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ソラリス&地球編 第1章 グランドマスター・クベーラと破壊と再生の神シヴァの想い
第3話 シヴァがジャド師に残したことば
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ハリーが深い眠りから覚めたとき、最初に目にした情景は、ハリーを
のぞき込むようにして心配そうに見ている、見慣れない青年の顔だった。
逆光のせいだったのだろうか? それとも本当に特別な人だったのだろうか?
そのシルエットは光に包まれていて、じっとハリーを見つめていた。
しかしハリーが目覚めたことを確認するとすぐに、
「目覚めたようだ」
と、ハリーの看病で疲れ果て、側らで少しウトウトし始めていたオリオンを起こして言った。
「もう、大丈夫です。数日もすれば、完全に回復するでしょう」
そして青年は、ジャド師のもとへ行くとジャド師に何かを話していた。
しかしそれはオリオンの知らない星のことばで、ふたりが何を話しているかをオリオンは知ることができなかった。
「私は急な用事が出来て、私の星へ帰らなければなりません。
たぶんもう、戻って来れないでしょう。
それで、お願いがあるのです。
あの少年の命は助かりましたが、命を蘇らせる過程で、残念ながら、やはり事故が起きてしまったようなのです。まだはっきりしませんが、本来は惑星の奥深くに堅く封印されていなければならないいにしえの魂が、一緒に蘇った可能性があるのです」
と青年は心配そうに言った。
「この子は、心配していたよりもずっと芯が強い子のようで、古の魂の誘惑にも負けませんでした。しかしいつまでも古の魂を押さえ込めていられるか、やはりとても心配です」
青年は本当に悩み、心配しているようだった。
「いつになるか、わかりませんが、そう遠くない未来に、誰も知らない星から、旅人が来るはずです。
私よりも、少し年上のかたです。違う名前を名乗ると思いますが、クベーラさまと言う方です。
そしてこの少年を探しているはずです。
そのかたは決して名乗りませんが、グランドマスターです」
驚くジャド師に、シヴァは言った。
「この少年を助けるためには、その方の力が、絶対に必要です。
そしてその方を、この教団の教主ミカエルさまとその友、ルシファーさまとヨハネさまに会わせてあげてください」
のぞき込むようにして心配そうに見ている、見慣れない青年の顔だった。
逆光のせいだったのだろうか? それとも本当に特別な人だったのだろうか?
そのシルエットは光に包まれていて、じっとハリーを見つめていた。
しかしハリーが目覚めたことを確認するとすぐに、
「目覚めたようだ」
と、ハリーの看病で疲れ果て、側らで少しウトウトし始めていたオリオンを起こして言った。
「もう、大丈夫です。数日もすれば、完全に回復するでしょう」
そして青年は、ジャド師のもとへ行くとジャド師に何かを話していた。
しかしそれはオリオンの知らない星のことばで、ふたりが何を話しているかをオリオンは知ることができなかった。
「私は急な用事が出来て、私の星へ帰らなければなりません。
たぶんもう、戻って来れないでしょう。
それで、お願いがあるのです。
あの少年の命は助かりましたが、命を蘇らせる過程で、残念ながら、やはり事故が起きてしまったようなのです。まだはっきりしませんが、本来は惑星の奥深くに堅く封印されていなければならないいにしえの魂が、一緒に蘇った可能性があるのです」
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「いつになるか、わかりませんが、そう遠くない未来に、誰も知らない星から、旅人が来るはずです。
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「この少年を助けるためには、その方の力が、絶対に必要です。
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