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第二部 『呪いの序曲。イーガの魔王』 (少年編から青年編の間のエピソード。)
32 碩学姫の受難④
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ジュンケイン王の突然の死から、ホーデンエーネンから追及の使者は来なくなった。ナントブルグに潜ませた諜報によれば、体制づくりにそれどころでは無いそうだ。
もう1つホーデンエーネンから知らせがあった。ソーロー家の婿当主・ケノービ=ソーローから弟のアナキン=スカルファッカーのイーガ留学が決まったのでよしなにして欲しい、という手紙が来たのだ。
留学の条件は整えられていた。彼の妻・ヨディアがルークという男児を産んだすぐ後に亡くなった。まだ17の歳で。アドルフがこっそり手配したアサシンの手によるものだった。
ケノービは常にイーガに協力することと、この条件を受け入れる為に注文をつけていた。昨年産まれた長男をスカルファッカー本家の跡継ぎにする工作をお願いしたい。
元々はケノービがソーロー家を。弟のアナキンがスカルファッカー家を継ぐ事に取り決められていたが、ケノービは生家の血統を諦めていなかった。
(ふん。カツランダルク御三家のうち2つの家を手中にしたいか。ケノービめ。随分と欲深なものよ。)
彼の愛人となり子も産んだ女スパイからケノービの評価を聞いていた。策だけしか能が無い愚物。あの性格ではいずれソーロー家も潰れるだろう。あるいは力を大きく失うか。
(自分でもそれがわかっているから、有能な弟を追い出したいのだろう。とって代わられない様にな。)
兄のケノービに対して弟のアナキンは評判だ。幼い頃から神童と言われ物覚えが早いと聞く。魔法の才も卓越しているらしい。それと生殖もお盛んらしい。16歳で既に2人の子がいる。
その子供時代の家庭教師だった学問所のパルパティアが、大物魔道士になれると一押ししていた。アドルフもわかる。懐柔し支援するならアナキンのほうがいい。将来見込みがあるからだ。
しかしアナキンには恐れがあった。イズヴァルト亡き後のホーデンエーネンの英雄になるかもしれないからだ。その為の布石をこれから打つ。
(魔法の才だけ伸ばして他は伸ばさぬ。ホーデンエーネン王に忠義を尽くす領主にではなく、このイーガで才を振るってもらわねば、な。)
ホーデンエーネン王国の弱体化。それこそがアドルフが望んでいた事である。結局のところ仕掛けた数々の謀略も、恐ろしい底力を秘めているかの国からイーガを守る為だ。
そしてもう1人。彼というかイーガ王家を脅かすかもしれない存在を封じ込める必要もあった。マイヤとその姉。つまりはナントブルグの女王の末裔のカツランダルク本流である。
□ □ □ □ □
アドルフはマイヤが産んだ自分の娘にロゼ、という名前をつけた。本当に自分の子かと遺伝子の検査をさせたが問題なし。紛れもなく彼の精子によって造られた子供だった。
感慨深い。イーガの安寧の統治を崩す存在として忌み嫌われた一族の子孫と血を混じらせるとはな。ロゼは今も眠るマイヤの乳首を吸って、順調に育っている。
とはいえ母と違って肉付きはよろしくなく、あばらが浮き出たその身体は貧民の女が産んだ幼いうちに死にそうな赤ん坊の様にも思えてならなかった。
薄暗い地下の部屋の中。ロゼが目を閉じながら母親の乳房を吸い立てる。マイヤの乳房はさらに大きくなっていた。測ったら胸囲が100を超えていた。
対してお腹は妊娠線が生じて醜いたるみが出来たが、まだまだきれいなものだった。柔らかな母の乳房を美味しそうに飲んでいるロゼはどうか。やせっぽちだった。
(この娘は早くに死ぬかもしれんな。もう1人をこさえておくか。)
アドルフは部屋着のガウンの裾をはだけ、勃起したペニスを寝ているマイヤのほぞの下にあてがった。マイヤの腹にかかっていた避妊の魔法を解除する。
出産から二週間経った。ヒッポタルトらの適切な処置で内性器は完治され、セックスは出来る状態にあった。
それから彼女ののどに伸びている管から入る点滴は、排卵を促進させる薬と『親思いのひな鳥の献身』が混ざっていた。
あの禁薬だがマイヤの胎児を原料とした分は既に無かった。代わりに人身売買市場にいた奴隷の赤ん坊を買い付けて用いている。二束三文で買える代物だ。
(出来が良くないとヒッポタルトがぼやいていたが……どうでもいい話だ。)
今はマイヤの身体を貪りたい。亀頭が締め付け強くかつ柔らかな膣の中に入り込んだ。アドルフは倒れ込む。ロゼが右の乳房を吸うなら自分は左だ。
マイヤの乳首はクリトリスの様に硬くて弾力があるものの、しゃぶるにつれて柔かくなった。母乳がにじみ出て来てそれをすすった。新鮮かつ濃厚な若い娘の乳の味だ。とても甘い。
舌で転がしながら飲み込んで胃におさめる。途端に下半身の張り詰めが激しくなった。陰嚢が重く感じる。破裂しそうだ。出したくなってたまらない。
アドルフはマイヤの母乳を盛んに吸い立てつつ、乱暴に腰を振り続けた。到達は濁流にのまれるかの如くの激しい快感を伴った。
「……ふう」
まるで数回分も放出をさせられたと思う様な快感と、その後の重苦しい疲労感。しかしペニスは硬いままだ。アドルフはゆっくりと腰を振って、マイヤの中の具合を楽しむ。
息が荒かった。これが落ち着けば2回目の放精をしてやる。マイヤにまた、子を孕ませねばならない。息が落ち着いた後につとめを果たそうと動き始めた。
(むっ。何かが……)
心臓に強い痛みを感じた。息が苦しくなり動けなくなる。荒い呼吸を繰り返しながらアドルフは何も考えられなくなった。視界は真っ暗になって見えなくなる。
□ □ □ □ □
「殿下。お加減はいかがですか?」
「……大丈夫だ」
アドルフは別室にてヒッポタルトらの介抱を受けていた。おおよそ3時間も意識を失っていたらしい。そのくせ腰だけは動いていて、マイヤの膣に2回目の射精を施したと聞いて呆れるほどに可笑しかった。
「生殖欲だけは誇るべきだが……原因は何だ?」
「お身体がますます弱くなっているご様子です。もう半年、このアノーヅで静養なさった方がよろしいでしょう」
「そういえば、俺ももう30だな」
アドルフは幼い頃に医者から言われていた。30も生きれば御の字の身体だと。その割に毎年子供が産まれるのは、彼の生殖器は本体と違ってタフだからである。
「静養は父上に申し出る事にしよう。さて、マルティン達が待つ本宅に戻る。もういいか?」
「馬車に乗られたほうがよろしいでしょうな。あと、ご心配なく。マイヤさまには避妊魔法をかけましたゆえ」
しかし、とヒッポタルトは思う。新しい命がまた芽生えつつあるだろう。出産直後の1カ月は、マイヤへの性交はしないように自分にも屋敷の者に言いつけた。
(ロゼ姫さまは早くにお亡くなりになりそうですからな。一刻も早くもう1人のお子様を、という事で手筈をととのえておりますよ。殿下。)
アドルフが用意した馬車に乗って本邸に戻ると、ヒッポタルトは地下室にいるマイヤの様子を見に伺った。彼女は医療魔道士達によって身体を清められ、膣に残った精液をかきだされていた。
しかしロゼの姿が見えなかった。尋ねると調べる事がある為に保育室へ他の魔道士が連れて行ったと返事があった。
「どのような調べものだね?」
「この『生ずりあなつきだるま人形』が幼い頃は虚弱児で、サキュバスみたいな真似ごとを初めてから健康になった、という話はあの淫魔から聞いているだろ?」
「ノンの話か。本当らしいな」
仲間の魔道士がその先を語ろうとする。ヒッポタルトはわかっている、と答えてとどめた。後で様子を見に伺ってやろうと考えた。
その頃保育室では、ロゼを連れて行った魔道士の男が丸出しにしたペニスの先を赤ん坊に咥えさせていた。
ロゼはまるで母親の乳房の様に、亀頭の先に吸いついて離れなかった。愛らしく無垢な存在への背徳に欲情をきたしながら、幹をしごいていた男のペニスは頂点に達した。
ロゼは半開きにして亀頭の先から放り出されたものを口の中に入れる。赤ん坊はこれまでになく嬉しそうな顔をしながら飲み込んだ。
「ああ、ロゼちゃま……」
もっとのみたいでちゅか。乳児にも淫欲を覚える趣味を持つ魔道士は、もっと飲ませてやろうと硬いままのペニスをしごきたてる。ロゼはもっと欲しそうに小さな口を動かした。
その頃からである。ロゼがすこやかに太り始め、病気にかからなくなったのは。彼女にも『おしゃぶり姫』の血は確かに引き継がれていたのだ。
□ □ □ □ □
アドルフが気を失った性交の時にマイヤは2人目を受胎した。あれから1週間後にその兆候が見受けられる、と聞かされたアドルフは。とてもめでたい事だと喜んでいた。
「アドルフ様。何をそんなににやにやとなさっているので?」
目の前の少年に声をかけられてアドルフは苦笑した。もう1人。彼の横に並んでいた褐色肌の可愛らしい娘が、しきりにオットーのことをじっと見つめてきて彼女に嫌がられていた。
「見苦しいところを見せてしまい、すまない。遠いホーデンエーネンから立派な少年と可愛らしい奥方を目にして喜んでしまったのだよ」
褒めてやると少年が照れ笑いをして少女は朗らかな笑みを浮かべて彼に抱き着く。背の高い金髪の、この少年こそがアナキン=スカルファッカーであった。
横にいるのは彼の幼馴染でアナキンの2人の娘の実の母親。スカルファッカー領の農家の娘でピルリアという名前だ。アナキンの1歳年上で幼いころからの遊び友達だったという。
ピルリアはホーデンエーネン人ではなく、シマナミスタン人の顔つきだった。耳も若干とがっている。聞けば祖母がシマナミスタン=エルフの女だとか。
身長は155程だが、横幅がやや広くてがっしりとしていた。それはともかく乳房がとてもたわわに実っている。顔立ちにはとても愛嬌があった。
(ナハリジャーヤのエルフというのが、この娘に体格が似ていると聞いているが。)
それよりもおかしくてならないのは、幼いころから独身の兄貴に毎晩セックスをしていたという話だ。そういやエルフはそういう人種だったな。近親相姦なんて背徳でもなんでもない。子供さえ出来なければ。
「で、アナキンぼっちゃんのほかにわたしも招かれたとは、どういうことでしょうかね?」
「ピルリアにも魔法の才があると学問所のパルパティアから聞いてな。それに2人とも仲睦まじいと聞いた。ならば一緒の方が良いと思ったのだよ」
まるでイズヴァルトとマイヤの様だ。しかし彼等と違って嫉妬心やよからぬ考えが頭をもたげなかったのは、この2人は与しやすいと感じたからだ。
アナキンとピルリアは鷹揚としていてしかも人を疑うという事を知らない様だ。いや、アナキンはどこか老成しているところが見受けられる。でも少なくとも、イズヴァルトの様にこっちに転ばない事は無いだろう。
「まずはこの3日間、私の別荘でゆっくりしてくれ。マルティンにいろいろと聞かせてやって欲しい。それから……」
3日後には魔道学問所へ入学してもらう。専属の講師をつけよう。パルパティアだ。その申し出に2人は歓喜した。
「パルパティアせんせいが! このイーガにいらっしゃるんですか!」
「おばちゃん、まだあのすけすけスカートをはいているのかしらねえ?」
「もちろんだよ。パルパティアのやつは現役だからな。色気を振りまいているらしい。ひどいものだ」
アナキンの胸が時めいた。あの美しいパルパティアに会える。恋人がよからぬ思いを抱いたのを鋭敏に感じ取ってピルリアは彼の背中を叩いた。
しかし彼女が目を向けていたのはオットーである。とってもかわいい男の子だなあ。そう思いながら今夜の浮気の相手になってくれないかと視線を向けていた。
(……始末に負え無さそうな子だな、この子。)
エルフがどれだけおぞましい攻め方をするか、オットーは何度か経験した事がある。彼女達の腕の中では女の子になってしまった。
あれこれと断る方法を考えながら夜になった。いつもするように猫のぬいぐるみを抱きかかえてすやすやと眠りについていた時、彼女は何者かに揺り動かされた。
「きちゃったよ。今夜一晩、添い寝をしてくれないかねえ?」
ピルリアの声だった。嫌だ。オットーは断ったが5分後にはぬいぐるみをきつく抱きしめながら可愛い女の子の声を出し続けていた。断り切れずにピルリアの求めを受け入れてしまったからだ。
「あう。あううう……」
「やっぱり思った通り。女の子だったのねえ?」
「ひゃうっ。しょ、しょこをくりくりしないでほしいの……」
「だめだよう? 自分に正直にならんと?」
オットーは参ってしまった。3日後の別れの時、涙をこぼしながら恋文を書くぐらいに惚れてしまったのである。
もう1つホーデンエーネンから知らせがあった。ソーロー家の婿当主・ケノービ=ソーローから弟のアナキン=スカルファッカーのイーガ留学が決まったのでよしなにして欲しい、という手紙が来たのだ。
留学の条件は整えられていた。彼の妻・ヨディアがルークという男児を産んだすぐ後に亡くなった。まだ17の歳で。アドルフがこっそり手配したアサシンの手によるものだった。
ケノービは常にイーガに協力することと、この条件を受け入れる為に注文をつけていた。昨年産まれた長男をスカルファッカー本家の跡継ぎにする工作をお願いしたい。
元々はケノービがソーロー家を。弟のアナキンがスカルファッカー家を継ぐ事に取り決められていたが、ケノービは生家の血統を諦めていなかった。
(ふん。カツランダルク御三家のうち2つの家を手中にしたいか。ケノービめ。随分と欲深なものよ。)
彼の愛人となり子も産んだ女スパイからケノービの評価を聞いていた。策だけしか能が無い愚物。あの性格ではいずれソーロー家も潰れるだろう。あるいは力を大きく失うか。
(自分でもそれがわかっているから、有能な弟を追い出したいのだろう。とって代わられない様にな。)
兄のケノービに対して弟のアナキンは評判だ。幼い頃から神童と言われ物覚えが早いと聞く。魔法の才も卓越しているらしい。それと生殖もお盛んらしい。16歳で既に2人の子がいる。
その子供時代の家庭教師だった学問所のパルパティアが、大物魔道士になれると一押ししていた。アドルフもわかる。懐柔し支援するならアナキンのほうがいい。将来見込みがあるからだ。
しかしアナキンには恐れがあった。イズヴァルト亡き後のホーデンエーネンの英雄になるかもしれないからだ。その為の布石をこれから打つ。
(魔法の才だけ伸ばして他は伸ばさぬ。ホーデンエーネン王に忠義を尽くす領主にではなく、このイーガで才を振るってもらわねば、な。)
ホーデンエーネン王国の弱体化。それこそがアドルフが望んでいた事である。結局のところ仕掛けた数々の謀略も、恐ろしい底力を秘めているかの国からイーガを守る為だ。
そしてもう1人。彼というかイーガ王家を脅かすかもしれない存在を封じ込める必要もあった。マイヤとその姉。つまりはナントブルグの女王の末裔のカツランダルク本流である。
□ □ □ □ □
アドルフはマイヤが産んだ自分の娘にロゼ、という名前をつけた。本当に自分の子かと遺伝子の検査をさせたが問題なし。紛れもなく彼の精子によって造られた子供だった。
感慨深い。イーガの安寧の統治を崩す存在として忌み嫌われた一族の子孫と血を混じらせるとはな。ロゼは今も眠るマイヤの乳首を吸って、順調に育っている。
とはいえ母と違って肉付きはよろしくなく、あばらが浮き出たその身体は貧民の女が産んだ幼いうちに死にそうな赤ん坊の様にも思えてならなかった。
薄暗い地下の部屋の中。ロゼが目を閉じながら母親の乳房を吸い立てる。マイヤの乳房はさらに大きくなっていた。測ったら胸囲が100を超えていた。
対してお腹は妊娠線が生じて醜いたるみが出来たが、まだまだきれいなものだった。柔らかな母の乳房を美味しそうに飲んでいるロゼはどうか。やせっぽちだった。
(この娘は早くに死ぬかもしれんな。もう1人をこさえておくか。)
アドルフは部屋着のガウンの裾をはだけ、勃起したペニスを寝ているマイヤのほぞの下にあてがった。マイヤの腹にかかっていた避妊の魔法を解除する。
出産から二週間経った。ヒッポタルトらの適切な処置で内性器は完治され、セックスは出来る状態にあった。
それから彼女ののどに伸びている管から入る点滴は、排卵を促進させる薬と『親思いのひな鳥の献身』が混ざっていた。
あの禁薬だがマイヤの胎児を原料とした分は既に無かった。代わりに人身売買市場にいた奴隷の赤ん坊を買い付けて用いている。二束三文で買える代物だ。
(出来が良くないとヒッポタルトがぼやいていたが……どうでもいい話だ。)
今はマイヤの身体を貪りたい。亀頭が締め付け強くかつ柔らかな膣の中に入り込んだ。アドルフは倒れ込む。ロゼが右の乳房を吸うなら自分は左だ。
マイヤの乳首はクリトリスの様に硬くて弾力があるものの、しゃぶるにつれて柔かくなった。母乳がにじみ出て来てそれをすすった。新鮮かつ濃厚な若い娘の乳の味だ。とても甘い。
舌で転がしながら飲み込んで胃におさめる。途端に下半身の張り詰めが激しくなった。陰嚢が重く感じる。破裂しそうだ。出したくなってたまらない。
アドルフはマイヤの母乳を盛んに吸い立てつつ、乱暴に腰を振り続けた。到達は濁流にのまれるかの如くの激しい快感を伴った。
「……ふう」
まるで数回分も放出をさせられたと思う様な快感と、その後の重苦しい疲労感。しかしペニスは硬いままだ。アドルフはゆっくりと腰を振って、マイヤの中の具合を楽しむ。
息が荒かった。これが落ち着けば2回目の放精をしてやる。マイヤにまた、子を孕ませねばならない。息が落ち着いた後につとめを果たそうと動き始めた。
(むっ。何かが……)
心臓に強い痛みを感じた。息が苦しくなり動けなくなる。荒い呼吸を繰り返しながらアドルフは何も考えられなくなった。視界は真っ暗になって見えなくなる。
□ □ □ □ □
「殿下。お加減はいかがですか?」
「……大丈夫だ」
アドルフは別室にてヒッポタルトらの介抱を受けていた。おおよそ3時間も意識を失っていたらしい。そのくせ腰だけは動いていて、マイヤの膣に2回目の射精を施したと聞いて呆れるほどに可笑しかった。
「生殖欲だけは誇るべきだが……原因は何だ?」
「お身体がますます弱くなっているご様子です。もう半年、このアノーヅで静養なさった方がよろしいでしょう」
「そういえば、俺ももう30だな」
アドルフは幼い頃に医者から言われていた。30も生きれば御の字の身体だと。その割に毎年子供が産まれるのは、彼の生殖器は本体と違ってタフだからである。
「静養は父上に申し出る事にしよう。さて、マルティン達が待つ本宅に戻る。もういいか?」
「馬車に乗られたほうがよろしいでしょうな。あと、ご心配なく。マイヤさまには避妊魔法をかけましたゆえ」
しかし、とヒッポタルトは思う。新しい命がまた芽生えつつあるだろう。出産直後の1カ月は、マイヤへの性交はしないように自分にも屋敷の者に言いつけた。
(ロゼ姫さまは早くにお亡くなりになりそうですからな。一刻も早くもう1人のお子様を、という事で手筈をととのえておりますよ。殿下。)
アドルフが用意した馬車に乗って本邸に戻ると、ヒッポタルトは地下室にいるマイヤの様子を見に伺った。彼女は医療魔道士達によって身体を清められ、膣に残った精液をかきだされていた。
しかしロゼの姿が見えなかった。尋ねると調べる事がある為に保育室へ他の魔道士が連れて行ったと返事があった。
「どのような調べものだね?」
「この『生ずりあなつきだるま人形』が幼い頃は虚弱児で、サキュバスみたいな真似ごとを初めてから健康になった、という話はあの淫魔から聞いているだろ?」
「ノンの話か。本当らしいな」
仲間の魔道士がその先を語ろうとする。ヒッポタルトはわかっている、と答えてとどめた。後で様子を見に伺ってやろうと考えた。
その頃保育室では、ロゼを連れて行った魔道士の男が丸出しにしたペニスの先を赤ん坊に咥えさせていた。
ロゼはまるで母親の乳房の様に、亀頭の先に吸いついて離れなかった。愛らしく無垢な存在への背徳に欲情をきたしながら、幹をしごいていた男のペニスは頂点に達した。
ロゼは半開きにして亀頭の先から放り出されたものを口の中に入れる。赤ん坊はこれまでになく嬉しそうな顔をしながら飲み込んだ。
「ああ、ロゼちゃま……」
もっとのみたいでちゅか。乳児にも淫欲を覚える趣味を持つ魔道士は、もっと飲ませてやろうと硬いままのペニスをしごきたてる。ロゼはもっと欲しそうに小さな口を動かした。
その頃からである。ロゼがすこやかに太り始め、病気にかからなくなったのは。彼女にも『おしゃぶり姫』の血は確かに引き継がれていたのだ。
□ □ □ □ □
アドルフが気を失った性交の時にマイヤは2人目を受胎した。あれから1週間後にその兆候が見受けられる、と聞かされたアドルフは。とてもめでたい事だと喜んでいた。
「アドルフ様。何をそんなににやにやとなさっているので?」
目の前の少年に声をかけられてアドルフは苦笑した。もう1人。彼の横に並んでいた褐色肌の可愛らしい娘が、しきりにオットーのことをじっと見つめてきて彼女に嫌がられていた。
「見苦しいところを見せてしまい、すまない。遠いホーデンエーネンから立派な少年と可愛らしい奥方を目にして喜んでしまったのだよ」
褒めてやると少年が照れ笑いをして少女は朗らかな笑みを浮かべて彼に抱き着く。背の高い金髪の、この少年こそがアナキン=スカルファッカーであった。
横にいるのは彼の幼馴染でアナキンの2人の娘の実の母親。スカルファッカー領の農家の娘でピルリアという名前だ。アナキンの1歳年上で幼いころからの遊び友達だったという。
ピルリアはホーデンエーネン人ではなく、シマナミスタン人の顔つきだった。耳も若干とがっている。聞けば祖母がシマナミスタン=エルフの女だとか。
身長は155程だが、横幅がやや広くてがっしりとしていた。それはともかく乳房がとてもたわわに実っている。顔立ちにはとても愛嬌があった。
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それよりもおかしくてならないのは、幼いころから独身の兄貴に毎晩セックスをしていたという話だ。そういやエルフはそういう人種だったな。近親相姦なんて背徳でもなんでもない。子供さえ出来なければ。
「で、アナキンぼっちゃんのほかにわたしも招かれたとは、どういうことでしょうかね?」
「ピルリアにも魔法の才があると学問所のパルパティアから聞いてな。それに2人とも仲睦まじいと聞いた。ならば一緒の方が良いと思ったのだよ」
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アナキンとピルリアは鷹揚としていてしかも人を疑うという事を知らない様だ。いや、アナキンはどこか老成しているところが見受けられる。でも少なくとも、イズヴァルトの様にこっちに転ばない事は無いだろう。
「まずはこの3日間、私の別荘でゆっくりしてくれ。マルティンにいろいろと聞かせてやって欲しい。それから……」
3日後には魔道学問所へ入学してもらう。専属の講師をつけよう。パルパティアだ。その申し出に2人は歓喜した。
「パルパティアせんせいが! このイーガにいらっしゃるんですか!」
「おばちゃん、まだあのすけすけスカートをはいているのかしらねえ?」
「もちろんだよ。パルパティアのやつは現役だからな。色気を振りまいているらしい。ひどいものだ」
アナキンの胸が時めいた。あの美しいパルパティアに会える。恋人がよからぬ思いを抱いたのを鋭敏に感じ取ってピルリアは彼の背中を叩いた。
しかし彼女が目を向けていたのはオットーである。とってもかわいい男の子だなあ。そう思いながら今夜の浮気の相手になってくれないかと視線を向けていた。
(……始末に負え無さそうな子だな、この子。)
エルフがどれだけおぞましい攻め方をするか、オットーは何度か経験した事がある。彼女達の腕の中では女の子になってしまった。
あれこれと断る方法を考えながら夜になった。いつもするように猫のぬいぐるみを抱きかかえてすやすやと眠りについていた時、彼女は何者かに揺り動かされた。
「きちゃったよ。今夜一晩、添い寝をしてくれないかねえ?」
ピルリアの声だった。嫌だ。オットーは断ったが5分後にはぬいぐるみをきつく抱きしめながら可愛い女の子の声を出し続けていた。断り切れずにピルリアの求めを受け入れてしまったからだ。
「あう。あううう……」
「やっぱり思った通り。女の子だったのねえ?」
「ひゃうっ。しょ、しょこをくりくりしないでほしいの……」
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