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第三部 カツランダルク戦記 『第一章・本当の支配者』
20 香道教室
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チュバッカ=ソーロー。トーリとマイヤと同じ時代に生きた女性であり、彼女達と同じく、歴史に名を残した女性でもある。
たいへんな肥満体でブルドッグと豚をかけあわせた顔をしていた。つまりは時代最高クラスのブスであった。だから名を残したというわけではない。天に与えられた才能とそれを鍛えての異能があったのだ。
鼻の能力、つまりは嗅覚である。彼女はにおいをかぎわける才に優れていた。彼女は50メートル離れたところにある花でもだ。
彼女は香水の調合に興味を持ち、それが長じて工房を立ち上げた。今の時代のホーデンエーネンのナントブルグやヨーシデン、都市国家のサカーイの一等地に店を構える香水ブランドの店を立ち上げたのが彼女だった。
それから味覚も。彼女はソムリエールとしていくつも書を著して後の世に残した。舌利き達の必読書ともなっているそれは、ヨーシデンの大学内書店に『グルメさん必読!』のPOPとともに並べられている。
トーリとマイヤと並び、彼女もまた傑物であった。3人とも『ナントブルグの女王』という神話の中の人物の血を引いていたのだから当然であろう。
そして彼女は、1つの文化的な価値観をホーデンエーネンにもたらした。香のたしなみ。つまりは香道である。
□ □ □ □ □
ナントブルグにあるソーロー家の別宅での話だ。チュバッカはそこで香道の教室を開いていた。1回の授業料はホーデンエーネン銅貨3枚。その当時の手習い所としてはそれほど高く無い値段ではあった。
彼女の教室には貴族の夫人や娘から、そこそこな収入の平民の娘までやって来ていた。後々に彼女が立ち上げる香水ブランドの熱心な支持者や利用者となった者達でもある。
彼女は必ず、邸宅の中庭にて香りの道の講釈を行っていた。理由は夫のケノービが、いつも嗅ぎ慣れている香りとは異種のものが、部屋の中に染みつくのを嫌がるからだ。
その日も折り畳みの椅子と机を並べた露天の教室で、チュバッカは着飾った婦女たちの前で香りについてこう語る。
「においとは、ただただふがふがと嗅いで喜んだり嫌がったりするだけでは趣がございません。それを嗅いでみてなんのにおいに似ているのか、どのようなにおいと掛け合わせると、もっと深みが出るかを考える事こそが、香りを愛する者のなすべきことだと思いますわ」
豚のブルドッグを掛け合わせたような醜い顔が、おほほほ、と妙に可愛げな声で笑った。その揺らぎは女達でもうっとりとなる。彼女もまた、五感を刺激するのが得意なサキュバスの血が流れる女である。
「さて、今日のお題は……」
お配りして、とチュバッカは後ろに控える侍女らに呼び掛けた。侍女らは薄いすき紙と鉛筆ぐらいの長さの木の細棒の束を持ってきた。どれも先端に薄茶色の、土くれみたいなものがついていた。
その土くれを触らぬよう、注意しながら生徒1人1人の席の前に置いた。すき紙が敷かれ、その上に木の棒が載せられた。
「その土くれに触らぬように持ってから、嗅いでみてくださいな」
はい、と20名近くの生徒たちが唱和すると女達の小さな鼻孔が一斉に鳴り始める。やや甘い抹香の様ですわね。焚き香がついているのだろうか。いや、そこはかとなく牛の乳のにおいも感じられた。
1人の生徒が手を挙げた。チュバッカの教室の古参の生徒だ。都の中流家庭出身の女文官で、世界各地の香水や香料を集めていることで貴族社会では知られていた。
「先生、これはどこのお香でしょう? シマナミスタンの乳香と、ナハリジャーヤの甘花香を混ぜ合わせた様に思えますが?」
「うふふふふ。においの知識と経験はさすがという他ございませんね。棒についた土くれのにおいが、何のにおいを掛け合わせると似たものになるか語りたかったのに」
「すみません……」
それは構いませんことよ。チュバッカはたおやかに笑う。王国一の醜女だが、声や身のこなしはみやびであり、かつ傾国の色がいくらかにじみ出ていたから、ただ単に気持ち悪がる女はいなかった。
『深み』を帯びた表情であやしい光を放つ瞳で皆を見ながら、チュバッカは何がその棒についているのかを語り始めた。
「うふふふ。みなさんが持っている棒についたものは、あるものに差したまま1週間ほど涼しいところに置いて、できるだけ水分を飛ばしたものですのよ」
そのある物とは何か? チュバッカは侍女に連れて来てと告げた。少女がやって来た。10にも満たぬ年頃で、顔立ちが整っていて頬がふっくらとしている。蒼にも見えるさらさらとした黒髪をよって後ろに束ねていた。
とはいえその娘は鼻くそをほじくりながらやって来た。かわいいのに不細工なことをするなんてもったいない。しかしである。この場にいる生徒全員、その顔はどこかで見た記憶があった。
「『おしゃぶり姫』さまに似ていますわね?」
「何か斜に構えたところ以外、『おちんぽ汁ちゅーちゅー姫』さまにそっくりだこと!」
「まさか……『ぶりぶりのぐそ姫』さまの妹君様で?」
その娘は確かにマイヤによく似ていた。その映像水晶や実物を見て彼女達は記憶していた。ぶりぶりをしながらおちんちんをちゅーちゅーと吸ういとけない幼女の鮮烈な姿を、だ。
それらの仇名は王族に対して失礼と言えなくもないが、ある意味では異名であり二つ名であった。チュバッカはおほほほ、と笑い、少女は鼻くそがついた指をぱくっ、と口に入れてもごもごと動かした。
「このお方はアスカウ=タカイチゲンシュッタット公・トーリ=カツランダルク様のご長女さまですわよ」
「ちいーっす。コリアンナといいまーす。よろしくでーす」
やけにやさぐれた調子でコリアンナは生徒たちに挨拶をした。あまりしつけがなっていない様にも見えたが、どこかつくっている様な感じがした。
おほほほと笑うチュバッカの大きな体にコリアンナは抱き着いた。上目遣いで彼女を見上げた。
「さっきから出かかっているんだけどこの場でいいの、チュバッカさん?」
「ええ。遠慮なくどうぞ……それでは皆さんには、今からその土くれが何だったのかをお教えします」
チュバッカが呼びかけるとコリアンナは前に出た。スカートをめくりあげて白い割れ目を丸出しにすると、くるりと回って生徒らに小さな尻を見せてしゃがんだ。
まあ、御下品。批難の声と悲鳴とがあがった。しかしその声は教室に通ってからまだ日の浅い生徒達のものだ。古参の者達は無言で注視していた。コリアンナの尻を。
「コリアンナさん、お尻の穴がちゃんと見える様にお尻を上げてくださいね?」
先生が呼びかけるとコリアンナはにひ、と笑いながら尻を上げた。窄まりと割れ目の奥が丸見えになった。ヴァギナの襞肉はやや広がっており、びらんとしている。同世代の女の子よりも使い込まれて発達していた。
尻穴もまた、日ごろ何かを挿れているみたく、皺穴の形がやや崩れている様にも見えた。
「コリアンナさまの、ちょっとやらしい広がり方をしていらっしゃるわね?」
「ものすごくえぐいハリガタを毎日入れていそうな広がり方をしているわ……」
「あのご一家、おちりの穴が弱いって本当の話だったのかしら?」
古参の生徒たちはコリアンナの尻穴を見て語り合う。そのうちの2,3人が駆け寄ってしゃがみ込み、コリアンナの尻をのぞき始めた。マイヤの『ぶりぶり動画』で性癖を開発された女達だ。あの女官もそのうちの1人だった。
少女の愛らしい小尻に似合わぬ、やや淫猥な形に崩れかかっている尻穴からぷす、ぷす、と音が鳴り始めた。使い込まれているかよく拭いていないので便の色が付着したのかわからぬが、菫色に染まった尻穴から実が出た。
「はううううっ♡」
あの女文官が切ないうめき声をあげた。嗅覚が人一倍敏感な彼女は、大きく広がった肉穴から湯気を立ててにょろりと這い出て来たもののにおいを嗅ぎ取ってしまったのだ。
とても甘い香り。皮を剥いた南国の果実と花びらのようなにおいだった。水につけすぎてやや腐っている、と付け足した方が良いだろうか。
その中にいくつかの種類の香草と、羊の肉の様なにおいも混じっていた。コリアンナの一昨日の食事は、牡羊の香草焼きだった。アスカウの村から持ってきた羊肉を、チュバッカに料理してもらったのである。
少女の便穴を茶色く汚しながら、粘っこい腸液にまみれた人糞が草の上に落ちた。甘い香りは一層濃くなった。
「先生、これこそが……」
「左様ですわ。先ほど皆さんにお配りしたのは、コリアンナさんが出したうんちを乾かしたもの。ごく一般的には……」
殿方のうんちは大概に脂っぽい、獣的なにおいが強い。それにタバコだか酒だかをたしなむとそのにおいが強くなる。女のうんちはもう少し優しいにおいを放つが、やはり悪臭と呼ぶしかない。蠅もたかる。
ただ、カツランダルクの女性というか、サキュバスの血が濃い人のうんちは男女問わず、砂糖菓子や果実の様な甘ったるいにおいを放つ。糖尿などの病気だからではない。
「ご存じですか。南東のカントニアのエルフは、サキュバスを拉致してはよくうんちをさせて香水を作りますの」
「そっ、そうなんですか!」
「うふふふ。原料だけじゃございませんの。彼女達のうんちのにおいを引き立たせて爽やかにさせる薬草を混ぜて作りますのよ」
腸肉をのぞかせながらもう一度糞をひねろうとヒクヒクと動くコリアンナの尻穴を凝視しながら、あの話は本当だったか、と女文官がつぶやいた。
サガミニア地方にエルフの手によるその香水を、彼女はいくつか持っていた。木の棒についた『土くれ』や、今コリアンナがひねり出した粘液まみれの少女の糞に似たにおいだと思い出す。あの芳香の原料が何かまでは知らなかった。
「それと、コリアンナさんのうんちはおろか、トーリ様やマイヤ様のうんちはとてもとてもいいにおいがいたしますの。はい、あれを持ってきて」
侍女が布切れを2枚、持ってきた。乾いた茶色いものがべっとりと付着した、見るからに警戒をさせる代物である。
1枚はトーリの、もう1枚はマイヤのものだ。彼女達の肛門を拭いてから5日目である。この日の為にチュバッカが2人から頼んでいただいたものだ。マイヤのはやや水で溶かした様なシミの付き方をしていた。お腹がゆるいからだ。
チュバッカは渡された2枚をそれぞれに鼻に近づけ、深く吸い込んだ。
「あああああ……♡」
最高の便のにおいだ。いつまでも嗅ぎたくなる。舐めてみたいと思うほどの魅惑に満ちていた。これに匹敵するのは滅多に現れない上位のサキュバスだという。
このにおいを独り占めしては講義にはならない。チュバッカは再び広がり始めたコリアンナの腸穴に目を向ける女文官らに嗅がせてみせた。
「ほおおおおお♡」
ひと嗅ぎしただけで女文官はイってしまった。香りの道を学ぼうとするぐらいに嗅覚が鋭い彼女である。甘く深いにおいを嗅いだだけで性行為をした様な気分になってしまった。汗だくになるような濃厚なセックスを2時間近くかけてしたような快感と絶頂が、身体を襲ったのだ。
下着の中をぐちょぐちょにしながら、へなへなと腰を下ろしてしまった女文官を見て他の女らも嗅いでみた。彼女達も腰がくだけてしまった。高品質なサキュバスのうんちと同じく、人の官能に多大な負荷をかける魔力があった。
「せ、せんせえ……」
「うふふふ。1つ付け加えますとカントニアのエルフは、サキュバスのうんちが持つ『腰砕け』の力を減じる為に、薬草を加えているそうなのですよ」
淫魔をいじめるのが大好きな女エルフらに取っ捕まり、「やだぁ!」と悲鳴を上げながら性的な拷問を受け、「みないでぇっ!」と泣いて乞いながらうんちをひねらされるのは大抵、下っ端サキュバスである。
が、そんな彼女達のうんちのにおいでも、男女問わずの催淫効果どころか、においを嗅ぐ者を性的に刺激する事は充分だった。
サガミニアのエルフは大抵、サキュバスたちの事を「自分達のこと、ちいちゃくてかわいい何かだと思っている、おちんぽ狂いなだけのヘタレ魔族ズラ」と馬鹿にしきっているが、淫魔の力を決して馬鹿にしきっていない。
香水は日常的につけるものである。つけた本人の嗅覚を楽しませるだけでなく、「あうううう♡」と性的絶頂に導いてしまうかもしれない。しかも自涜や受精に狂った淫獣にしかねない魔力が、サキュバスのうんちのにおいにはある。
その効果は、ただ単に「サキュバスの内臓のスメルをつけて、自分の魅力を際立たせたい♡」と思うだけであれば余計な代物。だからエルフ達は魔力抵抗の低いニンゲンに売る為に、薬草を混ぜ込んで淫らにする効果を打消した。渋々である。
「そうなのですね……初めて知りました」
「うふふふ。ちなみにわたくしのうんちにも若干、その効果が含まれているようですが、夫が嫌がるのでお試しはお受けできませんわ」
「そ、それは残念です……」
それは試したいとは思えない。チュバッカの顔と図体を見て彼女達は思った。とはいえこの女は身体の割には体臭が薄かった。殆ど無いと言っていい。むしろ爽やかで柔らかい芳香を漂わせている。
女文官らはチュバッカからコリアンナに注意を向けた。ふにゅにゅ、とかわいい声でりきむのを聞いたからだ。彼女のお尻の穴が再び大きく広がって、先ほどよりも色合いの明るいうんちがひねり出された。
「チュバッカさん。まだ出しそうなんだけど、いいの?」
「うふふふ。たーんとうんちをお出しくださいな。コリアンナさんがこの場で一番偉いんだもの。この庭をアスカウの村の空き地と思ってたっぷりとおひねりくださいね?」
チュバッカの快い返事を受けてコリアンナはのびのびとした気分でもう1本をにゅるりと出した。それの甘いにおいのせいで後ろで見ていた生徒達も近づいていた。まあ、なんてかわいい臭いなのでしょう?
たいへんな肥満体でブルドッグと豚をかけあわせた顔をしていた。つまりは時代最高クラスのブスであった。だから名を残したというわけではない。天に与えられた才能とそれを鍛えての異能があったのだ。
鼻の能力、つまりは嗅覚である。彼女はにおいをかぎわける才に優れていた。彼女は50メートル離れたところにある花でもだ。
彼女は香水の調合に興味を持ち、それが長じて工房を立ち上げた。今の時代のホーデンエーネンのナントブルグやヨーシデン、都市国家のサカーイの一等地に店を構える香水ブランドの店を立ち上げたのが彼女だった。
それから味覚も。彼女はソムリエールとしていくつも書を著して後の世に残した。舌利き達の必読書ともなっているそれは、ヨーシデンの大学内書店に『グルメさん必読!』のPOPとともに並べられている。
トーリとマイヤと並び、彼女もまた傑物であった。3人とも『ナントブルグの女王』という神話の中の人物の血を引いていたのだから当然であろう。
そして彼女は、1つの文化的な価値観をホーデンエーネンにもたらした。香のたしなみ。つまりは香道である。
□ □ □ □ □
ナントブルグにあるソーロー家の別宅での話だ。チュバッカはそこで香道の教室を開いていた。1回の授業料はホーデンエーネン銅貨3枚。その当時の手習い所としてはそれほど高く無い値段ではあった。
彼女の教室には貴族の夫人や娘から、そこそこな収入の平民の娘までやって来ていた。後々に彼女が立ち上げる香水ブランドの熱心な支持者や利用者となった者達でもある。
彼女は必ず、邸宅の中庭にて香りの道の講釈を行っていた。理由は夫のケノービが、いつも嗅ぎ慣れている香りとは異種のものが、部屋の中に染みつくのを嫌がるからだ。
その日も折り畳みの椅子と机を並べた露天の教室で、チュバッカは着飾った婦女たちの前で香りについてこう語る。
「においとは、ただただふがふがと嗅いで喜んだり嫌がったりするだけでは趣がございません。それを嗅いでみてなんのにおいに似ているのか、どのようなにおいと掛け合わせると、もっと深みが出るかを考える事こそが、香りを愛する者のなすべきことだと思いますわ」
豚のブルドッグを掛け合わせたような醜い顔が、おほほほ、と妙に可愛げな声で笑った。その揺らぎは女達でもうっとりとなる。彼女もまた、五感を刺激するのが得意なサキュバスの血が流れる女である。
「さて、今日のお題は……」
お配りして、とチュバッカは後ろに控える侍女らに呼び掛けた。侍女らは薄いすき紙と鉛筆ぐらいの長さの木の細棒の束を持ってきた。どれも先端に薄茶色の、土くれみたいなものがついていた。
その土くれを触らぬよう、注意しながら生徒1人1人の席の前に置いた。すき紙が敷かれ、その上に木の棒が載せられた。
「その土くれに触らぬように持ってから、嗅いでみてくださいな」
はい、と20名近くの生徒たちが唱和すると女達の小さな鼻孔が一斉に鳴り始める。やや甘い抹香の様ですわね。焚き香がついているのだろうか。いや、そこはかとなく牛の乳のにおいも感じられた。
1人の生徒が手を挙げた。チュバッカの教室の古参の生徒だ。都の中流家庭出身の女文官で、世界各地の香水や香料を集めていることで貴族社会では知られていた。
「先生、これはどこのお香でしょう? シマナミスタンの乳香と、ナハリジャーヤの甘花香を混ぜ合わせた様に思えますが?」
「うふふふふ。においの知識と経験はさすがという他ございませんね。棒についた土くれのにおいが、何のにおいを掛け合わせると似たものになるか語りたかったのに」
「すみません……」
それは構いませんことよ。チュバッカはたおやかに笑う。王国一の醜女だが、声や身のこなしはみやびであり、かつ傾国の色がいくらかにじみ出ていたから、ただ単に気持ち悪がる女はいなかった。
『深み』を帯びた表情であやしい光を放つ瞳で皆を見ながら、チュバッカは何がその棒についているのかを語り始めた。
「うふふふ。みなさんが持っている棒についたものは、あるものに差したまま1週間ほど涼しいところに置いて、できるだけ水分を飛ばしたものですのよ」
そのある物とは何か? チュバッカは侍女に連れて来てと告げた。少女がやって来た。10にも満たぬ年頃で、顔立ちが整っていて頬がふっくらとしている。蒼にも見えるさらさらとした黒髪をよって後ろに束ねていた。
とはいえその娘は鼻くそをほじくりながらやって来た。かわいいのに不細工なことをするなんてもったいない。しかしである。この場にいる生徒全員、その顔はどこかで見た記憶があった。
「『おしゃぶり姫』さまに似ていますわね?」
「何か斜に構えたところ以外、『おちんぽ汁ちゅーちゅー姫』さまにそっくりだこと!」
「まさか……『ぶりぶりのぐそ姫』さまの妹君様で?」
その娘は確かにマイヤによく似ていた。その映像水晶や実物を見て彼女達は記憶していた。ぶりぶりをしながらおちんちんをちゅーちゅーと吸ういとけない幼女の鮮烈な姿を、だ。
それらの仇名は王族に対して失礼と言えなくもないが、ある意味では異名であり二つ名であった。チュバッカはおほほほ、と笑い、少女は鼻くそがついた指をぱくっ、と口に入れてもごもごと動かした。
「このお方はアスカウ=タカイチゲンシュッタット公・トーリ=カツランダルク様のご長女さまですわよ」
「ちいーっす。コリアンナといいまーす。よろしくでーす」
やけにやさぐれた調子でコリアンナは生徒たちに挨拶をした。あまりしつけがなっていない様にも見えたが、どこかつくっている様な感じがした。
おほほほと笑うチュバッカの大きな体にコリアンナは抱き着いた。上目遣いで彼女を見上げた。
「さっきから出かかっているんだけどこの場でいいの、チュバッカさん?」
「ええ。遠慮なくどうぞ……それでは皆さんには、今からその土くれが何だったのかをお教えします」
チュバッカが呼びかけるとコリアンナは前に出た。スカートをめくりあげて白い割れ目を丸出しにすると、くるりと回って生徒らに小さな尻を見せてしゃがんだ。
まあ、御下品。批難の声と悲鳴とがあがった。しかしその声は教室に通ってからまだ日の浅い生徒達のものだ。古参の者達は無言で注視していた。コリアンナの尻を。
「コリアンナさん、お尻の穴がちゃんと見える様にお尻を上げてくださいね?」
先生が呼びかけるとコリアンナはにひ、と笑いながら尻を上げた。窄まりと割れ目の奥が丸見えになった。ヴァギナの襞肉はやや広がっており、びらんとしている。同世代の女の子よりも使い込まれて発達していた。
尻穴もまた、日ごろ何かを挿れているみたく、皺穴の形がやや崩れている様にも見えた。
「コリアンナさまの、ちょっとやらしい広がり方をしていらっしゃるわね?」
「ものすごくえぐいハリガタを毎日入れていそうな広がり方をしているわ……」
「あのご一家、おちりの穴が弱いって本当の話だったのかしら?」
古参の生徒たちはコリアンナの尻穴を見て語り合う。そのうちの2,3人が駆け寄ってしゃがみ込み、コリアンナの尻をのぞき始めた。マイヤの『ぶりぶり動画』で性癖を開発された女達だ。あの女官もそのうちの1人だった。
少女の愛らしい小尻に似合わぬ、やや淫猥な形に崩れかかっている尻穴からぷす、ぷす、と音が鳴り始めた。使い込まれているかよく拭いていないので便の色が付着したのかわからぬが、菫色に染まった尻穴から実が出た。
「はううううっ♡」
あの女文官が切ないうめき声をあげた。嗅覚が人一倍敏感な彼女は、大きく広がった肉穴から湯気を立ててにょろりと這い出て来たもののにおいを嗅ぎ取ってしまったのだ。
とても甘い香り。皮を剥いた南国の果実と花びらのようなにおいだった。水につけすぎてやや腐っている、と付け足した方が良いだろうか。
その中にいくつかの種類の香草と、羊の肉の様なにおいも混じっていた。コリアンナの一昨日の食事は、牡羊の香草焼きだった。アスカウの村から持ってきた羊肉を、チュバッカに料理してもらったのである。
少女の便穴を茶色く汚しながら、粘っこい腸液にまみれた人糞が草の上に落ちた。甘い香りは一層濃くなった。
「先生、これこそが……」
「左様ですわ。先ほど皆さんにお配りしたのは、コリアンナさんが出したうんちを乾かしたもの。ごく一般的には……」
殿方のうんちは大概に脂っぽい、獣的なにおいが強い。それにタバコだか酒だかをたしなむとそのにおいが強くなる。女のうんちはもう少し優しいにおいを放つが、やはり悪臭と呼ぶしかない。蠅もたかる。
ただ、カツランダルクの女性というか、サキュバスの血が濃い人のうんちは男女問わず、砂糖菓子や果実の様な甘ったるいにおいを放つ。糖尿などの病気だからではない。
「ご存じですか。南東のカントニアのエルフは、サキュバスを拉致してはよくうんちをさせて香水を作りますの」
「そっ、そうなんですか!」
「うふふふ。原料だけじゃございませんの。彼女達のうんちのにおいを引き立たせて爽やかにさせる薬草を混ぜて作りますのよ」
腸肉をのぞかせながらもう一度糞をひねろうとヒクヒクと動くコリアンナの尻穴を凝視しながら、あの話は本当だったか、と女文官がつぶやいた。
サガミニア地方にエルフの手によるその香水を、彼女はいくつか持っていた。木の棒についた『土くれ』や、今コリアンナがひねり出した粘液まみれの少女の糞に似たにおいだと思い出す。あの芳香の原料が何かまでは知らなかった。
「それと、コリアンナさんのうんちはおろか、トーリ様やマイヤ様のうんちはとてもとてもいいにおいがいたしますの。はい、あれを持ってきて」
侍女が布切れを2枚、持ってきた。乾いた茶色いものがべっとりと付着した、見るからに警戒をさせる代物である。
1枚はトーリの、もう1枚はマイヤのものだ。彼女達の肛門を拭いてから5日目である。この日の為にチュバッカが2人から頼んでいただいたものだ。マイヤのはやや水で溶かした様なシミの付き方をしていた。お腹がゆるいからだ。
チュバッカは渡された2枚をそれぞれに鼻に近づけ、深く吸い込んだ。
「あああああ……♡」
最高の便のにおいだ。いつまでも嗅ぎたくなる。舐めてみたいと思うほどの魅惑に満ちていた。これに匹敵するのは滅多に現れない上位のサキュバスだという。
このにおいを独り占めしては講義にはならない。チュバッカは再び広がり始めたコリアンナの腸穴に目を向ける女文官らに嗅がせてみせた。
「ほおおおおお♡」
ひと嗅ぎしただけで女文官はイってしまった。香りの道を学ぼうとするぐらいに嗅覚が鋭い彼女である。甘く深いにおいを嗅いだだけで性行為をした様な気分になってしまった。汗だくになるような濃厚なセックスを2時間近くかけてしたような快感と絶頂が、身体を襲ったのだ。
下着の中をぐちょぐちょにしながら、へなへなと腰を下ろしてしまった女文官を見て他の女らも嗅いでみた。彼女達も腰がくだけてしまった。高品質なサキュバスのうんちと同じく、人の官能に多大な負荷をかける魔力があった。
「せ、せんせえ……」
「うふふふ。1つ付け加えますとカントニアのエルフは、サキュバスのうんちが持つ『腰砕け』の力を減じる為に、薬草を加えているそうなのですよ」
淫魔をいじめるのが大好きな女エルフらに取っ捕まり、「やだぁ!」と悲鳴を上げながら性的な拷問を受け、「みないでぇっ!」と泣いて乞いながらうんちをひねらされるのは大抵、下っ端サキュバスである。
が、そんな彼女達のうんちのにおいでも、男女問わずの催淫効果どころか、においを嗅ぐ者を性的に刺激する事は充分だった。
サガミニアのエルフは大抵、サキュバスたちの事を「自分達のこと、ちいちゃくてかわいい何かだと思っている、おちんぽ狂いなだけのヘタレ魔族ズラ」と馬鹿にしきっているが、淫魔の力を決して馬鹿にしきっていない。
香水は日常的につけるものである。つけた本人の嗅覚を楽しませるだけでなく、「あうううう♡」と性的絶頂に導いてしまうかもしれない。しかも自涜や受精に狂った淫獣にしかねない魔力が、サキュバスのうんちのにおいにはある。
その効果は、ただ単に「サキュバスの内臓のスメルをつけて、自分の魅力を際立たせたい♡」と思うだけであれば余計な代物。だからエルフ達は魔力抵抗の低いニンゲンに売る為に、薬草を混ぜ込んで淫らにする効果を打消した。渋々である。
「そうなのですね……初めて知りました」
「うふふふ。ちなみにわたくしのうんちにも若干、その効果が含まれているようですが、夫が嫌がるのでお試しはお受けできませんわ」
「そ、それは残念です……」
それは試したいとは思えない。チュバッカの顔と図体を見て彼女達は思った。とはいえこの女は身体の割には体臭が薄かった。殆ど無いと言っていい。むしろ爽やかで柔らかい芳香を漂わせている。
女文官らはチュバッカからコリアンナに注意を向けた。ふにゅにゅ、とかわいい声でりきむのを聞いたからだ。彼女のお尻の穴が再び大きく広がって、先ほどよりも色合いの明るいうんちがひねり出された。
「チュバッカさん。まだ出しそうなんだけど、いいの?」
「うふふふ。たーんとうんちをお出しくださいな。コリアンナさんがこの場で一番偉いんだもの。この庭をアスカウの村の空き地と思ってたっぷりとおひねりくださいね?」
チュバッカの快い返事を受けてコリアンナはのびのびとした気分でもう1本をにゅるりと出した。それの甘いにおいのせいで後ろで見ていた生徒達も近づいていた。まあ、なんてかわいい臭いなのでしょう?
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