実はお互いさまでした。

黒井かのえ

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隆志の想像内

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 隆志は、がばっと体を離した。
 慌てて周の足をかかえる。

「じゃ、もう聞かない!」

 ここまできて駄目出しをされたら最悪だ。
 隆志のものは、さっきからずっとなにもしていないのに滴をこぼしっ放しだった。
 軽く何度か出してしまってもいる。

 周の機嫌を損ねる前に、つながってしまわなければと気が急いた。
 こぼれた滴でぬるぬるになっている自分のものをつかむ。
 さっきまで指と舌で開いていた周の後ろに、それをあてがった。
 軽くふれているだけで、隆志のものがびくびく震える。

 挿れる前からイってしまいそうになるのを必死でこらえた。
 周より長持ちしたことはなかったけれど、今日はそうはいかないと思う。
 内側の感じる場所をこすれば、周も気持ち良くなれるはずだ。

 自分だけの欲に溺れていては、周をつなぎとめておけない。
 隆志はこうなっても、まだ周の言葉にこだわっていた。

「がんちゃん、オレ、ぜってー気持ちよくすっから」

 周の足をかかえこんだ手に力を入れて、腰を進める。
 先端に抵抗感を覚え、うろたえた。
 このまま突き進んだら周は痛いのではないかと思ったからだ。
 とはいえ、先端が浅くもぐりこんでいて、内側の熱を感じる。

 隆志は何度も息を小さく吐き、下腹からくる波に耐えた。
 手を伸ばして、なんとか周のものを握り込む。
 周にも気持ち良くなってほしいという気持ちで、それをこすりあげた。

「あ……っ……うう……っ」

 声をもらしたのは隆志だ。
 先端がじわりと内側に引きこまれている。
 イかないようにこらえながら、夢中で手を動かす。
 周のそれが熱を取り戻し、硬くなってくるのが嬉しかった。

 後ろが収縮して、隆志のものを少しずつのみこんでいく。
 強い刺激から目に涙が滲んだ。
 不意に、はっはっという息づかいが聞こえた。
 知らずつむっていた目を開くと、ぼんやりと周の胸が上下しているのが見える。

「がんちゃ……大好き……」

 目から涙がぽたぽたとこぼれた。
 周が自分を受け入れようと努力してくれているのに気づいて胸が熱くなっている。

 ぐぷ……と、隆志のものが周の内側に挿っていた。
 中は熱くて柔らかく隆志を包んでくる。
 周の気持ちに応えたくて、あの場所を探した。
 奥までは挿れず、先端を小さく動かす。

「んぁ……っ」

 ほかのところよりわずかに硬い場所。
 隆志のものは硬くなり、先端は敏感になっている。
 こりこりとした感触がひどく気持ち良かった。
 自分だけが気持ち良くなってはいけないと思いつつ、快楽の波にのまれる。

「きもち……っ……いい……っ……ココ、こりこりしてるトコ、気持ち、いい……っ」

 何度も浅くそこを突いては、自分のものをこすりつけた。
 きゅっと周の後ろが隆志を締めつける。

「ぁあ……っ……や……っ……ぅ……っんん……っ」

 声にも甘く体がしびれた。
 周も気持ち良くなっている。
 腰を揺らしながら、周のものを握った手を上下に動かした。
 こぼれた滴が手にまとわりついてくる。

「た、たか…隆志……っ……」
「あ! ご、ごめ……っ……も、オレ……っ……イく、イくっ」

 腰ががくがくと震えた。
 手の中で、急に暖かいものが弾ける。
 と、同時に隆志のものが強く締めつけられていた。
 周のほうが先に限界を迎えたのだとわかり、隆志は自分も欲望を解放する。
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