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第三部 カツランダルク戦記 『プレリュード』
16 勅令
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かくして翌日。イズヴァルトの直訴を、トーリや妾との色におぼれ、「へなへな~」となっていた国王は容易に受理した。
トーリは廷臣を一同に集めた。疲れ切っているのにおまんこに狂い、すっかり顔がだらしなくなっていたセイン王は、かつての雷鳴がとどろくような声ではなく、へにゃへにゃ~なしゃべり方で皆に告げた。
「俺には子造りと子育てという戦場が待っているんだ。パラッツォ教との不毛な戦いはこれまでにするぜ! わかったか! 逆らうやつはぶっころす!」
そう言って広間の奥で待っていた妾のもとへ。妾に抱き着き、腰をへこへこと動かしながら近くの部屋でセックスを始めてしまった。トーリやこっそり夜這いに来たサキュバスの膣から刷り込まれた心操りの魔法により、国王は生殖狂いとなったのだ。
淫魔の愛液の効能によりセイン王の生殖器は全体的に2割程増大し、精力も倍ぐらいになっていた。もともとが鍛えられ、体力があった男だから、性欲はとてつもなくなってしまった。
「へっ、陛下ぁ!」
あああん。そんなにされたらこわれちゃう。ううん、もうこわれちゃってる。すごい。しぬ。死んじゃう。部屋に入ってすぐにのしかかられた妾のおのろけが広間からも聞こえて来ていた。
ここまで大声をあげさせるのは相当なものである。廷臣らは皆、王に対してはしたないと思うより、心強いと思っていた。セインは王太子時代、浮いた話が殆ど無かった武骨者だったからだ。
「ははは、陛下はお盛んでございますな」
「10名のご側室様のうち7名が、お腹にやや子を孕んでおりますからな! いやあ結構結構! あとはトーリ様が陛下との間にご子息様を産んでくだされば、われらの王国は安泰でございましょう!」
女にあまり興味が無い、と言われたセインだが、1年程前に妾との間に姫を2人ほど授かっていた。将来は大領主か周辺国に嫁ぐ人物たちだ。その上に7人以上の子が加わるのは、廷臣らにとってまことにめでたい事であった。
トーリと彼女に心服する廷臣らが前に出た。政務を放った国王の代理であった。国王が事前に用意していた勅令を携えてこう告げた。
「我が国はパラッツォ教団と休戦する準備を。それからサイゴークの同盟国には使者を送る。パラッツォ教徒に危害を加えた領主や武将は蟄居。なお、この命に従わぬ者には我が国が誇る無双の武者をはじめとする譴責官として遣わす」
王国最強の男。それを聞いただけで広間にいる廷臣や領主達はどよめいた。その男といえばあの男だ。数々の反乱で規格外の武勇を見せつけたあの男である。
「い、イズヴァルトさんを遣わすだと……ッ!」
「あの武者を! 正直でお人よしで孕ませ上手な、しかし戦場で本気にさせると100人の荒くれ武者どもをありんこみたいに踏みつぶす、聖騎士イズヴァルトをか!」
ここに来るまでイズヴァルトが、イーガ国境での盗賊行為に身を置いた血の気の多い小領主らを骸にしたという噂は、下級の騎士や小領主達の耳にも届いていた。
本気で心を入れ替えなければ殺されるかもしれぬ。トーリが透き通る声で読む勅書にはこうも書かれていた。大領主も王族ももちろん対象内。逆らうやつは皆殺しにしていいと譴責官には伝えてある。
修羅の行いを為す者には修羅の鬼が報いにやって来るぞ。そのような意味合いの勅令はすぐさま王国の各地に飛んで行った。外堀にゴミを投げ捨てる王族衆はもちろんのこと、大王なにするものぞと婆佐羅大名気取りで傾奇者気取りで反骨の気がある大貴族たちも、皆がそろって震えおののいた。
かくしてホーデンエーネン王国暦349年6月某日に発せられたこの勅令により、ホーデンエーネンはパラッツォ教との段階的な和平の準備を始める事となった。
しかしである。広大で険阻なアカサカチハヤ山地を隔てたキンキ大陸北部では依然、近衛騎士団が率いる教団討滅軍が各地で合戦を繰り広げていた。彼等を率いる領主らは、ナントブルグの勅令に従うつもりはさらさら無かった。
イズヴァルトが来ようが何しようが、自分達を止められる者などおらぬと、たかをくくっていたのである。
□ □ □ □ □
ここ最近、オルフレッドはぼけっとしていることが多くなった。数日前に久しぶりに顔を見た実父イズヴァルトとの対面があってからだ。
イズヴァルトが本当の父親だというのはまだ知らない。会っても気の無い声で「イズヴァルトさんこんにちわ。さっさとマイヤちゃんに会わせてよ」と言って苦笑いさせた。オルフレッドはまだまだおっぱいに夢中であった。
ゆえに一緒に同席していたイナンナとクリスタにばかり目が行ってしまった。少しお話をしてカントニアのエルフがどれだけすけべで優しいのかも聞いた。
「ほんとう?」
「ほんとうズラよ!」
ならばと思いイズヴァルトが咳払いするのを気にせず夜伽を頼んだ。オルフレッド少年にとって魅惑的な夜となった。
イナンナのこの世のものとは思えぬ美貌に酔い、美しくほっそりとした手によるちんちんへの愛撫に何度も射精し、クリスタの豊かに過ぎるおっぱいに顔を埋めて、夢中になって腰を振った。
「こういうのもあるズラよ……」
クリスタにのしかかっている最中に、イナンナから尻穴を指で愛でられた。前立腺を心地よく刺激され、腰を動かさずともクリスタの膣内で何度も放ってしまった。
(ふああ。エルフのおねえさんたち、とても良かった……。)
そんな数日前の桃源郷遊戯を思い出しながら、オルフレッドは窓の外を見る。ナントブルグ盆地の南の山々が伺えた。彼がいたのは王宮ではなく、世話になっているスカルファッカー家の館であった。
「オルフレッドさま。だらしない顔でぼけっとしてないで!」
隣にいた彼の姉女房、ハンナ=アーレントが叱りつけた。祝言はナントブルグにやって来た去年にあげた。毎日セックスをする新婚ほやほやである。
しかしハンナは孕んでいなかった。マイヤに負けぬたっぷりとしたおっぱいをつけていたのに、赤ん坊に乳首を含ませる仕事がまだ来ない。7歳年上の姉さん女房は、かわいい夫の女癖に手を焼いていた。
スカルファッカー家の当主、ケノービ=スカルファッカーと2人の娘が部屋にやって来た。まだ嫁入り前の17歳と15歳。しかし2人ともお腹が、いささか膨らんでいた。
「オルフレッドさん、ハンナさん。ごきげんよう!」
上の娘が呼びかける。2人の姫がとたとた、とした足取りでオルフレッドに近づき、抱き着いた。ハンナはふくれっ面だ。この2人の姫には子が出来ていた。どれも弟みたく可愛がっている、オルフレッドの子供だった。
「これこれ。シミ、キーラ。正妻のハンナさんを差し置いてオルフレッドくんに甘えるでない。無礼であるぞ?」
クワイガジンが娘達をたしなめる。はーい、と答えて彼女達はハンナに抱き着きくすぐり始めた。スカルファッカー家の娘達は万事がこの調子だ。
クワイガジンには正妻と2人の側室との間に合計12人の娘がいた。息子はソーロー家に婿入りしたケノービと、イーガに留学しているアナキンの2人だけ。カツランダルク家は庶流もまた子だくさんで、姫が生まれ易かった。姉のシミと妹のキーラは、のちのちオルフレッドの第二夫人と第三夫人となる運命にあった。
クワイガジンがオルフレッドと握手をして話を始める。ご本家のトーリ=カツランダルクから頼まれたことについてだ。イナーヴァニアに使節を派遣したいそうだよ、お母さんは。
「政治のことはよくわかりません。僕はジューンショーン様の御供や武芸の稽古、学問で頭がいっぱいですから」
「でもこれは君にも関係があることだよ。その使節に君のお父様、ルッソさんを加えるそうだよ」
オルフレッドは不機嫌そうに舌打ちした。ハンナにたしなめられたが気にしなかった。ルッソとはもうしばらく会っていない。話によれば南のクルシマーヴァラに派遣されて帰って来るというのに、もう別の国に向かうのか。
「お父さんを遠ざけて何がしたいんですかね、母さんは?」
「ルッソさんの出世の為にだよ。将来はアスカウ=タカイチゲンシュタットの代官か外交官にさせたいそうだ。ルッソさんは外国語を学ぶのが得意だと聞いているよ。牧場の仕事にはもったいないぐらいに勉強ができるともね」
優秀な父親を持てて素晴らしいね、とクワイガジンは褒めたたえた。イーガに留学しているアナキンに是非とも会わせてやりたいとも。アナキンは彼の子供達の中で一番優秀だった。
「君も励みたまえよ。アナキンやケノービに男の子が産まれなかったら、君の子を継がせたいと私は思っているのだよ」
「ありがとうございます。そこまで思われるのは光栄ですが……」
「そう硬くならないでくれたまえよ。いやいや、本当は私が恐縮すべきところなのだがね。何せご本家のご子息でございますし。はははは!」
クワイガジンは茶化して見せる。しかし彼はもはやオルフレッドの身内だ。スカルファッカー家の2人の姫を嫁に出す事で、彼は御三家の中でも先に、トーリに近づくことができた。
ケノービが婿入りしたソーロー家と手を組み、オルガスムナ家を隅へ追いやろうと計画していた。ご本家に対して反抗的になりつつあったからだ。
とはいえオルガスムナ家とは表向きは密接だ。どうしてもとあちらの当主に頼まれ、妾腹の子息を長女の婿に迎え入れていた。
けれど能力も才能もいまいちだ。まずは頭がとろい。武芸も並以下。唯一取柄の生殖器を用いた行いも、結果は芳しくなかった。男児の赤子は早くに死んでしまう。
また、オルガスムナ家は当主も跡継ぎも凡庸に過ぎた。裏でトーリを嫌っているが、対抗できる力量を持ち合わせていなかった。所詮は口だけの奴だった。
「さて、これからすぐにでも出発いたしましょう」
クワイガジンはオルフレッドとハンナをせかした。本日ここに来てもらったが、一緒にケノービが治めるソーロー家の領地に向かうのだ。馬車で北に向かい、半日のところにケノービの城があった。
言われた通りに馬車に乗り込み、その日の夕方にケノービのいるソーロー家の城下町にたどり着いた。ソーロー城と町はもともと、ナントブルグの女王の王国の時代からあった。
ナントブルグと違い、くねった街の道を馬車から見る。城壁は低かったが市街戦になるとなかなかに手こずりそうな造りをしていた。家を建てられる区画が決められていて、街全体が要塞になっているようだとクワイガジンは言った。
「けれどもそれだと不便だからと、ケノービは街の南の街道に市場町を築いたんだよ」
「流石は。賢い領主と噂されるケノービさまですね……」
ハンナが追従する。しかしその提案はケノービではなく、先代の嫡子で早くしてこの世を去った、ハン=ソーローのメモ書きから得た発想だった。先代は病弱ながらも街の周辺をまわって、人の行き交いを調べていたのだ。
ケノービが住む城は、スカルファッカー家の館よりも小さかった。王都にある館もである。あまり目立たぬようにというのが、ソーロー家の言い習わしだった。
城門ではでっぷりとして、とても醜い若い女が小さな子供を連れて出迎えてくれた。ケノービの正妻のチュバッカだ。おバカが多いソーロー家の姫の中で一番賢いとされている。オルフレッド達が馬車から出ると走ってやって来た。
「おひさしゅう! お義父さまとオルフレッドさま! ハンナさま! ようこそソーロー家のお城へ!」
オルフレッドが深々とお辞儀をする。彼は王国一不細工なチュバッカに好意を抱いていた。人当たりがいいのと、彼女の娘達がとても懐いてくれるからだ。
「さあさあ。お食事の準備は出来ておりますよ。お腹も空いているでしょうしおあがりください。夫とのお話はそのあとにでもよろしいでしょう」
チュバッカが用意したのは、いつも食するソーロー領の田舎料理だった。しかし量が多ければ味も良い。美食家としての優れた舌を持つチュバッカが調理に手を加えたからだ。部類の悪臭好きの彼女だが、料理に関しては屈指の才があった。
食卓にならんだそれを、オルフレッドとハンナがおいしそうに食べる。クワイガジンはこの嫁にいたく感心していた。ケノービはこんなに旨いものを毎日食べているのか。
「ところでまだ、ケノービが顔を見せぬがどうしているかな?」
「うふふ。書斎にこもって調べものの最中ですよ。ケノービさまは勉強熱心ですから。本当に良い当主をソーロー家は迎えられたと皆が大喜びでございますよ」
「光栄なことだ。前に来た時もそう褒められたと記憶しているがな?」
「ほほほ。気のせいでございますわよ!」
むくみ面だが健康な若い女のにおいと血色をしているチュバッカが、オルフレッド達にたんとお食べと呼びかける。沢山おいしいものを食べて沢山子づくりをしてくださいね。チュバッカが母の跡を継いでくれたらいいのにと、オルフレッドは思ったりした。
そのチュバッカが勤勉だと褒める夫は、食事を終えてもなかなか顔を見せてくれなかった。調べものをしているというのは確かだった。しかし彼はそれだけをしていたのではなかった。
その書斎で本を開きながら、彼は妾のうち1人に口で奉仕をさせていた。ちんちんをしゃぶられながらの楽しい読書に、食べることを忘れてついつい浸ってしまっていたのである。
トーリは廷臣を一同に集めた。疲れ切っているのにおまんこに狂い、すっかり顔がだらしなくなっていたセイン王は、かつての雷鳴がとどろくような声ではなく、へにゃへにゃ~なしゃべり方で皆に告げた。
「俺には子造りと子育てという戦場が待っているんだ。パラッツォ教との不毛な戦いはこれまでにするぜ! わかったか! 逆らうやつはぶっころす!」
そう言って広間の奥で待っていた妾のもとへ。妾に抱き着き、腰をへこへこと動かしながら近くの部屋でセックスを始めてしまった。トーリやこっそり夜這いに来たサキュバスの膣から刷り込まれた心操りの魔法により、国王は生殖狂いとなったのだ。
淫魔の愛液の効能によりセイン王の生殖器は全体的に2割程増大し、精力も倍ぐらいになっていた。もともとが鍛えられ、体力があった男だから、性欲はとてつもなくなってしまった。
「へっ、陛下ぁ!」
あああん。そんなにされたらこわれちゃう。ううん、もうこわれちゃってる。すごい。しぬ。死んじゃう。部屋に入ってすぐにのしかかられた妾のおのろけが広間からも聞こえて来ていた。
ここまで大声をあげさせるのは相当なものである。廷臣らは皆、王に対してはしたないと思うより、心強いと思っていた。セインは王太子時代、浮いた話が殆ど無かった武骨者だったからだ。
「ははは、陛下はお盛んでございますな」
「10名のご側室様のうち7名が、お腹にやや子を孕んでおりますからな! いやあ結構結構! あとはトーリ様が陛下との間にご子息様を産んでくだされば、われらの王国は安泰でございましょう!」
女にあまり興味が無い、と言われたセインだが、1年程前に妾との間に姫を2人ほど授かっていた。将来は大領主か周辺国に嫁ぐ人物たちだ。その上に7人以上の子が加わるのは、廷臣らにとってまことにめでたい事であった。
トーリと彼女に心服する廷臣らが前に出た。政務を放った国王の代理であった。国王が事前に用意していた勅令を携えてこう告げた。
「我が国はパラッツォ教団と休戦する準備を。それからサイゴークの同盟国には使者を送る。パラッツォ教徒に危害を加えた領主や武将は蟄居。なお、この命に従わぬ者には我が国が誇る無双の武者をはじめとする譴責官として遣わす」
王国最強の男。それを聞いただけで広間にいる廷臣や領主達はどよめいた。その男といえばあの男だ。数々の反乱で規格外の武勇を見せつけたあの男である。
「い、イズヴァルトさんを遣わすだと……ッ!」
「あの武者を! 正直でお人よしで孕ませ上手な、しかし戦場で本気にさせると100人の荒くれ武者どもをありんこみたいに踏みつぶす、聖騎士イズヴァルトをか!」
ここに来るまでイズヴァルトが、イーガ国境での盗賊行為に身を置いた血の気の多い小領主らを骸にしたという噂は、下級の騎士や小領主達の耳にも届いていた。
本気で心を入れ替えなければ殺されるかもしれぬ。トーリが透き通る声で読む勅書にはこうも書かれていた。大領主も王族ももちろん対象内。逆らうやつは皆殺しにしていいと譴責官には伝えてある。
修羅の行いを為す者には修羅の鬼が報いにやって来るぞ。そのような意味合いの勅令はすぐさま王国の各地に飛んで行った。外堀にゴミを投げ捨てる王族衆はもちろんのこと、大王なにするものぞと婆佐羅大名気取りで傾奇者気取りで反骨の気がある大貴族たちも、皆がそろって震えおののいた。
かくしてホーデンエーネン王国暦349年6月某日に発せられたこの勅令により、ホーデンエーネンはパラッツォ教との段階的な和平の準備を始める事となった。
しかしである。広大で険阻なアカサカチハヤ山地を隔てたキンキ大陸北部では依然、近衛騎士団が率いる教団討滅軍が各地で合戦を繰り広げていた。彼等を率いる領主らは、ナントブルグの勅令に従うつもりはさらさら無かった。
イズヴァルトが来ようが何しようが、自分達を止められる者などおらぬと、たかをくくっていたのである。
□ □ □ □ □
ここ最近、オルフレッドはぼけっとしていることが多くなった。数日前に久しぶりに顔を見た実父イズヴァルトとの対面があってからだ。
イズヴァルトが本当の父親だというのはまだ知らない。会っても気の無い声で「イズヴァルトさんこんにちわ。さっさとマイヤちゃんに会わせてよ」と言って苦笑いさせた。オルフレッドはまだまだおっぱいに夢中であった。
ゆえに一緒に同席していたイナンナとクリスタにばかり目が行ってしまった。少しお話をしてカントニアのエルフがどれだけすけべで優しいのかも聞いた。
「ほんとう?」
「ほんとうズラよ!」
ならばと思いイズヴァルトが咳払いするのを気にせず夜伽を頼んだ。オルフレッド少年にとって魅惑的な夜となった。
イナンナのこの世のものとは思えぬ美貌に酔い、美しくほっそりとした手によるちんちんへの愛撫に何度も射精し、クリスタの豊かに過ぎるおっぱいに顔を埋めて、夢中になって腰を振った。
「こういうのもあるズラよ……」
クリスタにのしかかっている最中に、イナンナから尻穴を指で愛でられた。前立腺を心地よく刺激され、腰を動かさずともクリスタの膣内で何度も放ってしまった。
(ふああ。エルフのおねえさんたち、とても良かった……。)
そんな数日前の桃源郷遊戯を思い出しながら、オルフレッドは窓の外を見る。ナントブルグ盆地の南の山々が伺えた。彼がいたのは王宮ではなく、世話になっているスカルファッカー家の館であった。
「オルフレッドさま。だらしない顔でぼけっとしてないで!」
隣にいた彼の姉女房、ハンナ=アーレントが叱りつけた。祝言はナントブルグにやって来た去年にあげた。毎日セックスをする新婚ほやほやである。
しかしハンナは孕んでいなかった。マイヤに負けぬたっぷりとしたおっぱいをつけていたのに、赤ん坊に乳首を含ませる仕事がまだ来ない。7歳年上の姉さん女房は、かわいい夫の女癖に手を焼いていた。
スカルファッカー家の当主、ケノービ=スカルファッカーと2人の娘が部屋にやって来た。まだ嫁入り前の17歳と15歳。しかし2人ともお腹が、いささか膨らんでいた。
「オルフレッドさん、ハンナさん。ごきげんよう!」
上の娘が呼びかける。2人の姫がとたとた、とした足取りでオルフレッドに近づき、抱き着いた。ハンナはふくれっ面だ。この2人の姫には子が出来ていた。どれも弟みたく可愛がっている、オルフレッドの子供だった。
「これこれ。シミ、キーラ。正妻のハンナさんを差し置いてオルフレッドくんに甘えるでない。無礼であるぞ?」
クワイガジンが娘達をたしなめる。はーい、と答えて彼女達はハンナに抱き着きくすぐり始めた。スカルファッカー家の娘達は万事がこの調子だ。
クワイガジンには正妻と2人の側室との間に合計12人の娘がいた。息子はソーロー家に婿入りしたケノービと、イーガに留学しているアナキンの2人だけ。カツランダルク家は庶流もまた子だくさんで、姫が生まれ易かった。姉のシミと妹のキーラは、のちのちオルフレッドの第二夫人と第三夫人となる運命にあった。
クワイガジンがオルフレッドと握手をして話を始める。ご本家のトーリ=カツランダルクから頼まれたことについてだ。イナーヴァニアに使節を派遣したいそうだよ、お母さんは。
「政治のことはよくわかりません。僕はジューンショーン様の御供や武芸の稽古、学問で頭がいっぱいですから」
「でもこれは君にも関係があることだよ。その使節に君のお父様、ルッソさんを加えるそうだよ」
オルフレッドは不機嫌そうに舌打ちした。ハンナにたしなめられたが気にしなかった。ルッソとはもうしばらく会っていない。話によれば南のクルシマーヴァラに派遣されて帰って来るというのに、もう別の国に向かうのか。
「お父さんを遠ざけて何がしたいんですかね、母さんは?」
「ルッソさんの出世の為にだよ。将来はアスカウ=タカイチゲンシュタットの代官か外交官にさせたいそうだ。ルッソさんは外国語を学ぶのが得意だと聞いているよ。牧場の仕事にはもったいないぐらいに勉強ができるともね」
優秀な父親を持てて素晴らしいね、とクワイガジンは褒めたたえた。イーガに留学しているアナキンに是非とも会わせてやりたいとも。アナキンは彼の子供達の中で一番優秀だった。
「君も励みたまえよ。アナキンやケノービに男の子が産まれなかったら、君の子を継がせたいと私は思っているのだよ」
「ありがとうございます。そこまで思われるのは光栄ですが……」
「そう硬くならないでくれたまえよ。いやいや、本当は私が恐縮すべきところなのだがね。何せご本家のご子息でございますし。はははは!」
クワイガジンは茶化して見せる。しかし彼はもはやオルフレッドの身内だ。スカルファッカー家の2人の姫を嫁に出す事で、彼は御三家の中でも先に、トーリに近づくことができた。
ケノービが婿入りしたソーロー家と手を組み、オルガスムナ家を隅へ追いやろうと計画していた。ご本家に対して反抗的になりつつあったからだ。
とはいえオルガスムナ家とは表向きは密接だ。どうしてもとあちらの当主に頼まれ、妾腹の子息を長女の婿に迎え入れていた。
けれど能力も才能もいまいちだ。まずは頭がとろい。武芸も並以下。唯一取柄の生殖器を用いた行いも、結果は芳しくなかった。男児の赤子は早くに死んでしまう。
また、オルガスムナ家は当主も跡継ぎも凡庸に過ぎた。裏でトーリを嫌っているが、対抗できる力量を持ち合わせていなかった。所詮は口だけの奴だった。
「さて、これからすぐにでも出発いたしましょう」
クワイガジンはオルフレッドとハンナをせかした。本日ここに来てもらったが、一緒にケノービが治めるソーロー家の領地に向かうのだ。馬車で北に向かい、半日のところにケノービの城があった。
言われた通りに馬車に乗り込み、その日の夕方にケノービのいるソーロー家の城下町にたどり着いた。ソーロー城と町はもともと、ナントブルグの女王の王国の時代からあった。
ナントブルグと違い、くねった街の道を馬車から見る。城壁は低かったが市街戦になるとなかなかに手こずりそうな造りをしていた。家を建てられる区画が決められていて、街全体が要塞になっているようだとクワイガジンは言った。
「けれどもそれだと不便だからと、ケノービは街の南の街道に市場町を築いたんだよ」
「流石は。賢い領主と噂されるケノービさまですね……」
ハンナが追従する。しかしその提案はケノービではなく、先代の嫡子で早くしてこの世を去った、ハン=ソーローのメモ書きから得た発想だった。先代は病弱ながらも街の周辺をまわって、人の行き交いを調べていたのだ。
ケノービが住む城は、スカルファッカー家の館よりも小さかった。王都にある館もである。あまり目立たぬようにというのが、ソーロー家の言い習わしだった。
城門ではでっぷりとして、とても醜い若い女が小さな子供を連れて出迎えてくれた。ケノービの正妻のチュバッカだ。おバカが多いソーロー家の姫の中で一番賢いとされている。オルフレッド達が馬車から出ると走ってやって来た。
「おひさしゅう! お義父さまとオルフレッドさま! ハンナさま! ようこそソーロー家のお城へ!」
オルフレッドが深々とお辞儀をする。彼は王国一不細工なチュバッカに好意を抱いていた。人当たりがいいのと、彼女の娘達がとても懐いてくれるからだ。
「さあさあ。お食事の準備は出来ておりますよ。お腹も空いているでしょうしおあがりください。夫とのお話はそのあとにでもよろしいでしょう」
チュバッカが用意したのは、いつも食するソーロー領の田舎料理だった。しかし量が多ければ味も良い。美食家としての優れた舌を持つチュバッカが調理に手を加えたからだ。部類の悪臭好きの彼女だが、料理に関しては屈指の才があった。
食卓にならんだそれを、オルフレッドとハンナがおいしそうに食べる。クワイガジンはこの嫁にいたく感心していた。ケノービはこんなに旨いものを毎日食べているのか。
「ところでまだ、ケノービが顔を見せぬがどうしているかな?」
「うふふ。書斎にこもって調べものの最中ですよ。ケノービさまは勉強熱心ですから。本当に良い当主をソーロー家は迎えられたと皆が大喜びでございますよ」
「光栄なことだ。前に来た時もそう褒められたと記憶しているがな?」
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むくみ面だが健康な若い女のにおいと血色をしているチュバッカが、オルフレッド達にたんとお食べと呼びかける。沢山おいしいものを食べて沢山子づくりをしてくださいね。チュバッカが母の跡を継いでくれたらいいのにと、オルフレッドは思ったりした。
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