181 / 234
マルデク&地球編 第1章 想い遙かに
第28話 オスカーは総統ユリウスを撃つ覚悟だった。
しおりを挟む
総統ユリウスから呼び出しを受けた時、マルデク情報省長官オスカー・フォン・ブラウンは、エルフィンを救うために、総統ユリウスを撃つ覚悟をすでに決めていた。
しかしオスカーを待っていたのは、総統ユリウスではなく、変性期を終える前に子を宿しがゆえに、瀕死の状態にあったエルフィンと、シャンバラ出身の医官にして宇宙一の名医と言われていたハンネスの育ての親、ジャド師だった。
「エルフィンからあなたのことは、聞いております。
ハンネスとはとても仲が良く、あの子の親友だったそうですね。
私はハンネスの育ての親で、ジャド・フィリップ・セスと申します」
と、ジャド師は柔和な笑みを浮かべ、オスカーにその手を差し伸べた。
しかし総統を撃つ覚悟だったオスカーは、はやる気持ちを抑えきれず、隠しもっていた電子銃をジャド師の頭に突きつけ、叫んだ。
「総統はどこだ!」
その時、エルフィンが目を覚まし、オスカーを見て、今にも消え入りそうな小さな声で、喘ぎ喘ぎ、言った。
「オスカー、ジャド師は私たちの味方だ。撃ってはいけない」
その言葉と同時に、電子銃はオスカーの手から、なぜか忽然と消えていた。
驚くオスカーに、エルフィンは言った。
「私ではない。電子銃を消したのは私でも、ジャド師でもなく、このお腹の子なのだ。この子はどうも、特別な力をもっているようなのだ」
と、驚くオスカーにエルフィンは言った。
しかしオスカーを待っていたのは、総統ユリウスではなく、変性期を終える前に子を宿しがゆえに、瀕死の状態にあったエルフィンと、シャンバラ出身の医官にして宇宙一の名医と言われていたハンネスの育ての親、ジャド師だった。
「エルフィンからあなたのことは、聞いております。
ハンネスとはとても仲が良く、あの子の親友だったそうですね。
私はハンネスの育ての親で、ジャド・フィリップ・セスと申します」
と、ジャド師は柔和な笑みを浮かべ、オスカーにその手を差し伸べた。
しかし総統を撃つ覚悟だったオスカーは、はやる気持ちを抑えきれず、隠しもっていた電子銃をジャド師の頭に突きつけ、叫んだ。
「総統はどこだ!」
その時、エルフィンが目を覚まし、オスカーを見て、今にも消え入りそうな小さな声で、喘ぎ喘ぎ、言った。
「オスカー、ジャド師は私たちの味方だ。撃ってはいけない」
その言葉と同時に、電子銃はオスカーの手から、なぜか忽然と消えていた。
驚くオスカーに、エルフィンは言った。
「私ではない。電子銃を消したのは私でも、ジャド師でもなく、このお腹の子なのだ。この子はどうも、特別な力をもっているようなのだ」
と、驚くオスカーにエルフィンは言った。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。
ただ、愛されたいと願った。
そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。


完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!
仰木 あん
恋愛
マリアはエネローワ王国のライオネル伯爵の長女である。
ある日、婚約者のハルト=リッチに呼び出され、婚約破棄を告げられる。
理由はマリアの義理の妹、ソフィアに心変わりしたからだそうだ。
ハルトとソフィアは互いに惹かれ、『真実の愛』に気付いたとのこと…。
マリアは色々な物を継母の連れ子である、ソフィアに奪われてきたが、今度は婚約者か…と、気落ちをして、実家に帰る。
自室にて、過去の母の言葉を思い出す。
マリアには、王国において、異端とされるドルイダスの異能があり、強力な治癒能力で、人を癒すことが出来る事を…
しかしそれは、この国では迫害される恐れがあるため、内緒にするようにと強く言われていた。
そんな母が亡くなり、継母がソフィアを連れて屋敷に入ると、マリアの生活は一変した。
ハルトという婚約者を得て、家を折角出たのに、この始末……。
マリアは父親に願い出る。
家族に邪魔されず、一人で静かに王宮の侍女として働いて生きるため、再び家を出るのだが………
この話はフィクションです。
名前等は実際のものとなんら関係はありません。

探偵は女子高生と共にやって来る・シン
飛鳥 進
ミステリー
私立探偵の熱海 長四郎(あたみ ちょうしろう)と高校生二年生の女子高生羅猛 燐(らもう りん)が直面する事件を解決していく物語である。
(月・水・金の隔日、18時更新)
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて
ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。
【完結】限界離婚
仲 奈華 (nakanaka)
大衆娯楽
もう限界だ。
「離婚してください」
丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広一はそのまま意識を失った。
丸田広一の息子の嫁、鈴奈はもう耐える事ができなかった。体調を崩し病院へ行く。医師に告げられた言葉にショックを受け、夫に連絡しようとするが、SNSが既読にならず、電話も繋がらない。もう諦め離婚届だけを置いて実家に帰った。
丸田広一の妻、京香は手足の違和感を感じていた。自分が家族から嫌われている事は知っている。高齢な姑、離婚を仄めかす夫、可愛くない嫁、誰かが私を害そうとしている気がする。渡されていた離婚届に署名をして役所に提出した。もう私は自由の身だ。あの人の所へ向かった。
広一の母、文は途方にくれた。大事な物が無くなっていく。今日は通帳が無くなった。いくら探しても見つからない。まさかとは思うが最近様子が可笑しいあの女が盗んだのかもしれない。衰えた体を動かして、家の中を探し回った。
出張からかえってきた広一の息子、良は家につき愕然とした。信じていた安心できる場所がガラガラと崩れ落ちる。後始末に追われ、いなくなった妻の元へ向かう。妻に頭を下げて別れたくないと懇願した。
平和だった丸田家に襲い掛かる不幸。どんどん倒れる家族。
信じていた家族の形が崩れていく。
倒されたのは誰のせい?
倒れた達磨は再び起き上がる。
丸田家の危機と、それを克服するまでの物語。
丸田 広一…65歳。定年退職したばかり。
丸田 京香…66歳。半年前に退職した。
丸田 良…38歳。営業職。出張が多い。
丸田 鈴奈…33歳。
丸田 勇太…3歳。
丸田 文…82歳。専業主婦。
麗奈…広一が定期的に会っている女。
※7月13日初回完結
※7月14日深夜 忘れたはずの思い~エピローグまでを加筆修正して投稿しました。話数も増やしています。
※7月15日【裏】登場人物紹介追記しました。
※7月22日第2章完結。
※カクヨムにも投稿しています。
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる