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第三部 カツランダルク戦記 『第一章・本当の支配者』
03 しあわせな領主の息子
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マイヤとの交流はその宴の日から始まったが、1か月ぐらい経ったところでしばらく中断する事態が起きた。
魔道学問所の推薦により3カ月間、コーヅケーニッヒから離れたところにある国内の亜人のコミュニティ村に籠り、魔力増強の特訓をするというのがそれだ。子供たちは預ける事にした。
同行するのは魔道学問所での自分とピルリアの担当教官であり、幼年時代に家庭教師として来てくれた女ハーフエルフ魔道士・パルパティア。つい最近寝たきりだったニンゲンの夫が亡くなった。子供も巣立ったので婿を募集中。
「というわけでアナキン様。わたくしに良い縁があったらご紹介してほしいですべえ」
常々そう話していたパルパティアまだ若い部類だった。『えくすぷれす』の駅で待ち合わせをした彼女はいつもの様に薄い緑のスカートを巻いていた。長い美脚と毛が生えていない『すじ』がうっすらと見える痴女仕様である。
パルパティアはかつて魔道騎士団に所属していた。最精鋭の第三軍で長いこと従事し、『風切り姫』という仇名がつくほどの猛者だ。本当に強い奴は股倉ぐらい見せたところでおくれを取ることは無い。
「パルパティア先生、いい加減そのスカートはやめにしませんか?」
「自慢の美脚を見せられるし、とても気に入っているんだけど?」
「そっちじゃありません。下腹とお尻が見えてしまっているからですよ。先生、むらむらした父上や兄上に抱かれた事もあったでしょう?」
「うふふ。むしろわたしが旦那様と兄坊ちゃまを抱いてあげたんだべえよ?」
エルフというのは貞操観念に乏しいものである。パルパティアはやっぱり車内の男性客の欲情を刺激してしまった。
お誘いがかけられるとすぐさまうなずいて、2人して個室トイレに籠って「ああんっ♥」と声をあげていた。そいつが乗車時間の1時間半の中で5人の相手と続いた。
目的地のガモーコヴィッツ駅に到着した頃には、彼女から涼やかさは消えてなくなっていた。とにかく精液くさい。まさに肉便器女だ。お肌はつやつやとさせていたが。
「むふふ……楽しいべっちょができたべえ」
「ほどほどにしてくださいよ……」
「ぼっちゃんもピルリアさんも亜人村に来たら、わたしみたいなことになりますべえよ」
果たして、亜人たちのコミュニティ村ではアナキンとピルリアに淫獄とも言うべき日々が待ち受けていた。とにかくどこでもそこでもセックスである。アナキンはエルフ女の他に、ドワーフやゴブリンの女の長所を知った。ピルリアもだ。
魔法についての勉強はハメながらとなった。歓喜天みたいに相手と繋がりながら向き合って魔力を集中させ、己の力を高める。底上げする。
この世界で使う精霊魔法には精進潔斎は無い。快楽によって本能と語り合う時間を増やすのだ。魔法を使うという作業では邪魔されたけれど、そうではなくて己の力を高める為にはこの方法は大いに役に立った。
滞在から1か月が経った頃には、アナキンとピルリアはだいぶ基礎魔力を高める事ができた。学問所で貸してもらった『すかうたー』による魔力量計算で言えば、アナキンは11万、ピルリアは9万3000ほど。
アナキンとピルリアはイーガの上級魔道士ぐらいの魔力を得ていた。しかし四六時中のセックスによる魔力底上げ方法はそこまでだった。
基礎魔力を高めた後は亜人の魔法の習得だ。イーガ国内の亜人たちによる魔道研究の最新版をアナキンとピルリアは叩き込まれた。
「風魔法と水魔法と土魔法は3すくみ! 風は水をふっとばし、水は土を洗い流す! 土は風をさえぎるのだ!」
「炎魔法は風の精霊や火山の精霊に頼んで繰り出すものなので風か土のどちらかの属性になる」
「水魔法に風魔法を加えると氷結魔法となるのが通例だが、ムーツのオーシラ神の精霊の中にはそもそもが氷雪の神の眷属というものがいる。それと契約を結べば軽い労力で氷魔法が使えるようになる。ただし、ムーツの中でだけだがな」
さらにムーツにはいにしえの時代、オーガ達をまとめて大陸を統一した大英雄『アテールイ』が持っていたという究極の氷雪魔法兵器が眠っているなどという話も聞いた。イズヴァルトが持っているという覇王の剣よりも遥かに優れた代物らしい。
その2か月でアナキンとピルリアは、パルパティアらの指導のもとで様々な魔法を学んでいった。ただ、終了まであと1か月というところでそれまで一緒にアクメに悶えていたパルパティアがコーヅケーニッヒに戻る事となった。
「どうしてですか、パルパティア先生?」
「王様にお呼ばれされたんだべえよ。とてもやっかいなのが賊として国に入って来たから、わたしの力を貸してほしいと頼まれたべえ」
「でしたら僕とピルリアも連れて行ってください! きっとお役に立てるでしょう!」
「そいつはなんねえべえ。その賊、ぼっちゃんでは到底かなわぬとんでもねえ毒蛇みてえな奴だべえよ」
パルパティアは村を出た。かくして10日後に戻って来た。身体のあちこちに包帯を巻いていた。アナキンに問われると苦笑いで応じた。
「こっぴどくやられたべえ……前より強くなってたなあ」
「戦ってたというのは誰ですか?」
「それは秘密というものですべえ。とにかくぼっちゃん、ピルリアさん。予定の日まで修行を続けましょう」
修行の再開。そしてコーヅケーニッヒへの帰還。戻って病院に行くと、ピルリアに4人目の子が出来ていたことが発覚した。妊娠3か月目。診断によればまぎれもなくアナキンの子であった。コミュニティで中出しアクメをやった亜人の子ではなかった。
「ぼっちゃん。またできちゃいましたね♥」
「うれしいことだよ、ピルリア。もっともっと赤ちゃんをつくろう。きみはいずれスカルファッカー家の奥方になるんだし、今のうちに既成事実を作っちゃおう!」
病院を出て馬車に乗ったら、その中で2人はいちゃいちゃを始めた。向かうのは子供達と手伝い女達がいる家ではなく、馬車業者が知っている秘密のカップル用のあいびきの為の小屋だ。銀貨1枚で案内してくれた。
小屋は貧民街にある空き家だった。ほこりっぽいにおいが気に入らなかったが、子が出来た祝福と劣情とで気持ちが高ぶっていたから大目に見れた。服を脱ぐと前の利用者の汗や精液が乾かずにまだ残る、汚いシーツの上に転がって貪りあった。
アナキンはピルリアの上に乗り、大きな胸にむしゃぶりつきながら腰を振った。彼女のそこはとても濡れて締まっていた。ピルリアが嬉しそうに悶え、喘ぐ声を聞きながら彼は射精した。
それだけでは収まらなかった。下腹を重ねあわせるたびにぷに、ぷに、という感触を与えてくれる膣の周囲をもっとたわませた。激しく動きひしと抱き合い、そのまま互いの絶頂へ。
それでも、子供が出来たといううれしさに気持ちが収まらなかった。自分の精液でぬるぬるとする膣の中でアナキンは溶け込み続けた。終わる頃には部屋を2人の汗と体液のにおいで塗りこめてしまった。シーツはもう取り換え時だった。
□ □ □ □ □
その翌日だ。アナキンは久しぶりにマイヤの顔を拝んでみてやろうとマイア=テクニカ社の工房へ向かった。話を聞けば彼女はここ最近、休みの日を設けずに立ち寄っているという。
けれども過労にはならないはずだ。工房でどう働いているのか本人の口から聞いていた。事務所でジュースをちゅーちゅーしたり暇な職人のおちんちんをちゅぱちゅぱして差し上げながら暇そうに待つばかり。
たまに頭を使うのは、出来上がった試作品のレビューや改良についての検討とアドバイス。ほとんどプロデュース業である。細かいところや生産ラインについては部下に任せきり。革張りの椅子でふんぞり返ってばかりいると聞いていた。
(しかも営業とかしなくても、イーガ王国の店に出回るんだよな。一番やりたい仕事だよ、それ。まあでもローザのやつ、見当違いなアドバイスで現場を混乱させなきゃいいんだが……)
工房に入った。3カ月前にあった、どこかゆるゆるだった空気とがらりと変わっていた。魔道駆動によるベルトコンベアーはひっきりなしに動いて、前に見た時の倍以上の数の製品が組み立てられて運ばれていた。
事務所を通されると黒板がずらりと並べられており、ずいぶんとよれよれな線で何かの図が、子供の学問所からやり直してほしいと言いたいぐらいの文字による文章が記されていた。
特に文章はキンキ大陸のスペルには無い物があった。アナキンには見覚えがあった。
「……これは、カタカナか? 漢字もあるな」
殴り書きの『カンバン方式』、『ダイアグラム』。あの時代を生きていないと書けない文字だった。図もよく見ればフロー図だ。要約すればより短い工程による製品の完成方法。
誰がこんなものを書いたのだ。もしかしてマイヤや自分みたいな転生人がこの工房にいるのか。疑いながらアナキンはローザが戻って来るのを待った。
「遅い」
およそ1時間が経った。数名の職人を伴ってローザは戻って来た。しかし義手義足はつけていなかった。初めて会った時に見た四肢が欠損した姿で、大きな体格の職人に抱きかかえられていたのだ。
苦しそうにうめいていた。額に汗をかいており、肌は青白かった。
「マイヤさん! 皆さん、マイヤさんはどうなされたのです!」
職人のうち1人、まるまると太った中年の男が答えた。工房長だ。
「マイヤさまは突然に倒れて血を吐かれたのです」
よく見れば口のまわりがうっすらと赤くなっていた。どのくらい喀血したかと聞けば、女だったら一瞬で気を失うぐらいにだという。
「なんてことに……!」
「今すぐ別の工房を見回っているオットー様とマレーネ様をお呼びしなければなりません」
果たしてマイヤの見守り役であるオットーと、いつも彼女のそばにいるという王子の妹のマレーネがやって来た。マイヤはそのまま病院に連れて行かれた。
魔道学問所の推薦により3カ月間、コーヅケーニッヒから離れたところにある国内の亜人のコミュニティ村に籠り、魔力増強の特訓をするというのがそれだ。子供たちは預ける事にした。
同行するのは魔道学問所での自分とピルリアの担当教官であり、幼年時代に家庭教師として来てくれた女ハーフエルフ魔道士・パルパティア。つい最近寝たきりだったニンゲンの夫が亡くなった。子供も巣立ったので婿を募集中。
「というわけでアナキン様。わたくしに良い縁があったらご紹介してほしいですべえ」
常々そう話していたパルパティアまだ若い部類だった。『えくすぷれす』の駅で待ち合わせをした彼女はいつもの様に薄い緑のスカートを巻いていた。長い美脚と毛が生えていない『すじ』がうっすらと見える痴女仕様である。
パルパティアはかつて魔道騎士団に所属していた。最精鋭の第三軍で長いこと従事し、『風切り姫』という仇名がつくほどの猛者だ。本当に強い奴は股倉ぐらい見せたところでおくれを取ることは無い。
「パルパティア先生、いい加減そのスカートはやめにしませんか?」
「自慢の美脚を見せられるし、とても気に入っているんだけど?」
「そっちじゃありません。下腹とお尻が見えてしまっているからですよ。先生、むらむらした父上や兄上に抱かれた事もあったでしょう?」
「うふふ。むしろわたしが旦那様と兄坊ちゃまを抱いてあげたんだべえよ?」
エルフというのは貞操観念に乏しいものである。パルパティアはやっぱり車内の男性客の欲情を刺激してしまった。
お誘いがかけられるとすぐさまうなずいて、2人して個室トイレに籠って「ああんっ♥」と声をあげていた。そいつが乗車時間の1時間半の中で5人の相手と続いた。
目的地のガモーコヴィッツ駅に到着した頃には、彼女から涼やかさは消えてなくなっていた。とにかく精液くさい。まさに肉便器女だ。お肌はつやつやとさせていたが。
「むふふ……楽しいべっちょができたべえ」
「ほどほどにしてくださいよ……」
「ぼっちゃんもピルリアさんも亜人村に来たら、わたしみたいなことになりますべえよ」
果たして、亜人たちのコミュニティ村ではアナキンとピルリアに淫獄とも言うべき日々が待ち受けていた。とにかくどこでもそこでもセックスである。アナキンはエルフ女の他に、ドワーフやゴブリンの女の長所を知った。ピルリアもだ。
魔法についての勉強はハメながらとなった。歓喜天みたいに相手と繋がりながら向き合って魔力を集中させ、己の力を高める。底上げする。
この世界で使う精霊魔法には精進潔斎は無い。快楽によって本能と語り合う時間を増やすのだ。魔法を使うという作業では邪魔されたけれど、そうではなくて己の力を高める為にはこの方法は大いに役に立った。
滞在から1か月が経った頃には、アナキンとピルリアはだいぶ基礎魔力を高める事ができた。学問所で貸してもらった『すかうたー』による魔力量計算で言えば、アナキンは11万、ピルリアは9万3000ほど。
アナキンとピルリアはイーガの上級魔道士ぐらいの魔力を得ていた。しかし四六時中のセックスによる魔力底上げ方法はそこまでだった。
基礎魔力を高めた後は亜人の魔法の習得だ。イーガ国内の亜人たちによる魔道研究の最新版をアナキンとピルリアは叩き込まれた。
「風魔法と水魔法と土魔法は3すくみ! 風は水をふっとばし、水は土を洗い流す! 土は風をさえぎるのだ!」
「炎魔法は風の精霊や火山の精霊に頼んで繰り出すものなので風か土のどちらかの属性になる」
「水魔法に風魔法を加えると氷結魔法となるのが通例だが、ムーツのオーシラ神の精霊の中にはそもそもが氷雪の神の眷属というものがいる。それと契約を結べば軽い労力で氷魔法が使えるようになる。ただし、ムーツの中でだけだがな」
さらにムーツにはいにしえの時代、オーガ達をまとめて大陸を統一した大英雄『アテールイ』が持っていたという究極の氷雪魔法兵器が眠っているなどという話も聞いた。イズヴァルトが持っているという覇王の剣よりも遥かに優れた代物らしい。
その2か月でアナキンとピルリアは、パルパティアらの指導のもとで様々な魔法を学んでいった。ただ、終了まであと1か月というところでそれまで一緒にアクメに悶えていたパルパティアがコーヅケーニッヒに戻る事となった。
「どうしてですか、パルパティア先生?」
「王様にお呼ばれされたんだべえよ。とてもやっかいなのが賊として国に入って来たから、わたしの力を貸してほしいと頼まれたべえ」
「でしたら僕とピルリアも連れて行ってください! きっとお役に立てるでしょう!」
「そいつはなんねえべえ。その賊、ぼっちゃんでは到底かなわぬとんでもねえ毒蛇みてえな奴だべえよ」
パルパティアは村を出た。かくして10日後に戻って来た。身体のあちこちに包帯を巻いていた。アナキンに問われると苦笑いで応じた。
「こっぴどくやられたべえ……前より強くなってたなあ」
「戦ってたというのは誰ですか?」
「それは秘密というものですべえ。とにかくぼっちゃん、ピルリアさん。予定の日まで修行を続けましょう」
修行の再開。そしてコーヅケーニッヒへの帰還。戻って病院に行くと、ピルリアに4人目の子が出来ていたことが発覚した。妊娠3か月目。診断によればまぎれもなくアナキンの子であった。コミュニティで中出しアクメをやった亜人の子ではなかった。
「ぼっちゃん。またできちゃいましたね♥」
「うれしいことだよ、ピルリア。もっともっと赤ちゃんをつくろう。きみはいずれスカルファッカー家の奥方になるんだし、今のうちに既成事実を作っちゃおう!」
病院を出て馬車に乗ったら、その中で2人はいちゃいちゃを始めた。向かうのは子供達と手伝い女達がいる家ではなく、馬車業者が知っている秘密のカップル用のあいびきの為の小屋だ。銀貨1枚で案内してくれた。
小屋は貧民街にある空き家だった。ほこりっぽいにおいが気に入らなかったが、子が出来た祝福と劣情とで気持ちが高ぶっていたから大目に見れた。服を脱ぐと前の利用者の汗や精液が乾かずにまだ残る、汚いシーツの上に転がって貪りあった。
アナキンはピルリアの上に乗り、大きな胸にむしゃぶりつきながら腰を振った。彼女のそこはとても濡れて締まっていた。ピルリアが嬉しそうに悶え、喘ぐ声を聞きながら彼は射精した。
それだけでは収まらなかった。下腹を重ねあわせるたびにぷに、ぷに、という感触を与えてくれる膣の周囲をもっとたわませた。激しく動きひしと抱き合い、そのまま互いの絶頂へ。
それでも、子供が出来たといううれしさに気持ちが収まらなかった。自分の精液でぬるぬるとする膣の中でアナキンは溶け込み続けた。終わる頃には部屋を2人の汗と体液のにおいで塗りこめてしまった。シーツはもう取り換え時だった。
□ □ □ □ □
その翌日だ。アナキンは久しぶりにマイヤの顔を拝んでみてやろうとマイア=テクニカ社の工房へ向かった。話を聞けば彼女はここ最近、休みの日を設けずに立ち寄っているという。
けれども過労にはならないはずだ。工房でどう働いているのか本人の口から聞いていた。事務所でジュースをちゅーちゅーしたり暇な職人のおちんちんをちゅぱちゅぱして差し上げながら暇そうに待つばかり。
たまに頭を使うのは、出来上がった試作品のレビューや改良についての検討とアドバイス。ほとんどプロデュース業である。細かいところや生産ラインについては部下に任せきり。革張りの椅子でふんぞり返ってばかりいると聞いていた。
(しかも営業とかしなくても、イーガ王国の店に出回るんだよな。一番やりたい仕事だよ、それ。まあでもローザのやつ、見当違いなアドバイスで現場を混乱させなきゃいいんだが……)
工房に入った。3カ月前にあった、どこかゆるゆるだった空気とがらりと変わっていた。魔道駆動によるベルトコンベアーはひっきりなしに動いて、前に見た時の倍以上の数の製品が組み立てられて運ばれていた。
事務所を通されると黒板がずらりと並べられており、ずいぶんとよれよれな線で何かの図が、子供の学問所からやり直してほしいと言いたいぐらいの文字による文章が記されていた。
特に文章はキンキ大陸のスペルには無い物があった。アナキンには見覚えがあった。
「……これは、カタカナか? 漢字もあるな」
殴り書きの『カンバン方式』、『ダイアグラム』。あの時代を生きていないと書けない文字だった。図もよく見ればフロー図だ。要約すればより短い工程による製品の完成方法。
誰がこんなものを書いたのだ。もしかしてマイヤや自分みたいな転生人がこの工房にいるのか。疑いながらアナキンはローザが戻って来るのを待った。
「遅い」
およそ1時間が経った。数名の職人を伴ってローザは戻って来た。しかし義手義足はつけていなかった。初めて会った時に見た四肢が欠損した姿で、大きな体格の職人に抱きかかえられていたのだ。
苦しそうにうめいていた。額に汗をかいており、肌は青白かった。
「マイヤさん! 皆さん、マイヤさんはどうなされたのです!」
職人のうち1人、まるまると太った中年の男が答えた。工房長だ。
「マイヤさまは突然に倒れて血を吐かれたのです」
よく見れば口のまわりがうっすらと赤くなっていた。どのくらい喀血したかと聞けば、女だったら一瞬で気を失うぐらいにだという。
「なんてことに……!」
「今すぐ別の工房を見回っているオットー様とマレーネ様をお呼びしなければなりません」
果たしてマイヤの見守り役であるオットーと、いつも彼女のそばにいるという王子の妹のマレーネがやって来た。マイヤはそのまま病院に連れて行かれた。
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