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第二部 『呪いの序曲。イーガの魔王』 (少年編から青年編の間のエピソード。)
33 碩学姫の受難⑤
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夜はぬいぐるみを抱きしめて眠ったり、夜這いされておまんこをいじくられると「あっ……♡」と愛らしく悶えるオットーだが、昼間はきわめて謹厳実直だった。
男装の麗人、いいや、凛々しい若武者の様な立ち振る舞いにきわめて真面目な仕事ぶり。アノーヅに移った後も彼女はコーヅケーニッヒにいた時と同じく、目まぐるしい程に働いていた。
アドルフと近隣の村や町の代表との面会の打合せやコーヅケーニッヒからの査察官との会合。アドルフ一家に必要な食料や物資の手配も。
数いる執事達よりもオットーの方が優秀だった。倍以上も頭の回転が速い。事務用の書類もすぐに作り終え、字も達者だ。
彼女の『祖父』であるサキュバスのサファイアもまた、没落した貴族とはいえ古い名家の家宰として辣腕をふるっていた。オットーにはその才人の血が流れている。
また、彼女には他の小姓や侍女らと同じく、マルティンら館の子供達の守り役を任されていた。とにかく他の小姓よりマルティンとの仲がいい。
もう1人、マルティンと一番親しい異母妹のマレーネとも。もっとも、マレーネは彼女に友人としてだけでなく、ちんぽみたいなクリトリスでセックスの相手を求めたりした。
その日の昼食後、オットーはマレーネの部屋に呼び出されてねだられた。ねえねえ。いつものおんなのこちんちん、ちょうだい?
「ひ、ひめさま……」
「いいでしょ、オットー? 昨日だってしてくれたじゃない?」
マレーネにしがみつかれてねだられると、オットーは仕方なくズボンを脱いだ。ちんちんみたいに伸びて大きくなっているクリトリスは、この時10センチにまで伸びていた。
太さは子供のものみたいだが、ちゃんと陰核亀頭はめくれあがっていてふっくらとしている。マレーネは目を輝かせてそれを指でつっついた。
「あっ……」
「オットー! またまた可愛い声出してる!」
「あ、そ、その……恥ずかしいからおよしになってください」
「恥ずかしがることなんてないわ! はむ……」
マレーネがクリトリスの先を咥えてしゃぶりたてる。オットーは「ひゃうう♥」と悶えて身体の力が抜けてしまった。
マレーネの舌遣いは幼いながらに馴れていた。彼女はオットーのそれでフェラチオを日々勉強していたからだ。
可愛い亀頭をしゃぶり、男の物よりも敏感なその幹も舌でくすぐる。その下のオットーの女陰は濡れ切ってしまっていた。
「ま、マレーネ様……」
「すっかり硬くなったね、オットー?」
フェラチオを止めたマレーネは彼女のクリトリスを優しく包んで揉み始めた。
「あうううう……」
「オットー、たじたじになっているわ。女の子の顔になってる」
「は、はずかしいです。いわないで……」
幼いマレーネは快感に溺れるオットーの顔をじっと見る。凛々しさはすっかり抜けていた。女だから馬鹿にされたくないと気負っていたからだろう。
素顔の彼女は、顔立ちのきれいな年相応の少女だ。可愛い小物やぬいぐるみが大好きで寝るときはナイトキャップをかぶってぬいぐるみを抱きしめる。ぶりっこじみた趣味だがサキュバスの血が流れているので仕方が無いのだ。
マレーネはベッドにいざなった。オットーは脚が悪い彼女を抱き上げると寝台に寝かせ、脚を広げさせた。
スカートの裾をめくればマレーネの太ももと割れ目が。小さな姫が目くばせすると、彼女は勃起したそれをあてがった。
「オットー、いつもの様にめちゃくちゃにして?」
めちゃくちゃにされるのはオットーの神経だ。女膣に挿入しただけでエクスタシーを感じてしまった。それがマレーネを満足させるまで絶え間なく続く。
彼女は攻めつつ攻められていた。マレーネは子供のくせにお腹にぎゅっと力を入れて締めて来るからだ。オットーは他の姫やその母親にも同衾を求められたが、マレーネほど天性がある者はいなかった。
(あふ♥ ひゃっ♥ ま、マレーネさま♥ お、オットーはもう挿れるだけでタジタジでございます♥)
声には出さない。しかしマレーネの膣の締め方と快楽にとろけるあどけない顔に、オットーはもう腰が砕けて心も砕けていた。止まらない。
マレーネもふわふわとしている『偽ペニス』の挿入と膣の至る所を刺激してくれるのに夢中になり、可愛らしい欲深なお姫様の貌を見せる。
(ま、マレーネさまかわいい♥ 文字通りたべちゃいたい♥)
オットーは表面的には凛々しくて冷ややかだが、精神構造は淫魔族とさほど変わらなかった。「好きになるとどうにも止まらないの♥ あそこのしまり以外、全部がゆるくなっちゃう♥」。そういうことである。
「……オットー、ちゅっちゅしよう?」
「はい♥ マレーネしゃま♥ オットーをいつまでもお側に置いてくださいませ♥」
思考が愛の奴隷モードに切り替わったオットーは、ハメながら主君の姫君とキスをしあった。ちなみにだがこの時マレーネは「ちょろい女だ」と醒めていた。
(やっぱりサキュバスさんの血が流れているのね。オットーはいろいろと男の子との事で面倒を起こしそうだなあ。)
彼女は外見こそ愛らしかったが、心に悪魔を飼っていた。頭も良くマルティンの次に聡明だと父やその側近達から見られていた。
ちゅっちゅをし続けながらオットーはマレーネを強く抱きしめながら腰を動かす。マレーネは快感と絶頂を覚えながらも他のことを考える。
兄のマルティンについてだ。父親はお嫁さん候補としてオットーを考えているようだが、果たしてこの女は家内としてやっていけるだろうか。
(おねんねの時はこんなんだけど、仕事になると途端に真面目になるからなあ。家の中でも政治の事を議論しあうかもしれないしぴりぴりした時間が続くかもしれない。お兄様は耐えられるのかしら?)
父とは違いマレーネは、兄の妻や妾には温厚で家庭的な女の人がいいと考えていた。あと、お尻がとても魅力的な。ホーデンエーネンの『くそひねりの姫君』みたいな。
彼女は兄の趣味を存じていた。部屋にこっそり入って、秘蔵の『おしゃぶり姫』の猥褻な水晶玉をたびたび盗み見ていたのだ。
□ □ □ □ □
オットーとマレーネは気づいていた。この保養地に来てからアドルフの身体がやせ始め、頬がこけかけているのをである。
ただでさえやせ気味のアドルフは、最近めっきり体重を落としていた。腫瘍や悪い伝染病にかかったわけではない。ただ医者からは荒淫を避ける様にとすすめられていた。
「オットー。お父様、そんなにすけべえをしているのかな?」
ここ一年、妾達が孕んだという話は聞いていない。むしろここ1カ月、ご来訪がなされない妾もいる。そういう女は大体同性愛で解消するか、アドルフがつけてくれた巨根自慢の浮気相手で、避妊魔法ありのセックスでごまかすのだが。
「むしろ、オットーがお父様をひとりじめにしちゃっているから?」
「な、ななな! わ、わたしは! 殿下とその様な事は!」
「否定しなくていいよ。もうみんなにばれているんだし」
たびたび、オットーとアドルフのセックスをのぞいて妾達が股をいじっていたとマレーネは語った。昼間のかっこいいあなたと夜のかわいいあなたとのギャップを、みんな楽しんでいるのよ。
「はああ……そうでしたか。私はこのところ、お側仕えをした覚えがございません」
主君が愛しい男として対してくれたのは、先月に1回きりだ。コーヅケーニッヒ時代には週に1度は抱いてくれた。
アドルフは虚弱であるが性愛に関しては幼い頃から鍛えられ、割と強靭であった。生殖器も発達している。そっちに生命力を吸い取られてしまったのだろう。
しかし妾達との夜の睦み事が減ったのに、やけにやせ衰えるのは合点がいかなかった。決して病気がちになって政務が滞ってしまったとか、頭の回転が鈍くなったのではないが。
マレーネとオットーは窓の外を見る。一台の馬車が北東の方角に向かった。あちらの方角この御料地を守備する部隊の宿舎や砦があったはずだ。
「あの馬車は、お父様かしら?」
「かもしれませんね。アノーヅ守備隊の巡察に向かったのでしょう」
「静養中だというのにお父様は仕事熱心ね。部下に任せればいいのに」
しかし馬車は館から見えなくなったところで道をそれて北へ向かう。その馬車にアドルフは乗り込んでいた。北の隠れ家に住まうもう1人の妾、『眠り姫』を抱くためにであった。
□ □ □ □ □
「マイヤの腹の中の子は順調か?」
寝台の上で眠っていたままのマイヤの乳房を掌で締めながら、アドルフはヒッポタルトに問いかけた。すくすくとお育ちですよ、という声を聞いた後、彼はマイヤの秘裂に目を向けた。
精液が付着しているな。俺が来る前にはちゃんと拭き清めておけと口酸っぱく命じたのに。ふふふ、と笑みを浮かべて指でぬぐいとった。
「四六時中、この穴で男どもを迎え入れているというのに、一向に形が崩れもしなければ痛むこともないのだな、この娘は?」
「はい。サキュバスみたく鋼鉄のおまんこをしているご様子で。きっとお妃様の姉上様も、このような名器をお持ちでございましょう」
「ふん。寝ていても浮気をするこの女を、妃にした覚えはないぞ。俺はもっと貞淑な、自分の意思を強く持つ女が好きだ」
そう言い放ってアドルフは寂しくなった。本当に愛おしいエレクトラを思い出してだ。最近また手紙を寄越してくれた。カントニアのミナッカミニア山地のエルフについてだ。
ヌマタラシュクという男尊女卑主義の勢力とカタシナシュフというエルフとしてまっとうな女上位の勢力が小競り合いを繰り返しているという。
ヌマタラシュク派のほうが数は上だが、口ばかりが達者で威勢がいいだけのヘタレばかり。必ずと言っていいほど戦いに負けているという。
(そのカタシナシュフを率いるキファニアというのが、とても可愛い少女みたいに見える女エルフだが、年はあの種族ではババアの域だと書いてあったな。)
小柄で金髪のエレクトラを見て、キファニアは自分ら金色エルフの末裔かと思ったらしい。ここに移り住まないかと誘って来た。
キファニアは老婆の域のエルフだが、可愛い乙女みたいな服を着て手下たちに『おじょうさま』と呼ばせる変な女らしい。何せ、幼いお嬢様そのものみたいな姉がいて、それに対抗意識を持っていたからだという。
(『ミナッカミニアのやまねこ』、ハーフリングのマリベーラ……)
カントニア闇社会の有名人。いや、カントニア最強の存在と呼ばれる女アサシンである。ちょっとおまたをいじくられると「ひあああああん!」と泣き叫ぶようなチョロスケみたいだが。
エレクトラは里帰りしていた彼女に実際に会い、「もうやめてえええっ!」と泣き叫ばせたらしい。とってもかわいいおじょうさんでしたよ。娘にしたいですねぇ。などと書いてあった。
(いやいや。ハーフリングは好かん。だいいちあいつら、あのにっくきホーデンエーネンのご先祖だったりするではないかね。)
しかしエレクトラの実家の祖先の1人に、ハーフリングの男がいたというのは聞いたことがある。そう思いながらマイヤの割れ目の中に指を挿れ、こねくりながらこう思った。
(この娘にもホーデンエーネン家の血が流れているというな。俺が殺したのも同然のジュンケインの血が。)
ふふふ。アドルフは期待を抱いた。動いている時のこいつは愛嬌たっぷりの可愛い娘だと聞いた。実際に隠し撮りで見た彼女がそうだった。
(いつまでも死体を抱いていてはつまらない。起こすか。もう準備はできている。だまくらかす小道具も何もかもな。)
□ □ □ □ □
薄暗いその部屋の中で、マイヤは再び目覚めた。一体何時間寝ていたのだろう。一度目覚めた時は薄暗闇。また気を失い、同じ天井を見ている。
しかし前とは何かが違う。そうだ。全身に感覚がある。けれどもどこか欠けていたところがあった。首を動かそうと試してみた。
(重い……)
頭がなかなかあがらない。長い間眠っていた彼女は、筋力を確実に失っていた。とはいえアドルフは彼女に少しだけ温情をかけてくれた。衰えた身体を軽くする魔法を目覚める前にかけておいたのだ。
薄暗い明かりの中だが、はっきりと自分の乳房を見れた。気づく前より大きくなっている。乳首が立派になり過ぎてないか。赤ん坊が咥えるのに充分な大きさだなあ。
「でもどうして私、裸なんだろう……え?」
ようやく気づいた。右の二の腕。関節とその先にある腕が無かった。これは夢なのか。左腕も無かった。どういうことだ?
「わ、わ、わたしの両腕が……腕はどこ!」
激高と共に身体の感覚が更に鮮明になった。両方のすねやつま先の感覚がどこにも無い。感じるのは太ももだけ。
マイヤは力を振り絞って身体を横に傾け、二の腕を使って上体を持ち上げてみた。どうやら本当に何も身にまとっていないらしい。想像しなかったものを見てしまった。
太ももから下の両脚が無い。腹はたるんでいるものの平らになっている。私は妊娠したのではいのか。イズヴァルトの赤ちゃんをお腹の中で育てていなかったのか。
(脚は? 腕は? これは夢? だとしたら最悪の夢だよ!)
悪寒がこみあげて来る。マイヤは嗚咽し始めた。夢だ。これは絶対に夢なんだ。しかしこれは眠りが見せてくれている幻想では無かった。
扉が開く音が聞こえた。部屋の明かりが強くなり、彼女はまぶしさでめをつぶった。お目覚めでしたか、という声が聞こえてからようやく目を見開いた。
「こちらです。お嬢さん」
中肉中背の中年の医者と、瘦せがちな口ひげを蓄えた若い男が、マイヤの背後に立っていた。男はシーツをマイヤの身体にかぶせた。
「あ、あなたがたは……」
「お嬢さん。ようやく目覚める事が出来たのだね?」
口ひげの男は少し悲し気に、しかし笑みを浮かべてマイヤに呼びかけた。
「君はずっと眠っていたのだよ。お嬢さんのお名前はなんと言う? 私はアドルフ=トードヴェル=キョウゴクマイヤーというものだ」
男装の麗人、いいや、凛々しい若武者の様な立ち振る舞いにきわめて真面目な仕事ぶり。アノーヅに移った後も彼女はコーヅケーニッヒにいた時と同じく、目まぐるしい程に働いていた。
アドルフと近隣の村や町の代表との面会の打合せやコーヅケーニッヒからの査察官との会合。アドルフ一家に必要な食料や物資の手配も。
数いる執事達よりもオットーの方が優秀だった。倍以上も頭の回転が速い。事務用の書類もすぐに作り終え、字も達者だ。
彼女の『祖父』であるサキュバスのサファイアもまた、没落した貴族とはいえ古い名家の家宰として辣腕をふるっていた。オットーにはその才人の血が流れている。
また、彼女には他の小姓や侍女らと同じく、マルティンら館の子供達の守り役を任されていた。とにかく他の小姓よりマルティンとの仲がいい。
もう1人、マルティンと一番親しい異母妹のマレーネとも。もっとも、マレーネは彼女に友人としてだけでなく、ちんぽみたいなクリトリスでセックスの相手を求めたりした。
その日の昼食後、オットーはマレーネの部屋に呼び出されてねだられた。ねえねえ。いつものおんなのこちんちん、ちょうだい?
「ひ、ひめさま……」
「いいでしょ、オットー? 昨日だってしてくれたじゃない?」
マレーネにしがみつかれてねだられると、オットーは仕方なくズボンを脱いだ。ちんちんみたいに伸びて大きくなっているクリトリスは、この時10センチにまで伸びていた。
太さは子供のものみたいだが、ちゃんと陰核亀頭はめくれあがっていてふっくらとしている。マレーネは目を輝かせてそれを指でつっついた。
「あっ……」
「オットー! またまた可愛い声出してる!」
「あ、そ、その……恥ずかしいからおよしになってください」
「恥ずかしがることなんてないわ! はむ……」
マレーネがクリトリスの先を咥えてしゃぶりたてる。オットーは「ひゃうう♥」と悶えて身体の力が抜けてしまった。
マレーネの舌遣いは幼いながらに馴れていた。彼女はオットーのそれでフェラチオを日々勉強していたからだ。
可愛い亀頭をしゃぶり、男の物よりも敏感なその幹も舌でくすぐる。その下のオットーの女陰は濡れ切ってしまっていた。
「ま、マレーネ様……」
「すっかり硬くなったね、オットー?」
フェラチオを止めたマレーネは彼女のクリトリスを優しく包んで揉み始めた。
「あうううう……」
「オットー、たじたじになっているわ。女の子の顔になってる」
「は、はずかしいです。いわないで……」
幼いマレーネは快感に溺れるオットーの顔をじっと見る。凛々しさはすっかり抜けていた。女だから馬鹿にされたくないと気負っていたからだろう。
素顔の彼女は、顔立ちのきれいな年相応の少女だ。可愛い小物やぬいぐるみが大好きで寝るときはナイトキャップをかぶってぬいぐるみを抱きしめる。ぶりっこじみた趣味だがサキュバスの血が流れているので仕方が無いのだ。
マレーネはベッドにいざなった。オットーは脚が悪い彼女を抱き上げると寝台に寝かせ、脚を広げさせた。
スカートの裾をめくればマレーネの太ももと割れ目が。小さな姫が目くばせすると、彼女は勃起したそれをあてがった。
「オットー、いつもの様にめちゃくちゃにして?」
めちゃくちゃにされるのはオットーの神経だ。女膣に挿入しただけでエクスタシーを感じてしまった。それがマレーネを満足させるまで絶え間なく続く。
彼女は攻めつつ攻められていた。マレーネは子供のくせにお腹にぎゅっと力を入れて締めて来るからだ。オットーは他の姫やその母親にも同衾を求められたが、マレーネほど天性がある者はいなかった。
(あふ♥ ひゃっ♥ ま、マレーネさま♥ お、オットーはもう挿れるだけでタジタジでございます♥)
声には出さない。しかしマレーネの膣の締め方と快楽にとろけるあどけない顔に、オットーはもう腰が砕けて心も砕けていた。止まらない。
マレーネもふわふわとしている『偽ペニス』の挿入と膣の至る所を刺激してくれるのに夢中になり、可愛らしい欲深なお姫様の貌を見せる。
(ま、マレーネさまかわいい♥ 文字通りたべちゃいたい♥)
オットーは表面的には凛々しくて冷ややかだが、精神構造は淫魔族とさほど変わらなかった。「好きになるとどうにも止まらないの♥ あそこのしまり以外、全部がゆるくなっちゃう♥」。そういうことである。
「……オットー、ちゅっちゅしよう?」
「はい♥ マレーネしゃま♥ オットーをいつまでもお側に置いてくださいませ♥」
思考が愛の奴隷モードに切り替わったオットーは、ハメながら主君の姫君とキスをしあった。ちなみにだがこの時マレーネは「ちょろい女だ」と醒めていた。
(やっぱりサキュバスさんの血が流れているのね。オットーはいろいろと男の子との事で面倒を起こしそうだなあ。)
彼女は外見こそ愛らしかったが、心に悪魔を飼っていた。頭も良くマルティンの次に聡明だと父やその側近達から見られていた。
ちゅっちゅをし続けながらオットーはマレーネを強く抱きしめながら腰を動かす。マレーネは快感と絶頂を覚えながらも他のことを考える。
兄のマルティンについてだ。父親はお嫁さん候補としてオットーを考えているようだが、果たしてこの女は家内としてやっていけるだろうか。
(おねんねの時はこんなんだけど、仕事になると途端に真面目になるからなあ。家の中でも政治の事を議論しあうかもしれないしぴりぴりした時間が続くかもしれない。お兄様は耐えられるのかしら?)
父とは違いマレーネは、兄の妻や妾には温厚で家庭的な女の人がいいと考えていた。あと、お尻がとても魅力的な。ホーデンエーネンの『くそひねりの姫君』みたいな。
彼女は兄の趣味を存じていた。部屋にこっそり入って、秘蔵の『おしゃぶり姫』の猥褻な水晶玉をたびたび盗み見ていたのだ。
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オットーとマレーネは気づいていた。この保養地に来てからアドルフの身体がやせ始め、頬がこけかけているのをである。
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「オットー。お父様、そんなにすけべえをしているのかな?」
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「はああ……そうでしたか。私はこのところ、お側仕えをした覚えがございません」
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しかし妾達との夜の睦み事が減ったのに、やけにやせ衰えるのは合点がいかなかった。決して病気がちになって政務が滞ってしまったとか、頭の回転が鈍くなったのではないが。
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「あの馬車は、お父様かしら?」
「かもしれませんね。アノーヅ守備隊の巡察に向かったのでしょう」
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しかし馬車は館から見えなくなったところで道をそれて北へ向かう。その馬車にアドルフは乗り込んでいた。北の隠れ家に住まうもう1人の妾、『眠り姫』を抱くためにであった。
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「マイヤの腹の中の子は順調か?」
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精液が付着しているな。俺が来る前にはちゃんと拭き清めておけと口酸っぱく命じたのに。ふふふ、と笑みを浮かべて指でぬぐいとった。
「四六時中、この穴で男どもを迎え入れているというのに、一向に形が崩れもしなければ痛むこともないのだな、この娘は?」
「はい。サキュバスみたく鋼鉄のおまんこをしているご様子で。きっとお妃様の姉上様も、このような名器をお持ちでございましょう」
「ふん。寝ていても浮気をするこの女を、妃にした覚えはないぞ。俺はもっと貞淑な、自分の意思を強く持つ女が好きだ」
そう言い放ってアドルフは寂しくなった。本当に愛おしいエレクトラを思い出してだ。最近また手紙を寄越してくれた。カントニアのミナッカミニア山地のエルフについてだ。
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ヌマタラシュク派のほうが数は上だが、口ばかりが達者で威勢がいいだけのヘタレばかり。必ずと言っていいほど戦いに負けているという。
(そのカタシナシュフを率いるキファニアというのが、とても可愛い少女みたいに見える女エルフだが、年はあの種族ではババアの域だと書いてあったな。)
小柄で金髪のエレクトラを見て、キファニアは自分ら金色エルフの末裔かと思ったらしい。ここに移り住まないかと誘って来た。
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(いつまでも死体を抱いていてはつまらない。起こすか。もう準備はできている。だまくらかす小道具も何もかもな。)
□ □ □ □ □
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しかし前とは何かが違う。そうだ。全身に感覚がある。けれどもどこか欠けていたところがあった。首を動かそうと試してみた。
(重い……)
頭がなかなかあがらない。長い間眠っていた彼女は、筋力を確実に失っていた。とはいえアドルフは彼女に少しだけ温情をかけてくれた。衰えた身体を軽くする魔法を目覚める前にかけておいたのだ。
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「でもどうして私、裸なんだろう……え?」
ようやく気づいた。右の二の腕。関節とその先にある腕が無かった。これは夢なのか。左腕も無かった。どういうことだ?
「わ、わ、わたしの両腕が……腕はどこ!」
激高と共に身体の感覚が更に鮮明になった。両方のすねやつま先の感覚がどこにも無い。感じるのは太ももだけ。
マイヤは力を振り絞って身体を横に傾け、二の腕を使って上体を持ち上げてみた。どうやら本当に何も身にまとっていないらしい。想像しなかったものを見てしまった。
太ももから下の両脚が無い。腹はたるんでいるものの平らになっている。私は妊娠したのではいのか。イズヴァルトの赤ちゃんをお腹の中で育てていなかったのか。
(脚は? 腕は? これは夢? だとしたら最悪の夢だよ!)
悪寒がこみあげて来る。マイヤは嗚咽し始めた。夢だ。これは絶対に夢なんだ。しかしこれは眠りが見せてくれている幻想では無かった。
扉が開く音が聞こえた。部屋の明かりが強くなり、彼女はまぶしさでめをつぶった。お目覚めでしたか、という声が聞こえてからようやく目を見開いた。
「こちらです。お嬢さん」
中肉中背の中年の医者と、瘦せがちな口ひげを蓄えた若い男が、マイヤの背後に立っていた。男はシーツをマイヤの身体にかぶせた。
「あ、あなたがたは……」
「お嬢さん。ようやく目覚める事が出来たのだね?」
口ひげの男は少し悲し気に、しかし笑みを浮かべてマイヤに呼びかけた。
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