210 / 234
地球編 第4章 ハリーと運命
第13話 セザールがマスター・シヴァだったとは・・・
しおりを挟む
今、まさにセザールを乗せた宇宙船が飛び立とうとしていた。
その様子を、ルシファー、ヨハネ、ミカエルの3人は少し離れた場所から見ていた。
「しかし、驚いたな。セザールがマスター・シヴァだったとは・・・」
と、ルシファーは後ろを振り向き、ミカエルとヨハネに言った。
「破壊と再生の神なんだろう? その称号を持つ者は、今、何人いるんだ?」
「何人かいるはずですが、確かなことは、そう多くはないということです」
とヨハネが答えた。
「セザールは、ランク的には、何番目のシヴァなんだ?」
「さあ・・・? 時々、踊りの練習をしてはいましたが、何か見慣れない、不思議な踊りでしたよね。
1番上のシヴァは、現グランドマスターのお気に入りで、頂上委員会の次期グランドマスター候補だと聞いたことがあります」
と、ヨハネが答えた。
「お前、今、次期グランドマスター候補って言ったか?」
「はい。そう聞いています」
「嘘だろ? それに、グランドマスターのお気に入り・・・って、どういう意味だ?」
「息子のようにかわいがっている・・・、と言うことなのではないでしょうか?」
とヨハネが答えた。
するとミカエルが、
「別の噂も、いくつが聞いたことがあります」
と言った。そして、
「グランドマスターの何人かがそのシヴァに執着していて、委員会内部で何かと揉めている・・・、と聞いたことがあります」
「どういうことだ?」
「要するに、そのシヴァを独占したがっているようなのです」
「なぜ?」
「そのシヴァは、とてもエロティックな踊りをするそうなのです。
一度その踊りを見たら、忘れられなくなると言われています。
しかし、その踊りは滅多に見れるものではないので、飢えにもに似た感情に、見たものは囚われるのだそうです」
「じゃあ、セザールは、トップ・ダンサーではないな。
時々踊っていたが、ぜんぜんエロティックではなかったよな、ヨハネ?」
とルシファーは、ヨハネに同意をもとめた。
「そうですね。ただ、昨日のセザールは精霊に襲われて放心状態だったのですが、いつもと違い、こちらが驚くほどエロティックな感じでした」
「そうなのか?」
とルシファーは言い、少し怪訝そうな顔でヨハネを見た。
「それでグランドマスターは、宇宙連合に何人いるんだ?」
とルシファーはミカエルに聞いた。
「13人と聞いていますが、実のところは、よくわかりません」
とミカエルはルシファーに答えた。
「宇宙連合も上の方になると、なかなか情報が出てこないからな」
とルシファーは同意したが、何かひっかかっているような表情だった。
「セザールは初めから、ルシファーさまに対して、ため口をきいていましたからね。
あれには、実は、驚いていたんです。
ルシファーさまが今にも怒り出しそうで、いつもはらはらしながら二人を見ていました」
と、ヨハネが言った。
「ところで、ミカエル、お前はグランドマスターを見たことがあるのか?」
と、ルシファーが突然、ミカエルに、尋ねた。
「ないです。たぶんパリスさまでもお会いになったことは無いはずです」
とミカエルは答えた。
「でも、会っていても、今回のように相手が身分を明かさなければ、こっちはわからないですよ」
とヨハネが、ことばをたたみかけるようにして言った。
「それでは俺たちは、圧倒的に不利だということだな」
「何が不利なんです?」
「宇宙連合が、俺たちを疑っているとしたらだよ」
「疑われるようなことを、何もしていないのにですか?」
「お前がアシュラに下された刑の執行を、いつまでもしないから、危険分子としてマークされたのかもしれないぞ」
と、ルシファーは言った。
その言葉に、ヨハネは憮然とした表情で、
「だったら、私は罪人になってもかまいません」
と、きっぱりと言い切った。
その言葉に、ミカエルは笑いながら、あることをルシファーに教えた。
「こいつは今日、プリンス・チャーミングに会ったんです。
私が目を覚まさせようと思って、会わせたんです。
ところが、逆効果でした」
と、ミカエルが言った。
「命の恩人に会いたかった、とプリンス・チャーミングが言いましてね。あのキラー・スマイルの連発だったのです。あのキラー・スマイルには、だれも逆らえません」
「そうか・・・」
とルシファーは言ったが、明らかに哀れむような表情でヨハネを見ていた。
「それからパリスさまも、プリンス・チャーミングと会ってから、なぜか考えを変えられました。
それで処刑は、延期になりました」
とミカエルは付け加えた。
その様子を、ルシファー、ヨハネ、ミカエルの3人は少し離れた場所から見ていた。
「しかし、驚いたな。セザールがマスター・シヴァだったとは・・・」
と、ルシファーは後ろを振り向き、ミカエルとヨハネに言った。
「破壊と再生の神なんだろう? その称号を持つ者は、今、何人いるんだ?」
「何人かいるはずですが、確かなことは、そう多くはないということです」
とヨハネが答えた。
「セザールは、ランク的には、何番目のシヴァなんだ?」
「さあ・・・? 時々、踊りの練習をしてはいましたが、何か見慣れない、不思議な踊りでしたよね。
1番上のシヴァは、現グランドマスターのお気に入りで、頂上委員会の次期グランドマスター候補だと聞いたことがあります」
と、ヨハネが答えた。
「お前、今、次期グランドマスター候補って言ったか?」
「はい。そう聞いています」
「嘘だろ? それに、グランドマスターのお気に入り・・・って、どういう意味だ?」
「息子のようにかわいがっている・・・、と言うことなのではないでしょうか?」
とヨハネが答えた。
するとミカエルが、
「別の噂も、いくつが聞いたことがあります」
と言った。そして、
「グランドマスターの何人かがそのシヴァに執着していて、委員会内部で何かと揉めている・・・、と聞いたことがあります」
「どういうことだ?」
「要するに、そのシヴァを独占したがっているようなのです」
「なぜ?」
「そのシヴァは、とてもエロティックな踊りをするそうなのです。
一度その踊りを見たら、忘れられなくなると言われています。
しかし、その踊りは滅多に見れるものではないので、飢えにもに似た感情に、見たものは囚われるのだそうです」
「じゃあ、セザールは、トップ・ダンサーではないな。
時々踊っていたが、ぜんぜんエロティックではなかったよな、ヨハネ?」
とルシファーは、ヨハネに同意をもとめた。
「そうですね。ただ、昨日のセザールは精霊に襲われて放心状態だったのですが、いつもと違い、こちらが驚くほどエロティックな感じでした」
「そうなのか?」
とルシファーは言い、少し怪訝そうな顔でヨハネを見た。
「それでグランドマスターは、宇宙連合に何人いるんだ?」
とルシファーはミカエルに聞いた。
「13人と聞いていますが、実のところは、よくわかりません」
とミカエルはルシファーに答えた。
「宇宙連合も上の方になると、なかなか情報が出てこないからな」
とルシファーは同意したが、何かひっかかっているような表情だった。
「セザールは初めから、ルシファーさまに対して、ため口をきいていましたからね。
あれには、実は、驚いていたんです。
ルシファーさまが今にも怒り出しそうで、いつもはらはらしながら二人を見ていました」
と、ヨハネが言った。
「ところで、ミカエル、お前はグランドマスターを見たことがあるのか?」
と、ルシファーが突然、ミカエルに、尋ねた。
「ないです。たぶんパリスさまでもお会いになったことは無いはずです」
とミカエルは答えた。
「でも、会っていても、今回のように相手が身分を明かさなければ、こっちはわからないですよ」
とヨハネが、ことばをたたみかけるようにして言った。
「それでは俺たちは、圧倒的に不利だということだな」
「何が不利なんです?」
「宇宙連合が、俺たちを疑っているとしたらだよ」
「疑われるようなことを、何もしていないのにですか?」
「お前がアシュラに下された刑の執行を、いつまでもしないから、危険分子としてマークされたのかもしれないぞ」
と、ルシファーは言った。
その言葉に、ヨハネは憮然とした表情で、
「だったら、私は罪人になってもかまいません」
と、きっぱりと言い切った。
その言葉に、ミカエルは笑いながら、あることをルシファーに教えた。
「こいつは今日、プリンス・チャーミングに会ったんです。
私が目を覚まさせようと思って、会わせたんです。
ところが、逆効果でした」
と、ミカエルが言った。
「命の恩人に会いたかった、とプリンス・チャーミングが言いましてね。あのキラー・スマイルの連発だったのです。あのキラー・スマイルには、だれも逆らえません」
「そうか・・・」
とルシファーは言ったが、明らかに哀れむような表情でヨハネを見ていた。
「それからパリスさまも、プリンス・チャーミングと会ってから、なぜか考えを変えられました。
それで処刑は、延期になりました」
とミカエルは付け加えた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
魔女の虚像
睦月
ミステリー
大学生の星井優は、ある日下北沢で小さな出版社を経営しているという女性に声をかけられる。
彼女に頼まれて、星井は13年前に裕福な一家が焼死した事件を調べることに。
事件の起こった村で、当時働いていたというメイドの日記を入手する星井だが、そこで知ったのは思いもかけない事実だった。
●エブリスタにも掲載しています

せどり探偵の事件
崎田毅駿
ミステリー
せどりを生業としている瀬島は時折、顧客からのリクエストに応じて書籍を探すことがある。この度の注文は、無名のアマチュア作家が書いた自費出版の小説で、十万円出すという。ネットで調べてもその作者についても出版物についても情報が出て来ない。希少性は確かにあるようだが、それにしてもまったく無名の作家の小説に十万円とは、一体どんな背景があるのやら。
デアシスタントス
huyuyu
ミステリー
「― これは生死を分ける戦いです。」
それは、様々なルールで叶望達を◯えていく、残酷で絶望の時だった…
叶望達は絶望の中、彼女は…。
※鬱表現と血の表現がややあります。
苦手な方はブラウザバックをオススメします。
またこの作品へのコメントで、ネタバレ発言は厳禁です。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
死に行く前に
yasi84
ミステリー
死に行く前に、寄る所
穏やかな町に住む人々にも死にたくなるほどの悩みがある。そんな人たちの悩み相談を請け負う、動物を愛する秋山。その手伝いとして働く私。そんな時、山中で見つかる2人の遺体。その遺体が巻き起こす謎が秋山と私を大きく動かしていく。
一話はだいたい1500文字前後が目安で
一応連作短編みたいな感じです。
7月からは毎日更新、休日は二話更新くらいを予定しています。
楽しんでくれると泣いて喜びます。
どうぞよろしく

竜王の花嫁は番じゃない。
豆狸
恋愛
「……だから申し上げましたのに。私は貴方の番(つがい)などではないと。私はなんの衝動も感じていないと。私には……愛する婚約者がいるのだと……」
シンシアの瞳に涙はない。もう涸れ果ててしまっているのだ。
──番じゃないと叫んでも聞いてもらえなかった花嫁の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる