聖騎士イズヴァルトの伝説 外伝 『女王の末裔たち』

CHACOとJAGURA

文字の大きさ
上 下
33 / 288
第二部 『呪いの序曲。イーガの魔王』 (少年編から青年編の間のエピソード。)

04 聖なる魔の王④

しおりを挟む
 村長以外の、男達の最初の性の儀式が終わりを告げた。次は女達の番だ。教主・コーザの『聖根』に貫かれ、『聖液』によって教典の巫女か男児となる胚を得る事となる。

 コーザからのふるまいを受けるのは生理が始まった女達と閉経した老女達。しかし彼が最初に目を付けてたのはヘラを抱くマーサ。その母のロザリーだった。

 彼女達には強い魔力が秘められているのを感じた。それとマーサが抱いている乳児。たわわに膨れ上がった釣鐘型の乳房に吸いつく赤ん坊には、とてつもない何かを感じてしまう。

(あのおじょうさんは。何かを秘めているようですね?)

 とりあえずまずはロザリーから招き入れる事にした。出会った時から自分に性交をしたいという意志を感じさせていたあの人妻にだ。

 コーザはロザリーの名前を呼びかけ、己の服を脱いだ。皮下脂肪を絶妙な形で付け加えた筋肉質の裸体が皆の目に留まった。男性の様な女性の様な艶めかしい肌だ。とはいえ腹筋は割れている。

 ロザリーは期待を込めて前に進み出た。マーサと夫である村長に一瞥して「頑張って来るわね」と笑って進み出る。彼女は娘の身体に比べればやせていたが、それでも腰は生命を宿すのに充分と思えるぐらいに大きかった。

「ロザリーさん。貴方にはこれから、パラッツォの教えを学んでいただくと共に、私の子を宿していただきたいと思います」
「コーザさん、いえ、教主さま」

 私と夫は離れ離れにさせないで欲しい。ロザリーがねだるとコーザはもちろん、とうなずいた。ゴールの妻となった者を引き離す事は考えていない。例え間に誰かが入っても、夫婦の愛情は大事にしなければならない。

 引き離すのは子供の代からだ。ロザリーの、それからマーサ達の娘らはエチウの各地に向かわせる。ゴール族の強靭な血をエチウの信徒達に混ぜる為にだ。

 教主の『聖根』が上向いた。彼の巨大なものに期待をしていた彼女は息をのんだ。この様な大きなものに貫かれては裂けてしまうのではないのか。

 しかし教主の身体から漂う芳香とたくましい腕に持ち上げられ、それを下の口で喰らい始めてから杞憂だったと思い知らされた。

「あっ。ああっ! じんじんと、しびれてくる!」

 ロザリーのヴァギナは教主の『聖根』をしっかりと収めきり、強い喜悦を全身へと伝え続けた。毎日年老いた夫に抱かれていたから馴れていた事もあったが、彼女は思い切り乱れて喘いだ。

 身体が震え、頭の中が真っ白になる。何も考えられない。そのコーザは村長の『慧眼』に感心した。この女人はなかなかに良い抱き心地をしていたからだ。

(なかなかに優れている。男に抱かれ、子を産むのに適した柔らかさと中身ですね?)

 それと、彼女の陰はとても熱くて濡れ切っていた。コーザはその魔の力で彼女がまだ村長の子を孕んでいないのを確かめると、己の子を為す『聖液』を子宮に注ぎ込んだ。

「ああーっ。こ、コーザさま……」

 いつもより数倍のエクスタシーに溺れ切ったロザリーは、身体を弛緩させたままもっと続きをとせがんだ。もちろんコーザはそのつもりである。

 入信の儀には最低でも2回、相手の女の陰に精を飲み込ませるのだ。時間にしておよそ10分。その分だけ女体は激しい絶頂を覚え続ける。しかしそれ以上長い時間交わると、よほど丈夫なニンゲンでないと廃人になってしまう。

 村長は後妻が艶めかしくなるのを唾を飲み込んでじっと見ていた。コーザとの交合の直後に抱きしめたいと欲情していた。たっぷりと弛緩した女肉が、どれだけ美味なのかを存じていたからだ。

 コーザは心を通い合わせたロザリーに2度目の『聖液』を分け与える準備するとともに、彼女の脳と身体から記憶を探り始めた。

(なるほど……)

 イナーヴァニアの王家付き大魔道士の直系の娘。その大魔道士の一族は国内のゴブリンやイワッミーのドワーフと血を繋げていた。

 それだけではない。あの暗黒卿の血も入っている。姫騎士エリザベスが産んだ彼の娘のうち1人が、その家の嫡男に嫁入りした。

 暗黒卿の傍系の子孫らは、このサイゴークのあちこちにいる事をコーザは聞いたことがあった。このロザリーとあそこにいるマーサが、まさにそれだった。

 更にもっと昔の祖先がどうだったのかを調べる事にした。魔族の血。それも正真正銘の魔界からの来訪者。魔王程ではないが大貴族に値する人物が、彼女の先祖である女と交わったのだ。

(これはこれは! ゆえにこの一族はイナーヴァニアでも屈指の魔道士の系統であったのですか!)

 ロザリーに二度目の『聖液』を与えた。彼女から全てを調べ尽くした。彼女には魔道士としてのポテンシャルがある。教典の巫女とはいかないまでも、教団の重要な仕事を任せられるに足る資格が。

 しかし彼女には魔法の学問所の講師ぐらいにとどめておくべきだと考えた。歯が抜けていたけれど、夫であるあの村長のたくましい身体と生命力を見てだ。あのご老人はきっと、100の歳まで生き続けるだろう。

 すっかりとぐったりとなったロザリーをやさしく引き下ろして足元に寝かせると、教主はマーサに声をかけた。女達がマーサを見る。冷ややかな目つきだ。

 彼女達は村で一番美人と言われる彼女とその母に、常日頃嫉妬していた。せめてあの巨根を楽しむのは自分達が先なら良かったのにと心の中で思っていた。

 呼ばれておどおどし出したマーサは、乳房に吸いついたままのヘラを村長に手渡そうとした。だが、コーザはマーサに2人の娘を連れて来るように告げた。

 呼ばれたマーサは2人の子を伴った。上の娘が上向いたままのコーザの『聖根』を、面白おかしそうに指差た。

「おかあさん。おっきいちんちん! しかもおとうさんと色と形が違うよ!」

 やめなさい、とマーサはたしなめるが、コーザは微笑んだままだった。なんと愛らしいお嬢さんなのでしょう。彼はかがむとマーサの上の娘の頭に手を置いた。

 その途端、童女のふくらんだ割れ目から、一滴のとろりとした汁がこぼれ出た。マーサの上の娘の目つきが変わり、教主の『聖根』に視線を注ぐ。

 彼女は小さな足をふらりと運び、無言で屹立を握りしめた。一際大きく膨らんでいた王冠に顔を近づけると、小さな舌を出してついばみ始める。

「コーザさま、お止めください!」

 マーサは叫んだが、娘はれろ、れろ、と祖母の愛液が付着した肉の頭を舐め、遂にはしゃぶりだした。妙に馴れている。マーサは娘の舌遣いに戸惑ってしまった。

 幼い娘は雁と鈴口に舌を這わせ、尿道のあたりに唇を這わせる。ここまでコーザは操っていなかった。処女膜はまだあるようだが、こうした悪徳は何度か経験している様だ。

 コーザはこの幼い娘に愛撫をさせたまま、彼女の頭の中をのぞき込み、記憶を辿っていた。この幼子にしてはやけに出来上がっている舐め方の理由がわかった。

「どうやら、村長の一番下のご子息に、たくさん学ばされた様ですね?」

 マーサは目を見張った。その者が誰だったか。母ロザリーが産んだ男児だ。8歳になる少年で、自分の息子とまるで兄弟の様に仲むつまじかった。

 その少年は皆の前では恥ずかしいからと、人生で初めて味わう性交を民家を借りて行っていた最中だった。15歳になる教団の少女に激しくねだってその上で歓喜していた。

 先月覚えたばかりの射精を膣の中に何度も施していた。その精通こそがマーサの上の娘の口で果たした事だった。妹と同い年の姪は少年の性的好奇心によって、早すぎる春を迎えていたのだ。

「な、なんてことを……!」
「嘆く必要はありません。遅かれ早かれ、人の子はこのように触れ合い、愛し合うのです」

 マーサが止めようとする。しかし彼女はコーザの足止めの魔法によって足を固められてしまった。童女がしゃぶり、舐め続けた『聖根』は彼女の口蓋に、ねばっこいがとても美味な聖水を授けてやった。

「ううっ……ううっ!」

 あまりにひどい事実と目の前の事に、マーサは涙を流して嗚咽した。しかし乳を含んでいたヘラは母が悲しむのも気にせず、ただただ乳を含み続けていた。

 幼い娘が口の中に放たれたものをごくりと飲む。それから『聖根』の通り道に残っていたものを絞りだそうと手を動かし出した。この触れ合いでコーザは彼女が、魔道の使い手に足らぬ存在と確かめていた。

(それとマーサさん。彼女にはどうやら、お母上の程の才能は無いようですね。)

 子羊、という言葉が脳裏によぎった。磨けばそれ相応の魔道士になるだろうが、今これからの教団になくてはならない存在にはなれない様だ。

 マーサには我が子を、それからこの童女には月の物が始まり次第、自分の手元に呼び寄せる。己の子を産んでくれた後は平凡なパラッツォ教徒の女として人生を全うして欲しいと考えた。

 だが、マーサの乳を含み続けている赤子だけは別だった。探りの魔法を仕掛けなくても、この子が途方もない強大な力を秘めている事を感じ取ってしまう。

 この幼子には何か裏がありそうだと見たコーザは、マーサにその子を抱かせて欲しいと頼んだ。

「わ、わるいことはしませんよね? テティスみたいなことをしなさいでください。私はどうなっても構いませんから……」
「安心してください。その様なことは致しません。ただただ、抱きしめてあげたいのです」

 そう言ってコーザはヘラを引きはがす。赤ん坊は一瞬だけ泣き顔になったが、彼が子守歌を唄い、優しく抱きあやすと、気持ち良さげな笑顔を浮かべてすやすやと寝入り始めた。

(眠りだしたようですね。)

 幼子の魔法抵抗は極めて少ない。コーザは母から教わった夢入りの魔法を念じた。ヘラがどんな夢を見ているのかを確かめる為だ。


□ □ □ □ □
 

 瓦礫の街並みがたたずむ荒野であった。砂埃が舞う大地で、神の恵みが得られぬと思わせる程のすさんだ場所だった。

 生き残っている建物もまた、穴だらけになっていてセメントや土を固めて作った壁を支えていた建材を露出させたままだ。

 道路は壁の破片が散らばっている。そこを歩く者達の肌は浅黒く、それでいて着ているものは汚れきっていた。その道の向こう側から、大きな音を立てて何かがやって来た。

 黄土色に染められて迷彩を施した巨大な鉄の塊。投石砲よりもスリムで遥かに長い大砲の口を向けて進んでいた。両脚にキャタピラをつけ、砂埃をあげて走る。

 その背後には同じく迷彩を施した四輪の大型車が。無骨で頑丈そうなデザインのそれは、ハンヴィーという名前の車だった。コーザはその夢を見ていた者から名前を知った。

 それは大型の鉄の車に向けて手を振った。何かを呼びかける声だがコーザにはわからない。しかし少女の声であった。大きな鉄の塊と、それに連なる数台の車がその場で止まった。

 車と同じ色の服を着た大男たちが中から出てきた。親し気に呼びかけるとその内の一人が手を差し伸ばして呼びかける。最初、コーザは彼が何を言っているのかわからなかったが、その夢を見る者の記憶を辿って知ることが出来た。

(えいご、ですか……)

 やあ、元気だったかい。今日は1人? いつもお兄ちゃんたち一緒だったけど、今日はどうしたのかな。男達はにこやかに笑って呼びかける。どうやらこの夢を見ている者とは親しかったらしい。

 男達が取り囲み、お兄さん達のところに案内してくれと呼びかけた。今日はチョコレートを持ってきたんだ。他のお菓子もたくさんだよ。だって今日はハロウィーンだからね。向こうじゃそんなお祭りがあるんだ。

 まあうれしい、と幼い娘は『えいご』で答えた。それからポケットに忍ばせていた何かを握りしめる。わたしもおじさんたちにプレゼントがあるの。そう、英語で答えた後に。

「神は、最も偉大である! (アッラー=アクバル!)」

 身体のあちこちが焼き裂ける感覚とともに、その夢はぷっつりと消えた。これは何だ。コーザは次の幼子が見る夢を見つめながら考えた。

(もしや……この子は?)

 前世での記憶を思い出して見ているに違いない。コーザは悟った。この娘は前世の記憶を持つ転生人だ。しかも己が信仰した宗教の為に死んだ、殉教者だ。

 彼は夢から覚めると、穏やかな寝息を立てて眠るヘラを見て運命を感じた。彼女こそが跡を継ぐに足る運命の子。その悲しい最期を遂げた転生者には、深い愛情を込めてあげねばなるまい。

 コーザとヘラ。それが師弟であり義理の親子の運命の出会いであった。ただしである。彼の弟子は史上最強と恐れられる魔法戦士となった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

М女と三人の少年

浅野浩二
恋愛
SМ的恋愛小説。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...