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新番組のスタート回的な話 2
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桜樹瑠偉は丁度その時、友人達と共に喫煙所にいた。逃げた者が落としていったタバコとライター、電子タバコを拾い、スパーっとやっていたのだ。
「げほげほ。くっそまずい! アイ○スよりひでえやこれ!」
瑠偉の友達、小室有里がむせて叫んだ。かーっ、ぺっ! 床に痰を吐いた。
小室はおっとりほんわかで、男子からの受けが良い。学年で告白された回数が2番目に多いと噂されていた。
今日は『萌え袖』を意識したセーターだった。逃げた客が置いた袋からくすねたハイボールの缶をぷしゅ、とさせた。
ぐび、と飲んで「うええええ」とえづき、そのあと酔いがまわってニンマリ顔に。コミカルでとってもかわいい。
「るいちゃん。吸ってるマイセン、1本くれよ?」
桜樹はスパーっとやって鼻から煙を吐き出しながら、青い箱を有里に渡した。それから懐からジッポを出し、火を点けた。
「ふいーっ。これよこれ。いつも吸ってるセブンスターより軽りぃけど、ヤニはこういうのじゃなきゃなあ」
「だよなあ。がっはっはっ!」
みんな慌てて逃げてくれたから、タバコや財布が拾えてラッキー。有里は子連れの女が落としていった、スマホを開いて勝手にSNSにアクセス。
「うわ。すっげえや」
旦那以外の男との、エロ会話や画像がわんさと。パスコードを111111で設定していた頭のゆるい人妻は、股も緩かった。
「うへへえ。えげつねえなあ。ってか相手の男、ちんぽでかっ!」
「ほーうどれどれ? わっ、すっげえ! ズルムケでぶっといじゃん。キモっ! ぎゃははは!」
「うおえっ。しかもハメ撮ってんのも録画してやんの。このババア、アタオカじゃね?」
桜樹は、小室が持っていた買い物袋からストロングでゼロなアルコール飲料の缶を1本頂く。
500と350があったが、小さいほうにしたのはそれぐらいで十分だからである。酔う為だけのまずい酒を、そんな多く飲むつもりはない。
「ところでさー、るいちゃん。このでかでかちんぽで思い出したんだけどさー」
「なーに、ゆーりちゃん?」
「どうやってにげよっか?」
桜樹は『貧乏人サワー』をぐび、と飲み、タバコをスパーっとやってから答えた。うん。とってもやばいかも。私達。
2階にあるゲームセンター横の喫煙所であった。ガラス越しに外を見れば、でかいちんぽの化け物に追いかけられる、1階の人々の姿が。
にゅるにゅるにゅるときんたまが右に左に動き、亀頭から出る怪液を皆にぶっかける。
「うーん。出るのが全然収まらないなあ。エロ漫画のちんぽみてえだ」
「るいちゃん。まじやばくないかなあ。逃げときゃよかったかも、わたしたち……」
「いや、そうしたいのはやまやまだったんだけど。ほら……」
瑠偉はゲームコーナの男子トイレから聞こえ続ける、「ひうううううっ!」と叫ぶ小さな女の子の声を聞いて「今もさ……」と。
その声の主は今、男子トイレの個室に閉じ込められていた。一緒にいたのは瑠偉の兄だ。手芸用道具の買い物につきあわされていた。
ただ、声の主は女の子ではあるけれど人類ではなかった。
ふわふわもこもこした身体の、猫の様な犬の様な、ちっこいぬいぐるみの様な何かだった。
「げほげほ。くっそまずい! アイ○スよりひでえやこれ!」
瑠偉の友達、小室有里がむせて叫んだ。かーっ、ぺっ! 床に痰を吐いた。
小室はおっとりほんわかで、男子からの受けが良い。学年で告白された回数が2番目に多いと噂されていた。
今日は『萌え袖』を意識したセーターだった。逃げた客が置いた袋からくすねたハイボールの缶をぷしゅ、とさせた。
ぐび、と飲んで「うええええ」とえづき、そのあと酔いがまわってニンマリ顔に。コミカルでとってもかわいい。
「るいちゃん。吸ってるマイセン、1本くれよ?」
桜樹はスパーっとやって鼻から煙を吐き出しながら、青い箱を有里に渡した。それから懐からジッポを出し、火を点けた。
「ふいーっ。これよこれ。いつも吸ってるセブンスターより軽りぃけど、ヤニはこういうのじゃなきゃなあ」
「だよなあ。がっはっはっ!」
みんな慌てて逃げてくれたから、タバコや財布が拾えてラッキー。有里は子連れの女が落としていった、スマホを開いて勝手にSNSにアクセス。
「うわ。すっげえや」
旦那以外の男との、エロ会話や画像がわんさと。パスコードを111111で設定していた頭のゆるい人妻は、股も緩かった。
「うへへえ。えげつねえなあ。ってか相手の男、ちんぽでかっ!」
「ほーうどれどれ? わっ、すっげえ! ズルムケでぶっといじゃん。キモっ! ぎゃははは!」
「うおえっ。しかもハメ撮ってんのも録画してやんの。このババア、アタオカじゃね?」
桜樹は、小室が持っていた買い物袋からストロングでゼロなアルコール飲料の缶を1本頂く。
500と350があったが、小さいほうにしたのはそれぐらいで十分だからである。酔う為だけのまずい酒を、そんな多く飲むつもりはない。
「ところでさー、るいちゃん。このでかでかちんぽで思い出したんだけどさー」
「なーに、ゆーりちゃん?」
「どうやってにげよっか?」
桜樹は『貧乏人サワー』をぐび、と飲み、タバコをスパーっとやってから答えた。うん。とってもやばいかも。私達。
2階にあるゲームセンター横の喫煙所であった。ガラス越しに外を見れば、でかいちんぽの化け物に追いかけられる、1階の人々の姿が。
にゅるにゅるにゅるときんたまが右に左に動き、亀頭から出る怪液を皆にぶっかける。
「うーん。出るのが全然収まらないなあ。エロ漫画のちんぽみてえだ」
「るいちゃん。まじやばくないかなあ。逃げときゃよかったかも、わたしたち……」
「いや、そうしたいのはやまやまだったんだけど。ほら……」
瑠偉はゲームコーナの男子トイレから聞こえ続ける、「ひうううううっ!」と叫ぶ小さな女の子の声を聞いて「今もさ……」と。
その声の主は今、男子トイレの個室に閉じ込められていた。一緒にいたのは瑠偉の兄だ。手芸用道具の買い物につきあわされていた。
ただ、声の主は女の子ではあるけれど人類ではなかった。
ふわふわもこもこした身体の、猫の様な犬の様な、ちっこいぬいぐるみの様な何かだった。
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