「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

文字の大きさ
上 下
198 / 234
地球編 第4章 ハリーと運命

第1話 ハリーさま、こんな目立つことをしてはいけません。

しおりを挟む
「ハリーさま、こんな目立つことをしてはいけません」

「なんで?」

「私たちは地球人ではないのですよ。
 不法滞在者です」

「でも、ちゃんと地球人のパスポートも持っているし、問題ないじゃん」

「ハリーさま、問題があるんです。このパスポートは、正規のパスポートではなく、偽造パスポートなんです」

「じゃあ、乗り物になんかに乗って、こんな時間をかけて、まどろっかしい移動をするのはすぐに止めてさ、テレポーテーションで瞬時に移動すればいいんだ」

「ハリーさま、それでは地球人に私たちが地球人ではないことを、悟られてしまします」

「不便な星だなぁ、もう。それにこの星に来てから、づいぶん経ったよ、オリオン。
 いつになったら、フェリーに会えるの?」

「ハリーさま、フェリーさまとあなたに、アメリア女王は懸賞金をかけてまで探しているのですよ。
 それにここは、辺境の星とはいえ、我々の星マルデクが同盟を結ぶ宇宙帝国軍と敵対する宇宙連合軍が支配する星です。目立つことは、とにかく避けてください。それでなくてもハリーさまは、並外れて美しいのですから、立っているだけでも目立ちます」
と、オリオンは人混みにもまれながらハリーの耳元で、囁くように言った。

「それから、ハリーさま、絶対に私から離れないで下さいよ」

「OK」

 そう言いながらもハリーは次の瞬間には、テレポーテーションを使って、どこかへ行ってしまっていた。

「オリオン、ちょっと行ってくるね」

「ハリーさま!」
と、オリオンは止めようとしたが、もうすでに移動した後だった。

 驚き、あわてふためく、オリオン。
 しかし幸いなことに、そのことに気づいた者は、偶然、その場に居合わせたシェリーとヨハネ以外には誰もいなかった。

「あの、すみませんが、あなたに、ちょっと、お話があるのですが・・・」
と、声をかけたのはヨハネだった。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ミステリーSS集

神在琉葵(かみありるき)
ミステリー
ミステリーっぽいお話を集めてみました。

日月神示を読み解く

あつしじゅん
ミステリー
 神からの預言書、日月神示を読み解く

僕は君を思うと吐き気がする

月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。

尖閣~防人の末裔たち

篠塚飛樹
ミステリー
 元大手新聞社の防衛担当記者だった古川は、ある団体から同行取材の依頼を受ける。行き先は尖閣諸島沖。。。  緊迫の海で彼は何を見るのか。。。 ※この作品は、フィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。 ※無断転載を禁じます。

それは奇妙な町でした

ねこしゃけ日和
ミステリー
 売れない作家である有馬四迷は新作を目新しさが足りないと言われ、ボツにされた。  バイト先のオーナーであるアメリカ人のルドリックさんにそのことを告げるとちょうどいい町があると教えられた。  猫神町は誰もがねこを敬う奇妙な町だった。

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。

【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~

tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。 番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。 ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。 そして安定のヤンデレさん☆ ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。 別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。

世界の不思議な扉

naomikoryo
ミステリー
『世界の不思議な扉』へようこそ 目の前の現実とは異なる、少しだけ不思議で謎めいた世界を旅してみませんか? このオムニバスでは、地球上に実在するミステリアスなスポット、歴史が隠した奇妙な出来事、そして科学で説明しきれない現象を集め、お届けします。 荒涼とした砂漠に潜む「サハラ砂漠の目」、 静寂の中に響く音楽が漂う「歌う道路」、 氷の大地で赤く染まる「南極の血の滝」、 宇宙からでも見える奇跡の地形や、伝説と科学が交差する神秘的な現象。 などなど ただし、これらは全てAI(ChatGPT)にて提示された物であり、信憑性についてはあなた自身で解明する必要があるかもしれません!!(^^) 便利でありながら、時には滑稽な回答を導き出すAIと共に、冒険に出てみませんか? ※勿論、ネットで(^^) これらの不思議な話を一つ一つ紐解いていく中で、あなたはきっと、「この世界にはまだ知らないことがたくさんある」と感じることでしょう。 この本があなたの「謎への好奇心」を刺激し、世界をもう一度見直すきっかけとなりますように。 —— あなたの知らない世界が、ここにあります。

処理中です...