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第一部 少年騎士と幼き侍女(幼年編から少年編の間のお話)
19 ソーロー公の跡継ぎ
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ヨハンナ=ナガオカッツェ夫人死去。ソーロー家の当主であるハン=ソーローは、病床でその知らせを聞いてため息をついた。
ゾウズジャヤのエルフを『保険』として雇ったのは自分だが、大公夫人を暗殺するまでは頼んではいない。これは大公の勝手な注文だろう。
ヨーシハルトスはどこまでも愚かだ。兄王の正妻や妾を寝取り、住民反乱を招く政治を平気で行う。
聖騎士団副団長・ライナー=イナトミッテンフェルトを与力にする案は国王に蹴られた。ヨーシデン地方もすべて直轄地に。
それだけでなく、ナガオカッツェに国王の査問官を常駐させて税の使い方を一々チェックされる。大公軍の軍権も奪われた。
ヨーシハルトスはお飾りの大公にされてしまった。できることはせいぜいが妾を抱くことと子供を可愛がること。幸いに酒乱や粗暴の気が無かったから、家族に手を出す様な真似をする男ではなかったが。
(ヨハンナ夫人が生きていれば、ナガオカッツェの支配までを奪われることはなかっただろうな。)
この件をどう思う。ハンは婿たるケノービ=スカルファッカーに問いかけた。今日も目つきがとろんとしている。娘のチュバッカと慌ただしい愛に明け暮れていたからだ。
「どうって? 私にはわかりません……」
「国王はヨーシデンとナガオカッツェを手に入れたのだ。王権の強化に成功したのだよ」
ハンは言う。軍事上の要地であるナガオカッツェと、土地豊かなヨーシデンを得た王家はますます力を蓄えることになる。
「ホーデンエーネン王家の弱点。それは何か存じているかね?」
「さあ……栄光ある国王陛下に勝てぬ敵はいない、と思いますが?」
「模範解答だな。対抗しうる大領主を増やしすぎたことだよ……ごほっ!」
咳き込みながらハンは語る。たとえ先祖が親戚でも、大封の領主達こそがホーデンエーネン王家の最大の敵なのだと。魔竜や諸外国は、そもそも攻めなければ敵にはならない。
「王家は大昔からある目的で動いていた。大領主の力を削ぎ、その一族を平民に落として土地を我が物とする。領主と呼べるのはせいぜい、我々のような中程度のもののみにし、王国全土に己の意のままになる代官と武者を配置して絶対の王権でもって統治を果たす」
「そ、そうなのですか……?」
「王国の『太祖』の教えがそうだからだ。このキンキ大陸はかつて、ホーデンエーネンに匹敵する数多くの大国があった……」
王国の大陸統一は、それらの国に何度かの戦いで勝利して属国化し、国王の娘を王子の嫁に迎え入れさせ、親族衆化を繰り返すことで成った。
歴代の王はたくさんの妾に姫達を産ませ、甥となる大領主の跡継ぎに嫁入りさせる。大領主が遺伝による病で苦しむようになると、それを解消するために亜人の血が混じった姫を輿入れさせた。
血筋による支配。しかしその最終到着地は大領主の取り潰しや無力化だ。ホーデンエーネンは闘争と支配の原理で動く。その考えを持ち込んだのは『太祖』たるとある人物だった。
「王家がそのようなお考えを……」
「絶対の力を得れば王家は必ず、忠義や礼節にもとらぬ力をふるうことになるだろう。カツランダルク党は立場上、それを許してはならないのだ。我らは国王が力をつければ必ず滅ぼされる立場にあると肝に命じておくのだ」
ごほっ。ハン=ソーローはまたも嫌な咳をした。口の中で血の味が。彼に残された時間はわずかだった。
「しかしだ。その取り潰そうとする領主にこそ、王家の強力な味方がいることを忘れてはならない」
今回、国王は強力な後ろ盾となる人物を亡くしてしまった。ヨハンナ夫人こそがその当人である。国王は肉親への情けをかけずに、不穏分子となりうる弟を何かの理由をかこつけて処刑すべきであった。
「その為の策謀と刺客の手配なら……ソーロー家は可能であったのだがな……」
「ヨーシハルトス様をですか。その様な恐ろしいことを考えられません……」
しりごむケノービに、ハンは冷たい目を向けて言いつけた。婿殿がこれから私の代わりを務めるのだよ。
「レンはあの体だ。当主にはなれぬし、子供を為す前にこの世を去るだろう。だからこそ婿殿にはスカルファッカー家ではなく、ソーロー家を継いでほしい」
「お断りいたします。ただ、ソーロー家は私の息子の1人が再興させると約束しましょう」
「それもいい。とりあえず婿殿に任せよう。遺言には記しておく。オルガスムナ家の阿呆な婿殿らにつけ入る隙を与えぬように……」
カツランダルク党のうち1家、オルガスムナ家にもハンの婿は何名かいた。しかし善良な性格で謀略ごとに才能が無い。子宝に恵まれているが揃いも揃って病弱なのもいただけなかった。
さて、ここからが本題だ。ハンはよろよろとした手付きで水差しを手に伸ばす。気づいたケノービはハンの口に運んでやった。
「これで、国王の『味方となる親族衆』がまた1人いなくなった。ヨーシハルトスはまるでやくたたずだから計算に入れるな」
「はい」
「国王の親族衆が弱くなれば、議会での各地の領主らの発言力が増す。王家がお飾りそのものになれば、領主らはより強く、独立独歩を貫くことできる」
王家がますます弱体化し、『お飾りとしての王家』であればあるほど、カツランダルク党は長生きできるのだと教えた。
「肝に銘じて置いてほしいから繰り返すよ」
我らの祖はもともと、ホーデンエーネン王家と敵対した王家であった。ナントブルグ地方を治めていたのは、サキュバスの女王とその娘達だ。
カツランダルクの王国は、ホーデンエーネン側のだまし討ち同然の作戦でもって滅ぼされた。
それに手を貸していたのがケノービやハンの祖。いわば裏切り者達だ。裏切りには数多くの親族衆が加担したが、今現在残っているのは御三家の他にいない。
「本家は、もう無いのですか?」
「生き残っている。ひっそりとな。一度はこの王国に大きな花を咲かせる寸前にまであった……今の国王がまだ若い頃にだが」
ジュンケイン4世がまだ20代の若者だった頃、その一番の愛妾ともいうべき人物こそがカツランダルク家の『本家』の娘であった。
没落貴族の娘として後宮に現れた彼女は、国王と意気投合し、体も心も相性が良く、寵愛をほしいままにした。
「フロリーナ=カツランダルク。それが記録に残るカツランダルク宗家の当主。まあ、何もできぬまま死んでしまったがな」
フロリーナは暗殺された。国王の最初の正妻であるゲルダ=サンジオネの妬みを買って。それからハンはせきをしながらケノービに語った。その暗殺をそそのかして手を貸した者こそが、私の父親であるのだよ。
「ご、ご本家を……なぜにそうまでして……」
「我らの平穏を守る為にだ。ホーデンエーネンは末永く続いてもらわねばならない。その為の不穏の種を、できるだけ排除するのがソーロー家の使命だ」
ソーロー家が為すべきことを婿殿に是非ともお頼みしたい。ハンはその為の最初の試練をケノービにささやいた。
「まずは平民相手の人さらいと暗殺を。しかも相手は幼子に。情けをかけず、鬼畜となり遂げて見せてほしい……」
□ □ □ □ □
ナガオカッツェの遠征からナントブルグに戻って半月後、今度はナントブルグ地方の西で起きた盗賊団の討伐の任務が聖騎士団に舞い込んで来た。
食い詰めた元傭兵や、ごろつきが集まった3000近くの大盗賊団の討伐と捕縛がそれだ。
彼らは近隣の街の村を襲い、砦や代官の館を襲った。地道な稼業に嫌気がさした若者達を味方につけ、5000近くにまで膨れ上がった。
今度の任務にはイズヴァルト達見習い騎士も討伐に加わった。今のうちに殺しあいに馴れて、大きないくさでびびらぬ胆力を身に着ける為にである。
しかしイズヴァルトはその戦いで、『覇王の剣』と『姫竜の牙』に封を施した。鋳鉄でこさえた鍛錬用の長剣を携えて参陣。練習用の鉄刀を携えてはせ参じた少年騎士に、舐めているのかと鎮圧に苦戦していた治安騎士達は激怒した。
「舐めてなどいないでござる。甲冑に身を包む相手には斬るよりも叩く、のほうが効果的であるとライナーさまから教わったでござるよ!」
それが真に受けている事こそが仕事を舐めている証拠だ、と屁理屈を言われて騎士達にぶんなぐられた。
しかしこの程度でへこたれない彼は、とくとみておくがいいでござる、と返してベートーベンらと共に盗賊の砦へと向かった。
一刻後、砦から逃げ出した盗賊たちが、警備騎士達のもとに泣いて詫びを入れに来た。
鉄のぼうきれを持ったとんでもなく強いガキに襲われて困っているんだ。なんとかしてくれよ。警備騎士団の団長は激怒した。
「おまえら……中には戦場を渡り歩いた歴戦のつわものもいるんだろ? そんな情けねえ事を言ってないでやり返したらどうだ!」
「そ、そんな事言ったって! とんでもなくつええガキなんだよ!」
しばらくしてイズヴァルトらは砦のかしら達を縛り上げて戻ってきた。捕まった者らは何もかもを諦めきった様な面持ちでうなだれていた。逃げてきた盗賊たちがイズヴァルトとベートーベンを見て、あいつらだと叫んだ。
イズヴァルトはベートーベンらと共に、これで自分達がどれほどのものかはっきりしただろう、と自慢気に笑って天幕から出て行った。その任務でイズヴァルトは相手を1度も殺すことなく大きな活躍をしてみせたのである。
遠征から帰るとイズヴァルトとマイヤは1か月の休暇を貰った。ナントブルグではなく牧童の村で過ごす事にした。
但し、その2人の休暇旅にベートーベンが同行する事になった。
「どうしてベートーベンさんもついてくるのかな?」
「それは拙者の親友だからでござるよ。それとベートーベンどのは将来、拙者の上官になるお方でござる」
「うん。ベートーベンさんに限ってそういう出世の仕方は無いと思うよ? けど、イズヴァルトとは一生の友達になるかもね!」
にひ、とマイヤは笑う。ベートーベンの同行はむしろ大歓迎だ。泊まった最初の宿屋での風呂上り後に早速、彼女はイズヴァルトにフェラチオを施しながら、ベートーベンに丸出しにしたお尻をふりふりさせて「いれてー!」とせがんだ。
「もちろん! マイヤちゃん、そのけつあなで俺のちんぽをたーんと喰らいな!」
海藻を使った潤滑液を垂らした勃起を、柔らかな童女肛にぶすり。ぐいぐいと動かし始めると彼女は尻に恐ろしいほどの悦楽を覚えてよがり叫んだ。
「あいいいっ! ふひゅっ!」
「ほらほら、マイヤちゃんの尻穴、すっげえ絡んでくるぞ。うわ、まじでやべえなこれ……」
「私のしりあながすごいきてるよー! おおおおほっ!」
ナガオカッツェの戦い以降、ベートーベンは事あるごとにマイヤのうんちあなの『欲求不満カスお掃除係』としてちんぽを挿れ続けて来た。
なのに2分もしないうちに果ててしまう。早漏なのは全く治っていなかった。生長の真っ只中である精巣と陰茎に、大人の慎みは期待できない。
対してマイヤの尻穴は柔らかさはそのままで、裂傷に対する強靭さを備えつつあった。
肛肉を激しくしごいても、行為の翌日に「ぎゃぴー!」と泣きながらイズヴァルトに軟膏を塗ってもらうことも少なくなった。
最近はもう自分からお尻を振ってベートーベンの腰の動きに合わせて来る。ベートーベンが激しくガン突いても直腸出血が起きる事もない。
むしろ、お尻全体に心地よい刺激を受けてしまい、「おほほほほぉっ!」と達してしまう。育ち盛りの女の子の性感帯は、その用途としてもしっかりと成長していたのである。
「あうー! あうー!」
「おおお……マイヤちゃんのしりあなあったけえ。でも出しちゃいそう。このままいっていい?」
「べ、ベートーベンさんは本当にそーろーさんなんだね!」
ベートーベンは幼子の直腸の中で盛大に金玉汁をぶちまけた。名器であるのはさることながら、尻穴とその奥自体がとんでもない快感器官だったマイヤは、彼のペニスが脈打つのを感じ取ってとろける様な笑みを見せていた。
「はうう……ざーめんみるくのちょくちょうせっしゅ、あうううう……」
「うれしそうだなマイヤちゃん。今夜もきんたまが枯れ果てるまで尻穴で飲ましてやるぜ?」
「わーい……うれしー……」
マイヤはアナルを立て続けに刺激され、尻で栄養素を吸収しお肌を一層艶光らせた。イズヴァルトも負けじと『ざーめんどりんく』をマイヤに飲ませる。
行為の後、イズヴァルトは気持ちよくすやすやと眠るマイヤの胸を見て、また一段と膨らんでしまったでござる、とぼやいた。
ちょっと指で押すと人差し指の第一関節が沈むぐらいに。とっくにお椀型の乳房になりつつあった。
「マイヤのおっぱいには、拙者らの精液が詰まっているのでござろうか?」
「いや、この子が言うには俺達の精液の中に含まれる『だんせいほるもん』っていうのが、女の子の身体をすけべえに育ててくれるらしいぜ? 赤ちゃんを産むのに適した身体にさせたいんだろうな」
ついでにお尻を見るとこっちも年相応以上の丸みを帯び始めていた。背も伸び始めている。この子の身体は夢をかなえる事よりも、精を沢山受けて早くに赤子を産むのを目指している様に見えた。
「ううむ。マイヤには総合大学を建てる夢を叶えた後に、あかちゃんを産んでもらいたいでござるよ」
イズヴァルトは腕を組む。マイヤは子供達を育てながら学者や行政官になるかもしれない。お金を沢山手に入れる職につくのは難しいかも。ならば拙者が大領主になるまで、出世したほうがよいでござろうか。
「がきんちょを毎年ぽこぽこ産みながらその夢をかなえるだろう。気にすんなよ」
「なぜ毎年でござる?」
「お前が旦那さんになるんだからな。そのばっかでっかい化け物みたいな金玉じゃあ毎日1回じゃ終わらんだろうさ」
ベートーベンはイズヴァルトの玉袋を見て笑った。みょーんと伸びきったそれの片方ずつは、子供のものだとは到底思えない大きさになっていた。マイヤに毎日絞りつくされているから、そっちに栄養がいってしまうのだ。
「で、この子の姉のトーリってのはどんな女の子だい?」
ベートーベンの顔には期待の色が濃厚にあった。そっちが目当てでござったか。おおかたマイヤに聞いているのだろう。一見おしとやかな幼な妻だけど、おまんこの快楽には人の3倍ぐらい貪欲なスケベだと。
「……拙者はともかく、ルッソどのはとてもやきもち焼きで奥さんの浮気を許す人ではないでござるよ?」
ゾウズジャヤのエルフを『保険』として雇ったのは自分だが、大公夫人を暗殺するまでは頼んではいない。これは大公の勝手な注文だろう。
ヨーシハルトスはどこまでも愚かだ。兄王の正妻や妾を寝取り、住民反乱を招く政治を平気で行う。
聖騎士団副団長・ライナー=イナトミッテンフェルトを与力にする案は国王に蹴られた。ヨーシデン地方もすべて直轄地に。
それだけでなく、ナガオカッツェに国王の査問官を常駐させて税の使い方を一々チェックされる。大公軍の軍権も奪われた。
ヨーシハルトスはお飾りの大公にされてしまった。できることはせいぜいが妾を抱くことと子供を可愛がること。幸いに酒乱や粗暴の気が無かったから、家族に手を出す様な真似をする男ではなかったが。
(ヨハンナ夫人が生きていれば、ナガオカッツェの支配までを奪われることはなかっただろうな。)
この件をどう思う。ハンは婿たるケノービ=スカルファッカーに問いかけた。今日も目つきがとろんとしている。娘のチュバッカと慌ただしい愛に明け暮れていたからだ。
「どうって? 私にはわかりません……」
「国王はヨーシデンとナガオカッツェを手に入れたのだ。王権の強化に成功したのだよ」
ハンは言う。軍事上の要地であるナガオカッツェと、土地豊かなヨーシデンを得た王家はますます力を蓄えることになる。
「ホーデンエーネン王家の弱点。それは何か存じているかね?」
「さあ……栄光ある国王陛下に勝てぬ敵はいない、と思いますが?」
「模範解答だな。対抗しうる大領主を増やしすぎたことだよ……ごほっ!」
咳き込みながらハンは語る。たとえ先祖が親戚でも、大封の領主達こそがホーデンエーネン王家の最大の敵なのだと。魔竜や諸外国は、そもそも攻めなければ敵にはならない。
「王家は大昔からある目的で動いていた。大領主の力を削ぎ、その一族を平民に落として土地を我が物とする。領主と呼べるのはせいぜい、我々のような中程度のもののみにし、王国全土に己の意のままになる代官と武者を配置して絶対の王権でもって統治を果たす」
「そ、そうなのですか……?」
「王国の『太祖』の教えがそうだからだ。このキンキ大陸はかつて、ホーデンエーネンに匹敵する数多くの大国があった……」
王国の大陸統一は、それらの国に何度かの戦いで勝利して属国化し、国王の娘を王子の嫁に迎え入れさせ、親族衆化を繰り返すことで成った。
歴代の王はたくさんの妾に姫達を産ませ、甥となる大領主の跡継ぎに嫁入りさせる。大領主が遺伝による病で苦しむようになると、それを解消するために亜人の血が混じった姫を輿入れさせた。
血筋による支配。しかしその最終到着地は大領主の取り潰しや無力化だ。ホーデンエーネンは闘争と支配の原理で動く。その考えを持ち込んだのは『太祖』たるとある人物だった。
「王家がそのようなお考えを……」
「絶対の力を得れば王家は必ず、忠義や礼節にもとらぬ力をふるうことになるだろう。カツランダルク党は立場上、それを許してはならないのだ。我らは国王が力をつければ必ず滅ぼされる立場にあると肝に命じておくのだ」
ごほっ。ハン=ソーローはまたも嫌な咳をした。口の中で血の味が。彼に残された時間はわずかだった。
「しかしだ。その取り潰そうとする領主にこそ、王家の強力な味方がいることを忘れてはならない」
今回、国王は強力な後ろ盾となる人物を亡くしてしまった。ヨハンナ夫人こそがその当人である。国王は肉親への情けをかけずに、不穏分子となりうる弟を何かの理由をかこつけて処刑すべきであった。
「その為の策謀と刺客の手配なら……ソーロー家は可能であったのだがな……」
「ヨーシハルトス様をですか。その様な恐ろしいことを考えられません……」
しりごむケノービに、ハンは冷たい目を向けて言いつけた。婿殿がこれから私の代わりを務めるのだよ。
「レンはあの体だ。当主にはなれぬし、子供を為す前にこの世を去るだろう。だからこそ婿殿にはスカルファッカー家ではなく、ソーロー家を継いでほしい」
「お断りいたします。ただ、ソーロー家は私の息子の1人が再興させると約束しましょう」
「それもいい。とりあえず婿殿に任せよう。遺言には記しておく。オルガスムナ家の阿呆な婿殿らにつけ入る隙を与えぬように……」
カツランダルク党のうち1家、オルガスムナ家にもハンの婿は何名かいた。しかし善良な性格で謀略ごとに才能が無い。子宝に恵まれているが揃いも揃って病弱なのもいただけなかった。
さて、ここからが本題だ。ハンはよろよろとした手付きで水差しを手に伸ばす。気づいたケノービはハンの口に運んでやった。
「これで、国王の『味方となる親族衆』がまた1人いなくなった。ヨーシハルトスはまるでやくたたずだから計算に入れるな」
「はい」
「国王の親族衆が弱くなれば、議会での各地の領主らの発言力が増す。王家がお飾りそのものになれば、領主らはより強く、独立独歩を貫くことできる」
王家がますます弱体化し、『お飾りとしての王家』であればあるほど、カツランダルク党は長生きできるのだと教えた。
「肝に銘じて置いてほしいから繰り返すよ」
我らの祖はもともと、ホーデンエーネン王家と敵対した王家であった。ナントブルグ地方を治めていたのは、サキュバスの女王とその娘達だ。
カツランダルクの王国は、ホーデンエーネン側のだまし討ち同然の作戦でもって滅ぼされた。
それに手を貸していたのがケノービやハンの祖。いわば裏切り者達だ。裏切りには数多くの親族衆が加担したが、今現在残っているのは御三家の他にいない。
「本家は、もう無いのですか?」
「生き残っている。ひっそりとな。一度はこの王国に大きな花を咲かせる寸前にまであった……今の国王がまだ若い頃にだが」
ジュンケイン4世がまだ20代の若者だった頃、その一番の愛妾ともいうべき人物こそがカツランダルク家の『本家』の娘であった。
没落貴族の娘として後宮に現れた彼女は、国王と意気投合し、体も心も相性が良く、寵愛をほしいままにした。
「フロリーナ=カツランダルク。それが記録に残るカツランダルク宗家の当主。まあ、何もできぬまま死んでしまったがな」
フロリーナは暗殺された。国王の最初の正妻であるゲルダ=サンジオネの妬みを買って。それからハンはせきをしながらケノービに語った。その暗殺をそそのかして手を貸した者こそが、私の父親であるのだよ。
「ご、ご本家を……なぜにそうまでして……」
「我らの平穏を守る為にだ。ホーデンエーネンは末永く続いてもらわねばならない。その為の不穏の種を、できるだけ排除するのがソーロー家の使命だ」
ソーロー家が為すべきことを婿殿に是非ともお頼みしたい。ハンはその為の最初の試練をケノービにささやいた。
「まずは平民相手の人さらいと暗殺を。しかも相手は幼子に。情けをかけず、鬼畜となり遂げて見せてほしい……」
□ □ □ □ □
ナガオカッツェの遠征からナントブルグに戻って半月後、今度はナントブルグ地方の西で起きた盗賊団の討伐の任務が聖騎士団に舞い込んで来た。
食い詰めた元傭兵や、ごろつきが集まった3000近くの大盗賊団の討伐と捕縛がそれだ。
彼らは近隣の街の村を襲い、砦や代官の館を襲った。地道な稼業に嫌気がさした若者達を味方につけ、5000近くにまで膨れ上がった。
今度の任務にはイズヴァルト達見習い騎士も討伐に加わった。今のうちに殺しあいに馴れて、大きないくさでびびらぬ胆力を身に着ける為にである。
しかしイズヴァルトはその戦いで、『覇王の剣』と『姫竜の牙』に封を施した。鋳鉄でこさえた鍛錬用の長剣を携えて参陣。練習用の鉄刀を携えてはせ参じた少年騎士に、舐めているのかと鎮圧に苦戦していた治安騎士達は激怒した。
「舐めてなどいないでござる。甲冑に身を包む相手には斬るよりも叩く、のほうが効果的であるとライナーさまから教わったでござるよ!」
それが真に受けている事こそが仕事を舐めている証拠だ、と屁理屈を言われて騎士達にぶんなぐられた。
しかしこの程度でへこたれない彼は、とくとみておくがいいでござる、と返してベートーベンらと共に盗賊の砦へと向かった。
一刻後、砦から逃げ出した盗賊たちが、警備騎士達のもとに泣いて詫びを入れに来た。
鉄のぼうきれを持ったとんでもなく強いガキに襲われて困っているんだ。なんとかしてくれよ。警備騎士団の団長は激怒した。
「おまえら……中には戦場を渡り歩いた歴戦のつわものもいるんだろ? そんな情けねえ事を言ってないでやり返したらどうだ!」
「そ、そんな事言ったって! とんでもなくつええガキなんだよ!」
しばらくしてイズヴァルトらは砦のかしら達を縛り上げて戻ってきた。捕まった者らは何もかもを諦めきった様な面持ちでうなだれていた。逃げてきた盗賊たちがイズヴァルトとベートーベンを見て、あいつらだと叫んだ。
イズヴァルトはベートーベンらと共に、これで自分達がどれほどのものかはっきりしただろう、と自慢気に笑って天幕から出て行った。その任務でイズヴァルトは相手を1度も殺すことなく大きな活躍をしてみせたのである。
遠征から帰るとイズヴァルトとマイヤは1か月の休暇を貰った。ナントブルグではなく牧童の村で過ごす事にした。
但し、その2人の休暇旅にベートーベンが同行する事になった。
「どうしてベートーベンさんもついてくるのかな?」
「それは拙者の親友だからでござるよ。それとベートーベンどのは将来、拙者の上官になるお方でござる」
「うん。ベートーベンさんに限ってそういう出世の仕方は無いと思うよ? けど、イズヴァルトとは一生の友達になるかもね!」
にひ、とマイヤは笑う。ベートーベンの同行はむしろ大歓迎だ。泊まった最初の宿屋での風呂上り後に早速、彼女はイズヴァルトにフェラチオを施しながら、ベートーベンに丸出しにしたお尻をふりふりさせて「いれてー!」とせがんだ。
「もちろん! マイヤちゃん、そのけつあなで俺のちんぽをたーんと喰らいな!」
海藻を使った潤滑液を垂らした勃起を、柔らかな童女肛にぶすり。ぐいぐいと動かし始めると彼女は尻に恐ろしいほどの悦楽を覚えてよがり叫んだ。
「あいいいっ! ふひゅっ!」
「ほらほら、マイヤちゃんの尻穴、すっげえ絡んでくるぞ。うわ、まじでやべえなこれ……」
「私のしりあながすごいきてるよー! おおおおほっ!」
ナガオカッツェの戦い以降、ベートーベンは事あるごとにマイヤのうんちあなの『欲求不満カスお掃除係』としてちんぽを挿れ続けて来た。
なのに2分もしないうちに果ててしまう。早漏なのは全く治っていなかった。生長の真っ只中である精巣と陰茎に、大人の慎みは期待できない。
対してマイヤの尻穴は柔らかさはそのままで、裂傷に対する強靭さを備えつつあった。
肛肉を激しくしごいても、行為の翌日に「ぎゃぴー!」と泣きながらイズヴァルトに軟膏を塗ってもらうことも少なくなった。
最近はもう自分からお尻を振ってベートーベンの腰の動きに合わせて来る。ベートーベンが激しくガン突いても直腸出血が起きる事もない。
むしろ、お尻全体に心地よい刺激を受けてしまい、「おほほほほぉっ!」と達してしまう。育ち盛りの女の子の性感帯は、その用途としてもしっかりと成長していたのである。
「あうー! あうー!」
「おおお……マイヤちゃんのしりあなあったけえ。でも出しちゃいそう。このままいっていい?」
「べ、ベートーベンさんは本当にそーろーさんなんだね!」
ベートーベンは幼子の直腸の中で盛大に金玉汁をぶちまけた。名器であるのはさることながら、尻穴とその奥自体がとんでもない快感器官だったマイヤは、彼のペニスが脈打つのを感じ取ってとろける様な笑みを見せていた。
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「うれしそうだなマイヤちゃん。今夜もきんたまが枯れ果てるまで尻穴で飲ましてやるぜ?」
「わーい……うれしー……」
マイヤはアナルを立て続けに刺激され、尻で栄養素を吸収しお肌を一層艶光らせた。イズヴァルトも負けじと『ざーめんどりんく』をマイヤに飲ませる。
行為の後、イズヴァルトは気持ちよくすやすやと眠るマイヤの胸を見て、また一段と膨らんでしまったでござる、とぼやいた。
ちょっと指で押すと人差し指の第一関節が沈むぐらいに。とっくにお椀型の乳房になりつつあった。
「マイヤのおっぱいには、拙者らの精液が詰まっているのでござろうか?」
「いや、この子が言うには俺達の精液の中に含まれる『だんせいほるもん』っていうのが、女の子の身体をすけべえに育ててくれるらしいぜ? 赤ちゃんを産むのに適した身体にさせたいんだろうな」
ついでにお尻を見るとこっちも年相応以上の丸みを帯び始めていた。背も伸び始めている。この子の身体は夢をかなえる事よりも、精を沢山受けて早くに赤子を産むのを目指している様に見えた。
「ううむ。マイヤには総合大学を建てる夢を叶えた後に、あかちゃんを産んでもらいたいでござるよ」
イズヴァルトは腕を組む。マイヤは子供達を育てながら学者や行政官になるかもしれない。お金を沢山手に入れる職につくのは難しいかも。ならば拙者が大領主になるまで、出世したほうがよいでござろうか。
「がきんちょを毎年ぽこぽこ産みながらその夢をかなえるだろう。気にすんなよ」
「なぜ毎年でござる?」
「お前が旦那さんになるんだからな。そのばっかでっかい化け物みたいな金玉じゃあ毎日1回じゃ終わらんだろうさ」
ベートーベンはイズヴァルトの玉袋を見て笑った。みょーんと伸びきったそれの片方ずつは、子供のものだとは到底思えない大きさになっていた。マイヤに毎日絞りつくされているから、そっちに栄養がいってしまうのだ。
「で、この子の姉のトーリってのはどんな女の子だい?」
ベートーベンの顔には期待の色が濃厚にあった。そっちが目当てでござったか。おおかたマイヤに聞いているのだろう。一見おしとやかな幼な妻だけど、おまんこの快楽には人の3倍ぐらい貪欲なスケベだと。
「……拙者はともかく、ルッソどのはとてもやきもち焼きで奥さんの浮気を許す人ではないでござるよ?」
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赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
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