「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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ソラリス&地球編 第3章 ハンソルとルシファー

第2話 目の覚めるような、美青年だった。

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 その日、ハンソルは機嫌が良かった。
 というのは、パーティーでルシファーと実際に会う前だったからである。
 だからハンソルに後ろからぶつかってきて、転んでしまった見知らぬ女の子に対しても、優しくふるまえた。

「大丈夫かい? 怪我はない?」
と言って、その手を伸ばし、シェリーが起き上がるのを助けてくれた。

 ハンソルは恥ずかしそうにしているその女の子に、
「どこも悪いところは無さそうだけど、何かあったらいつでも連絡して」
と言って、シェリーに名刺を渡した。
 
 目の覚めるような、美青年だった。誰かに似ているとは思ったけれど、とにかく今まで会ったこともないような美青年だった。
 シェリーはとうぜん、その青年に一目惚れした。
 名刺を見ると、職業は「モデル」で名前は「ハンソル」だった。

 少し遅れてヨハネはやっとシェリーに追いついた。
 そして2人の様子を後ろから見ていたヨハネは、ハンソルに謝った。

「すいません。ちょっと目を離しただけなのに、シェリーがご迷惑をかけてしまったようですね。あなたこそ、大丈夫ですか?」

 そしてその青年の顔を間近で見て、初めてヨハネは驚いた。
 髪型が違ったので、シェリーは気づかなかったようなのだが、青年はルシファーに驚くほど良く似ていたのだ。
 

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