聖騎士イズヴァルトの伝説 外伝 『女王の末裔たち』

CHACOとJAGURA

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第二部 『呪いの序曲。イーガの魔王』 (少年編から青年編の間のエピソード。)

63 少年と王都

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「当店自慢の『ケツからアイスクリーム』をご所望でしょうか! げほっ!」

 ハーマイオニーという店の売り子が問いかけた。そりゃあもちろん。3つで。エルクは料金表で一番高いのを頼んだ。1つ銀貨4枚だ。ポニーテールの売り子は「げほっ!」と咳をして店の奥に呼びかけた。

「はーい! 上アイス3つ。オーラフさん。お仕事っすよ! んんっ!」

 店の奥から美しい黒髪の女が現れた。エルクを見てにっこりと笑い、お辞儀をする。昨晩はどーも。エルクが笑って返した。この女こそがサキュバスのオーラフだ。

 彼女が着ている服はこの辺りでは滅多に見ない、ミニスカートで半袖丈の薄手のものだった。とにかくおっぱいの盛り上がり方がすごい。それよりも目が釘付けになるのは、股の付け根が見えそうな丈のスカートである。

 むっちりとした太ももからは、なんだかとても甘いにおいが漂っていた。ハンナはそのにおいに頭がくらっとして股を濡らし、クリトリスを勃起させてしまった。

 もっと酷いことになっていたのはオルフレッドだった。弱々しい溜息をつきながら、彼は身を震わせてしまっていた。

「で、でちゃった……」

 ペニスが滅茶苦茶に勃起した後、どくどくと精液が溢れてしまってたのだ。濃い精液のにおいが漂い始めた。サキュバスのにおいは純真な少年の毒だ、とハンナは思った。ナントブルグは誘惑が多いみたいだ。

 そのにおいを嗅いでハーマイオニーとオーラフが目を輝かせる。すんすんすん。オーラフは思わずぼやいてしまった。
 
「いいにおいですね♡」
 
 うっとりとした2人のその上に、もう1人の店の娘がやって来た。長い髪をオールバックにした美人なのだが、どうにも安っぽい色気しか感じられなかった。甘くていいにおいもあまりしない。おっぱいは大きいが何よりも髪が青い。エルクがユーシィという名前のサキュバスだと、ハンナ達にささやいた。

「……締りはいいんだが、気持ちよくなると生乾きの雑巾みたいなにおいのする腋臭を放つんだ。足裏もすっげえくせえ」

 臭いものフェチのヘンタイ向きのサキュバスだ。そう言うとハンナが眉間に皺を寄せた。苛立ったのだが、臭いのが嫌いなのではない。自分のことを皮肉られていると思ったからだ。彼女も足裏はくさかった。油足でもある。

 それを聞いてユーシィが涙ぐんだ。せっかく新鮮な精液のにおいを嗅いで「うふふ♥」と楽しんでいたのに。ハーマイオニーがタバコ臭い息を吐きながら、彼女の頭を撫でてやった。

「しゃーねえっす。ユーシィは下級のサキュバスっすからね?」
「えぐっ。ひ、酷い言われ方されてますのん。トラウマになったので、今日はもうお店終わりにしていいですか?」
「それはだめっスね」

 慰めはするがハーマイオニーは冷徹だった。どうにもチープな香料くさい店の店員を奥に向かわせると、彼女は取りつくしまのない顔をしているオーラフに呼びかけた。

「はい。オーラフさん。出番っスよ。さっさとひねってくださいっス」
「わかったわ。じゃあ牛乳を持って来るから」

 オーラフは1リットルある牛乳瓶を店の冷蔵庫から持って来ると、それをごぐごぐ飲み始めた。その間にハーマイオニーは台を引っ張って来る。大きな穴が開いた板を乗せたワゴンだった。

「で、直食いっスか? それともお椀に入れて?」
「容器に入れてくれ。あと、スプーンも頼む」
「へーい」

 オーラフは牛乳を飲み終えると、お腹に手を当てて板の向こうに回った。それから尻をめくって突き出した。穴からまっ白なおしりが出た格好だ。あと、ちょっとぱっくりと割れているしゃぶりがいがありそうなラヴィアがのぞいていた。

(ふうん。これがサキュバスのおまんこか……)

 ハンナは興味津々に彼女のヴァギナをのぞき込んだ。ピンク色をしていて黒ずんだところが無い。それでいて陰唇は発達している。いやらしくてたまらない。

 オルフレッドもまた、彼女の尻をガン見して勃起していた。すごいおおきなお尻だ。マイヤちゃんのおっぱいみたいに大きい。ああでも、尻穴はちょっと黒ずんでいるなあ。

「ねえ、サキュバスアイスクリームってどんなの?」

 オルフレッドがエルクに問うと、壁の向こう側からいきむ声が聞こえてきた。ハーマイオニーが尻の下にそっと容器を差し出す。

「むむむむ、むむん!」

 オーラフのでっぷりとした尻の間にある尻穴が盛り上がり、大きく口を開いた。にゅるにゅるにゅる。ソフトなかたちの真っ白なうんちが、冷気を伴って捻り出て、ハーマイオニーが差し出した容器の中に入って行った。

「えへへへ。たまらねえなあ」

 エルクはほくそ笑みながらその光景を眺めていた。容器に白くふんわりとしたうんちがとぐろを巻いて出てくると、ハーマイオニーはハンナにそれを差し出した。

「ふ、ふうん。これがサキュバスアイスクリーム?」
「げほっ。当店で出せる一番の最高級品です。んっ! そいじゃあ食べてください」

 サキュバスのうんちを食べろというのか。純白で何一つ混じっていない冷気漂うそれを、ハンナはスプーンにすくって口に入れてみた。その光景をオルフレッドは真っ青な顔をして見守っていた。

「……!!」

 ハンナの顔がほころんだ。これ、めっちゃおいしい! しかも甘味は申し分ない。全くアイスクリームだった。いいや、ソフトクリームか。口溶け方がとても良い。

 ハンナはがっつくように食べた。痛々しく勃起しながら頬ずりしたいオーラフの尻に目を向けていたオルフレッドは、タバコ臭いがとてもおちんちんをこすりつけたくなる美人の売り子に出されたそれを口につけた。

 口の中で味わった瞬間、ちんちんが大爆発してしまった。またもどぴゅっ、どぴゅっ、と快感をもたらしてしまう。もうズボンの中は濡れ切っていた。替えのズボンが欲しいよう。

「どうだ? 射精しちゃうぐらいにうまいだろ?」

 そう言ってエルクがサキュバスのひねりものを口にして顔をほころばす。とっても甘くておいしい
「でしょー?」

 壁の向こうからオーラフが声をかけた。まだ飲んだ分ののこりがあるからおかわりをどうぞ、と呼びかけた。それからサキュバスアイスクリームは、こどもサキュバスのそれが、本当の本当に旨いと語った。

「赤ちゃんサキュバスのは、魔界でも最高のデザートとして知られているんですよ」
「へえ。サキュバスは赤ちゃんでも魔法が使えるのかい?」
「んっ! こういう魔法は得意なんスよ。うちらの種族は」

 それからオーラフは、ホーデンエーネン王国がコンゴウアミダラデンと歩み寄ってくれれば、もっとサキュバスアイスクリームを振舞えるのだが、とつぶやいた。ホーデンエーネンは面倒な戦争ばかりをやりたがる。

「魔竜さまは王様がたを、いつでもコンゴウアミダラデンの温泉宿場にご招待したいとおっしゃってたんですがね」
「ふーん。政治のことはよくわからんね。まあ、市井では魔族と仲良くしているから、そのうちそうなると思うよ?」

 美人でたわわなサキュバスのオーラフがひねるそれを、オルフレッドはおかわりして2度も射精した。ハンナも下半身が熱くなり、その場でオルフレッドを押し倒してハメまくりたかった。

 けれども王都に来たのは別の理由があってだ。その日の晩はいつもの3倍セックスをした2人は翌日、兄のつてでセイン王と謁見する事となった。


□ □ □ □ □


 王の間。初めて会うトーリの息子の顔を見て、セインは誰かに似ている、と考え込んだ。ううん。ルッソの子じゃねえな、絶対。思いつくのはあの騎士だ。

(イズヴァルトの子じゃねえのか、こいつ?)

 まあでも、9歳にしてはガタイがいいし、何より立派な騎士になれそうな面構えもしている。本人は武人にはなりたくないと言っているが、どうにも才能はそっちにあるようだ。

「面をあげな。かしこまるんじゃねえ。親戚なんだろ、俺のさ?」

 平伏したままのオルフレッドに彼は近づいた。彼は少年を抱きかかえると頭を下げたままのエルクとハンナにこう告げた。

「お前ら、なんだかんだ理由があってオルフレッドを連れてきたんだろ? こわばってんじゃねえ。気にすんな。俺は責めちゃいねーよ」

 セインは親戚の子を抱き上げると、とりあえずは小姓としておいてやると答えた。というよりはもう弟分だ。ここまで連れてきたハンナに何が欲しいかと尋ねた。

「ま、まあそれは……出来ればオルフレッドさまのおよめさんに……」

 そう来たか。別にいいぜとセインは答えた。まあそれにしてもおっぱいがでかい。こいつは大のおっぱい好きなのだなとオルフレッドを見て思う。
 
(伯母のマイヤにすごく懐いていただろうなあ。それと顔は純真そうだが、図体から女コマシのスケベ野郎のにおいがぷんぷんとしてやがる。イズヴァルトの似たようなもんだったが、あいつはもうちょっと、『きれい』な感じがしたかな?)

 つまり、イズヴァルトより『ぬるい』感じがする。父親疑惑のあれを『男の教科書』と呼ぶなら、オルフレッドは『軟派の参考書』と評していいだろう。

「そんな簡単に認めてよろしいのでしょうか、陛下?」

 廷臣たちが口をそろえて異論を唱えた。いいじゃねえかとセインは思った。だいたい、好きあっている者同士に対して、婚姻の年齢は法律でどうこうだ、と言うのはバカバカしい。子供を作るやつはさっさと作る。

「よし! そうと決まれば祝言……と言いたいが、アスカウ=タカイチゲンシュタット公トーリ=カツランダルクさまが異議申し立てを言ってくるかもしれねえや! ここは内密にな! あはははは!」

 それとである。オルフレッドには心強い親族衆と引き合わせてやらにゃならん。カツランダルク一族がまだまだ大きな勢力を誇っている。まあつまり、王国に重きを置いて王家に忠誠を誓っていることを教えてやらねばと考えていた。

 翌日。オルフレッドはその一門と引き合わされる事となった。カツランダルク御三家の当主達だ。その中にはソーロー家の若き婿当主、ケノービ=ソーローの姿があった。

「こ、この人たちが、ご親戚衆なのですか?」
「そりゃあもちろんさ。な?」

 セインはケノービらに目を向けた。彼等は深々と頭を下げ、カツランダルク嫡流の跡継ぎとも言えるオルフレッドに跪拝した。

 村の少年から一気に大領主達の一派の頭目となった事に、オルフレッドは胸を時めかせた。大の大人が僕のことをおがむなんて。

(母さんは、トーリお母さんはそれほどまでに凄いんだな。)

 オルフレッドが1人1人と握手し、優しい言葉をかけられた。とはいえ彼はこれで増長するような人格ではなかった。でも大きな親戚を持つと実感できれば心に余裕が産まれた。きっとこのナントブルグでやっていけるだろう。

 しかし純朴な彼は、この3人の大貴族の眼の光にまでうかがい知る事が出来なかった。面倒な奴がナントブルグにやって来たな、と心の中で彼等はつぶやく。その中でも彼に敵愾心を強く抱いていたのは、ソーロー家の当主だった。

(こいつをどう手玉にとるかだ。さて、『ご本家』をどうやって切り崩してやろうか。)

 彼にはアドルフに託された、最大の隠し玉を屋敷に迎え入れていた。オルフレッドの姪にあたるレーアである。オルフレッドを追い出し、レーアをカツランダルク嫡流の当主にすえるという策謀を、その頃から考え始めていた。

 カツランダルク御三家の知恵袋・ソーロー家とトーリとの暗闘の第二ラウンドはこの時から始まった。あの女をなんとしてでも追い落とさねば。

 男達のペニスをしゃぶらせ、精液を常に与えて大事に育てている養女こそが本家のあるじにふさわしい。このオルフレッドはいずれ消えてもらう。この世から。

 オルフレッドはこののち、王の小姓として、次代のカツランダルク家本流としての教育を受ける事となる。彼は実の父ほどの才覚は無かったが、文武両道で指揮官の才能もあった。

 しかし彼が母の跡を継ぎ、領主となる未来は無かった。それよりももっと大きな地位と運命が彼を待ち受けていた。彼にはホーデンエーネンよりも巨大な帝国の王になる幸運が待ち受けていた。

 そして、近い未来に訪れる、若い母親と育ての父親との永遠の別離も。
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