プリティでキュアっぽいやつ(全)

CHACOとJAGURA

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お正月的な回 1

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お正月的な回となります。あの手のシリーズではお約束の、妖精界の女王的人物も登場します。残り話数はあと8回、的な感じの流れです。


□ □ □ □ □


 お正月。日本全国民がめでたいと思う年初めの一大イベントだ。

 各家庭には世の子供の55%が「まっず!」と嫌がり、おおよそ3日間それが続くおせち料理が食卓に並び、親戚から貰うお年玉袋の中身にニッポンの不景気ぶりを思い知らされて「こんなんじゃPS5すら買えねえ…」と嘆くことができる。
 
 凧あげや羽子板とかあるだろうけど、大抵はイカのゲームで親戚の子を「ぎゃおおおおん!」とヒスらせたりスイッチを投げつけられたりするだろうし、受験で性格がゆがんでしまったお兄さんお姉さんから聞いたことも無い毒舌を楽しませてもらったりもする。子供達はうきうきわくわくするのだ。

 正月は大人たちにとっても楽しい祭りとなる。
 
 クリスマスで番いが見つからずにチキンとケーキを食いながら自慰をしていた男達は、晴れ着姿の女の裾をめくってバックで攻めるのを夢見ながら初もうでに向かい、年末は一人寝だった女どもはセックスの旨いATMを探しに神社に向かう。
 
 たとえそうはならなくても、確変が激甘なおみくじで大吉をもらえば人は欣喜雀躍するだろうし、「ここが加藤清正公のパワーが込められた由緒正しきお寺よ!」と、近くに墓場があってもパワースポットな法華宗のお寺に参拝して今年1年が無病息災で過ごせる気になれる。頭の中がお花畑になれるイベントなのだ。寒いし椿ぐらいしか花は咲いていないけど。
 
 そのお正月は、世界征服を企む悪の帝国からみんなを救う為に戦う、リリピュア達にもやって来た。しかし悪の帝国にはお正月休みは無い。ゆえに、リリピュア達は正月でも戦わなくてはならないのだ!
 
 
★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 
 
「あー、だりぃー……」

 ビルの屋上でそうぼやく者がいる。悪の帝国の3幹部の1人。黒いゴスロリ服の、これまた目が醒める様な美人。歳は20前ぐらいか。病的に色が白かった。
 
 身長150センチぐらいで細身だが、実は巨乳である。しかし服と補正下着を用い、貧乳に見せかけている。かわいいを目指すためだ。
 
「なーんで私だけ正月仕事なんだろ? この日ぐらい世界征服計画は休んでくれたらいいのに……」

 ビルの屋上にたった1人。室外機のうるさい音以外は彼女のぼやきのみが聞こえる。ううさむい。雲ひとつ無い青天である。そういう日は風も冷たい。
 
 しかもこのビルは200メートル以上の高さがあった。風は強く吹いて来る。ゴスロリ服ではなくウィンドブレーカーを着て来ればよかったと反省した。
 
 この正月、他の幹部2人と戦闘員は皆、お正月休みを取っていた。悪の帝国の世界征服活動は年中無休だが、近頃は働き方改革が叫ばれたせいで正月は最低限の人数で回すこととなった。この幹部が正月の当番にされた。3幹部の中で最年少だったからだ。
 
「あーさむい。さむい。私だって正月ぐらい、ゆっくりしたいのに……」

 ゴスロリ幹部は陰の者だ。人ごみが嫌いで初詣やイベントなどに行くのが嫌だ。毎年の正月は、おうちでアニメのBDボックスや撮りためたアニメを一気見して過ごしていた。
 
「撮りためてたフニーレンの1話から15話、この正月で消化しようと思ってたんだけどなあ……」

 フニーレンは話題のアニメだ。勇者と一緒に旅をした1000年以上を生きる陰キャエルフの少女魔道士が、北の果てにある魔王城ですやすやと眠るお姫様を救いに童貞とスイーツデブを連れて助けに向かう話だ。彼女はマンガを持っているがアニメ版はまだ見て無かった。
 
「はああああ……」

 ゴスロリを着た幹部はため息をついて見下ろす。昼間からぴかぴかと光る看板や奇声をあげる若者がうごめく街が広がっていた。ごちゃごちゃとしてきったなそうなその街は、日本で一番危険な場所と宣伝されている東京の歌舞伎揚町だ。
 
 そしてこの女が立っているビルこそが、歌舞伎揚町に最近できた歌舞伎揚タワーという。ニッポンのセレブと底辺が集まるソドムとゴモラのモニュメントでもあった。
 
 さむいさむい。彼女は嘆きながらきょろきょろと見回した。上質の負のパワーが無いかを確かめているのだ。負のパワーとは心が闇深い者が持つ力である。この街には負のパワーに満ちている。
 
(いっそ、この街ごと怪物にしようかしら?)

 いや、そうもいかない。負のパワーが強すぎると制御しきれないモンスターが生まれてしまう。もしかするとこの星を壊してしまうかもしれない。悪の帝国は世界征服が目的だから、征服するところが無くなると存在意義を無くしてしまう。本末転倒である。
 
「……ん? おやっ!」

 ゴスロリ服を着た隠れ巨乳の女幹部は、ちょうどいい闇深い者を見つけた。今までで一番強い闇の力を感じる。正直言って、怖い。
 
 急に尿意を感じた。あと、お腹もぎゅーっと痛くなった。
 
「や、やばい。ど、どうしよう!」

 女幹部はきょろ、きょろ、と周りを見て室外機の裏に引っ込んだ。スカートに手を突っ込んでパンティーを降ろした。レースがついた黒である。
 
 少し足を開いてスカートをめくり、真っ白い美尻をさらすとしゃがみ込んだ。つるつるのそこ(脱毛ではなく元から)から、しょわわわーと勢いよくお小水を放つ。お腹がもっと痛くなり、いやなオナラが鳴った。
 
 ぶりゅ、びりゅりゅるるるる!
 
 お尻の穴から出されたのは、たいへんににおいの強い下痢だった。この女幹部の液状のそれは、去年開業したばかりの新築のタワーの屋上を汚してしまった。彼女は大変に美白の美人だが。しかも隠れ巨乳。
 
「く、くさぁー……」

 我ながら闇深い便のにおいだ、と彼女は思った。悪の幹部なのに肉感的で見事な美丘にも飛沫がかかっていた。チリ紙で肛門を拭き、もう1枚でお尻をごしごし。立ち上がってワンコ以上にしつこいマーキングの後を見て「うげぇ」と思うと、強大な闇の力を感じる方角へと飛んで行った。
 
 彼女が飛んで行った先には、そのビルの北にある公園があった。北久保公園という。その周囲にはホスト遊びの資金集めの為にたちんぼをやる女達がずらりと並び、それを物色する汚いおっさん達が目で値踏みをしていた。
 
 こいつらの中も当然、強い闇の力が感じられた。しかし彼女が強い力を感じたのはその公園の、たちんぼが用を足しによく入る女子便所の中にいた。どれも和式便器ばかりだ。この時代なのに。
 
 その女子便所には仕掛けがあった。女子トイレの下水管に施されている。便所にある浄化槽に向かわず、とあるビルの地下にある秘密工場へとつながる仕掛けだ。
 
「うひひひひ……」
 
 女子トイレの個室の中で笑う人物がいた。歳は50ぐらいのおばさん……と思いきや女装である。そのビルのオーナーだ。科学者でもあった。
 
 彼はスマホの画面を見ていた。映し出されたのはこのトイレで用を足す若い女達。性病にまみれた陰部をさらしながら、便器に向けてじょばばば、と放つ映像だった。
 
 このトイレには金隠しにカメラを仕込まれていた。しかしこの男は盗撮映像を楽しむ為に仕掛けたわけではない。若い女のションベンかうんちか否かを確かめていたのだ。
 
「くひひ。上出来上出来」

 彼は天才的な科学者だった。若い女の排泄物で美容液を作り出す発明をしたのだ。しかも男が使えば精力増強にもなる。薬は特殊な精製方法でつくられる。銀座や赤坂の高級クラブで働くおばはん達に好評だった。ひと瓶で10万以上するが、効果は抜群だった。
 
(こいつをもっと作って売れば、おれは……)

 念願の『億り人』になれる。いや、もうすでに億の数十倍の資産は持っているから100倍億り人だ。夢が膨らむ。
 
「さあ、たちんぼちゃんたち、僕をお金持ちにしてちょーだい!」

 男は便器に首を突っ込み側面を舐めた。若い女達の身体から出たものの飛沫が残っていたから、なんだか甘い感じがした。
 
 ぞわわわわ!
 
 ゴスロリの女幹部はものすごく強い闇の力を感じて怯えてしまった。そのせいで尿の穴と糞の穴からじょろっ、と出て、下着を汚してしまった。パンツがきもちわるい……。
 
「こ、これならいける! そ、それにお正月だし、リリピュアも!」

 女幹部はどこかからかステッキを取り出し、便所に向けて怪光線を放った。びびびびび!
 
「ぎゃーっ!」

 女子トイレからおっさんの叫び声が。直後、その叫び声は真っ黒い瘴気と化し、北久保公園とその一帯にいたたちんぼと男達を包み込んだ。
 
「ぎょええええ!」
「うわああああ!」

 邪悪な気は一帯を浸食すると収れんし、1つの怪物を作り上げた。2つの大きくうねうねと動く、円筒形の怪物……というかちんぽだ。きのこのように繋がっている。しめじみたいにである。
 
 そのダブルちんぽの化け物の先っちょは、片方が性病でただれてしまったびらんびらんの女性器であり、もう片方は肛門のように窄まっていた。きゅっとなっている方は縦割れで、痔みたいなものができている。掘られ過ぎたアナルだ。
 
「ぶしゅううう!」
「ぶしゅううう!」

 ちんぽのような化け物の両方の穴から、まことに汚らしいにおいのする潮や臭気が放たれた。それが歌舞伎揚街でわいのわいのとにぎやぐ人々にふりかかり、一瞬にして地べたで寝転がり、ネガティブなことばかり吐き捨てるトーヨコキッズのまがいものみたくさせてしまった。
 
「あははは……こええ……」

 あんなにもたくさんの人々を一瞬のうちにとは。ゴスロリの女幹部は恐怖した。そして、またもじょろっ、ぶぴっ、と漏らしてしまった。もうこのパンツ棄てちゃおう。彼女はどろどろで汚いものがべったりとついたそれを脱いで投げ捨てた。
 
 ひらひらひら、とそれがダブルチンポの化け物にくっついた。そいつがまとっていた真っ黒なオーラが倍に増した。
 
 ぎゅいいいん!
 
 ガタイも3割増しに大きくなっている。先っちょから潮と臭気が思いっきり放たれ、都庁の高さまで吹きあがった。歌舞伎揚町どころか新宿区が瘴気に包まれてしまった!
 
「ちょ、ちょっと、今回のはヤバくないかな?」

 ただ期待もした。こいつなら何もせんでもリリピュアをやっつけてくれるだろう。ゴスロリの女幹部は股がスースーとして心もとないと思いながらそこを後にした。化け物は暴れまわったままだ。好きにさせよう。
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