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第三部 カツランダルク戦記 『第一章・本当の支配者』
まえがき
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『この国』にはかつて、トーリ=カツランダルクという女がいた。
ホーデンエーネン末期の国王、セイン=ホーデンエーネンに側室として輿入れし、一子ジョーケインを儲け、権勢を極めた稀代の傾国だ。
蒼にもみえる美しい黒髪が豊か。清楚で慈愛深いまなざしの、良妻賢母になりうる美女だと思いきや、その実はドがつくほどの淫乱であり変態だった。
男をとっかえひっかえするのはおろか、人前で香ばしい人糞をひねったり、女性器臭が染みついた月経帯や足クサな男の洗っていない靴下のにおいを好んで嗅いでは「あはあああ♡」と悶えるという怪物だ。
その悪癖を身に着けたそもそもが、彼女がきわめて高位のサキュバスを祖とし、その性質を強く受け継いでいたからだった。淫魔族は常人の理解に苦しむ性癖を持つ。それに狂奔するぐらいにだ。
とはいえ、彼女の名は、国王の妾となるまでは誰も認知していなかった。実妹で『くそひねりリトルプリンセス』とか、『おしゃぶり姫』や『尻女神の化身』という仇名があり、王国最強の男と言われた聖騎士・イズヴァルトの侍女で恋人だったマイヤ=カツランダルクのほうが有名だった。
トーリの妹のマイヤは、小さい頃から恋人とセットで人々に愛された。まさに王国のアイドルだった。イズヴァルトがいるところに必ずいる、金魚の糞でもあった。
得意の『おしゃぶり』を受けて恋をしてしまった男達や、彼女が尻を丸出しにしてぶりぶりとひねる姿を肉眼で、出回っている映像水晶で目にして母性をくすぐられた女達に愛された。
だが、マイヤが『精液蛇口』として愛していたイズヴァルトと別れ、ついでに両手両脚の半分ともおわかれしたのを皮切りに、人々からの支持をなくしていった。
そして姉が……内弁慶で人前に出るのが嫌だがちんぽはとっても大好きなトーリが世に現れた。
しかしこの女は、王国の、ホーデンエーネン王家にとっては限りなく危険だった。
祖先から継いだ淫魔の魅惑の術と膨大なる魔力、魔道の才。
それから、彼女の祖、『ナントブルグの女王』に仕えた、王国再興を目指す古き時代から生きていたサキュバスの腹心達がいた。
彼女は幼い頃より亡き母から、サキュバス達から復讐心を吹き込まれ、王国を乗っ取る野望を抱いていたのだ。
そして、セイン王の愛妾となった時、彼女は王都・ナントブルグでさまよう、祖霊らにこう誓った。
「ウチのまんこで天下取っちゃるけん! 王国にまん汁ぷしゃーとかけて、カツランダルクの世をば築いてみせるとよ!」
そう、女のシンボルを使ってだ。その上こいつで金を産み、新たな王国を出産する。彼女はその壮大な野望を抱いた。そして……。
ここから語られる物語は、その野望の女・トーリと、彼女の計画の巻き添えを喰らってしまった妹のマイヤほか、その他の有象無象の者達の実話である。
ただ、トーリの栄光を謡ったサーガは、今の世にはもう残っていない。
その忌まわしき名前と共に、王国の歴史の闇に、彼女を忌む後世の者達に葬られたのだ……。
ホーデンエーネン末期の国王、セイン=ホーデンエーネンに側室として輿入れし、一子ジョーケインを儲け、権勢を極めた稀代の傾国だ。
蒼にもみえる美しい黒髪が豊か。清楚で慈愛深いまなざしの、良妻賢母になりうる美女だと思いきや、その実はドがつくほどの淫乱であり変態だった。
男をとっかえひっかえするのはおろか、人前で香ばしい人糞をひねったり、女性器臭が染みついた月経帯や足クサな男の洗っていない靴下のにおいを好んで嗅いでは「あはあああ♡」と悶えるという怪物だ。
その悪癖を身に着けたそもそもが、彼女がきわめて高位のサキュバスを祖とし、その性質を強く受け継いでいたからだった。淫魔族は常人の理解に苦しむ性癖を持つ。それに狂奔するぐらいにだ。
とはいえ、彼女の名は、国王の妾となるまでは誰も認知していなかった。実妹で『くそひねりリトルプリンセス』とか、『おしゃぶり姫』や『尻女神の化身』という仇名があり、王国最強の男と言われた聖騎士・イズヴァルトの侍女で恋人だったマイヤ=カツランダルクのほうが有名だった。
トーリの妹のマイヤは、小さい頃から恋人とセットで人々に愛された。まさに王国のアイドルだった。イズヴァルトがいるところに必ずいる、金魚の糞でもあった。
得意の『おしゃぶり』を受けて恋をしてしまった男達や、彼女が尻を丸出しにしてぶりぶりとひねる姿を肉眼で、出回っている映像水晶で目にして母性をくすぐられた女達に愛された。
だが、マイヤが『精液蛇口』として愛していたイズヴァルトと別れ、ついでに両手両脚の半分ともおわかれしたのを皮切りに、人々からの支持をなくしていった。
そして姉が……内弁慶で人前に出るのが嫌だがちんぽはとっても大好きなトーリが世に現れた。
しかしこの女は、王国の、ホーデンエーネン王家にとっては限りなく危険だった。
祖先から継いだ淫魔の魅惑の術と膨大なる魔力、魔道の才。
それから、彼女の祖、『ナントブルグの女王』に仕えた、王国再興を目指す古き時代から生きていたサキュバスの腹心達がいた。
彼女は幼い頃より亡き母から、サキュバス達から復讐心を吹き込まれ、王国を乗っ取る野望を抱いていたのだ。
そして、セイン王の愛妾となった時、彼女は王都・ナントブルグでさまよう、祖霊らにこう誓った。
「ウチのまんこで天下取っちゃるけん! 王国にまん汁ぷしゃーとかけて、カツランダルクの世をば築いてみせるとよ!」
そう、女のシンボルを使ってだ。その上こいつで金を産み、新たな王国を出産する。彼女はその壮大な野望を抱いた。そして……。
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ただ、トーリの栄光を謡ったサーガは、今の世にはもう残っていない。
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