聖騎士イズヴァルトの伝説 外伝 『女王の末裔たち』

CHACOとJAGURA

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第二部 『呪いの序曲。イーガの魔王』 (少年編から青年編の間のエピソード。)

40 碩学姫の受難⑫

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 ホーデンエーネンの王城には、フロリーナ=カツランダルクにまつわる遺物がたくさんあった。

 孫娘と同じ様に匂いをかぐために集めた切った爪。剃った陰部のムダ毛。経血を吸わせた月経帯。全部フロリーナのコレクションだ。

 あと、フロリーナにまつわる倉庫の奥には、保存液で満たした瓶の中に入った、彼女の大便がいくつか置かれていた。

 彼女は自分の排泄物を定期的に保管することを趣味としていた。但し大便については、彼女を愛したジュンケイン王の保管物である。

 魔道士達を引き連れたセイン王は、フロリーナのこれらの遺物を全て持っていけと命じた。遺伝子検査を行わせる為にだ。検査と診断には最低でも1ヶ月かかるらしい。医療魔道の本場のイーガなら、1週間で終わるらしいが。

(判別できりゃいいんだ。マイヤのやつが親父の孫かどうかをな。)

 
□ □ □ □ □


 セインは亡き父の愛妾、フロリーナ=カツランダルクについて知らされていた。

 近衛騎士団に属するカツランダルク御三家が『本家』と崇めていた、没落貴族の末裔。とっくの昔にお取り潰しにされた家である。

 若い頃の父に深く愛された、つややかな黒髪の絶世の美女。父の死後、肖像画も残っていたが、父の死後に見つかった宝物の中に、生きていた頃のフロリーナの姿が収められていた映像水晶があった。

 音声が無い色あせた映像の中には、確かにフロリーナの姿があった。背はそこそこに高くほっそりとしている。豊かな髪の美少女だった。

 但しである。その映像では彼女がスカートを腰までめくりあげ、胴体に比してむっちりとした脚と太ももをさらしながら、桶の中でおしっこをじょろじょろと放っていた。

 確かにたまらない。若い男が見れば射精したくなるようなエロさがある。ただ、セインにはわからなかった。親父はこんなもんを記録していたのか。

 しばらくすると映像の中のフロリーナは背を向けて腰をあげ、桶の中にもりもりと大便をし始めた。太ももでわかったが尻もでっかい。乳房ではなく尻が豊かな体型だ。

 映像の中でフロリーナがあらかたひねり終わり、こちらを振り向いてニッコリと笑うのを見てセインはうなった。妾がうんこする所をそんなに見たいのか、親父?

(とはいえ、なんだがな……)

 セインはフロリーナの肉感的な太ももと尻にではなく、その黒髪に着目していた。蒼にも見える黒色の。そんな髪の色をしたニンゲンは彼が知る限り、マイヤ以外にいなかったのである。


□ □ □ □ □


 レーアを産んでから1ヶ月が経った。薬断ちしたマイヤは禁断症状に苦しみ、常に呻き苦しんでいた。

「うあああっ。あああっ。ああああっ。あーっ。ああああーっ!」

 苦しいよう。頭がいたい。身体が焼ける。何もかもが狂って見える。そう叫びながら悪寒を感じ、ぶるぶると震えてこいねがう。

「ころしてよ! わたしをころしてよ! しにたいの! あたまとからだがおかしくなっているのがわかっているのよ! おねがいだかららくにさせてよ!」

 隣室でマイヤの叫び声を聞いていたアドルフは、眠りの魔法で無理やりに眠らせているレーアを抱きながら笑っていた。

「可愛らしい声での悲鳴は、なかなかに下半身に響くものがある。そうは思わないかね?」

 揺り椅子に座るアドルフの目の前には、彼の部下の中でも屈強かつ冷酷な4人の男達が横一列に並んでいた。

 全員がブーツ以外は全裸。でかくて獰猛なペニスを持つ絶倫自慢ばかりだ。中には貧民街の幼い娼婦の生殖器を破裂させ、死なせた武勇伝の持ち主もいる。

「可哀想だ。お前達、マイヤの相手をしてやれ」

 男達はにんまりと笑った。昨日も一昨日も楽しませてくれたマイヤを、今日もまたおもちゃにできる時間がやって来たからだ。

 男達が入って来たマイヤの部屋は、尿と汗、精液のにおいが籠もっていて不快極まりなかった。

 叫び助けを叫んでいる間、マイヤは常に失禁していた。男のうち1人がマイヤの寝台に近づき、彼女の左乳房を蹴り上げた。

「いだい! いだあい!」
「うるせえぞこのガキ! わめいていないで相手をしろ!」

 ほらよ、と男はペニスを掴んでマイヤの唇にあてる。彼女は涙をこぼし、苦しそうな声をあげつつもちろちろと舐め始めた。

 フェラチオを始めると禁断症状はいくらか和らいだ。彼女に流れる淫魔の血が落ち着きを取り戻させたのだ。

「おおっ。静かになったな。へへっ」

 舌でのくすぐりが咥えてのディープスロートに変わる。えづきながらもマイヤは亀頭を喉の奥にまで誘い込むと、首のあたりの筋肉に力を込めた。

 ぐい、ぐい、と首を動かす。舌と唇で軸を愛でながら。亀頭を締められたその男は、気持ちよさげに喘ぎ始めた。

 そうやって相手のペニスを愛で出すと、マイヤの股関節が広がった。小水で汚れたそこにもう1人の男がかじりつき、舐め始めた。

「……!」

 クンニリングスの悦楽にマイヤは蕩けてしまった。腰をくねらせ、乳房を揺らす。対する男も美味そうに汚れた肉裂を舐め続けた。

 マイヤから深いおしゃぶりを受けていた男が背を震わせた。巨根の裏側で大きく脈を打つ。マイヤの喉に直接精液が流れ込んだ。

 彼女はむせること無く飲みきった。男はふにゃりとなったそれを小さな口から引き出すと、残り汁がとろりと出る先端を、彼女の唇で清めさせた。

「たまらねえな。こんなに助平な小娘が毎日相手してくれるなんてよう!」

 感極まって彼女の両乳房を強い力でひっぱたく。痛い。マイヤの顔が歪ませると、男は彼女の額を小突いた。

「人が褒めているのに泣いているんじゃねえ! ありがとうございますと言え、この廃棄物女!」

 マイヤは尚も乳房や頬を引ったかれる。ごめんなさいと何度も叫ぶ。けれども上半身の痛みをかき消すほど、下半身の快楽は強かった。

「ちっ。このおまんこばかの芋虫女め。ほれ。もう一度突っ込むから残さず飲めよ」

 男はマイヤの口を指でこじ開け、清めてもらったばかりの亀頭をねじ込んだ。

 下半身では口での愛撫を楽しんでいた男が、柔らかくほぐれきった膣にいきりきった太いペニスをこれから差し込むところだ。

「ほーれ、『便所おきさき様』。家来がたっぷりとちんぽを献上いたしまするぞ?」

 強く突き込み奥まで叩いた。禁断症状の苦しみはもうマイヤには無かった。

 いいや、飲精や性的な愛撫。それと性交こそが彼女の新たな麻薬となった。ペニスとザーメンにありつけないと気が狂ってしまう。

 麻薬的な行いを貪るマイヤは、夢中になって腰を振り、極太のそれを深々と咥えた。

 残り2人が近づき、彼女の乳房を鷲掴みにして握りつぶそうとする。白い肌が内出血を起こし、マイヤは許しを請う代わりに涙を流し続けた。

 そのうちにマイヤの下腹の中を蹂躙していた男が雄叫びをあげた。彼女は痛み以上に脳髄を支配し、痺れさせる快感を覚えて嬉し涙を浮かべた。

 しゃぶられた男も2度めの液剤をマイヤの胃に流し込んだ。射精を終えた男は他の2人と交代し、無様な性欲解消物の乳房をひっぱたいて高笑いした。

「……こやつら、調子に乗りすぎているな」

 アドルフは目の前の水晶版を見て苦く笑った。天井に仕込んでいた魔法で、上から寝台での乱行を眺めていたのだ。

 マイヤは性交で禁断症状を和らげることが出来るようだ。毒には毒で制せ、ということか。

「ヒッポタルト。こちらへ来い」

 その部屋の隅にいたヒッポタルトを見る。彼はおくるみを外したレーアの割れ目を弄くり、彼女を喜ばせていたところであった。

「ひひひ。何でしょう、アドルフ殿下?」
「レーアをそんなふうに玩具にするな。今は精液だけを飲ませればいいのだよ」

 それよりもである。そろそろマイヤの処分方法を決めたい。何か面白い趣向はないかと尋ねた。

「……で、あるならば。アドルフ様の副葬品として一緒に棺に閉じ込めるのはいかがでしょうか?」

 アドルフの死後、生きたまま一緒に重い棺に入れ、助けを求める悲鳴と泣き声とを黄泉路への楽曲として用いるのはどうだろうか。

「悪くはないな。けれども俺は騒がしいのは嫌だぞ?」
「となればアドルフ様の死後に絞め殺し、『不死のトカゲのしっぽ』の秘術でもって、生ける屍として末永く置くのはいかがでしょう?」

 動く屍。それは悪くないなとアドルフは考えた。とはいえマイヤにはもう1度仕事をしてもらいたい。

(先日シュタイナーより宣告された、残り少ない余生までには間に合うだろう……こやつらにはあのサキュバスをくれてやるか。)

 この館とは別の隠れ家に捕らえていた、サキュバスのノンの姿を思い浮かべた。治癒魔法がうまく効かず、2年前にえぐられた左乳房は未だに治っていない。

 彼女はたくさんの男達に24時間ずっと陵辱され続け、2人目の赤ん坊を孕んでいた。

 1人目は生まれた後に『親思いのひな鳥の献身』の原料にされた。薬は部下たちに振る舞われた。

「ヒッポタルト。あのバカどもの乱暴が終わったら、マイヤをきれいにして別室で眠らせておけ」
「何をなされるおつもりで?」
「いささか早い気もするが孫が欲しくなった。まあ、既にいるのだが娘たちの筋ではないよ」

 息子に孫の顔を見せてほしい。ぜひとも男児を望みたいとアドルフは笑う。

「マルティン様の……そういえば11歳におなりでしたな?」
「そうだ。あの歳にはとっくに、俺は侍女達に手を付けて子を産ませていた。どれも姫で政略結婚にしか使えなかった。たいへんに不本意だったな」

 この頃、マルティンは月の半分をコーヅケーニッヒで。もう半分をこのアノーヅで暮らすようになっていた。国王自らが帝王学を学ばせたかったということで、王都に滞在させられたのだ。

 この歳になると、そろそろ祖父の跡を継がせる為の準備を始めなければならない。王になる教育を。同時にマルティンにはイーガ王家の男児として、子を宿させる能力があることを示さなければならなかった。

 少年の頃に庶子を作るなど、この古い王国の当主や王子達にはよくある事。咎めるなんてもってのほか。むしろ奨励されるのだ。

「きゃつのぽこちんの相手をしている俺の妾どもや侍女たちは、みんな避妊魔法を使って出来るのを避けている。俺の息子の赤ん坊を産むことぐらい、俺が咎めだてすると思っているのかな、あの女どもは」
「であればひひひ。私めにもお妾様のうちおひとかたのお腹を試させていただければ……」
「僭越だぞヒッポタルト。いやなに、姫ならくれてやる。できの悪いのをな。但し実験の道具には使うなよ?」
「そりゃあうれしい! 天に昇る気分でございますよ。いひひひひ」
「ざれごともここまでだ。俺も準備に取り掛かる」

 マルティン、喜べ。お前の子の母親は、お前の初恋の女になるぞ。存分に注ぎ込んで楽しめ。

(俺が出来る最大の贈り物だ、我が子よ。)
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