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地球編 第4章 ハリーと運命
第5話 休暇中の伝説の戦士と下宿人
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「いったい、何があったんだ?」
セザールの手を引き、セザールが起き上がるのを助けながら、ヨハネは不思議そうにセザールに言った。
「僕にもわからない。ぶつかるはずがないんだけど、ぶつかった・・・」
「道でも歩いていてか? でも、まったくお前たちの姿は見えなかった」
とヨハネは不思議そうに言った。
「そうだろうな・・・。見えなかったと思うよ。
テレポートしている時だったから・・・」
とセザールはヨハネに事も無げに言った。
「テレポート出来るのか?」
と驚きを持って、ヨハネはセザールを見た。
「隠してたわけじゃないんだ。ただ、べつに話すことでもないだろ。
この広い宇宙では、とりたてて珍しいことではないから・・・」
と言った。
確かに、ある意味、特別珍しいことではなかった。
科学が進んだ星では、すでにそういう技術を開発し、普及している星もあったし、(地球では超能力と言われる)そういう能力を、初めから持って生まれてくる星の民もいた。
「生まれつきのテレポート能力なのか? それとも・・・」
「僕は生まれつきだ。でも僕の星でも、みんながみんなそういう能力を持って生まれてくるわけではない」
とセザールは言った。
セザールが地球で宿にしている、ルシファーとヨハネが住む宇宙連合軍の保養所になっている瀟洒な家に帰ってからも、セザールは昼間出会った不思議な少年のことばかり考えていた。
「ヨハネから聞いたが、昼間、不思議なことがあったらしいな」
と、ルシファーはセザールの様子を見て、セザールに言った。
「そうなんだ。ぶつかるはずないのにぶつかり、相手はほとんど無傷と言ってよほど、ダメージを受けていなかった」
「そうなのか? ヨハネ」
とルシファーはヨハネの方を振り向いて言った。
「その少年に連れがいて、その連れが少年を抱きかかえてそのままどこかへ消えてしまったんです。
私はセザールばかり見ていたので、少年のことはあまり見ていないのですが、その連れは、なぜだかミカエルを知っているらしく、ミカエルを訪ねて、この星へ来たと言っていました」
「ミカエルの知り合いなのか?」
「どうもそうらしいのです。名前はオリオンと言っていました」
「そうか、だったらミカエルに聞くのが速いだろう」
「そうですね。そうします」
とヨハネは答えた。
セザールの手を引き、セザールが起き上がるのを助けながら、ヨハネは不思議そうにセザールに言った。
「僕にもわからない。ぶつかるはずがないんだけど、ぶつかった・・・」
「道でも歩いていてか? でも、まったくお前たちの姿は見えなかった」
とヨハネは不思議そうに言った。
「そうだろうな・・・。見えなかったと思うよ。
テレポートしている時だったから・・・」
とセザールはヨハネに事も無げに言った。
「テレポート出来るのか?」
と驚きを持って、ヨハネはセザールを見た。
「隠してたわけじゃないんだ。ただ、べつに話すことでもないだろ。
この広い宇宙では、とりたてて珍しいことではないから・・・」
と言った。
確かに、ある意味、特別珍しいことではなかった。
科学が進んだ星では、すでにそういう技術を開発し、普及している星もあったし、(地球では超能力と言われる)そういう能力を、初めから持って生まれてくる星の民もいた。
「生まれつきのテレポート能力なのか? それとも・・・」
「僕は生まれつきだ。でも僕の星でも、みんながみんなそういう能力を持って生まれてくるわけではない」
とセザールは言った。
セザールが地球で宿にしている、ルシファーとヨハネが住む宇宙連合軍の保養所になっている瀟洒な家に帰ってからも、セザールは昼間出会った不思議な少年のことばかり考えていた。
「ヨハネから聞いたが、昼間、不思議なことがあったらしいな」
と、ルシファーはセザールの様子を見て、セザールに言った。
「そうなんだ。ぶつかるはずないのにぶつかり、相手はほとんど無傷と言ってよほど、ダメージを受けていなかった」
「そうなのか? ヨハネ」
とルシファーはヨハネの方を振り向いて言った。
「その少年に連れがいて、その連れが少年を抱きかかえてそのままどこかへ消えてしまったんです。
私はセザールばかり見ていたので、少年のことはあまり見ていないのですが、その連れは、なぜだかミカエルを知っているらしく、ミカエルを訪ねて、この星へ来たと言っていました」
「ミカエルの知り合いなのか?」
「どうもそうらしいのです。名前はオリオンと言っていました」
「そうか、だったらミカエルに聞くのが速いだろう」
「そうですね。そうします」
とヨハネは答えた。
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