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もうひとりのジョンジュン
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突然舞い込んだ情報と写真に、ふたりは困惑しながら話し込んでいた。
「いったい彼は、何者なんでしょうか?」
「それが、まったっくわからないんだ。
去年、突然、ジョンジュンが中国にいるらしいと云う噂が浮上した。
そして突然、暗殺未遂事件があったと、メディアで報道された」
ボスと呼ばれた初老の男は、若く有能な女性分析官に向かってそう言った。
「彼はただの替玉ではないような気がします。
何かもっと別の意図がありそうな・・・」
女性分析官の言葉に、ボスと呼ばれた男もうなずいた。
「わたしもそう思う。しかしそれが何なのか、かいもく見当がつかないんだ」
女性分析官は上司に臆することなく、冷静に自分の意見を伝えた。
「彼を護っているように装ってはいますが、たぶん違うと思います。
中国政府は、本当のところは、彼を亡きものにしたいのではないでしょうか?」
そしてなおも続けた。
「自分たちでは手を下したくないけれど、他のものたちに彼を殺してほしいのだろうと思います」
「それでは彼は、ジョンジュンとは、まったく関係のない人物だと云うのかね?」
「はい、そう思います」
と、女性分析官は確信があるように言った。
「では、誰なんだ?」
「もう少し待ってください。思い当たる人物はいるのですが、もう少し情報と分析が必要です」
「いったい彼は、何者なんでしょうか?」
「それが、まったっくわからないんだ。
去年、突然、ジョンジュンが中国にいるらしいと云う噂が浮上した。
そして突然、暗殺未遂事件があったと、メディアで報道された」
ボスと呼ばれた初老の男は、若く有能な女性分析官に向かってそう言った。
「彼はただの替玉ではないような気がします。
何かもっと別の意図がありそうな・・・」
女性分析官の言葉に、ボスと呼ばれた男もうなずいた。
「わたしもそう思う。しかしそれが何なのか、かいもく見当がつかないんだ」
女性分析官は上司に臆することなく、冷静に自分の意見を伝えた。
「彼を護っているように装ってはいますが、たぶん違うと思います。
中国政府は、本当のところは、彼を亡きものにしたいのではないでしょうか?」
そしてなおも続けた。
「自分たちでは手を下したくないけれど、他のものたちに彼を殺してほしいのだろうと思います」
「それでは彼は、ジョンジュンとは、まったく関係のない人物だと云うのかね?」
「はい、そう思います」
と、女性分析官は確信があるように言った。
「では、誰なんだ?」
「もう少し待ってください。思い当たる人物はいるのですが、もう少し情報と分析が必要です」
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