聖騎士イズヴァルトの伝説 外伝 『女王の末裔たち』

CHACOとJAGURA

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第二部 『呪いの序曲。イーガの魔王』 (少年編から青年編の間のエピソード。)

21 呪いの序曲②

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 赤ん坊が生み出される道の出口とその門を丹念に舐め、濡れきって熱くなった通り道に肉棒を行き来させ、清めの精液をたっぷりと流し込むのが止まらなかった。その日のマイヤとの濃密な時間は、イズヴァルトにとって忘れられぬ記憶となった。

 翌日、イズヴァルトは宴に招かれた。魔法で強化した木材を取り扱う商人が彼を呼んだ。でっぷりとして豪快に笑う男だった。ロフトファーレンという姓で200年前から続く材木商の当主である。

 手紙に書いてあった2人の娘は、今は亡き母親に似てお尻が大きな美少女である。兄と姉がいるが商売のためにトーバコフの荷揚げ船の視察にいっているという。

「しかしロストファーレンどの。なにゆえこんな真昼間を指定したでござるか?」
「がははは! おとぼけなさいまするな。宴の前に是非ともやっていただきたいのですよ!」

 その10分後、イズヴァルトはロストファーレンの2人の娘と裸になってもつれあっていた。姉のヴァギナを舐めれば妹に挿入を。射精を果たせば今度は逆に。その繰り返しだ。

「い、イズヴァルトさま!」
「わたしたちはこの日をお待ちしておりましたわっ!」

 お尻の大きな姉妹は臀部をぷにぷにと震わせながら、代わる代わるイズヴァルトの精を腰の中に収めて行った。

 彼に贈った陰毛で造った指輪に、何かしらの験があったのだろう。彼女達は喜びの声をあげながら受精させることに成功した。10カ月後には同じ日に、彼の娘を産むこととなった。

 激しい行為が終っても尚、姉妹はイズヴァルトのへなっとなったペニスに唇や舌を這わせていた。絶対に妊娠しそうなぐらいの量を彼女達の膣の中に放り込んだから、今夜のザーメンミルクは薄いに違いない。

「も、もうこれ以上は出せないでござるよ……」
「イズヴァルトさまは噂通りのたくましいお方でしたわ」
「私も姉も、立派な貴方様のおちんちんに可愛がられてうれしゅうございます」

 だからもう一回でいいから相手をして。イズヴァルトは無理やり勃起せざるを得なくなった。交合は4時間も及んだのにまだやり足らないとは。

 そこに扉を叩く音が。宴の支度が整いました。イズヴァルトは支度を整えると、娘達に手を引かれて宴の会場へ向かった。

 孕ませセックスで下半身がくたくたになり、夜のマイヤへのごちそうの為に生産のぴっちをあげだした陰嚢のせいで、イズヴァルトの意識はぼやんとなっていた。

 会場に入るとロストファーレンと宴に参加する彼の商売仲間がイズヴァルトに挨拶した。お目に書かれて光栄です。なかなかにハンサムな騎士様ですな。

「ホーデンエーネンもとんだ至宝をお持ちですな! かような立派な美男子の騎士を擁するとは、かの国王も鼻高々でございましょう!」
「お、お世辞はそれぐらいにして、お腹がすいたのでお食事を頂きとうござるよ……」

 こりゃ失礼。イズヴァルトを取り巻く男達が大笑いして彼を席に座らせた。テーブルの上には食べきれないぐらいの豪華な料理がある。

「イーガではあまり口をつけずに酒やおしゃべりを楽しむものですが、果たしてホーデンエーネンではいかにするのでしょうかね?」
「我が国は身体こそ第一と幼い頃から教えられているゆえ、出された料理はとにかくがっつけ、とされているでござるよ!」

 言った通りにイズヴァルトは食事に手を付けた。子豚の丸焼き。鴨肉のスライス。根菜と葉物をくたくたになるまで煮込んだクリームシチューなど。

 パンは特に美味かった。甘さもしょっぱさも感じる。食感も食べているという感じがして手と口が止まらない。イーガは肥沃な土地柄で、凶作に遭った事は滅多に無かった。

 イズヴァルトは食事の最中、ロストファーレンと仲間の商人達に、ここ最近の強化材木はどこに輸出されているのか尋ねた。とりあえずは商人に招かれたのだからビジネスの話を聞いてみようと思ったからである。

「船を造っているのですよ。カントニアとシマナミスタンの大陸間貿易を活発にする。そういう計画を国王陛下は立てている様です」
「陛下は軍港のトーバコフを拡張して貿易を発展させるつもりらしいです。交易所の建材も我々の商会が取り扱っているのですよ」
「ホーデンエーネンへの輸出も考えておりますが、あちらは木材よりも石材を大事にしておりますからな。どうもパラッツォ教団と一戦交えるらしく、北部にはいくつもの砦が補強されているらしいのは、イズヴァルトさんもご存じですよね?」

 北部の防塁を強化するという話は、イズヴァルトも噂程度だが聞いていた。しかしホーデンエーネンに足りないのは築城技師だ。尚武の国としては重要な職種だが、意外と数が少なかった。

(南部はともかく。北部は魔法での遠距離攻撃を考えた防備を施していると聞いておらぬでござる……)

 内乱の鎮圧に向かった北部の砦や城塞は、堀が無かったし攻め落とせるのに容易な場所にばかり建っていた。保全管理する北部諸侯は、南よりももつと野戦を重んじていたからだ。

 もっとひどい事に各領主の城下町となると、堀も城壁も無い。パラッツォ教団は集団戦法をしっかりやって攻めて来ると聞く。むしろ人海戦術をだ。

 へたな防塁や砦では太刀打ちできないかもしれない。しっかりと守る防衛ラインが出来れば。イズヴァルトはカントニアにいるエルフの築城技師・ミレイユ=キョーライを招聘できぬかと考えた。

(マイヤがいう『まじのせん』や『じーくふりーとせん』みたいなのを築ければ良いのでござるが……)

 そんなことを考えていたところでスープが出てきた。口直し用の玉ねぎのスープだ。それを皿ごとつかんでイズヴァルトはごくりと飲んだ。なんだこれは。とても美味でござるな!

「これはうまい! お願いがござる。もう一杯頂きたい!」
「ははは。イズヴァルトさん。ただのたまねぎのスープなのに随分とお気に召しておいでですな?」

 ただのスープではない。海産物によるだしを入れている。味に割とうるさいイズヴァルトでもおかわりしたくなる美味がその薄い小麦色の液体には沢山含まれていたのだ。

 
□ □ □ □ □


「あのイズヴァルトという男は宴の最中、あのスープをごくごくと何度もおかわりをしておりましたが、そのせいで毒が身体に駆け巡る事は無いのですか?」
「リノア。心配しなくてもよい。ヒッポタルト特製の『プレセペの死に至る病』は、どんなに飲んでも5日後ぐらいに発症するものだ。実験台にした死刑囚に飲ませたが、きゃつらは大体そのぐらいに容態が急変して死んだよ」

 アドルフが念話魔法で話しかけるのは、あの宴に女給仕として潜ませた部下だ。彼女もアドルフお抱えの闇魔道士。ヒッポタルトが研究班なら彼女は現場班だ。

「しかし惨いものですね。あのイズヴァルト、宴での様子を見ている限りだと、イーガに害を及ぼす様な者には到底思えませんが?」
「あやつの裏にいるのが面倒なのだ。それにあの少年は戦場では最強と言われているらしい。この度の計略はホーデンエーネンの弱体化にはなくてはならない」
「承知。それでは私は次の作戦に移ります。終わりましたらまたご連絡いたします」

 リノアは通信を切った。彼女はこれからホーデンエーネンに向かう。イズヴァルトがマイヤと仲たがいを起こし、学問所の講義をさぼってイーガの美女たちと盛んに遊びまわっているという噂を広める為にだ。

「イズヴァルト殺しの毒は仕込んだ。次はきゃつをこのコーヅケーニッヒから離れさせる段階だ」

 都を何らかの理由で離れている最中に急病になり死ぬ。そのシナリオを描いており手配も整えていた。

 今頃アノーヅから伝令が都に伝令が向かっているはずだ。『えくすぷれす』に乗れば明日には到着する。

 アノーヅに魔物の群れが現れた。撃退はしたが森の中に潜んで機をうかがっている。もちろん魔物は存在しない。アドルフが事前に仕込んだ偽伝令が向かって来るのだ。

 当然、討伐隊が結成されるはずだが事態は急を要する。あいにく精鋭の魔法騎士団が向かうべきだが、あいにく現在は北部で演習の最中である。

 そこでイズヴァルトの手を借りたいと思うはずだ。有事の時はイズヴァルトに助太刀できる様に朝廷に話を通しておいていた。

 外国の武人を手伝いいくさに加えるのは反発も出るだろうが、イーガの朝廷はむしろ、その機会が今か今かと期待していた。ホーデンエーネンの珠玉の騎士がどれ程のものか、その目で確かめたかったからだ。


□ □ □ □ □


 翌日は日曜日だった。その昼である。イズヴァルトのもとに急遽大使館からの使者が現れた。イーガ王国の求めにより、アノーヅでの魔物退治の参加を願いたい。
 
「えらく急な話でござるな? さて、どんな魔物でどのくらいの数かお聞かせ願いたい」
「どの様な姿かたちをしているかわかりませんが、おおよそ50程。北部で演習中の魔法騎士団も急ぎ向かうとのことですが、アノーヅはなかなかに遠い場所にございます」
 
 『えくすぷれす』の東の終着駅から100キロ先にある漁師町。当然のことながら列車に乗って陸路で行く。明日の朝出発だから、おおよそ2日の旅程で到着できるはずだと。

「イズヴァルト……」

 マイヤが彼に抱き着いた。出来れば私も連れて行ってほしい。しかしイズヴァルトは断った。マイヤはもう危険な旅をしていい身体ではない。

「マイヤはこの街で、お腹のあかちゃんと一緒に待っていて欲しいでござるよ。すぐに戻って来るでござる」
「やだよ。私は絶対に行く!」
「だめでござる!」

 イズヴァルトは彼女を叱り飛ばした。マイヤが泣きそうになると彼は抱きしめて頭を撫でた。

「お願いだからそうしていただきたいでござるよ?」
「わかった……その代わり、帰ったらたっぷりとざあめんみるくを飲ませてもらうからね?」
「結局はそこでござったか。とほほほ……」

 イズヴァルトは使者に、その話は是非とも受けると答えて帰らせた。4日だか1週間だかわからぬが、これからしばらくは愛しいマイヤとの別れとなる。

「本当は、拙者はとても寂しいでござるよ」

 可愛いマイヤと離れるなんて1日たりとも嫌だ。彼女と一緒にトーバコフへ向かいたいのが本心だ。しかしやっぱり、お腹の赤ん坊のことが気がかりだ。

「しばらくはお別れだね。イズヴァルト?」
「だからマイヤ、今日は存分に拙者にそのかわいい姿を見せていただくでござるよ」

 そうつぶやいてイズヴァルトはマイヤの肩を抱きしめた。マイヤは大きく開いた胸元に手をかけ、ふっくらとした白い右乳を外に出す。

「吸って?」

 イズヴァルトはうなずいた。甘い香りがする乳首に口を付け、吸い立て始めた。
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