「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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マルデク編 第2章 新しき希望の光ハリー

第12話 ハリーの秘密

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 マルデク情報省長官オスカー・フォン・ブラウンは、プエル・アルクスの教官として宮殿に送り込んでいた部下から、アメリアの常軌を逸した行動と恐るべき計画を聞き、すぐにオリオンを呼び出した。

「オリオン、またアメリアがおかしなことを始めた」

 その言葉に対してオリオンは、
「私も部下から聞きました。ご子息のハリーさまを、当時オスカーさまと婚約中だったアメリアさまが、ハンネスさまと駆け落ちして地球で産んだ子供だ、と言い出したとか・・・」

「そうだ。まったく、呆れた女だ」
とオスカーは苦々しげに言った。

「しかしなぜ、そのようなことを言い出したのか、理解に苦しみます」
とオリオンは言った。

「子供のいないアメリアは、自分の産んだ子供でなくても、ハンネスの血を引く子供がほしかったのだろう」
とオスカーはオリオンに言った。

「でも、ご子息の父親は、公式には発表はしておりませんが、前総統ユリウスさまです。なぜハンネスさまの息子だと、言い張るのでしょう?」

「そなたにだけは話すが、前総統の妹ぎみがハンネスの母親だったのだ。
 だから総統とは遺伝子的には非常に近いことになる。
 そしてハリーは総統ユリウスから王家の遺伝子を受け継いでもいる。
 アメリアが勝手な筋書きを書けるだけの要素が、運悪くそろってしまったのだ」
 
 オスカーはため息をつきなら、オリオンにだけは、ハリーの秘密を打ち明けた。
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