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崎坂の勝利
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大倉とキスをしている。
舌をからませると唇の柔らかさ以上に、そう実感した。
近づいた距離に、目を伏せている大倉のまつげが揺れているのまでが見える。
これはものすごく親密な行為だ。
自分の体の一部が、相手の体の中に入っている。
もっと深いつながりを想像して、ぞくっとした。
舌でゆっくりと口内を探る。
上顎のざらざらとした感触を確認してから頬の内側を舐めた。
大倉の舌がわずかに跳ねるのを感じ、自分の舌でくるんと巻き取る。
表面も裏側も、舐めてはからめて吸った。
お互いの唾液が混じり合い、くちゅくちゅと音を立てている。
それが耳を刺激し、否応なく煽られた。
大倉の乱れた息が唇にあたるのも、たまらない。
崎坂は大倉の学生服のボタンを外す。
その下に着ていたシャツの上から手を滑らせた。
「…………ぁ……」
大倉が、唇の端から小さな声をもらす。
一気に熱が加速した。
からませた舌を強く引いて、自分の口の中へと引きこんだ。
ゆるく吸ったり噛んだりしながら、手をせわしなく動かす。
シャツの上からだったけれど、胸の先に手のひらがふれたのに気づいた。
指先で円を描くようにそのあたりをなぞってみる。
すぐに、つん……と、とがってきた。
こんなふうに誰かの体にふれるのは、初めてだ。
大倉は崎坂が童貞ではなかったのに驚いていたようだったけれど、実際、経験はない。
大倉に比べれば崎坂は性的なことには奔放だと言える。
男同士で集まる度にエロ話をしてきたし、その中心にもいた。
エロ本もエロDVDも「コレクション」と言われるに足る程度には持っている。
とはいえ、それらと現実の行為は別ものだ。
あくまでも一人エッチのネタでしかない。
これでも一応、崎坂なりに「エッチ」そのものには夢を抱いていた。
そう言ったら大倉は信じるだろうか。
単純にヤるだけではなく、好きな相手と体を重ねるのを夢見ていたと言ったら。
そして、その夢が現実になりつつある。
興奮しないようにするほうが無理だ。
どんな大会で好成績を残した時よりも、感情が抑制できない。
もっともっとと大倉を求めていた。
きゅっとシャツの上から胸の先をつまむ。
が、布が邪魔をして、はっきりとその感触がわからない。
けれど、大倉のほうは違ったようだ。
崎坂の視界の中、ちょっぴり泣きそうな顔で眉を下げた。
「……ん…………ぁ……」
恥ずかしげにもらされた声と表情に、理性が追いやられそうになっている。
ひどくもどかしくてしかたがない。
シャツのボタンを外して、素肌にふれた。
瞬間、大倉が体を引く。
ちゅっと音を立てて唇が離れた。
崎坂はまばたきしながら、首をかしげる。
はい今日はここまで、なんて言われたら、かなり厳しい。
崎坂の下半身は熱くなっていて、下着の中ではえらいことになっている。
わかっていても、無理強いはできないと、奥歯を食いしばるようにして我慢した。
好きな相手を前にして、がつがつするのは当然だ。
大倉は、初めて本気で好きになった相手であり、初めてできた恋人でもある。
そして崎坂の言動はたいていストレート。
だから、我慢しようと思うそばから、大倉の体をじろじろ見てしまう。
シャツの前ははだけられていて、胸の先がほんのり赤くなっていた。
どくんどくんと下半身に脈を感じる。
崎坂のそこは勃ち上がりきって、ズボンの前を押し上げていた。
「あ……その…………や、や、や……やんの……?」
くしゅとしかめられた顔がかわいい。
体も大きくて、完全に男だとわかっているのに大倉がかわいく見える。
つくづく好きなんだなと思った。
崎坂は、すくっと立ち上がる。
かけ布団をめくってから、大倉へと視線を向けた。
真面目な顔をして、手でベッドを示す。
「どうぞ」
「ど、どうぞって……」
「心配すんな、おーくら。オレは、想像ン中で何回もお前とエッチしてきた。自信ある。いつそうなってもいいように、準備だってしてるんだぜ?」
枕元に隠しておいた容器を取り出した。
自信満々で、それを大倉に見せる。
すぐに視線をそらされた。
「な、な……なんだよ……それ……」
「ローション」
つきあう前、一人エッチ中に想像していた時は、なにも考えていなかった。
大倉の体をさわりまくって、つながりあうだけの想像しかしていない。
けれど、大倉とつきあえるとなった時からいろいろと調べたのだ。
想像でするのと、実際にするのとが違うことくらいは崎坂にだってわかる。
相手は男なのだし、男女の行為では参考にならない。
学校の授業で必要になるという理由から、今年、買ってもらったばかりのパソコン。
あまり得意ではなかったものの、ネットで調べまくった。
結果、知り得た情報からいくつかのアイテムが必要だとわかっている。
それらは、家から少し離れたドラッグストアですでに入手済み。
レジに叩きつけるようにして買ってきたのはローションとコンドーム。
チャンスを逃したくなかったし、失敗すれば二度目はない。
わかっていたから、崎坂としても必死だったのだ。
「い、いきなり……お前……そんなん……」
大倉は大きな体を縮こまらせている。
顔は真っ赤だったけれど、嫌がっているというふうでもない。
決めかねているといった態度に思えた。
すると、不意に大倉がちろっと横目で崎坂に視線を投げてくる。
かちっとなにかスイッチが入ったような感覚が体に走った。
無理強いはしないとの気持ちが吹き飛ぶ。
「も…………オレ、無理」
「へ……?」
ぽかんとした表情で見上げてくる大倉の腕をつかんだ。
引っ張って立たせ、軽く肩を突いた。
とすん……と、大倉がベッドに座り込む。
瞬間、足を抱え込み、体全体を使ってベッドの上に引きずり上げた。
「ちょ、ち、ちょ……っ……さ、崎坂……っ」
うろたえまくっている大倉の声は無視。
覆いかぶさり、唇を塞ぐ。
夢中で舌を動かし、手で体をまさぐった。
基本的に、崎坂は下半身の欲求に素直な男なのだ。
舌をからませると唇の柔らかさ以上に、そう実感した。
近づいた距離に、目を伏せている大倉のまつげが揺れているのまでが見える。
これはものすごく親密な行為だ。
自分の体の一部が、相手の体の中に入っている。
もっと深いつながりを想像して、ぞくっとした。
舌でゆっくりと口内を探る。
上顎のざらざらとした感触を確認してから頬の内側を舐めた。
大倉の舌がわずかに跳ねるのを感じ、自分の舌でくるんと巻き取る。
表面も裏側も、舐めてはからめて吸った。
お互いの唾液が混じり合い、くちゅくちゅと音を立てている。
それが耳を刺激し、否応なく煽られた。
大倉の乱れた息が唇にあたるのも、たまらない。
崎坂は大倉の学生服のボタンを外す。
その下に着ていたシャツの上から手を滑らせた。
「…………ぁ……」
大倉が、唇の端から小さな声をもらす。
一気に熱が加速した。
からませた舌を強く引いて、自分の口の中へと引きこんだ。
ゆるく吸ったり噛んだりしながら、手をせわしなく動かす。
シャツの上からだったけれど、胸の先に手のひらがふれたのに気づいた。
指先で円を描くようにそのあたりをなぞってみる。
すぐに、つん……と、とがってきた。
こんなふうに誰かの体にふれるのは、初めてだ。
大倉は崎坂が童貞ではなかったのに驚いていたようだったけれど、実際、経験はない。
大倉に比べれば崎坂は性的なことには奔放だと言える。
男同士で集まる度にエロ話をしてきたし、その中心にもいた。
エロ本もエロDVDも「コレクション」と言われるに足る程度には持っている。
とはいえ、それらと現実の行為は別ものだ。
あくまでも一人エッチのネタでしかない。
これでも一応、崎坂なりに「エッチ」そのものには夢を抱いていた。
そう言ったら大倉は信じるだろうか。
単純にヤるだけではなく、好きな相手と体を重ねるのを夢見ていたと言ったら。
そして、その夢が現実になりつつある。
興奮しないようにするほうが無理だ。
どんな大会で好成績を残した時よりも、感情が抑制できない。
もっともっとと大倉を求めていた。
きゅっとシャツの上から胸の先をつまむ。
が、布が邪魔をして、はっきりとその感触がわからない。
けれど、大倉のほうは違ったようだ。
崎坂の視界の中、ちょっぴり泣きそうな顔で眉を下げた。
「……ん…………ぁ……」
恥ずかしげにもらされた声と表情に、理性が追いやられそうになっている。
ひどくもどかしくてしかたがない。
シャツのボタンを外して、素肌にふれた。
瞬間、大倉が体を引く。
ちゅっと音を立てて唇が離れた。
崎坂はまばたきしながら、首をかしげる。
はい今日はここまで、なんて言われたら、かなり厳しい。
崎坂の下半身は熱くなっていて、下着の中ではえらいことになっている。
わかっていても、無理強いはできないと、奥歯を食いしばるようにして我慢した。
好きな相手を前にして、がつがつするのは当然だ。
大倉は、初めて本気で好きになった相手であり、初めてできた恋人でもある。
そして崎坂の言動はたいていストレート。
だから、我慢しようと思うそばから、大倉の体をじろじろ見てしまう。
シャツの前ははだけられていて、胸の先がほんのり赤くなっていた。
どくんどくんと下半身に脈を感じる。
崎坂のそこは勃ち上がりきって、ズボンの前を押し上げていた。
「あ……その…………や、や、や……やんの……?」
くしゅとしかめられた顔がかわいい。
体も大きくて、完全に男だとわかっているのに大倉がかわいく見える。
つくづく好きなんだなと思った。
崎坂は、すくっと立ち上がる。
かけ布団をめくってから、大倉へと視線を向けた。
真面目な顔をして、手でベッドを示す。
「どうぞ」
「ど、どうぞって……」
「心配すんな、おーくら。オレは、想像ン中で何回もお前とエッチしてきた。自信ある。いつそうなってもいいように、準備だってしてるんだぜ?」
枕元に隠しておいた容器を取り出した。
自信満々で、それを大倉に見せる。
すぐに視線をそらされた。
「な、な……なんだよ……それ……」
「ローション」
つきあう前、一人エッチ中に想像していた時は、なにも考えていなかった。
大倉の体をさわりまくって、つながりあうだけの想像しかしていない。
けれど、大倉とつきあえるとなった時からいろいろと調べたのだ。
想像でするのと、実際にするのとが違うことくらいは崎坂にだってわかる。
相手は男なのだし、男女の行為では参考にならない。
学校の授業で必要になるという理由から、今年、買ってもらったばかりのパソコン。
あまり得意ではなかったものの、ネットで調べまくった。
結果、知り得た情報からいくつかのアイテムが必要だとわかっている。
それらは、家から少し離れたドラッグストアですでに入手済み。
レジに叩きつけるようにして買ってきたのはローションとコンドーム。
チャンスを逃したくなかったし、失敗すれば二度目はない。
わかっていたから、崎坂としても必死だったのだ。
「い、いきなり……お前……そんなん……」
大倉は大きな体を縮こまらせている。
顔は真っ赤だったけれど、嫌がっているというふうでもない。
決めかねているといった態度に思えた。
すると、不意に大倉がちろっと横目で崎坂に視線を投げてくる。
かちっとなにかスイッチが入ったような感覚が体に走った。
無理強いはしないとの気持ちが吹き飛ぶ。
「も…………オレ、無理」
「へ……?」
ぽかんとした表情で見上げてくる大倉の腕をつかんだ。
引っ張って立たせ、軽く肩を突いた。
とすん……と、大倉がベッドに座り込む。
瞬間、足を抱え込み、体全体を使ってベッドの上に引きずり上げた。
「ちょ、ち、ちょ……っ……さ、崎坂……っ」
うろたえまくっている大倉の声は無視。
覆いかぶさり、唇を塞ぐ。
夢中で舌を動かし、手で体をまさぐった。
基本的に、崎坂は下半身の欲求に素直な男なのだ。
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