「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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ソラリス&地球編 第2章 鷹は舞い降りた

第7話 その結末は、想像を越える残酷さだった。

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 ルドラの足取りは重かった。

 こうなることは初めから解っていたことなのだが、その結末は、想像を越える残酷さだった。ここまで残酷な結末になるとは、ルドラでも想像ができなかったのだ。

 前シヴァ神、セザールは、死を越えてもなお壮絶に美しかった。
 そしてその壮絶な美しさゆえに、ルドラは哀しかった。

 幾多の戦場をかけぬけ、数え切れないほどの悲惨な情景を見てきたルドラでさえも、死を越えて生かされつづけるるセザールの受難の様相は、目を見張る残酷さだった。

「いつもこうなのか?」
と、ルドラは建物を護り管理する衛兵に聞いた。

「はい、だいたい毎日、決まった時間に繰り返されます。
 今日はお見えになっていませんが、グランドマスターのかたも、中へ入る権利をお持ちなので、ときどき様子を見に来られます」

 シヴァは破壊と再生の舞の名手だったが、今は、時空を越えたエロスの舞を踊る結界となっていた。
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