聖なる者~コードネームはモナリザ

夢織人

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二人のパンチェン・ラマ11世 ⑤ リールイはツインソウルといった、ノルブの言葉が気にかかった。

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 リールイはもう一人のパンチェン・ラマ、ノルブがって言っていた、ツインソウルと云う言葉が妙に気にかかっていた。

『ノルブはいったい何を言いたかったのだろう?』

 中国政府が認めるパンチェン・ラマ11世と、傷つき目の前に横たわっている亡命チベット政府が探している青年は、明らかに共存できない関係なのだが、ノルブは
「わたしたちはツインソウルだ」
と、重大な秘密を打ち明けているかのように、他のものが聞き取れないように、わざわざ耳元でささやいたのだ。
 それが気になった。

 パンチェン・ラマの生まれ変わりは、昔からひとりと決められている。
 しかしツインソウルだから、ふたりともパンチェン・ラマなのだ、と言いたいのだろうか?
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