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最終試験の結果は・・・
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「さっきは、ひっぱたいて悪かった。しかしもめごとを起こさず、君を助けるにはあの方法しかなかった」
ジョナサンはホテルの部屋に戻ってから、モナリザに謝った。
「そうよ、あの場面は、ああするしかなかったと思うわ」
と、他のメンバーもそう言った。
「まだ、痛む? でも、ジョナサンはあれでかなり、手加減したのよ」
先輩の女性エージェントはやさしくモナリザを抱きしめ、慰めた。
美少年スター、イマージュは女性以上に美しい少年だったから、スタイリストはいつもユニセックス系の衣装を用意した。テレビのプロデューサーもいつも同性愛を匂わせるようなキャラ設定で少年を起用することが多く、世間は少年のことをそのように思っていた。しかし実際のイマージュはそうではなかった。そのイメージをむしろ嫌っていた。そのイメージのせいで、学生時代はクラスメートからのイジメも受けたし、イヤな経験もたくさんしてきた。
だから実際のところ、イマージュはやはり女装には抵抗があったのだ。彼はかなり我慢して任務に取り組んでいた。だから男が体を触ってきた時も、かなり我慢していた。それなのに、そのあげくがジョナサンの強烈なビンタだったのだ。
そうでなくても、落ち込み気味だった心は、もう立ちあがれないほど傷つき、落ち込んでしまった。
しかしそれでも、
「おめでとう、最終試験合格だ」
とボスに言われた時、モナリザの瞳はパッと輝やきを取り戻し、気を取り直してニッコリ笑った。
イマージュは自分でも不思議だったのだが、これからまたジョナサンと一緒にいられると思うと、とても嬉しかった。嬉しくて涙がでそうだった。でもそんな気持ちを誰にも悟られなくて、イマージュはみんなと一緒に大きな声で笑いながらはしゃいだ。
そんな彼等をボスはニコニコしながら見ているだけだったが、ジョナサンはやはりクールだった。
「笑う時はもっと控えめに、謎めいたほほ笑みでなければダメだ」
と厳しいチェックをモナリザにした。
ジョナサンはホテルの部屋に戻ってから、モナリザに謝った。
「そうよ、あの場面は、ああするしかなかったと思うわ」
と、他のメンバーもそう言った。
「まだ、痛む? でも、ジョナサンはあれでかなり、手加減したのよ」
先輩の女性エージェントはやさしくモナリザを抱きしめ、慰めた。
美少年スター、イマージュは女性以上に美しい少年だったから、スタイリストはいつもユニセックス系の衣装を用意した。テレビのプロデューサーもいつも同性愛を匂わせるようなキャラ設定で少年を起用することが多く、世間は少年のことをそのように思っていた。しかし実際のイマージュはそうではなかった。そのイメージをむしろ嫌っていた。そのイメージのせいで、学生時代はクラスメートからのイジメも受けたし、イヤな経験もたくさんしてきた。
だから実際のところ、イマージュはやはり女装には抵抗があったのだ。彼はかなり我慢して任務に取り組んでいた。だから男が体を触ってきた時も、かなり我慢していた。それなのに、そのあげくがジョナサンの強烈なビンタだったのだ。
そうでなくても、落ち込み気味だった心は、もう立ちあがれないほど傷つき、落ち込んでしまった。
しかしそれでも、
「おめでとう、最終試験合格だ」
とボスに言われた時、モナリザの瞳はパッと輝やきを取り戻し、気を取り直してニッコリ笑った。
イマージュは自分でも不思議だったのだが、これからまたジョナサンと一緒にいられると思うと、とても嬉しかった。嬉しくて涙がでそうだった。でもそんな気持ちを誰にも悟られなくて、イマージュはみんなと一緒に大きな声で笑いながらはしゃいだ。
そんな彼等をボスはニコニコしながら見ているだけだったが、ジョナサンはやはりクールだった。
「笑う時はもっと控えめに、謎めいたほほ笑みでなければダメだ」
と厳しいチェックをモナリザにした。
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