるのだ。

 しかしである。トーリはその機会をサキュバスの得意な魔法の為に使わなかった。カヅノ=サトシの魔力の気配を感じてだ。多分だが普通のニンゲンとは違う。おそろしく魔法抵抗があるだろう。でも。

(この程度なら、やれる!)

 トーリは肛門に力を込めた。きゅっと締まったのを間近に見てサトシの精嚢の堰が緩んでしまった。

「はあーっ。ああーっ……」

 ペニスからまたも大量の精液が押し出されてその快感に打ち震える。その時にトーリの魔力回路がサトシのそれと繋がった。

 脳が過熱する。身体が疼く。愛液があふれ出て精液と混ざり合う。ぬめりとうごめく膣を鋭敏に察したペニスが勝手に信号を送る。サトシは腰を振った。太く長いものでトーリの下腹を小突いた。途切れぬ一定間隔のノックを受けて目を潤ませながら、トーリはすべてを吸収した。

 トーリは現実にあるものを見ていなかった。目の前にはカヅノ=サトシの記憶があった。そして神聖魔法の複雑な術式記述が。脳細胞はその1つ1つを光と同じ速さで読み解いていった。

 こういうことか。トーリは身体を縛って動かなくさせていたものが何かを知った。それは確かな感覚として受け止めていた。緊縛魔法の結果ではなく、それを形作る魔法の術式をだ。

「なんだ……こんな簡単な構造の術式だったのか」

 つぶやくトーリを見てサトシは首をひねった。その直後、彼は弾き飛ばされた。それからコーザとともに信じられないものを見てしまったのだ。

 緊縛魔法で身動きできなかったはずのトーリが、何事も無かった様に起き上がっていた。
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