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マルデク&地球編 第1章 想い遙かに
第25話 私はシャンバラ出身の医官で、ジャド・フィリップ・セスだ。
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「今、何と申した?」
総統ユリウスは驚いたように振り向き、部下に問うた。
「はい。半月ほど前に、城に攻め入った3人組のひとりが、恐れ多くも総統さまの知り合いだと申しまして、総統さまに会わせろと言ってきかないのです。
私はシャンバラ出身の医官で、ジャド・フィリップ・セスだ。宇宙大学校で、医術を教えていた“ジャド”と言えば、すぐ分かるはずだと、ずっと叫び続けておりまして、いかがいたしましょうか?」
そして部下はこう付け加えた。
「ジャド・フィリップ・セス、と言えば、シャンバラ出身の医官で、宇宙一の名医、との噂を私も聞いたことがあります。しかしあのものが、その名医かどうかは・・・」
と部下は困ったように言った。
「シャンバラ出身の医官だと?」
部下の言葉に、総統ユリウスは、驚きを隠せなかった。
確かに、大学校に医術を教えていた“ジャド”という教官がいた。
しかし大学校時代、ウィルヘルム卿がシャンバラ出身で、シャンバラからの使いに違いない、と皆思っていた。
だからユリウスはウィルヘルム卿を師と仰ぎ、妹アンジェリーナのことも相談したのだ。
ウィルヘルム卿は、シャンバラから派遣された使者でありながら、シャンバラの掟を破り、王の婚約者であった妹アンジェリーナと恋仲になり、駆け落ちしようとした親友テセウスを成敗せよ、と言ったのだ。そしてそれは正義である、とユリウスに言ったのだ。
しかし、もしシャンバラからの使いがウィルヘルム卿でなかったのならば・・・!
総統ユリウスは、居ても立ってもいられず、獄舎へ急いだ。
総統ユリウスは驚いたように振り向き、部下に問うた。
「はい。半月ほど前に、城に攻め入った3人組のひとりが、恐れ多くも総統さまの知り合いだと申しまして、総統さまに会わせろと言ってきかないのです。
私はシャンバラ出身の医官で、ジャド・フィリップ・セスだ。宇宙大学校で、医術を教えていた“ジャド”と言えば、すぐ分かるはずだと、ずっと叫び続けておりまして、いかがいたしましょうか?」
そして部下はこう付け加えた。
「ジャド・フィリップ・セス、と言えば、シャンバラ出身の医官で、宇宙一の名医、との噂を私も聞いたことがあります。しかしあのものが、その名医かどうかは・・・」
と部下は困ったように言った。
「シャンバラ出身の医官だと?」
部下の言葉に、総統ユリウスは、驚きを隠せなかった。
確かに、大学校に医術を教えていた“ジャド”という教官がいた。
しかし大学校時代、ウィルヘルム卿がシャンバラ出身で、シャンバラからの使いに違いない、と皆思っていた。
だからユリウスはウィルヘルム卿を師と仰ぎ、妹アンジェリーナのことも相談したのだ。
ウィルヘルム卿は、シャンバラから派遣された使者でありながら、シャンバラの掟を破り、王の婚約者であった妹アンジェリーナと恋仲になり、駆け落ちしようとした親友テセウスを成敗せよ、と言ったのだ。そしてそれは正義である、とユリウスに言ったのだ。
しかし、もしシャンバラからの使いがウィルヘルム卿でなかったのならば・・・!
総統ユリウスは、居ても立ってもいられず、獄舎へ急いだ。
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