聖騎士イズヴァルトの伝説 外伝 『女王の末裔たち』

CHACOとJAGURA

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第一部 少年騎士と幼き侍女(幼年編から少年編の間のお話)

10 遠征行⑨

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 城攻めは聖騎士団という存在のデモンストレーションみたいなところがあった。普通のぶつかりあいでもそうだが、籠城戦でも一筋縄ではいかない、と思わせる隠し玉を持っていた。

 守備側は皆、『イカルス隊』と呼ばれる100の騎士が、城門近くの城壁を馬ごと飛び越えた事に度肝を抜かされた。城門を確保され、開いた後の決着はあっという間だった。野戦で精鋭が蹴散らされたから守備隊の士気が下がっていたのもあった。

 ライナーは守備側の将らに反乱軍側の状況を尋ねた。強硬派が聖騎士団を蹴散らそうと、5000程をかき集めてこちらに向かわせている。数回にも及ぶ和平交渉の提案に嫌気がさしたらしい。

「5000? いささか多くはないか? 反乱軍はおおよそ1万と聞いていたが?」
「続々と義勇の士が加わりましてね。10日前には1万と4000。それから5日前からがらりと変わったのですよ」

 この6日前に大公の鎮圧軍と野戦があった。士気が高い反乱軍は圧勝した。というより大公軍側の兵士の寝返りが続出し、大公側はほとんど戦うことが出来なかった。

 加わったのは9000近く。これで反乱軍側は総勢で2万3000だ。ライナーは予想外の展開に悩んだが、副官らに問われると向かってくる5000を破るのが先決だと答えた。

「数は劣勢だがやるべきことに変わりは無い。野戦でその5000を蹴散らす。反乱軍を動揺させて和平の席に着かせるように誘導するのだ」

 それから、反乱軍側はあまり物資を確保していないらしいと言った。蔵を調べたら王国の参謀部が規定した半分も無かった。この城市の規模で籠れる3000人分の、3か月分の食料や武器の予備が無かったのだ。

「主力がいる城に物資を送ったのではないですかな?」
「だとしたら密偵が輜重の列を見ているはずだが、その報告も無かった……街道の轍も確認させている。浮き荷車はナガオカッツェ公は持っていないはずだ」

 そうだったな、とライナーは降将らに呼びかけた。騙しの策など使えませんよとそのうちの1人が諦め顔で言った。反乱軍側は物資が欠乏し始めていたのだ。

「兵が多くとも食料と武器が無ければ戦えない。長期戦になれば食料は得られるだろうがナガオカッツェ公が反抗の為の策をあの手この手と仕掛けるに違いない。さらに言えば……」

 ヨーシデン地方の西側、イコーマブルグやコーノフェルトといった大領主が結成する『南天騎士団』の介入を招くかもしれない。あちらは5万以上の大軍を擁している。

 ヨーシハルトスの要請を受け入れれば、独断で反乱軍を鎮圧してくるだろう。特にイーモリハウゼン公はヨーシハルトスの婿でもある。他の大公と違ってやる気があるだろう。まるで弟みたいな歳なのに婿。よくあることだ。

「南天騎士団が動くまでには決しなければな。国王陛下もそれを望んでおられる」


□ □ □ □ □


「おおおう……マイヤちゃん……」
「同時舐め、まじですげえよう……ああっ……おれもういきそう……」
「うん。俺も……」

 そうつぶやく見習い騎士の2人の少年は互いに向かい合い、亀頭の先を近づけながらマイヤに舐められ、しごかれていた。

 先ほどまでその小さく柔らかい手で、陰嚢を揉まれ、竿をくすぐられていたのもあったが、こんなあどけない天使みたいな子がこんなことを、という感情を抱いているからか愛撫による快感は倍加している。

 マイヤにとってはこの2人のペニスは舐めやすく口に含みやすい。長さは12センチほどだが勃起しても細いまま。あまり手淫や性交に馴れていないからか色素もきれいで生白かった。

 舌で小粒な2つの亀頭を舐めまわし、しごきながら両方口に入れる。ちゅぱ、ちゅぴ、と音を立てながら舐めまわすと、叫び声とともに彼等の尿道が脈打ちだしたことを感じ取った。

「んふーっ!」

 口の中に新鮮かつ大量の精液が流れ込んだ。マイヤは亀頭と一緒に舌で転がし、ごっくんと飲み干すと清めの吸引を施し始める。

「ひおっ……」
「そんなおきよめされたら、もっと出ちゃいそう……」

 もう一回出していいんだよ、とマイヤは心の中でつぶやきながら甘くしごき、舌で転がし続けた。少年達の幼いながらも元気なペニスはまだ放ちたいという意志を抱いている。

 その自分もまた、彼等から精液をいただきたいと望んでいた。というよりは身体が欲しがっている。大量に下痢をしたのでお腹が空いたのと、未消化の栄養も尻から大量に流れたせいで身体がエナジーを欲していたのだ。

(なんだか。ざあめんみるくを飲めば飲むほど、おしゃぶりをしたくなっちゃうなあ……)

 不思議と顎が疲れない。他の女の子は10分もしゃぶっていれば一休みしたいというらしいがマイヤはそうではなかった。一日中おちんちんを口の中に入れたいぐらいだ。

 身体にも目ではっきりとわかる妙な異変があった。おっぱいが膨らみ始めたのだ。7歳なのに。ほんのり丸みを帯び始めてきた。何か悪い病気にかかったかもと医者に診てもらったが、特に問題は見当たらなかった。

 精液に含まれるホルモンが、女の子の身体に早めに第二次性徴を迎えさせるなどとは聞いたことが無かった。たぶんすぐに収まるだろうと考えてた。だって母もトーリもそんなにおっきなおっぱいじゃないし。前世の自分はそれこそ、申し訳程度の膨らみだった。

(うん。悪いこと思わないようにしよう。もしかしたらポンタ―お父さんの遺伝かもしれないけど。でもでも……)

 ポンタ―の体格は立派だったが、親族が巨乳などとは聞いたこともない。だいいち、トーリによれば父親はカントニアのエルフの血を引いているそうな。貧乳が9割を占める種族というから、遺伝を考えれば大きく実るはずが無いのだ。

 もしかしたらイズヴァルトの『おちんちんミルク』のせいかもしれない。あれを飲むと不思議と身体の疲れが癒える。しかもとんでもなく『美味』。さらさらとして飲みやすく、変な塩気や苦みもなくて、そのくせ滋養のありそうな濃ゆい味が楽しめるのだ。

 そのくせ舌で転がすと元気な精虫が小エビの様に飛び跳ねるような食感を覚えてしまう。口の中に含んで転がすと、それだけで幸せな気持ちになってしまう。彼女は恋人の精液を、『しあわせおちんぽミルク』とひそかに名づけていた。

 親と一緒にナントブルグに住んでいた頃からイズヴァルトの侍女として現在に至るまで、沢山のおちんちんをしゃぶり子胤ミルクを飲んできた。いくらかわかったことある。少年の精液はくさみが強い。鍛えている男のそれは滋養がたっぷり。おいしいものを食べているお金持ちのは、味は良い。

 見習い騎士の少年達のそれは鍛えている男とお金持ちのそれとがあわさっている。ただ、イズヴァルトと仲良くしてもらう様にと、正規の団員が飲ませてくれたものはもっと味が良かった。

 2人のおちんちんから2発目をいただこうと、ぺろぺろ、むちゅむちゅ音を立てながら彼女は思う。でもやっぱり、イズヴァルトさんのおちんぽから出るものがおいしいわ。ちなみに次点は何故かルッソのそれ。量は少ないがとにかく口当たりがさわやかでえぐみが全く無い。

(んー。となると、エルフさんやドワーフさんのおちんぽから出るものはどうなのかしら? 1日10発出せるぐらいに絶倫だと聞くけど……)

 少年2人が「んひっ!」「あひっ!」と叫んで放つのを飲み込みながら、マイヤは別の野望について懸想を抱いていた。うん。大学を建てたら亜人の人達も特別枠で入学させて、ちんちんちゅぱちゅぱをしてみようかな?

「ま、マイヤちゃん……」
「気持ちよかったよう。も、もう一回飲ませてもいいかな?」

 男の子たちが3度目をせがむ。新陳代謝が活発な彼等に『賢者タイム』などという言葉は無かった。とにかく空になるまで放ちたい。鍛錬で鍛えた身体と過酷な性体験こそが、彼等をいっちょまえの武者であり子だくさんの父親に育てるはずだ。

「ちゅぴっ……私は別にいいけど、午後の教練とかには出ないの?」
「それは、身体の調子が悪いと申し出て休むつもりだよ」
「俺達、マイヤちゃんにきんたまのなかがすっからかんになるまで飲ませてあげたいんだよねえ。いいでしょ、ねえ?」

 少年2人が問いかける。マイヤはうれしい、と叫んで2人の亀頭の先へ交互にキスを施した。そのしぐさの可愛らしさにやられ、少年達のペニスは残り汁を垂らしながらびいん、と上向いた。

「それじゃあ、もっといただきまーす!」

 早漏が過ぎる2人のきんたまの中身を空にするまで1時間もかからないはず、と思いながら口をあんぐりと空けると、扉が開いてイズヴァルトが姿を現した。ベートーベンとともにだ。

「マイヤどの! この部屋におられたでござるか!」
「イズヴァルトさん、あわてている様子だけどどうしたの?」

 マイヤは少年2人のちんちんを掴む自分を見て嫌そうな顔を見せるベートーベンをちらと見ながら、近づいてきたイズヴァルトに用事があるのかと尋ねた。

「さようでござる。マイヤどののお力添えをお借りしたいでござる」
「私に? どんなことを?」
「いいからいいから。さあさあ。拙者と一緒にむかうでござるよ!」

 イズヴァルトはマイヤを抱き上げて部屋を出て行った。取り残されて不満そうにぶうたれる2人。ベートーベンが彼等の尻を思い切り蹴った。

「マイヤが気軽にしゃぶってくれるからって朝の鍛錬をさぼるんじゃねえぞ! 俺達は合戦に来ているんだからな!」


□ □ □ □ □


 マイヤが連れて来られたのは城市にある兵糧や替えの武器の蔵。その前にはずらりと荷車が並んでいた。イズヴァルトは紙とペンを渡し、1つの荷台にどれだけの食料が載せられるか事前に数えてほしいと頼んだ。

「それ、聖騎士団の輜重部隊さんがする仕事だよね?」
「なのでござるが……敵の主力との合戦に良い場所を調べに行くと言って、拙者とほか数名に仕事を投げたでござるよ……」

 イズヴァルトの他には3人の見習い騎士が残されていた。イズヴァルトは一応は算術を学んでいたが、他の3人は計算に関して怪しいところがあった。だいいち、15歳にもなるのに九九の掛け算が出来ない。

 蔵の中に入り、マイヤは兵糧の袋と武器を見た。それほど無いなあ。聞けば3000の兵が籠った時の半月分の兵糧しか無いという。武器はもっと無い。

 荷馬車はもっと数が少なかった。けれどもイズヴァルト達に満載するまで運んでもらってみると、荷車の数だけ十分にまかなえそうだった。とはいえ、とマイヤは思案する。

「……この辺の街道って石畳だったっけ?」
「田舎道ばかりらしいでござるよ。ナントブルグ近郊の様に、きっちりと舗装された道はほとんどござらん」

 それから西はヨーシデン地方でも指折りの穀倉地帯。土質が柔らかいと聞いていると他の3人が伝えると、マイヤは荷車とその車輪をじっくりと見た後、手を打ってこうしましょう、と告げた。

「進言しましょう。荷車に積むのは半分ぐらいにしてほしいって」
「それだと拙者らの食料が7日ぐらいしか持たぬでござるが……」
「イズヴァルトさん、この前の遠征のこと忘れたの? たっくさん荷物を積んだ馬車が何度か立往生したじゃない?」

 そうでござった。イズヴァルトはうっかりしてたとつぶやいて頭の後ろに手をあてた。どういう事だと3人が尋ねると、荷馬車の車輪がぬかるみにはまる事がしばしばあったとマイヤは答えた。

「動かなくなるたびに荷物を降ろしてみんなで後ろから押したりしてたの。この戦い、早くに終わらせるつもりでしょ?」
「けど、食料と軍備をきっちりとやるのが兵法の常道だと思うのだけど……」
「その食べ物や予備の武器が作戦をさまたげるんじゃあ元も子もないよ。それと、次の砦までは2日もかからないんでしょう? だったら替え馬をかき集めて至る所に配置して、小分けで毎日輸送するほうがいいと思うよ!」

 それでも、と渋る3人にマイヤとイズヴァルトは、今からライナーの元に行ってそう伝えて来ると言って立ち去った。指揮所にいたライナーにその話をすると、マイヤの案に快くうなずいた。

「よくぞ申した。流石は天才と呼ばれる娘だな!」
「そうですか。てへへ……」
「……輜重隊の面々にはその様に言いつけてあったが、何も言わずに出て行ってしまったか。うっかり者ばかりだ」

 マイヤは口を半開きにしてしまった。ライナーさまもそうお考えでしたか。ライナーは荷車の7割分を積む事を考えていたと答える。マイヤの案の方が快速を旨とするこの作戦に適っている、とつぶやいた。

「とはいえ馬は……まあ、ロバや牛となるかもしれんが徴発することはできるだろう」

 そんな大がかりな仕掛けは作れない。長期戦には終わらせない為に敵を決戦に向かわせる必要がある。ライナーは2人に尋ねてみた。

「相手を果敢にさせ、そして完膚なきまで叩きのめす作戦というものは無いだろうか?」
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