「光の天使」 光と影のシンフォニー

夢織人

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マルデク編 第2章 新しき希望の光ハリー

第3話 運命の子ハリー

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 かつてマルデクには、黒魔術に支配された暗黒の時代があった。
 その暗黒の時代へ人々を引きずり込んだのは、暗黒王と呼ばれた総統ユリウスだったが、その暗闇の時代を終わらせ、人々を解放したのも総統ユリウスだった。

 その戦いは、実際のところ異世界からの侵入者との戦いでもあった。
 そしてシャンバラ最後の導師ジャドがいたからこそ、勝てた戦いでもあった。

 あの時、オスカーもハンネスも、そして総統ユリウスも、ウィルヘルム卿の黒魔術によって魔界への扉が開かれていたことを知らなかった。しかしジャド師はそのことを、敏感に感じ取っていた。
 そして運良く、ウィルムヘルム卿は宇宙連合の実験星である地球に、あの時、滞在していてマルデクを留守にしていた。その幸運のおかげで、黒魔術に人格を乗っ取られ、封印されていた異世界への扉を開き、マルデクに不幸を招き入れた総統ユリウスが、自我に目覚め、自分を取り戻したのだ。

 ユリウスはすぐに異世界との戦いに身を投じ、開け放たれていた異世界との扉を閉じ、魔界の入口を再び封印した。しかしそれには、大きな犠牲が伴った。

 その異世界との戦いの最前線で、扉を閉じるために総統ユリウスとハンネスが、その命を落としたのだ。
 そしてエルフィンは、自分の命と引き換えに息子を産んだ。
 それがハリーだった。

 オスカーはハリーを引き取り、実子として育てた。
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