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マルデク編 第2章 新しき希望の光ハリー
第13話 アメリアの悪だくみを阻止するために、オスカーは・・・
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「さきほどこちらへくる前に、遠目にでしたが、ハリーさまをお見受けしました。エルフィンにますます似てくるようですね」
とオリオンはオスカーに言った。
「そうなのだ。日に日に、エルフィンに似てくる」
「アメリアさまとて、気づかないはずはないと思うのですが、なぜにご自分の息子だと言い張るのでしょう?
理解できません」
「アメリアはどんなときでも、すべて自分の都合の良いように解釈する。
真実など、アメリアにはどうでも良いことなのだ」
と、オスカーは言った。
「それより、そなたの身の方が、私は心配だ。あのときルカを救うためだったとはいえ、カモフラージュのためにアメリアと一緒に地球へ行き、駆け落ちしたことになっているのはそなただ。アメリアは、ハンネスと駆け落ちしたという嘘を真実に変えるために、そなたを必ず消そうとするだろう」
オスカーの言葉は真実だった。そういう計画があることは、オスカーもオリオンも独自の情報ルートからすでに入手していた。
「私はこんなくだらないことで、そなたを失いたくないし、ハリーをアメリアに渡したくもないのだ」
と、オスカーはオリオンに言った。
「それで決めた。ハリーをエルフィンの時と同じように、地球へ送る」
とオスカーはきっぱりと言った。
「ハリーには好きなクラスメートがいたのだが、ちょっとした事件があり、そのクラスメートは一族の者と一緒に地球へ去ったのだ。その時、ハリーが驚いたことに、その友だちを『自分を犠牲にしてでも助けたい大切な友だちだ』と、私に宣言したのだ。そして友だちをいじめていた王族の生徒たちを相手に、禁止していたフォースまで使って、その友を護ろうとしたのだ。しかし実際は、その友だちがものすごいフォースの使い手でな、逆にハリーがその友だちに助けられた。けっこう笑える話だろう?」
と言ってオスカーは笑った。
「だから私はアメリアの狂言を逆手にとって、ハリーはそのクラスメートと一緒に、どこか別の星へ駆け落ちしたことにする。そしてそなたは私の命令により、ハリー探索のために、秘密の任務についたことにする」
とオスカーは言った。
「だから、すぐにハリーと一緒に、地球へ旅立ってほしい。
明日になれば、アメリアの公式声明が出てしまう。
その前に、旅立つのだ。急げ、オリオン」
とオスカーはオリオンに言った。
とオリオンはオスカーに言った。
「そうなのだ。日に日に、エルフィンに似てくる」
「アメリアさまとて、気づかないはずはないと思うのですが、なぜにご自分の息子だと言い張るのでしょう?
理解できません」
「アメリアはどんなときでも、すべて自分の都合の良いように解釈する。
真実など、アメリアにはどうでも良いことなのだ」
と、オスカーは言った。
「それより、そなたの身の方が、私は心配だ。あのときルカを救うためだったとはいえ、カモフラージュのためにアメリアと一緒に地球へ行き、駆け落ちしたことになっているのはそなただ。アメリアは、ハンネスと駆け落ちしたという嘘を真実に変えるために、そなたを必ず消そうとするだろう」
オスカーの言葉は真実だった。そういう計画があることは、オスカーもオリオンも独自の情報ルートからすでに入手していた。
「私はこんなくだらないことで、そなたを失いたくないし、ハリーをアメリアに渡したくもないのだ」
と、オスカーはオリオンに言った。
「それで決めた。ハリーをエルフィンの時と同じように、地球へ送る」
とオスカーはきっぱりと言った。
「ハリーには好きなクラスメートがいたのだが、ちょっとした事件があり、そのクラスメートは一族の者と一緒に地球へ去ったのだ。その時、ハリーが驚いたことに、その友だちを『自分を犠牲にしてでも助けたい大切な友だちだ』と、私に宣言したのだ。そして友だちをいじめていた王族の生徒たちを相手に、禁止していたフォースまで使って、その友を護ろうとしたのだ。しかし実際は、その友だちがものすごいフォースの使い手でな、逆にハリーがその友だちに助けられた。けっこう笑える話だろう?」
と言ってオスカーは笑った。
「だから私はアメリアの狂言を逆手にとって、ハリーはそのクラスメートと一緒に、どこか別の星へ駆け落ちしたことにする。そしてそなたは私の命令により、ハリー探索のために、秘密の任務についたことにする」
とオスカーは言った。
「だから、すぐにハリーと一緒に、地球へ旅立ってほしい。
明日になれば、アメリアの公式声明が出てしまう。
その前に、旅立つのだ。急げ、オリオン」
とオスカーはオリオンに言った。
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